北条綱成の野望   作:織田上総介信長

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いゃ………無駄に改変し過ぎたなぁ(苦笑)


第四話

 

 

 

下総の古河公坊が拠点として構える古河御所では、どんな形であれ足利家の血筋を持つ家系でもあってか近隣では結城晴朝なる齢十五程でしかない美声年な野郎を始め常陸の佐竹義昭や下野の宇都宮広綱などが増援に向かっているらしいとの事らしく

 

 

この戦で勝てば北条が余計に関八州で力を振るいかねんという警戒心が強い中

 

 

ここで一致団結となりゃ恐いもの無しだと考えてるんだろう。

 

 

まぁ、解らんでも無いが此方も多数の増援を目にしつつも北条もまた幻庵様がその頃から西へ目を向けていたお陰もあってか

 

 

幾らか火縄銃の生産に力を入れてくれたお陰か今回の策は主に平野な地が多い関八州だからこそというべきもあり

 

 

今回は、幾らか陽動を仕掛け相手の出方を伺って欲しいという面倒な策であるものの

 

 

総勢二万近くいる敵を相手に江戸城内まで誘い込んで欲しいというのだが………

 

 

「…………一応、言っとくが増援部隊で陽動なんざ普通はやらんからな?」

 

 

「…………お前がここを蹴ったせいだろう。まぁ、雪斎殿に関しちゃ解らんでも無いがな………」

 

 

「とはいえ、あのジジイは自ら裏で仕切るのが上手いからなぁ………なるべく自ら動こうとしている氏輝様が動きが気になるんだろう。とはいっても、あのジジイが寿桂尼様が故郷でもある京の都からいきなり今川に仕官して相談役から宰相的な立場になったのが………御館様亡き後にいきなりっいう点を狙うかのようになりやがったのが今でも一番、警戒しちまってさ。あまり、駿府館に面を出さねぇ俺ですら何かあるって警戒しちまうもんよ」

 

 

「そんな機会を狙う寿桂尼様も寿桂尼様だが…………何故、雪斎殿もその案に乗り出したのだろうかと父上が疑問を抱いてたな」

 

 

「そういうもんよ。まぁ、あのジジイの面もあまり見たこともねぇが………方菊丸様の守役も兼ねてらしいからあまり面を見た事もねぇけど………今川家中じゃあまりにも我が儘なとこがある姫君だから次期当主としては迎えたかねぇとも聞いた事あるんだよなぁ………」

 

 

溜め息を漏らしてながらも古河御所よりようやく足利晴氏なるボンボンでお歯黒が目立つような公家大名が輿に乗って結城軍と合流し此方へ迎い出陣してくれたという報せを耳にしたもんで

 

 

俺と直虎殿は、互いに愛用の槍を振るいながらも敵陣へ突っ込み多少、混乱してくれたのを機会に合流場所である江戸城付近まで退却し

 

 

そこから迎撃態勢に移った古河公坊の連合軍を誘き寄せる為

 

 

敵部隊に追い付かれないよう進行を送らせんよう兵を走らせるものの

 

 

駿河から連れて来た連中だとはいえ大して戦慣れしてる奴等でも無いせいか

 

 

ことごとく、敵の追撃に追い付いては串刺しにされたり

 

 

または、武器を捨てて命乞いまでする者等すらいる中

 

 

新たに遊撃部隊を設立するのであれば、幾らか戦場で慣れていなきゃならん連中を増やすか

 

 

または、そんな奴等をすぐにでも集められないのならばこの乱世じゃ幾ら善政に力を入れたところで身内の稼ぎ頭が戦場へ駆り出されて生活がままならない奴等が溢れるのはよくある事だし

 

 

いっその事、そいつ等を雇って槍や太刀を扱えるよう訓練を積ませ幾らか戦場に出させりゃ多少は使える私兵みたいな奴等が出来るんじゃないかとも考えつつも

 

 

駿府から二千近く連れ出し兵達が策の通りまで逃げ延びた頃にゃ二百近くの手勢しか生き残っちゃいないところまでしかいない現実を目にした際は頭を悩ましていた。

 

 

何せ、迎撃部隊に充てられていた北条の手勢が敵の追撃部隊を次々と槍襖で突き刺しているところを眺めながらも隣にいた直虎殿なんか率いた味方の兵を思いっきり北条側が自分達の戦力を弱めんが為にやった策だと確信しながらも機嫌を悪くしていたが

