入学式のリハーサルも滞りなく進みリハが終わる─
朔夜「...ここで再会してから早2年か...」
真由美「あの時は聞き覚えのない名前だったけど...」
朔夜「いつでも聞きなれた苗字に変われるさ...七草朔夜...なんてね」
真由美「あなたには幼少期から適わないわね...」
朔夜「あの時はまさかあの真由様だとは思いもしなかったけどね...こんな二科生の...それも最低点入学者のソレに主席次席...名前のしれたメンツが話をしにくるとはまさか思うまい」
真由美「私もまさか朔夜君が御影 朔夜君だなんて思いもしなかったわ。初めは時近、次は十六夜...最後は御影。相当表情が似ているけど苗字が御影じゃなかったから貴方が朔夜君だって分からなかったな~」
朔夜「珍しい名前だと思うんだけどなぁ。しかもこんな武装してるの俺だけだと思ってたんだが...」
真由美「...天文学的数値で人違いってこともあるでしょう?」
朔夜「ま、それを言われちゃなんも言い返せねぇがな」
真由美「.....頼んだわよ」
朔夜「任せとけよ。二科生最下位の男が一科最上位の生徒会長に頼み込まれては、誰であろうと叶えてやるのが当然だろう。誰にも気付かれない魔法を見せてやるさ」
真由美「今度はどんな風に私を驚かせてくれるのかしら。」
朔夜「俺にもキャパの限度ってのがあるんだ。真由レベルの魔法士をそう易々と驚かせるネタがあるわけなかろう?」
真由美「それでも私の朔夜君だし...」
朔夜「...まぁ使用人だから真由のものではあるが...俺が使用人ってのは嫌じゃなかったのか?」
真由美「当たり前じゃない。だって私はあの頃から...」
朔夜「なんだ?」
モジモジする真由美...もちろん朔夜には理解不能である。
真由美「なんでもないわ」
朔夜「...まぁいいや。もうすぐ入学式だし、また後で聞かせてくれ。」
そういい朔夜は自分の座席へ戻って行った─
真由美「.....こんな私にいつもありのままを見せてくれるのは君だけなんだよ?.......朔夜君...」
摩利「ん?朔夜がどうかしたか?」
真由美「なんでもないわよ?」
摩利「...私の目は誤魔化せんぞ?」
真由美「分かってるわよ。また相談にのってよね」
摩利「はいはい、こういうのは私の方が先輩だからな」
...摩利は全てお見通しのようだ。
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入学式が始まる...一年の答辞の言葉を終える...
朔夜「...(深雪ちゃんの言葉...中々に際どかったぞ??今年の一年にもそういう考えの持ち主が少なからず居るってことだな。だが、その振る舞いが確実にこの世界を掌握している...そんな雰囲気を感じ取れる)」
真由美「...(いつぞやの私を思い出すわね...)」
『続きまして在校生代表3-E 御影 朔夜君による送辞です。』
達也「...(あえて二科生を採用したのか)」
アナウンスが流れる...だが当の本人は現れない...
真由美「(ちょっと朔夜君!?こんな時に何してるの!?)」
カツッカツッカツッカツッ...
??「おい誰だよ...」
不安が煽られる...
??『新入生の皆さん、御入学おめでとうございます。』
どこかからマイクを通じて声が届く
─ジジッジジジッ...
ふと舞台から姿が現れる
??「なんだよその魔法は...」
??「そんなもの開発されているわけ...」
朔夜『まず最初にこのような子供だましに付き合っていただきありがとうございます。先程の原理はただのマテリアルギリー 魔法ではございません。ですが皆様はこれを魔法と錯覚しています。これはひとえにこの学校が魔法実力主義たるものだからでございます。当校の生徒会長でもこれを初見で見破れはしませんでした。』
その場に静寂が訪れる...
朔夜『私のクラスを聞いてわかるかとも思いますが私は二科生でございます。ですがあくまでもそれは魔法技能においての話。このような搦手があっては一科の人であろうと騙し取れるわけです。この学校に一科二科という差を顕著に表す花弁。その真相は初めの制服を急遽増産しなくてはならなくなりその臨時の招集組がその制服に袖を通しただけの事です。つまりその些細なことに皆さんは揺さぶられていたということです。』
─騒然とする。だが送辞は終わらない
朔夜『入学生の皆さん、一科二科も関係なく切磋琢磨し良き高校生活を送って下さい。そして魔法とはただの手段に過ぎず本質に意味があると勘違いしないよう肝に命じつつ魔法技能 そして工夫を在校生に遺憾無く見せつけてください。最後になりますが私の話したことに文句がある、反論があるものがいましたら是非私に戦いを挑んでください。そして考えに詰まったり悩んだりした際は是非在校生を頼ってください以上をもちまして送辞とする。3年E組 御影朔夜。』