魔法少女リリカルなのは!?「魔導殺しのペンキ屋さん」 作:ヘルカイザー
ではよろしくお願いします。
「あ! ダメだよそっちに行ったら!? 」
月村すずかは学校から帰った後、自分の家で猫達と戯れていた。でもその時、子猫が一匹、すずかの姉である忍が近づかないでと言った鉄パイプの方へ行ってしまったのだ。すずかは急いで後を追いかける。しかしいくら何でも猫に追いつけるわけはなく、その子猫は鉄パイプの上に上がってしまった。一応その鉄パイプの骨組みは足をかけられる所が幾つかある為上がれない事はない。だからかすずかはいくら呼びかけても下りて来ようとしないその子猫を下ろそうとその鉄パイプに登り始めた。
「ほ、ほら〜こっちに戻っておいで? 」
すずかは怖いのを我慢してその子猫を呼ぶ。猫が上がっている所は建物二階分はあろう高さで彼女は流石に高くて怖い様子だ。そしてその子猫をもう一度呼んだ時だった、その子猫が突然すずかに飛びついて来たのだ。その子猫を何とか抱えたが彼女だったが、飛びつかれた勢いで後ろに体勢を崩してしまった。当然後ろには何も無い、すずかは何処にも捕まる事も出来ずに地面へと二階分の高さから落下し始める。もう突然の事ですずかは声も出ない。ちゃんとお姉ちゃんの言う事を聞いていれば良かった……すずかはそう思い後悔した。だが今更遅い。彼女の身体は確実に地面へと速度を上げて落下中だ。しかし彼女の身体が地面へと直撃することはなかった。
「おっと!? はぁ〜危ねぇ……大丈夫? 怪我ない? 」
「え……痛くない? あれ? ……貴方……ひゃん!? 」
地面に激突する痛みを覚悟したすずかだったがその痛みがいつまで経っても来い事に疑問を覚え顔を上げる。彼女の聞き覚えのない声が聞こえたからだ。すずかは目をしっかり開け周りの状況を確認した。すると彼女と同い年位男の子が彼女を下でキャッチした所だったのだ。すずかは驚いたが助けて貰ったのでお礼を言おうと思い口を開こうとした。しかしその前に彼女は変な声を上げてしまう。何故ならキャッチしてくれた男の子の手は運悪くすずかの胸の所にあったからだ。そしてその男の子が気がつかず、手に力を入れた所為で彼女の胸は少し揉まれてしまったのである。すずかは一気に顔が熱くなり、思わず助けてくれた男の子の頬めがけて思いっきりビンタを放ってしまった。
「きゃぁぁぁぁあああああああ!!! 」
「あ、いや悪かっがほ!? 」
「あ…………」
すずかが加減もしないで叩いた所為でその男の子は遠くの方へぶっ飛ぶ。すずかはやってしまったと思った。実はすずかの家は特別な家系で普通の子より力が異常に強い。にも関わらず加減をしないでぶっ飛ばしたのだから彼女も心配にもなる。まさか死んで無いだろうとすずかはその子の方に駆け寄った。だがその男の子は倒れたままピクリとも動かない。すずかは倒れたその男の子を少し揺すって見た、すると突然目を開け彼女の方を見る。男の子が急に目を覚ましたのですずかはホッとした反面びっくりしていた。
「ご、ごめんなさい……助けてくれたのに……え、何!? 」
「気にしなくていい、今のは俺が悪かった。でも足場は危ないからもう勝手に登るなよ? まぁ〜その猫連れ戻そうとしてただけだろうからもうしないと思うけどな」
少し気を落として謝るすずかにポンポンと頭に手を乗せ気にしなくていいとその男の子は言った。そう、その男の子とはペンキ屋さんこと吉数だ。どうやらすずかが子猫の為に鉄パイプの骨組みに上がっていたのを見ていたらしい。すずかは思う……それにしてもこの子は誰なのだろうかと。彼女は今更ながら吉数をよく観察する。そしてようやく自分の家の塗り替えをしてくれているペンキ屋さんだと理解した。。服装が作業着だから何となく分かったのだ。しかし当然そうと分かると気になることが彼女には出来た。自分と同い年位の子でもう仕事の手伝いをしているなんて凄いと言うものだ。だがそれは大きな間違いだ。
