祓魔師と氷の女王   作:東 恵美

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下手を承知で。
それではどうぞ!


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もしもし。

 

……あぁ、久しぶり。そっちはどうだ?

俺は今から目的地に向かうところだよ。まぁ話はあいつから聞いてんだろ。

 

え?あー、まぁ日常的な会話ならなんとかな。1年いればそうなってくるもんよ。……信じられねぇって思ってんだろ、俺もやるときはやるんだよ。

依頼は順調にこなしてるし、何も心配いらねぇよ。てか、立場逆だろ!ま、お前の方が祓魔師としては上だけど。

 

 

……ん?あいつのことか?

 

 

うん、元気だよ。力のコントロールもある程度効かせられる。出会った時は大人しい印象だったんだけどな……なんつーか、好奇心旺盛なところがあるし、割とガサツなとこあるし。あ、でも頭はいい。あいつとの電話のやりとりとか、俺がつぶやいたぐらいの言葉聞いて日本語覚えちまったんだぜ?肝も座っててさ、依頼も手伝ってもらってる。もちろん危険な目に合わせないよう全力で守ってるけど。

 

 

っと、馬車待たせてるんだった。ちょっと雪山の奥の村なんでな、もう切るぜ。また連絡する。

 

じゃあな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ワリィな、待たせちまって。」

「あぁ俺は構わねえよ。今は天候も安定してるしな。でも、お連れさんが心配そうに顔出してたぜ。さ、乗った乗った。」

 

御者の男は軽快に笑って、青年を馬車の中へと促す。青年が中に入ると、そこに乗っていた小柄な少女がパッと顔を上げた。

 

「待たせたな、シュルヴィア。」

「大丈夫だよ、燐。」

『おそいぞー、燐。』

 

少女は微笑んで言った。その隣にいる黒猫はにゃあと鳴く。

 

真っ白な肌に黒いゴシック調のコートは良く映え、その肌の色白さを際立たせている。黙っていれば精巧な陶人形の様に見えるであろう彼女の美しさは、完璧すぎてどこか気味悪く思う者もいるかもしれない。

 

しかし、こうして笑っている時には年相応にあどけない表情を作り出すのだ。

 

「電話してたの?また、あの、『ジョーシ』って人と。」

「いや、上司っちゃ上司なんだけど……いつもの奴じゃねぇ。寒くねぇか?」

「ううん平気。……『ジョーシ』っていっぱいいるの?」

「まぁな。」

 

御者がムチを鳴らし、馬が進みはじめる。馬車は一度大きく揺れた後、規則的なリズムを刻み続けた。

 

 

こうして青年と少女は、雪山の奥の小さな村へと向かっていったのである。

 

 

 

********

 

 

「おぉ……よぅ来てくださった。村へようこそ。」

「称号中一級、特別派遣祓魔師の奥村 燐です。よろしくお願いします。」

 

青年ーー燐は話しかけられた長老らしき男性に頭を下げて言う。祓魔師の厚い制服を身につけ、その胸には祓魔師の証が付けられている。肩には袋状のケースに収められた剣をかけていた。

 

「あの……そちらの子は……?」

長老の横にいた、こちらは30代後半ほどの男性が、少女ーーシュルヴィアを不思議そうな目で見た。ちなみにシュルヴィアは燐の背後に身を隠し、男性と目が合った瞬間バッとその顔を隠した。

燐はその様子を見て溜息を一つつき、言った。

「私の助手です。正当な祓魔師ではありませんが、腕は確かです。ただちょっと人見知りで……」

燐は背中から無理矢理シュルヴィアを引き剥がし、前へ向けた。顔を赤らめ、目線を下に落としつつシュルヴィアは蚊の鳴くような声で「し……シュルヴィア・カッサンドラですっ……」というと、またすぐに顔を引っ込めた。

「そうでしたか。お二人ともお若いのに、実力があられるのですなぁ。これは期待できる。」

「依頼はきっちりとこなしますよ。」

 

挨拶も早々に、二人は長老の館へと案内された。






名前は最初『シルヴィア』だったのですが、これは英語圏の名前のようで、北欧だと『シュルヴィア』でした。言いにくい……

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