魔法少女リリカルなのは!?「魔導殺しのペンキ屋さん」   作:ヘルカイザー

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ども〜

連投〜ではよろしくお願いします。


第3話《仕事をするペンキ屋さん》

「……ん〜眠い……むにゃ〜……っ!? にゃっ!? にゃに今の音!? 」

 

高町なのはは今日、少し寝坊をしていた。でもそれは学校が休みであるが為の贅沢だ。そして彼女が一度目を覚まし、二度寝をしようとした時だった。なのはの部屋の窓の方から何の音か分からないがドンッという大きな音がした。彼女はその音にビックリしてベッドから飛び起きる。少し怖がりながらもなのはは恐る恐る窓の方へと向かった。何が起きたのか確かめようとしたのだ。しかし彼女が窓を開けた時だった、なのはが窓を開けて見たのは何だか濁った景色。まるで霧がかかったみたいで外がボヤけている。なのはは夢でも見ているのか……それともSF的な何かに巻き込まれてしまったのか……その状況が信じられず彼女は本来外が見える筈の窓の外へとドキドキしながら手を伸ばした、すると……そのボヤけた景色は触れた。

 

「へ? 何これ……ビニール? ……にゃぁああ!? 誰がこんなイタズラしたの!? ううっ……私のドキドキを返せ! こんな物!!! 」

 

不思議のネタが破れなのはは一人で怒り始める。彼女の純真な心を踏み躙ったこのイタズラに彼女は怒っているのだ。そしてすぐに彼女は窓を塞いでいるビニールを破り本来在るはずの外を取り戻す。その瞬間の事だった。なのはの目の前にペンキ屋さんが現れたのだ。家の周りに立てて在る鉄パイプ、つまり足場に捕まっているペンキ屋さんがいたのだ。その様子はまるで落っこちそうになった、でもなんとか助かったみたいな状況だ。多分さっきのを音はこれが原因なのだろう。ペンキ屋さんは彼女の姿を確認すると急いで体制を立て直しバランスの良い位置へと身体を戻す。しかしなのははそんな姿を見ても気が晴れなかった。今はこのイタズラの怒りを仕掛けた憎き相手ににぶつけたかったのだ。だからなのはは間違いなくペンキ屋さんだろうと思いキッ! とペンキ屋さんを睨みつける。だがペンキ屋さんは何故睨むんだ? と言いたげな顔をしてなのはを見ていた。

 

「ペンキ屋さん、どう言うつもりなの? こんなイタズラして! 私のドキドキを返してよ!! 」

 

なのはは頬を思いっきり膨らませペンキ屋さんに文句を垂れる。しかし次に返ってきた言葉は彼女の自分へのアホさ加減に頭を抱えるような言葉だった。

 

「いや……何の事だか分からないけどこれはイタズラって言うか……塗料が窓にかからないように養生してただけなんだけど? つまりは君の方が俺の仕事の邪魔をしてると言えなくもない訳で…………」

 

「養生? 」

「養生って言うのはこういうビニールとかテープとかで汚しちゃマズイところを保護する事だよ。ああ、そんな顔しなくていいよ?またやり直せば良いんだから」

 

それを聞いたなのはは一気に申し訳ない気持ちになった。ペンキ屋さんは仕事の関係で仕方なく窓を塞いでいたのだ。にも関わらず彼女は何も知らないとは言え、せっかく塞いだ窓の養生を壊しペンキ屋さんの仕事を増やしてしまったのだ。そう思うと例え大丈夫と言われても彼女は申し訳なくなってしまう。その証拠になのはは俯いてしまっていた。

 

「ご、ごめんなさい……」

 

「あはは、いいさ。じゃ〜窓を塞ぐから閉めるよ? 」

 

そう言いペンキ屋さんは窓を閉めて窓を塞ぎ直す。その手際は素人のなのはから見れば恐ろしく早い。そして窓がビニールで覆われペンキ屋さんの姿が見えなくなった所で彼女は着替えを始めた。もうすっかり目が覚めてしまったからだ。時間ももうすぐ10:00になる。だからちょっと外に出てペンキ屋さんの仕事を見てみよう……なのははそう思ったのだ。何故かと言えばさっきのペンキ屋さんの言葉の中に聞き慣れないワードがちらほら入っていたからだ。彼女はそれを聞いて少し興味が出たのだ。そして彼女は着替えを終え外に出ようと玄関に向かった。するとなのはの母、桃子が彼女に頼み事をしてきたのだ。それに対して彼女は了承する。と言うのも外にいるペンキ屋さんに休憩中のお茶を持って行って欲しいと言うものだったからだ。元々彼女がが外に行くのはペンキ屋さんの仕事を見学する為だ、だから断る理由もない。