「私と同い年位なのにもうお仕事手伝ってるなんて凄いね? 」
「ん? いや、手伝いって言うか……俺一人でやってるんだが? 」
「へ? 」
一人で……この大きい家を? とすずかは驚いた。すずかからすればこのペンキ屋さんは手伝いじゃなくこの歳で仕事を一人でしていると言う事が信じられない。何故なら姉の話で毎日自分が学校に行ってる時も作業をしに来ていると言っていたからだ。となればペンキ屋さんは学校に行ってないと言うなるのだ。それにすずかが気になる事はこれだけじゃなかった。ペンキ屋さんの特徴……この歳でペンキ屋さんをしている、さらには容姿、それがなのはや氷麗の言っている子と重なったのだ。多分この子の事なんじゃないか……すずかは心の中でそう確信した。
「あ、あの〜ペンキ屋さん……高町なのはちゃんと雪山氷麗ちゃんて知ってる? 」
「あれ、何だ氷麗の友達か? 高町さんは前の現場の家の子だったから知ってるけど」
(やっぱり……この子がそうなんだ)
やっと会えた、すずかはそう思った。そしてそう思って少し嬉しかった。顔は特別カッコいい訳じゃない、でも性格が穏やかで凄く優しそうだと彼女は感じた。氷麗はこう言う人が好みなのかとすずかは心の中でニヤニヤとする。しかし今、ペンキ屋さんが家に作業しに来ているのを氷麗に話したら場合、家に押しかけて来そうだとすずかは思った。だから彼女はしばらく内緒にしようと決めた。すずかは別に氷麗が来るのが嫌なわけではない。ただ単純に彼女がペンキ屋さんに興味があるのだ、もっと話してみたい。そう思ったのだ。それで何故氷麗に教えないのか、それは氷麗がいると話にならなそうだからである。
「さて、仕事に戻りますかね」
「あ、待って!? 」
「ん? 何? 」
「私すずか、月村すずかって言います。名前……覚えてくれると嬉しいな? 」
「ああ、君が月村さんの妹か。俺は鈴木吉数、よろしく! 」
互いに自己紹介しペンキ屋さんが仕事に戻ろうとした時だった、ここでさらにハプニングが起こる。さっきまで戯れていた猫達が何故か一斉にすずかに飛びついて来たのだ。この数だと流石に勢いに負けたすずかは謀ったようにペンキ屋さんの方へと倒れる。ペンキ屋さんはすずかに押し倒されその場に倒れた。しかしすずかの倒れた場所が問題だった。どうしてこうもピンポイントなのか、とんでもない状態になってしまったのだ。
「んぐぅぅ!? 」
「あんっ!? 」
すずかがペンキ屋さんの顔を股で挟むような形で倒れたのだ。彼女がペンキ屋さんの呼吸を塞いでいる為ペンキ屋さんが息を使用とする度にくすぐったい様な感覚ですずかはまた変な声になる。だからかすずかは急いでペンキ屋さんから離れ立ち上がった。しかし彼女は今、冷静じゃない。顔は熱くなり感情は恥ずかしさでいっぱいだ。
「あ……う、ううっ…………」
「いや……その……黒? 」
「っ!? いやぁぁぁぁあああああああ!!! 」
「かはっ!? 」
ペンキ屋さんがいらない呟いた一言を引き金としてすずかはまた感情を爆発させて暴走した。一気にペンキ屋さんとの間合いを詰めペンキ屋さんのみぞおちに最高の一撃をお見舞いする。別にペンキ屋さんが悪くないのはすずかも分かっていた。しかしそれで冷静でいられる女の子がいるだろうか。すずかの一撃を受けたペンキ屋さんはその場に倒れ込みお腹を抱えて悶えている、当たり前だが息が出来ないようだ。
