紅髪の奇才と、藍眼の白騎士…たまに鬼神   作:天海 ヒロト

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第九十五話 夜の始まり 黒の彗星

ー朔夜sideー

 

ーガチャッー

 

見慣れたドアを開く...開いたのは俺だったが先に入ったのはランだった。

 

ラン「皆、久しぶり。」

 

ランの声に皆が振り返る。姿がランであるとわかった瞬間この世のものではないかのように目を見張る...それもそうだろう。なぜならランのことは─

 

ユウキ「お姉ちゃんって死んじゃったんじゃ...」

 

─こういうふうに俺が伝えていたからだ...いやまぁ、俺が言った訳では無いのだが...

 

ラン「ヨル君ったらしっかり伝えていなかったのね」

 

聞き捨てならないな...なんのためにはぐらかしたって思ってる...お前が当たり障りのないように頼んだからだろ...!!

 

ラン「そうだそうだ...こっちに来てよ、ナイト!!」

 

俺が呼ばれランの元に俺がいく...するとチラホラ

 

「あの無銘剣...だよな?」とか「アイツに似てない?」とか聞こえる...

 

ナイト「あ~...多分分かってるとは思うが...俺は無銘剱のnightだ。訳あってこの1年...いや正確に言えば結成からだから3年間、共に過ごしてきた。」

 

ラン「もー、まどろっこしいでしょ!!」

 

ナイト「あー...仕方ねぇなぁ.....俺は無銘剱のnight。いや、以前は...スリーピングナイツ、前副団長 ヨルだ。皆、久しぶり」

 

ローブをとり素顔を晒す...すると各々がこちらへ興味を示した.....が

 

ラン「.....ユウキ?どうしたの?」

 

ユウキ「いや...お姉ちゃん、この人...誰?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー唐突に爆弾が投下された。

 

ナイト「.....やはりな。こうなることは予測できていた、ラン...賭けは俺の勝利ってことで後でご飯でも奢れ。後、俺は少し外の空気を吸ってくるから、姉妹で積もる話でもしていてくれ。」

 

そうして俺は外に出た。

 

 

 

 

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俺が外へ出てしばらくした...するとジジジッ.....

 

俺のアバターが不意に揺らぐ...外部からの接触があったようだ...ランがログアウトして俺の事を起こしでもしたのか?それにしては随分とラフな方法だな...そう思い俺は自主的にログアウトした。

 

 

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朔夜「...暗いな.....夜の...始まりだな。」

 

ぼそっと呟くが頭の中ではこの異変について思考を張り巡らせていた

 

朔夜(...にしてもおかしい...ここが室内で夜ってのも加味しても.....この空間だけ.....)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朔夜(暗すぎる.....!!)

 

俺はふと時計をみる...時間の概念がぶっ飛んだのかと錯覚するも時計を見ると時間はそこまで経っていない...もう1つ異変があった。それは音の消失だ。あっちの世界に行くまで喧騒さえあったあの空間から音が消失していたのだ。

 

 

横を見ると藍子は未だあっちの方に居るようだ...なら誰が...??

 

 

 

不思議なまま無闇に他の部屋に行くのも良くないことは分かっている。だが俺の腹部は悲鳴をあげている。

 

 

ーガチャッ...

 

 

ドアノブひとつひねるのにも不思議と重みを感じた。リビングへ向かうと不思議な光景が広がっていた。

 

俺の絶対領域とも取れるキッチンに人影があり、テーブルには美味しそうなご飯が並べられていた。

 

朔夜「.....これは...全て君が??」

 

─我ながらおかしな質問であるとは思う...だがふと口から出たのだ。

 

影から音もなく現れたものは女神と名乗られても信じてしまうほどの人であった。

 

??「私はあなたと結ばれるために生まれたもの...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー俺と.....結ばれるため!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

刹那俺の目の前には彗星が如き美しき瞳が映っていた。

 

 

ー朔夜sideoutー


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