─朔夜side─
新たなカードリッジを見つめる...『reflect』─反射と書かれている白色のカードリッジを装填する。
十文字「リフレクト...そのままの意味か?」
「いやいや、そんな大層なもんじゃないさ。物以外の反射の式は複雑なはずだ。やる前から避けるべきものだと感じた。そこで、ある程度の魔法式の骨組みをカードリッジにおとしいれた。そしてそれに引っかかる魔法なら吸収、再構造、射出する。この工程を基準にあたかも反射を思わせる。そうすれば、相手は魔法同士でのぶつかり合いでは勝てないと思わせれる...はず」
辰巳「...反射まがい...というか、これはこれで大きな魔法じゃない?」
「いいや、この魔法式の消費する魔法部分はあくまでも吸収、再構造、射出のみ。吸収が起動する魔法式の骨組み自体はカードリッジが記憶してるから少ない想子消費量で起動はできる。」
十文字「...相変わらずというか魔法式がどこか斜に構えたルートでの式だな。」
辰巳「今度是非CADのメンテと魔法式のブラッシュアップをして欲しいものだね」
「暇な時があればいつでもいいぞ。俺も辰巳の魔法式とかに興味はあるしな」
十文字「さて、雑談も程々にして。試合が始まるぞ」
辰巳「相変わらず俺がオフェンスで朔夜がセンター、十文字がディフェンスだよな」
「後ろは任せろ...と言いたいところだが一つだけ御しきれるか不安な物があるからそれを放つ時は、インカムで1報だけ入れておく。」
辰巳「楽しみに待っておくとするよ。」
─ビビーッ!
─朔夜sideout─
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「カードリッジが...白?」
麦野は朔夜が装填したカードリッジの色が自分の見たカードリッジの色と違うことに違和感を覚えた
「隣に失礼してもいいかしら?」
左の方から声が聞こえたためそちらの方へ顔を向けるとそこには先に朔夜の部屋にいた女がいた。
「ここは一般観戦席だぞ?」
暗に座るなと言った麦野に対して
「いいのよ別に。」
それを一蹴して隣に座る真由美。
「...ほんと、朔夜の能力は綺麗だ。」
「...そうね」
「んで?何か用があってここに来たんだろ?要件はなんだ?」
「...麦野さんであってるわよね?」
「あぁ。」
「あなたと朔夜くんの関係はどんな関係なんですか?」
身構えた割になんてことない質問が来て麦野は少し返答するのが遅れた
「.....私と朔夜の関係?朔夜は私にとっての命の恩人さ。」
「命の...恩人?」
「あぁ...いや、それ以上の存在だ。」
「...」
「何が面白い?」
「いえ、朔夜くんはどこまでも朔夜くんだなぁと。」
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─朔夜side─
「...つまんねぇなぁ...」
思惑自体は的中していた。いや、的中しすぎて敵がこっちを見向きもしなくなった。ここまでスルーを決められると味気ない。相手も一人がディフェンスをしているのか、人数不利を背負わされている訳では無い。それがつまらなさを加速させていた。
「リフレクト、停止。」
カードリッジを抜き取りまた別種のカードリッジを装填する。
「辰巳、うしろ気をつけな!!」
そういい俺は想子を大量に消費して引き金を引いた
光がフラフラと俺の横を舞う。
「貫け!」
俺の声と共に光が敵の方へ真っ直ぐに飛んでいく。だがその間に辰巳はいる訳で─
「プリズム」
光が屈折する。辰巳の進行方向を生き物かと思わせる動きで回避していく
「削ぎ落とせ」
敵の水下めがけて光が進む。何故か質量を保持する光は敵の水下を抉った
辰巳「やれやれ、気をつけるもなにもないじゃないか!!」
そういいつつ敵を一人倒していく。
「念には念を入れる、当然だろう?」
辰巳「それで、これはどういうことなんだ?」
「どういうこと...とは?」
辰巳はため息混じりに
辰巳「あの光のことだよ。貫かずにその場に留まっていた。そして相手は衝撃を吸収せずに仰け反らせていた。これは...電撃、かな?」
「ご明察。敵が仰け反ったのはスタンしたってこと。」
辰巳「もう一人も倒れているけど?」
「出力を上げれば一撃で意識を刈り取れる」
辰巳「うーん、考え方が傭兵に近いなぁ」
そういう辰巳も慣れた作業でディフェンスの1人を挟み撃つ。
─ビビーッ!─
─朔夜sideout─
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「結局あれは使わず...かしら。」
「あれ...とは?」
麦野のつぶやきに真由美が反応する
「反射を落とし込んだカードリッジよ」
「...確かにあれは反射にしてはタイムラグが存在していたけど...」
「反射との速度差を利用するつもりなのかしら。」
答えのない疑問は虚空に消える...