「そ、その……ごめんなさい」
「い、いや……すいません……でした」
◇◆◇◆
「源ちゃん、源ちゃん! お願いが……あるんやけど? 」
「……お願いはいいが事あるごとに俺の現場に現れるのはやめてくれ。それにどうして赤くなる? そんなに恥ずかしいお願いなのか? 」
はやては顔を熱くしながら源の現場を訪れていた。彼女は別に来る気は無かったのだが図書館に行く帰りにたまたま源の現場を見つけたのでよっただけだったのだ。そして源にも指摘されたがはやては今顔が赤くなってる。何故なら図書館の帰りに丁度源に頼み事をしようと色々考えていた為である。その内容がちょっと恥ずかしいと思ったのか照れ臭くて今のような顔になっているのだ。
「どうした? 言って見ろよ? 」
「え、えっと……その……今日図書館でな? 少し濃い恋愛物の本を読んだんや。それで……その本でやってたみたいに私も男の子と添い寝して見たいなぁ〜思うて。ダ、ダメやろうか? 」
はやてがそう言うと源は顔を真っ赤にし始めた。それを見ていた彼女はと源の事を「可愛いなぁ〜」と感じた。実の所、最近はやては源に対して物凄く意識し始めている。しかしそれは源も同様ではやての事を少しながらでも意識し始めているのだ。それに気づいているはやてだからこそ彼女は源に対して積極的になろうと決めたのだ。最初はやては「別に源ちゃんでもいいかぁ〜」と思っていた。だが段々と日々を過ごし源について知る度にはやては源の事が好きになっていったのだ。だから今では将来は源じゃないと嫌になってしまった。このまま両思いになればはやては言うことがない。
「こ、こここの件は帰ってからじゃダ、ダメか? べ、別に嫌なわけじゃないが……すまん(俺は何を動揺してるんだ、はやてはまだ子供じゃないか。あ〜でも俺も子供な訳で……がぁぁぁあああああ!? はぁ……頭痛い…………)」
「源ちゃん……うん、分かった。ほな待ってるわ! 」
そう言いはやては源の現場を後にした。そしてその時彼女が見た源の顔は今まで見たことないくらい動揺していた為にはやては何だか色々目覚めてしまいだった。だがはやてが今それ以上に気になる事は今日源と添い寝できるかどうかだろう。帰るはやての足取りは軽い、車椅子ではあるのだが。
◇◆◇◆
「ねぇ〜すずかちゃん? 何かあったんですの? なんか凄く機嫌が良いみたいですけど? 」
「え? う〜ん、いつもと変わらないと思うけど……ふふ♪ やっぱりちょっといい事あったかな♪ 」
教室で月村すずかはニコニコとし誰が見ても分かるくらい上機嫌だった。そこへ真っ先に氷麗が食いつく。こんなにも幸せそうなすずかを氷麗が放って置くわけはない。「やばい……この子襲ってもいいですか? 」と小声で口に出してる程だ。氷麗は今、すずかが可愛すぎて悶絶しそうなのだ。だから今の氷麗は少し危ない表情をしている。
(えへへへへ♪ すずかちゃん可愛いですわぁ〜♪ ……は!?いつの間にか声に出してましたわ 」
氷麗はいつもの発作だと気がつくと冷静になり始める。しかしそうなったらそうなったですずかにとってはろくなことにはならなかった。何故なら氷麗は今のすずかに嫉妬し始めたのだ。だがそれは感覚のレベルの話、氷麗はすずかからある人物の痕跡を嗅ぎ取ったのだ。
「つ、氷麗……ちゃん? どうしたの? なんか……怖いよ? 」
「すずかちゃんさぁ〜? 私に関係ある事なんか隠してますわよねぇ? 」
「え……そ、そんな事をないよ? 」