 

 

何分、下手に逆らっていれば今川も北条との関係を悪化する可能性も考えればこそという点もあり

 

 

今回の策に乗らざるおえない己を悔いている様子すら伺えていたが

 

 

ここで、北条の兵が普通に相手の兵が来ても動じずに戦えた事に関して彼女が何かしら気付けば氏輝様に面白い手土産を見つけてりゃそれなりに出世出来る機会があったんじゃないかと思いながらも俺は黙っていた。

 

 

北条側とて全てでは無いにしろ幾らか飢えに苦しんでそうな連中か何かでも本国自ら兵として雇いながらも戦が無い頃は日頃の鍛練を積み重ねたり

 

 

また、治安の悪いとこでの賊退治を行わせたりしてるという噂くらいは小耳に噂程度で聞いた事があったもんの本当にそんな事を行ってたとすりゃ何故か確信がつける点も幾らか見受けられた。

 

 

それが、兵達がただ戦っているとこを見る限りじゃ槍襖を行ってる際にゃ、横陣で兵が四、五千いる中でも二〜三列に並んで第一陣で敵兵を串刺しにした後、速やかに敵の屍から槍を抜いては後ろへ下がり

 

 

二列目で槍を構えてる連中が前へ出て向かってくる連中を串刺しにしてるという光景が目に映るせいか

 

 

つくづく、北条を敵に回さんくて正解だったんじゃないかとも考えながらも

 

 

敵の隊が次第に誘いこまれた江戸から撤退していく姿を眺めつつも北条側もまた敵がまだ攻め込まないのを警戒しつつも数日後には向こう側より来た停戦要求を呑み込む事によりこの戦では、北条が勝利した形として終止符が打たれ

 

 

江戸から相模の小田原へ帰還しつつも俺もまた北条が領内から兵を雇いながらも幾らか鍛練を組ませている様子でもみたいとこだが………

 

 

「普通なら兵達を挙兵するとなりゃ殆ど畑を耕しながら生活を営んでる連中が大半だろう。とはいえ、肝心なのは何時でも戦えて戦慣れしてる奴等がこれから必要になるだろうが………」

 

 

「………いきなり、どうした?」

 

 

「まぁ、下手に戦を仕掛けていりゃ………我が今川は今頃、興国寺城まで向こうに占拠されてたろうなって考えてただけだ」

 

 

 

「…………そうか。我が今川にその頸でも差し上げるか」

 

 

鞘から太刀を抜き出した彼女の反応に俺は気付けば呟いてたんだろう。

 

 

何せ、早雲公が代から伊豆一国どころか相模の小田原まで占拠し、氏綱様の代にゃ武蔵も殆ど制圧下へ治めながらも未だ守りきれている上

 

 

こうして、古河公坊を中心とした反北条の勢力とまともに戦えるようにしてもすぐ動かせる兵が二〜三千はいたところで不思議でもねぇ。

 

 

だが、今動いてる兵達は軽く見積もっても六千〜七千近くの兵達が動いているのならまだ敵の動きを読んだ上で用意してるだけだと考えられる。

 

 

とはいえ、目の前で槍を構えて敵を特に動じる事も無くただ向かってくる連中を的確に串刺し出来るなんざいくら鍛練を積んでるだけでも殆ど畑を耕すのに忙しい連中だと思いたいとこでもあるが

 

 

そこをここまでかき集めて戦えるとなりゃ人手が必要とされる農民等から一揆とか起きても不思議じゃねぇ筈だ。

 

 

だというのにも関わらず北条がこうして己が兵達が目の前で普通に敵兵を仕止めてるとこを見せつけてるとすりゃこの戦が終わってから結論が出るだろうとなんて考えつつも何処かでこの勢力下で仕えてみりゃどうなるんだろうと考えてる己が気持ちもこの頃にゃあったかもしれんだろう。

 

 

だが、この時代に兵達をかき集めるだけだとしても民達の信用度が落ちかねんだろうし

 

 

何より目の前の状況下で将がただ采配を振るってるだけで戦えるっていうのがまた難しいとこがある。

 

 

幾ら何時でも戦える兵を用意したいにしても一日二日の鍛練で戦えるのなら誰も苦労はしねぇだろうし

 

 

何よりこういった精鋭部隊を持つとすりゃ何年かかかるもんだとばかり考えるもんなんだが………

 

 

