新学期が始まって三日目。ここは第一高校前駅。名の通り第一高校の最寄り駅である。
達也「先輩、おはようございます」
達也が相対しているのは朔夜であった。
朔夜「達也、おはよう。深雪ちゃんも元気かい?」
達也の隣にはもちろん深雪がいた。もっと言えば深雪以外もいたが朔夜はいかんせんよく分からなかったのである。
深雪「おはようございます朔夜先輩。私は元気でございます」
相変わらず深雪は礼儀が正しい。朔夜はそう思いつつ後ろにいる人を目視する。
朔夜「(あれは...昨日のメンバー...深雪ちゃんを元に変なしこりを産まなかったら良いのだが...)」
そう考える思考は不意に吹き飛ばされる...
??「朔夜くん。オッハヨ~」
ドスッ...と脇腹に入る衝撃。こんなことをするのはただ一人だ。
達也「会長。おはようございます」
真由美であった。
真由美「達也くんもオハヨー。深雪さんもおはようございます。」
朔夜「...どうした?みんなして意外そうな顔をして」
朔夜と真由美は心底不思議そうに首を傾げる。
??「恐らくお前達二人が付き合っているように見えているのだろう」
また後ろから声がまた聞こえる
真由美「また摩利はそうやって変なことを言う」
朔夜「まったく困ったものだ。変なことを吹き込んでくれるな」
摩利「何が変なことだ。この環境を見れば恋愛に疎いやつであろうとそういうに決まってる」
この環境...それは朔夜の腕に身を寄せる真由美の姿。
達也「...(どう考えても付き合っている男女のソレだが...)」
真由美「別に朔夜君が良ければそんな関係もいいのだけれどねぇ」
朔夜「そうか、それなら...」
そういい朔夜はぐいっと詰め寄る...そうして真由美の腰に手を回し─
朔夜「...主従の関係を消し去りお前の全てを俺のものにする...という事もアリかな」
不敵な笑みを浮かべつつ言う
達也「この場での不純異性交遊は望ましくないと思いますが」
達也の発言で真由美が放心状態から元に戻る
真由美「朔夜君?からかってるつもりかしら?」
真由美の背後からはただならぬオーラが出てくる。朔夜は続けて─
朔夜「からかう?何を言っているんだ?あの頃から言ってたろ?」
─耳元に顔を寄せて呟く
朔夜「...真由の顔はどんな時でも可愛いし美しい...是非とも婿入りしたいものだ」
真由美「」
あまりの衝撃に真由美はフリーズする
摩利「自分の脳内をフリーズさせてどうする」
朔夜「戻ってきそうに無さそうだな。すまんな皆、こんな会長だけど俺の主人なんだ。よろしくな!!」
そういい朔夜はフリーズした真由美を抱えて走り出した。
達也「...皆」
達也が口を開く
達也「とりあえず登校するか。」
摩利「...君はあの光景が気にならなかったのか?」
達也「...普段から先輩の話を聞いていれば必然的に慣れもしますよ」
摩利「...それもそうだな」
摩利も溜息まじりに歩き出した。
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朔夜「すまない、十文字はいるか?」
3-Aのクラスルームに響く声、1人の巌のような男が反応する
十文字「どうした、朔夜.....何をしていたんだ」
眼前の光景に思わず口を挟む
朔夜「特には何も無いのだが真由がフリーズしたんだ」
十文字「...七草は何も無い時にフリーズはしないと思うのだが」
朔夜「...まーまー気になるなら摩利にでも聞いとけって。俺はもう授業にいかないといけねぇから任せたぜ」
十文字に真由美を預けるとその真由美の頬に
朔夜「我が心は貴女の元に、その因果のみは不変の物だ。」
軽く唇をあてがい直ぐに離し─
朔夜「ではまた昼に」
十文字「あぁ。その頃には七草も戻っているだろう」
朔夜は自分のクラスルームへ向かっていった
十文字「.....それにしても七草も可哀想なものだな。ピンポイントであの場面で目覚めるとはな」
十文字はそうボソッと呟くのであった。