氷麗がそう言うとすずかは心の中でギクッという効果音を出す。でもすずかは必死に誤魔化そうとした。バレるわけがないそう思っていたからだ。しかし氷麗の目は誤魔化せなかった。何故ならすずかが氷麗に嘘をついてるのは氷麗にしてみればすぐにわかる事だからだ。そのなら絶対的自信はどこから来るものなのか。それは簡単だ、氷麗はすずか、なのは、アリサLOVEだからである。
「本当に? おかしいですわ〜? ならどうしてすずかちゃんから吉数君の匂いがするんですの? 」
「…………」
その瞬間すずかが固まった。それを見て氷麗が意地の悪い笑みを浮かべる。どうやら図星のようだ……と。なのはとアリサも隣の席で氷麗の発言に引いていた。カマをかけられた当の本人であるすずかもそんな馬鹿なと言いたそうな顔をし始める。確かに匂いなんて分かるわけがない……そう思う筈だ。だが残念ながら、吉数の事に関して氷麗はそれを嗅ぎ分ける事が出来る。前世であれだけ付き合いが長かったのだ、彼の匂い、仕草、そして彼がよく人に残す幸せの感情。それは何の根拠もない感覚の話だが氷麗には確信があった。だからすずかが何処かで吉数と関わっていると分かる。
「し、知らないよ? 氷麗ちゃんの勘違いじゃないかな? 」
「ふぅ〜ん、すずかちゃん……私に嘘をつくんですの? なら……仕方ありませんですわ? 」
「え、ちょ!? 氷麗ちゃん!? 」
氷麗はどうしてもとぼけて答えようとしないすずかの手を取り強引に二人で教室を出た。そしてすずかをトイレに連れ込む。それをなのはとアリサも気になったようでついてきた。だが個室に入り鍵を閉めた為中までは分からない。二人には声しか聞こえないのだ。さらに氷麗はすずかの両手を掴みすずかの頭上の壁に押し付けて自由を奪う。そうされたすずかは嫌な予感を積もらせていく。
「つ、氷麗ちゃん? どうしたの突然? っ!? え、何何!? あんっ!? つ、つつ氷麗何して!? 」
「えへへ♪ すずかちゃん可愛いですわ〜♪ ここですの? 」
「ひゃん!? 」
「「な、何してるの!? 」」
二人は外で驚いている。でも今はこの幸せなひと時を思う存分堪能する為に氷麗は外の事などお構いなしだ。何故なら氷麗はすずかLOVEなのだから。隙あらばそのうちなのはとアリサも氷麗は頂こうと狙っている。そんな事を知らない三人は普段無防備で獣の近くにいるのだ。さらに氷麗は願望を全開にしてすずかに悪戯を続ける。ここではどんな悪戯をしたかは言わない、いや、言えない。氷麗は思っている。すずかは悪戯をされる度にピクピクと悶えて物凄く可愛い……と。だがすずかだってただやられてる訳ではない。少し抵抗する素振りは見せる。しかしすずか達の弱点を全て知り尽くしてる氷麗だ、抵抗なんて許さない勢いで悪戯を行使する。これでは抵抗出来ないのと同じ訳なのだが。
「や、やめてよ氷麗ちゃ……きゃっ!? ダ、ダメ!? もう許して!? きゃん!? 」
「えへへ〜♪ よいではないか〜よいではないか〜♪ 」
「あんっ……らめっ……そ、それ以上、ひゃん!? もうダメ、死んじゃうぅ〜」
この後昼休みが終わるまで氷麗に悪戯をされ続けたすずかは次の授業中ぐったりしながら光をなくした目で授業を受けていた。氷麗はそんなすずかを観察し可愛い可愛いとすずかを脳内保存しまくっている。ちなみになのはとアリサだが、トイレから出てきたすずかの様子を見てガクガクと震えて二人して抱き合っていた。しかしそんな二人も氷麗は凄く可愛いかった! などと思っているのだ。そして「次はツンなアリサちゃんがいいですの」と氷麗はターゲットを決めるように本人の前で呟いたのだった。
次回もよろしくお願いします。