 

「それじゃなのはお願いね? 」

 

「分かった。」

 

頼まれた物を受け取りなのはは裏へと歩く、するとそこに丁度小さいバケツの様な容器、サゲツと言うのだがそれにペンキを入れているペンキ屋さんがいた。だからなのははゆっくりとペンキ屋さんの仕事を邪魔しないよう距離を取り、ペンキ屋さんがペンキを入れ終わった所で声をかけた。

 

「ペンキ屋さん、お茶入ったよ? 」

 

「ん? ああ、もうそんな時間か? わざわざありがとう、頂きます」

 

ペンキ屋さんはなのはの差し出したお茶を手に取ると近くのペンキが入った一斗缶の上に腰掛ける。そして彼女が近くで立っているとペンキ屋さんが「そこに座れば? 」と言ってくれたので彼女はもう一つの一斗缶の上に腰掛ける。ちなみに一斗缶とは塗料の入っている少し大きめの缶で1斗……つまり約18リットルの容量を持つ角形の金属缶の事だ。その言い方に関してもなのはは興味心身でペンキ屋さんに尋ねる。ペンキ屋さんの発する言葉が全て新鮮に聞こえるのだ。元々塗装職人や建築系の職人さんは専門用語をよく使う為一般人からしてみれば何を言っているのか理解できない事が多い。だからなのはは興味を惹かれるのだ。それが聞きなれない単語故に。そして彼女はペンキ屋さんに対してもっと聞きたい事があったのだが、あんまり多く質問するとせっかくの休憩なのにペンキ屋さんが疲れちゃうと思い彼女は途中で我慢するように後一個にしようと質問をそれでやめた。

 

「ペンキ屋さんは学校には行ってないの? 」

 

「ん? ああ、学校は行ってない。まだ歳的に義務教育だけど俺はちょっと特別でね。この歳で働けるのもそのお陰」

 

彼女の予想通りペンキ屋さんは学校に通ってなかった。なのはは「学校に行かなくて友達とかいるのかなぁ〜? 」と思ったが本人が寂しそうじゃないので聞くのを止めた。しかしペンキ屋さんの親はよくペンキ屋さんが働くのを許可したとなのはは不思議に思った。だがこれも彼女はちょっと怖くて聞けない。知られたくない事情があるのだとすればペンキ屋さんに聞くのは悪いと思ったからだ。

 

「高町さんは氷麗と仲良いのか? この間も一緒にいたし」

 

「氷麗ちゃんは親友だから! 」

 

彼女がそう言うとペンキ屋さんは笑って満足そうな顔をした。それを見ていたなのははペンキ屋さんは氷麗の事を大事に思ってるのだと感じたていた。もしかしたらペンキ屋さんは氷麗が好きなのかもしれない、そう彼女は心の中でニヤニヤしていた。しかしそれが真実だとして毎回イチャイチャ見せつけられるのもなのははなんか悔しいと思うのだった。

 

「ペンキ屋さんは休みないの? 今度私の友達二人に紹介したい、なんかペンキ屋さんの事を話したらペンキ屋さんに興味持ったみたいでね? ペンキ屋さんに会ってみたいって言われたんだけど……ダメかな? 」

 

「う〜ん、休みなら良かったんだけど……ごめん。今回はお断りするよ。残念ながらこの現場が片付いてもまた別の現場の予定があるんだ。だからしばらく休み取れなくて、ごめん」

 

「あ、その……別に気にしなくていいよ? 私が勝手に言ってただけだし、そんなに気にされると……なんか逆に申し訳なくなっちゃうと言うか…………」

 

そんな風に彼女がショボンとしているとペンキ屋さんは「分かった」と返した。それを聞いたなのは少し気が楽になる。しかしその時ペンキ屋さんはそろそろ休憩が終わりだと言い始めたので、なのはは仕事の様子を少し見学し家の中に戻った。

