勢いでそのまま2話目。
でも本当にテストやら模試やらあるので次回はちょっと空くかな。ああさっさと書いてしまいたい。
それではどうぞ!
「だぁーーーっ、はぁ……疲れたー……。」
日もとっぷりと暮れた現在、燐とシュルヴィアは館の宿泊用の部屋にいた。
村に着いたのが正午頃。その後は館で長老ら幹部と食事しながら退治する悪魔についての話を聞き、村人達から更に情報を集めていた。
小さな村なので、村人自体は多くない。しかし一人ひとりの話は辻褄の合わない点ばかりでまとめようにもまとめられない。元々、そういうまとめ作業は燐の最も苦手とする作業だ。そして、燐の疲労の一番の理由としては、異国の言葉で、なおかつ祓魔師の威厳のようなものを守るべく振る舞うことーーー言葉使いに態度に気をつけていることだった。
「言語はもういいとして、あーいうかっちりしたのはどうも合わねぇな。」
学生時代の自分では考えられなかったことだ。
まぁ、雪男をはじめとした級友にしごかれた結果なのだが。
「はいクロ、ご飯だよー。」
『ありがとう、シル!』
にゃーんとひと鳴きしてそういうと、燐の使い魔ーー猫又のクロはシュルヴィアから出された夕飯にがっつく。
クロは『シュルヴィア』という発音がどうしても出来ず、色々と模索した結果、彼女を『シル』と呼ぶようになった。たまに燐もそう呼んでいる。
「燐には紅茶ね。」
「あぁ、ありがっ……」
書類片手にカップを持ち上げ、注がれた紅茶を飲もうとした燐は唇に感じた冷気に傾ける手を止めた。おそるおそる中を覗く。
そこには薄い氷の幕を張った紅茶が入っていた。カップを揺らすと液体の揺れる感触がある。中は液体のままのようだ。氷の幕には雪の結晶の模様がくっきりと浮かんでいた。
……やってくれるじゃねえか。
シュルヴィアへと視線を移すと、お盆で顔を隠しているものの、笑いをこらえているのがわかる。表に出ていた時には全く見せなかった、非常に子供っぽい顔だ。
「ふふっ、びっくりした?」
「完全に油断してたぜ。」
「ごめんごめん。はい、こっちが燐の。」
そう言って彼女はもう一つ、別のカップを燐へと差し出す。なるほどこちらは湯気が出て遠目にも暖かそうだ。
「模様とか作れるんだな。」
「うん、そこだけ意識を集中させるの。」
凍ったカップを持ち、シュルヴィアは手をかざして横へスライドさせる。パキ、シャリなどと音を立て、手を離した時には紅茶の氷はすっかり砕け散って溶けていた。彼女はそれを美味そうに飲む。
「に、しても……正体が全然掴めねー。数が多いってことか?そんな気配は感じねぇんだけどなぁ……。」
ーーあれは獣だ!毛むくじゃらの醜い化け物だよ!
ーーいや、あれは鳥だったよ。それも、普通の鳥なんかじゃねぇ。恐ろしい速さで飛んでいたんだ、思い出しただけでも震えが止まらねぇよ……
ーーえ?実体なんかあるものか。あれは幽霊よ。吹雪をおこして、私達を雪山に閉じ込めるつもりさ……はやく、殺しておくれ!
「長老さんは、よくわからないって答えだったし……うーん、これじゃ探せないよね……。」
「てか、長老がわかんねぇっておかしくねーかぁ?依頼しといてそりゃねえだろ……。」
書類をテーブルに放り投げ、燐はソファに寝転がる。
『なぁ、燐。さっき廊下歩いてたらさー、なんか人がいっぱいいて喋ってたよ。そのチョーローって奴のこと。』
「お前なに呑気に……で、なんて言ってたんだ?」
『えーっと……「チョーローがやっと祓魔師を呼んでくれて助かった」って。へへへ、なんかカンシャされてるみたいだった!』
「ーーーやっと?」
シュルヴィアが首を傾げる。
燐はがばっと身を起こし、クロへと目を向けた。
「く、クロ!他にはなんか言ってなかったか⁈」
『え?うーんと……「なんで今まで呼んでくれなかったんだろう」とかも言ってたな。』
2人は顔を合わせた。
「明日、長老にまた話を聞きに行こう。何か隠してる可能性がある。」
シュルヴィアがクロと会話出来ていることに気づいた方は素晴らしい。いやすぐわかるかな?
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