ー颯魔sideー
颯魔「突き貫く!!」
綾翔の切っ先で突きを見舞う...もあっさりと避けられるそこに雷撃を落とそうとしてルーンを撒く...寸前
リリィ「貴方には銃殺刑がお似合いよ!!」
ピアスらしき一弾。食らえば鎧も貫く一撃だ、当たるわけにはいかない。だから——
颯魔「もう一度だ」
ルーンを誤爆気味に撃ち、鉄が柔らかくなった...そこに突き【神影 死散】を入れて何とか斬り払う...とここでさらに3発撃たれる
颯魔「無駄打ちは...」
——よせ。と言い綾翔をそのまま置いて3発纏めて斬り捨てる...が
颯魔「グッ!?」
ドスッ!!という音とともに二つに割かれた弾が両肩に突き刺さる
——見えたのは
一発目...二発目と何ともなく真っ二つに割かれる...三発目も無事に割かれた。しかし、割かれた後の弾道が前の二発とは違いあまり横には拡がらなかった。理由は弾の質、前の二発は通常の鉄製。三発目はゴム製の弾だった。斬ったあともほんの少しだけ刀に残り...結果
肩に打撃の様な一撃を見舞われた...という事だろう
颯魔「...油断し過ぎたな。でも——」
不思議そうにする彼女の両サイドから
ーバスバスッ!!ー 一撃をみまった銃を挟み撃ちする。
颯魔「それは、お前にも言えたことだ。さて、両肩を一時的だがやった俺と武器をひとつ失ったお前...どっちが勝つんだろうなぁ!!」
言うと同時に距離を綾翔の間合いまで詰めて——
颯魔「俺が銃殺刑ならお前は絞殺刑がお似合いだ!!」
そう言い綾翔の棟の部分で首を幻影と挟み打つように薙ぐ
奴は俺の視界の下側に消える...そのまま撃ち抜くつもりなのだろう、新たな銃を抜き撃つ構えを取る。もちろんやらせる訳にはいかないので——
颯魔「邪魔だ」
綾翔を薙いだ体制から流れのように足元を蹴り払う。もちろんただの蹴りが故当然が如く避けられる。だが、避けた距離が短い——
颯魔「舞え!」
慣性をやや利用し回りそこから体を捻り綾翔を下から上に——
ーピシッー
——肩に違和感があるがそのまま振り上げる
リリィ「速い!?」
肩を痛めているため速度は落ちるがそれでも前の二つの行動の慣性を利用しているためそれなりの速度は出ている。これは、直撃コースだろう。そのまま身体の中心を捉える...と思いきや——
リリィ「よっと!」
颯魔「何ッ!?」
避けて着地をする...という算段の元、鋒で抉るはずだった。が、リリィが取った行動は着地時に脚全体の着地でなく、踵を当ててそこから後に身体を預けるように倒れた。結果——
ーサッー
——クリーンヒットすることなく、掠める程度になってしまった。
リリィ「.....何で」
リリィの言葉はここで潰える。気になり凝視する...後ろ向きに倒れながら身体を丸めて再び立ち上がる彼女を見ると——
颯魔「!?」
——斜めに下から上に振り上げた一撃は服を掠め、胸近くの部分が裂かれていた。
リリィ「私に甘すぎよ!!」
何も言われてないがなにが言いたかったのかは分かる。致命的一撃を与えるのが敵として当然...にも関わらず、俺の振り上げたコースは当りはすれど致命傷を負わせるコースではなかった。
颯魔「.....済まなかった。」
これは敵に情けをかけたからではなくただ、単純に年頃の女性の服だけを切り裂いてしまったことに対しての謝罪だ。
リリィ「いいのよ、別に。」
颯魔「そうか...」
形式的とはいえ許しはもらった。ふと疑問に思った。
颯魔「そういやなんでお前らは朔夜を兄弟として取り込もうとした?婚約者として取り込めばよかっただろうに」
それに対してリリィは少し考えたような雰囲気を纏い——
リリィ「確かにそれの方が良かったわ。でも、私たちは二人とも彼を好いていた。でもここでは重婚は認められない...だからこの立ち位置に甘んじているの.....とは言うものの、本当は朔夜意志を尊重してあげたかったの。行動は真逆だったけどね。まして私たちは十年間姉弟をしてきたの、この関係が一番落ち着くの」
——そうだったのか...そんなことになっていたのか。
ようやく紐解けた。なぜ俺達は離れていたのか、いや逢えなかったのか。それは朔夜が別の家にいたからだ。当時はもっと頓珍漢な言い訳をされていた。なぜ俺達は出会うのが遅かったのか。それは親父と朔夜の当主がそう仕組んでいたのだろう。なぜ.....