 

 

◇◆◇◆

 

 

「源ちゃん、今日はこんな所でお仕事してるんかいな……ビックリしたよ? 」

 

「ビックリしたのは俺だよ!? あ! でもそう言えば昨日図書館行くとか言ってたよな? ここの事だったのか」

 

竹蔵源の隣の家に住んでいる八神はやては今日図書館に本を借りに来た、でもそこでたまたま大工の仕事をしている源にあったのだ。八神はやては源と同い年の為源とは気が合う。では彼女に他の同い年の友達はいないのか……いないのだ。その理由は彼女の足が不自由である為である。歩く事が出来ず移動は車椅子。その為学校にも通っていない。だから初めて出来た同い年の友達である源とは仲良し過ぎてもう家族当然の仲なのだ。しかしそこまで仲が良いと当然互いの家族事情と言うものが明るみになる物だ。となれば当然はやては何故源がこの歳で働けるのか気になった。源はそれに対して変に隠したりはせず、この歳で働ける事を特別に許可された世界初の最年少大工の資格を持っていると答えたのだ。神様のお陰とは言えない為こう答えるしかない。しかし嘘をついている訳ではない。この世界の記録ではそうなっているのだ。だからそこら辺の大工より腕は格段にいいと源本人ははやてに言ってる。

 

「源ちゃん今日のご飯は何がええ? この後買い物に行く予定なんやけど? 」

 

「いや、またはやてに作って貰うのも悪いし……それに先に作ると加奈子が怒るぞ? 」

「何水臭い事言ってるんや? 私と源ちゃんの仲やないか! それに加奈子ちゃんについては大丈夫や、もう一緒に作る約束しとるよ」

 

そうはやてが言うと「いつの間に……」と源は驚く。源は他人に遠慮する傾向がある為こう言ったことは素直に受け入れないのだ。しかし最近ははやてが強引すぎる為源も諦めている。さらには「何なら家に引っ越して来てもええんやで? 」と言うようになる始末だ。

 

「そうか? じゃ……悪けどお願いする。仕事終わったすぐはやての家に行くから何か残ってれば手伝うよ」

 

「別に気にせんでええって。それに源ちゃんが帰って来る頃にはもう料理をテーブルに並べて待ってるで〜! 楽しみにしとき〜♪ 」

 

はやては親指を立ててそう言った。それを見た源は笑顔で彼女と同じ仕草をして返す。はやてもまたそれを見て頬を赤く染めた。源の仕草が男らしくてカッコよく見えたのだ。源の着ている服は本当に絵に描いたような大工姿で例えそれが子供であってもよく似合うのだ。

 

(このまま一生、源ちゃんと一緒に過ごせたらええのに……あ! でもそれやと私は源ちゃんの奥さんにならなあかんなぁ〜? あはは、まぁ〜いいけど、源ちゃん嫌いやないし♪ )

 

 

◇◆◇◆

 

 

「吉数く〜ん、遊びに来ましたわ〜! 」

 

「いや……ここは現場であって遊びに来る所じゃ……て!? お前も職人の端くれならそれくらい分かるだろう!? 」

 

「いいじゃありませんの昼休み何ですから。それより吉数君今どこに住んでますの? 」

 

雪山氷麗は今吉数に会いになのはの家に来ている。勿論今日は日曜日。ちゃんとなのはの家には許可は貰っているし不法侵入ではない。そして氷麗は吉数の作業を見ながら思っていた。それにしても相変わらず速い作業スピードだなぁ〜と。このままの作業スピードでいけば後何日かすればなのはの家は足場も取れて見違えるように綺麗になる。ちなみに足場とは家の周り立ててある鉄のパイプの事だ。高い所で作業する為の物。

 

「昼休み何ですからって……まぁ〜いいか。え〜と、どこに住んでるかって言う質問だったよな? う〜ん、ごめん内緒」

「なんでですの!? それじゃ吉数君の家にご飯作りに行けないじゃありませんの!!! 」

 

「いや……悪いからいいよ」

 