既に敵を追い返して尚且つ小田原まで兵を引き返して時なんざ普通に多くの兵を失ったというというだけでも何もかも失っただけでもおかしかねぇっていうにも関わらず

 

 

今の今川で必要が天下を取るとすりゃ正直、必要な部隊じゃないかとも考えつつも

 

 

まずは如何にして北条の隊がここまで戦える兵達を作り上げたのを考えてたもんだが………

 

 

「そういや、幾ら領内だといっても気持ち悪いと思うくらいに賊がいないというのがな………」

 

 

「…………普通にこんな多勢を見て襲う連中がいたら大したもんだろう。にしても向かう際も疑問に思っていたが………思ったより街道が整理されてるな」

 

 

「…………確かに敵領内と多少は隣接してるから街道整理で人手を回すにしても金と労力がかかりかねぇもんだ。まぁ、だからこそ民達に職務を与えるとなっても北条自ら金を払ってるとすりゃ………それなりに費用もかかるが………それよりも難なのは何処まで道を整理するかによっても雇う側にもまた予算がかかるだろう」

 

 

その上、何かしら利益を生み出さなきゃ無駄に資金が足りなくなるのが目に見えるものだが………

 

 

北条の場合だと街道が通りやすいのと領内で賊が多発しなけりゃ商人も安心して商いも出来るだろう。

 

 

それに、北条は早雲公が代より風魔衆なる忍の連中と組んでおり

 

 

噂じゃ北条に戦で親や身内を亡くしたガキ達を風魔の連中が拾って忍として育成してるんじゃないかというのをちょっくら聞いた事があるくらい人手が未知数だというのは聞いた事あるが………

 

 

「…………まさかな」

 

 

「…………駿府へ帰ってからの言い訳を考えて頭でもおかしくなったか」

 

 

「それは、下総までいきなり進軍された上に前線で戦わせれたせいかまともに力も発揮されずに戦わされたとでも報告しときゃ雪斎のジジイにも通じるだろう。で、坂東武者は敵に回すとすりゃ鍛練での点と戦慣れしてないあの部隊じゃ相手にならんと書状に記して送っとくつもりだしな」

 

 

「ならば、どうした?他に氏輝様の期待に乗れる機会でも失ったから家中に笑われる事でも考えてたのか?」

 

 

何かしら呆れてるかのよう呟いた彼女の一言に俺もまた苦手とする今川家中の重臣達から色々と言われる事を思い出してしまったが………

 

 

まぁ、その重臣等も意外と戦場で役に立ったりするんだがこれがまた古い考えを持つ連中ばかりで気付けば幾らか連中の命で前線へ行く事もあって何度か修羅場を潜らされた事もあった。

 

 

「まぁ、その辺りよか今は雪斎のジジイと話が合うんなら儲けもんだわな。今回の戦だが………預けられた兵達に関しても問題ありすぎたしな………」

 

 

「…………確かに、槍や太刀をあまり握らん連中ばかりであからさまに数だけしか取り柄も無い奴等だったな」

 

 

「いきなり戦を仕掛けるからすぐ二千近くの兵を用意しろと言われりゃああなるもんよ。まぁ、本命が三河を狙う織田信秀だろうし第一此処へ駿河の大事な精鋭部隊とかなんざまず向かわせたかねぇだろうし………」

 

 

此方が悩みながらも馬を走らせていた頃だったろうか………

 

 

疲れきった五百程いる兵達を率いながら本国まで向かおうとしていた時だった。

 

 

こういう増援でも帰国するまでにゃ相手側の本国を寄って挨拶してからでも良いんだが

 

 

今回の戦で兵達も無駄に失ったりした為かさっさと謝っといてすぐにでも北条に関する情報を駿府へ帰らなきゃならん事情もあったんで休みながらも雪斎のジジイ宛てに珍しく今回の戦での戦況報告と今後の反省点も活かして領内にいる戦や賊達の襲来など生きる場を無くした連中を幾らか国で雇い武器の扱いに慣れてる者等も雇って少しでも使えそうな兵を育ててみるべきではないかと記し

 

 

それを書き終えた後、数名の兵達にゃ馬代から飯代までの賃金わ幾らか出して先に駿府館へ向かわせておいたせいか

 

 

箱根から帰還する頃にゃ何故か北条側より北条の姫君から預けられた文だというもんを渡されながらもそれを読みつつ駿府へと向かう。

 

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