——他人のような気がしなかったのだろう——
颯魔「.....」
リリィ「同情はいらないわ。全力でかかって来なさい」
颯魔「そうか。なら——」
リリィ「それが神影 颯魔と十六夜リリィ...いや、十六夜 凛璃のためよ。ここからは」
颯魔「あぁ、一切の加減をしない。来い、凛璃。お前がどれだけ奴を思っているのか、ひとつ見てやろう」
リリィ「えぇ、あなたもあの娘をどれほど思っているのか見させてもらうわ!!」
——神の影と満月夜の未来がぶつかった——
ー颯魔sideoutー
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ー束sideー
ISを介した感覚共通を颯君にする。すると前方に見えたのは一度颯君と戦っていた女がいた。
颯魔『やっと思い出したよ...まさかトリガーが一年分の記憶だったとはな...』
...どういう事?颯君はまだ何かを失っていたの?
リリィ『あら?今まで忘れていたの?悲しむわよ?あの娘』
あの娘.....誰なんだろう
颯魔『うるせぇよ...お前に背中からバッサリいかれてそれどころじゃなかったんだよ』
.....背中?バッサリ?
リリィ「それは理由にはならないのではなくて?」
颯魔『...お前が言うな...』
...いつの話だろう...私と出会う前の話?
リリィ『まぁいいわ...あの時は闇討ち紛いなことして悪かったわ』
颯魔『.....気にしてない、あん時は弱かった。ただそれだけだ。』
リリィ『朔夜に免じて殺しはしないわ。その代わり、全力で来なさい。来ないなら殺すわよ?』
.....あの時? あれ?これって—— 思い出が徐々に形を帯びていく
颯魔『もとよりそのつもりだ...だが、殺しはしないなどと甘く見られては困るな。俺が殺しに行くんだから、お前も全力で殺しに来い。あの日のお返しをするんだ、それ相応の覚悟を持ってもらおう!!』
言い切った刹那ラグナロクがほんの少し赤熱する。すると瞬間
颯魔『おいおい、どこを見てる。そのままだと堕ちるぞ』
リリィ『!?』
...!?
ー前方にいたはずの颯君が消え、背後を取られてしまったのだ。
颯魔『ドッキング...行くぞコンバット!!御影流剣技其の十【氷炎一体=コールドフレア】!!』
はバックステップで回避を試みた...が僅かに足りず服を爆風が掠める
リリィ『ただの影が...どうしてこんな力を!?』
颯魔『俺は当代御影 綾翔...いや本名は違うな』
...颯君は実は綾翔君で、でもそれは違って...そんな人を私は.......本当に昔。ひと月だけ会っていたことがあった。そう、名前は——
リリィ『違う...ですって?』
神...
颯魔『あぁ、ただの影じゃねぇんだよ。神の影で神影...そう、俺は神影 颯魔...鬼神の成れの果てだ。』
影...颯魔.....そんな...私達は昔、もう出会っていたの?
リリィ『でも、この剣はもう使えそうにもないけど?』
颯魔『あぁ、そうだな...でも俺の獲物はー』
スッ...と獲物が出てくる。それに対して思わず絶句した
颯魔『【蒼覇紅華刃=颯束ノ幻影】...今ならこいつは使えるさそして...当代御影綾翔のみが許されたこの剣...【緋想天嵐刀=綾翔】さぁ...賽は投げられた。後は...』
リリィ『えぇ...運命に身を任せるのみ!!』
——【蒼覇紅華刃=颯束ノ幻影】...これは初めて会いひと月、別れる直前に颯君が私に見せてくれたもの。蒼く煌めく刀身にひらりと紅い花びらのデザインが施されている脇差の様な短めの刀。
これを見せたあと颯君は——
颯魔『本当は見せたらいけないんだけど.....お父さんが言ったんだ。本当に守りたい人がいれば見せなさい。逢えないとしても、必ずこの刀が君達を見守ってくれる。そして、見せるなら.....その子の名前を一文字借りて名に刻みなさい...って』
私は束。一文字しかないのよ?と言ったら
颯魔『だから、最初にも言ったでしょ?俺は束の事.......全部好きだよって。そうだな...刀の真名は——』
地面に枝を使って書いていく彼。その名前は
——【約束=颯ノ幻影】——
颯魔「次に会って、このことを思い出してくれたら.....結婚...してくれますか?」
私は大きく頷いた。当然結婚するもの...だって私の心はね
貴方が私を護ってくれた時にもう堕ちていたんだから。
——思い出した。颯君も忘れていたけど私も忘れていた...こんなにも重要なものを.....それを知った瞬間私は——
束「飛ぶよ!ヴァルキュリア!!」
——もう、飛翔していた...何故かは分からないけど。決着は一人じゃなく私たちで着けないといけない。そう思えてしまったのだ。
ー束sideoutー