紅髪の奇才と、藍眼の白騎士…たまに鬼神   作:天海 ヒロト

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第八十九話 Lange=0

ー朔夜sideー

 

前方に詩音を見据え——

 

朔夜「...始祖の能力は自然回復強化。ダメージを与えるだけでは決定打を与えられない...だが」

 

矢を番え、弦を張る...

 

朔夜「呪熾=コロナ」

 

放つ矢は蒼白く、貫かれたスラスターは回復する....

 

詩音「なぜ...燃えているのです」

 

回復したところを焔が蝕んでいるが——

 

朔夜「言ったろ。呪熾...炎の呪いでじわじわ炙っていき、回復を阻害する。身体は回復が速いが、機械の回復は遅かったからな。それを利用したまでさ。」

 

そう話す間にも焔は着実に回復するところを炙り元に戻していく...

 

朔夜「さて、これで機動力の差を埋めれた...勝負をつけるなら今のうちか。」

 

勝てる見込みは出てきた...番えた矢にかかる力が自然と強くなってゆく...その腕が不意に——

 

——スパァン...!!——

 

力が抜け、ダラりと下がる

 

詩音「魔弾 呪肢」

 

肩を見ると何かが刺さっている...どうやらフォーオブカインドで撃ち抜かれたようだ

 

朔夜「...最高だよ、やっぱ詩音 お前は最高だ。」

 

詩音「呪肢。撃ち抜いた場所の神経を一時的に絶つ。これで矢も放てない。もう、王手ですよ」

 

朔夜「なるほど、腕を縛り攻撃の手段を奪っていったか...流石だ...なっ!!」

 

ミストラルが左肩を貫く——寸前何とかして避ける...神経が絶たれた腕には頼れないし、使うこともできない...体のバランスがかなり悪い。

 

詩音「そこです!!」

 

貫く先は先とは逆の右臀部...それを腕の動きで読んで身体を後に傾ける——

 

詩音「甘いです!!突き穿ちます!!」

 

先のスピードから一瞬で素早くなる...対応出来ぬ一撃に——

 

朔夜「グッ...」

 

左足を下げ、右足をグッと踏み込み、深くミストラルを差し込む。

 

詩音「なっ...」

 

真由美「朔夜くん!?」

 

真由美さんが悲鳴をあげる...無理もない。今まで見せた戦いはスマートに解決していた...だが、ここに来て肉を切らせる闘いにシフトチェンジしている...

 

朔夜「ここまでよく頑張ったな...詩音」

 

詩音「ありがとう...ございます」

 

朔夜「だけどね——」

 

詩音、君はひとつ大きな間違いを犯している。それはな——

 

朔夜「揺れ堕ちろ」

 

レナーテを詩音の耳音にそっとあてがう。すると

 

——ビィィィィィィンッッッッ!!——

 

強烈な音をレナーテから発せられた。直後詩音は——

 

 

 

 

 

 

詩音「そんな...レナーテは弓じゃ...」

 

朔夜「あぁ、そこは間違ってないよ。間違えていたのは」

 

詩音がフラッと倒れそうになる...のを右肩を使って支える...

 

朔夜「——詩音。君のレナーテ...G7に対しての考えの甘さだよ。レナーテは別に矢を番える必要はない。水だって放っていただろ?」

 

——そう。普段の詩音なら気づいていただろう...だけど気づけなかったこと...

 

朔夜「これは放ちたいものを好きに放つことが出来る...弓を引いていたのはあくまでもイメージだ。真っ直ぐに行くためのな...だが、音、それも至近距離のものなら拡散しても大丈夫だ。だから構えずとも放てたんだ。」

 

詩音「そんな...本当に強いのは.....ゼロレンジだった...ってこと?」

 

朔夜「...正確には違う。未だ本領発揮できるレンジがゼロだっただけだ。もちろん本質は弓なんだからレンジは遠ければ利点になる...そうだなゼロ・ブラスト。零距離射撃のなせる諸刃の剣さ。」

 

フラッと俺も膝をつく。横を見ると当主は——

 

星那「この勝負、朔夜。君の勝ちだ。」

 

静かに俺の勝ちを宣言した。一方真由美さんは...真由美さんは?

 

 

 

 

朔夜「あれ...?」

 

 

 

 

視界から消えた、さっきまで当主の横にいたのに...

 

 

 

 

 

と、考える刹那後ろから衝撃がきた

 

真由美「朔夜くん!!」

 

...後ろから抱き締められた。

 

朔夜「...いい見世物...だったでしょ?」

 

後ろに問いかける...が真由美さんは

 

真由美「いい見世物なわけないでしょ!!どれだけ心配したか、分かってるの!?」

 

朔夜「...ごめん。でもこれで分かったでしょ?次の使用人の事が」

 

真由美「——えぇ、そうね...でも、」

 

真由美さんははどこか俯き納得のいっていない...そんな表情だった。

 

朔夜「...でも?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー朔夜sideoutー

 

 

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