紅髪の奇才と、藍眼の白騎士…たまに鬼神   作:天海 ヒロト

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-5th- ツヴァイ

時刻は12時を少し過ぎる頃。朔夜の手持ちのディスプレイにひとつの通知が下りる。

 

『講義が終わり次第生徒会室に来ること』

 

朔夜「...(こんなことを書くのは真由に決まってる。仕方ない、行くとするか)」

 

朔夜の講義はもう終わっていたので朔夜はそのまま生徒会室へ直行した

 

 

 

 

 

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生徒会室につき朔夜はノックもせずに入る。この時間で生徒会室にいるのは自分だけだと理解していたからだ。

 

─ガチャッ─

 

扉を開く...すると正面にいないはずだと思われていた部屋に一人だけ存在していた。

 

朔夜「おやおや随分と早いねぇ...コーヒーでもいかがかな?鈴音」

 

鈴音「デザートと共に頂こうと思います」

 

朔夜「おっと、それは失礼。」

 

そういい朔夜はコーヒーをカップに注ぐ

 

朔夜「そういや、鈴音は入学当初から相当変わったな」

 

鈴音「あなたも相応に変わってますよ」

 

朔夜「それだけ俺の事を見ててくれてるってことか?可愛いねぇ、鈴音も」

 

鈴音「...それだけ聡いのなら気付いてください」

 

朔夜「俺にとっては難しいものだからな。真由のような綺麗な心を貰うのも鈴音みたいな綺麗な...一輪の花を摘むのもね。」

 

鈴音「...添え膳食わぬは男の恥ですよ?」

 

ほんの少しだけ頬を赤くしながらそれでも冷静に言い放つ。

 

朔夜「...そのようなつもりはなかったのだが...そう思われちゃ仕方ない。」

 

朔夜はコーヒーを机に置き─

 

朔夜「今この場にある物を頂いても良さそうだな」

 

─鈴音に近づいてじっと見つめる

 

鈴音「...準備出来ていないんですが」

 

朔夜「...この現状を鑑みてもか?」

 

鈴音は黙り込む

 

朔夜「この密室空間、そして今いるのは俺と鈴音だけ。静寂なこの空間...それでもこの場が添え膳ではないと言えるか?」

 

 

鈴音「...それなら私を気遣ってください」

 

朔夜「あぁ。」

 

そういい朔夜はさらに顔を近づける.....

 

 

2人の唇が触れ合うまで3cm...2cm...1cm...

 

朔夜「.....そろそろか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

??「だめぇぇぇぇぇぇ!!」

 

 

突然声によって遮られる

 

鈴音「会長、どうされましたか?」

 

声の主、七草真由美は朔夜の腕に手を絡める

 

真由美「朔夜君!貴方は私のものなのよ!!」

 

鈴音「聞き捨てならないですよ。別に会長だけのものじゃないと思いますが」

 

朔夜「..確かに誰のものでもないと思うんだが?」

 

真由美「朔夜君は私の...私だけの従者なの!!」

 

朔夜は苦笑を浮かべる

 

朔夜「それはそうだがなぁ...」

 

鈴音「それでもそれは主従まで。所謂恋仲には発展しません...こればかりは負けられません。たとえ会長が相手であろうと」

 

鈴音は静かに...それでも強く闘志を燃やしている

 

真由美「リンちゃん...えぇ、望むところよ...こればかりは私も負けられないわ。家のしがらみなんて関係ない。私とリンちゃんだけの戦いよ。」

 

真由美もまた闘志を燃やしている...

 

朔夜「...ただからかうつもりだったんだがなぁ...鈴音、真由美」

 

真由美「何かしら?」

 

鈴音「なんでしょう」

 

朔夜「俺のどこがいいんだ?こんな魔法士崩れの一般兵...名門たる2人の心に響くほどではないと思うのだが。ただ一つの魔法もとても使えたものじゃないしな」

 

彼の一言で再び静寂が訪れる

 

真由美「...何も分かってないの?朔夜君は」

 

朔夜「ん?あぁ、サボり気味なこんなやつ勤勉な二人に比べちゃならねぇ程だしな...二科生だし。」

 

鈴音「.....1年の時のモノリスコードを覚えていますか?」

 

朔夜「.....それなりにはな。」

 

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─二年前、当時1年の朔夜はマーシャルアーツの技術、その他様々な資質を買われ(おおかた真由美によるプッシュによる)モノリスコードの参加メンバーとして九校戦のメンバーにただ1人の二科生として選出された。

 

真由美「今回貴方を選出したのは主に2つあります。ひとつは、貴方の身体能力です。十師族にも引けを取らないそのポテンシャルに期待を込めての選出です。そしてもう1つは...」

 

朔夜「...何かな?」

 

真由美「時近 朔夜君...貴方を私のCADの調整士として選出するためです。」

 

朔夜「...なんでまた俺を...調整なら一科の市原や上級生の方が優れていると思うのだが?」

 

朔夜の疑問も最もだ。二科の技術はどう足掻いても一科の技術に追いつけない...月日が経てば尚更だ。

 

真由美「...貴方のことを入学式当日調べあげました。時近 朔夜...いえ本名は十六夜 朔夜。魔法技師としての能力は高くペーパートップ...ペーパーのトップは私じゃない時点で十文字君位かと思ってたのだけど、まさかあなただったとはね」

 

朔夜「へぇ...なかなかやるじゃん。だがそれでは俺が首を縦に降るまでには行かないな」

 

真由美「...叩かれるのではないかと?」

 

朔夜「あぁ。新人戦とはいえ二科生を採用するのは前例のないこと。それを押し通すと言うなら、反発は増大する。」

 

真由美「あくまでも本質は魔法技師サイドの採用です。それでも反発はあるでしょうが競技者としてよりは少ないでしょう...」

 

朔夜「...」

 

真由美「それに競技者サイドの採用希望は十文字君が出るモノリスコードのみです。」

 

朔夜「.....楽しそうだ」

 

真由美「えっ」

 

思わぬ返答に真由美はキョトンとする

 

朔夜「今までに類を見ない試み、それでいてリスクマネジメントはしっかり施されている...なら失敗を恐れず大胆に行動できそうだ。それに─」

 

朔夜は真由美にずいっと近づく...

 

朔夜「─総代にここまでしてもらったんだ...必ず勝ちを、いやそれ以上のものを君だけに贈ろう。約束するさ、幸せにすると。」

 

朔夜の決意で充ちた言葉の数々に真由美は思わず─

 

真由美「」

 

─フリーズした

 




次回は九校戦です(二年前の)
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