思わず氷麗は吉数に掴みかかる。少しそっけなくされて氷麗は悲しく思っていた。そしてこの時氷麗は少しマイナス思考になってしまい勘違いをしてしまう。何故教えてくれないのだろうか……まさかもう私は愛されてない? とか、勝手に舞い上がっていたのは私だけで新しい人生になったから吉数君は何もかもなかったことにしようとしている? とかである。そう思ってしまうとその感情は表に出てきてしまい、その表情は暗くなった。彼女はまだ吉数が好きなのだ。だから生まれ変わってもその想いは簡単に変わる物ではなかった。

 

「吉数君……私の事もう……んむっ!?」

 

自分の事をどう思っているんのか、まだ好きでいてくれているのか……氷麗がそれを聞こうとした時だった。氷麗は吉数に唇を奪われたのだ。周りの人から見れば小学生の癖にませてるなぁ〜と思われる光景かもしれない。しかし二人は実際20歳を超えた大人だ、何もおかしい事はない。吉数の唇が氷麗の唇から離れた時、彼女は顔が熱くなりとっさに言葉が出なかった。突然された所為もあるが前世で告白され、まだまともに返事もしてない。さらにはキスをしたのは前世でも生まれ変わった今でも初めてだ。つまりは慣れてないのだ。ファーストキス、それが自分の最も愛する人に捧げられたのだ、その嬉しさもあいまって彼女は一瞬、一種のトランス状態に陥っていた。

 

「こ、これで分かっただろ? 心配しなくても俺の心はまだ変わってない。それに前世での最後の瞬間お前の返事はしっかり聞こえていた。だから心配するな、ちょっと……色々挑戦したくなっただけだ。悪いけど少し時間が欲しい。……ごめん」

 

「謝らなくてもいいですわ、吉数君の気持ちは今十分伝わりましたから……でもちゃんと言わせて欲しいですわ? 私……雪山氷麗は……鈴木吉数君の事が大好きです。これから一生心変わりなんかしません……だから吉数君も私を一生好きでいてくれませんか? 」

 

今氷麗が吉数に直接伝える初めての返事と想い。重すぎるかもしれない。でも前世から来世まで消えずに残った事を考えればこれは重すぎなんかじゃないのだ。氷麗が吉数を求めていたように、吉数も彼女を求めていた。それが何より氷麗の想いを強くする、抑えきれなくする。

 

「ああ、勿論……俺も一生好きでいるよ、氷麗」

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

「なのはちゃんのお家もうすぐ工事終わるんでしょ? 」

 

「うん、ペンキ屋さんとは会えなくなっちゃうから少し寂しいけど……」

 

「いいじゃない、同じ市内なんだし。それに私達なんて結局会ってないのよ? 」

 

すずかとアリサが何か残念そうにペンキ屋さんの話題を題材に話し始める。確かに結局紹介されないままもうすぐなのはの家の工事は終わってしまうのだから残念である。しかしなのはもすずか達にペンキ屋さんを紹介できなかった事を残念だと思っており、ペンキ屋さんに会えないのも少し寂しいようだった。だが氷麗の友達である以上またどこかで会える筈、だから悲しくはないとも思っている。

 

「そう言えば昨日お姉ちゃんが家も塗り替えするって言ってたから……もしかしたら近いうち業者さんくるかも」

 

「すずかちゃん家も塗り替えするんだ……私の家は全体は見れないけどすっごく綺麗になったよ? だから足場を取った後家を見るのが楽しみなの! 」

 

今は足場があってシートもかかっている為、なのはの家の様子は全然見えない。しかしシートのかかってない下の方は見える為、見ただけでも綺麗になっているのは十分に分かる。なのはの家族もとても喜んでるし、ペンキ屋さんに感心してる。あの歳でここまでしっかり現場を納めるとは大したものだとなのはの父親である士郎もそう言っていたのだ。

 

「そう言えば氷麗は? もうすぐ次の授業始まるわよ? 」

 

アリサがそう言った瞬間チャイムが鳴り響く、なのは達は忘れていたが氷麗の姿が見えない。前の授業はいた筈なのだ。しかし今はいない。さっき出て行ったきり戻って来ないのだ。先生の手伝いでもしているのだろうか……となのは達は思っていた。その時だった、氷麗が勢い良く教室に飛び込んできたのだ。

 

「セーフ! 」

「「「アウト! 」」」

 

残念だが間に合っていない。

 




次回もよろしくお願いします。
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