萌えっ娘もんすたぁSPECIAL -Code;DETONATION- 作:まくやま
3
僅かな時間ではあるが22番道路でトレーニングを行った一行。それによって力量も少しは上昇したし、ダイヤ自身も彼女らの使える技、傾向も把握してきた。
ノアは3人の中で一番素早く、物理と特殊のどちらにも対応できる。代わりに防御は3人の中で一番低く、どうにも打たれ弱い欠点が見えてきた。
メルアは力が弱めで足も早くないが、ふわふわした服の効果か耐久力が総じて高く、放たれる電気技の威力も高い。身体を纏う静電気や電磁波で相手を麻痺させることも出来る。
そしてサーシャは、物理攻撃と物理耐久に特化してあると気付いた。逆に特殊攻撃には弱く、足もそこまで速くない。ただ彼女は他の二人よりも状況を把握する力が強く、それも長所と成り得るだろう。
そうして待ち望む、22番道路。ダイヤはただなんとなしに、その道の先を眺めていた。
「ねぇマスター、この先ってなにがあるの?」とメルアが聞く。
「この先は、萌えもんバトルの最高峰…萌えもんリーグのある、セキエイ高原に続いてるんだってさ」
「ほへぇ~~…萌えもんリーグかぁ…」
「トレーナーなら誰もが憧れる場所だって聞いたことがあります。マスターも、いずれはそこに挑戦するつもりなのですか?」
「…どうすっかなぁ」
「ご主人様…?」
ぼんやりと呟くダイヤ。その眼に覇気は無く、どこか虚ろとしたものだった。
少し不思議そうなノアの声も、彼の耳には届いてはいない様子だ。そんな時、リーグの方向からどこか不満気な顔でロイが歩いてきた。
その姿を見て、ノアは思わずダイヤの後ろに隠れてしまった。
「あーあ、まったくよぉ…チョットぐらい良いじゃねぇかよなぁ」
ダイヤと同じイヤホンをつけて話をしているロイ。相手はおそらく、あのワニノコだろうか。
話が終わったのか、互いに向かい合うダイヤとロイ。少し呆けたダイヤを見て、さも当然のように愚痴りだす。
「リーグの見物させてくれっつったんだけどよ、招待もバッジも持ってない奴を通す訳にはいかないんだとさ。お堅いもんだぜ」
「それでも行こうとするお前の熱意がスゲェと思うよ俺は」
「フン。…で、ちょっとはマシになったのかよ?」
言いながらダイヤの後ろに控える3人の萌えもんを一瞥するロイ。その顔は、どこか見下したようにも思える。
が、ノアは委縮して後方に控えているしメルアは何を言っているのか分からない顔。幸か不幸かその事に気付いたサーシャは静かに怒りを溜めるタイプだったので、いきなりトラブルになるようなことはなかった。
しかしこの僅かな時でも、ダイヤは彼女たちの事を把握し始めている。みんなが眼前の相手に対して何を思い、どう考えているのか…想像に容易かったのだ。
なればこそ。ロイの幼馴染としてではなく一人のトレーナーとして…自分を主として認めてくれた皆のため、自分が代弁するべきことはハッキリとしていた。ただ一つの、明確な意思を。
「…ロイ」
「あん?」
「――勝つぜ。今度は『俺たち』が」
「…ハッ、上等だ。その生意気な鼻っ柱を圧し折ってやる。来いよ!」
意思を示したダイヤに、ヤル気を見せるメルアとサーシャ。ノアだけが、そこに入れずにいた。
(…わ、私は…)
「大丈夫だ、ノア。最初は俺もお前も、バラバラの一人ぼっちで戦ってたと思う。でも、今は違うよな。
お前には俺がついてるし、メルアとサーシャもついてる。…独りじゃないんだ」
ノアの頭を撫でるように手を置くダイヤ。メルアは満面の笑みで片手をギュッと握り、サーシャは強い笑顔で肩を叩いた。
「だいじょーぶだよっ!一緒にがんばろ、ノア!」
「私も、力になりますから」
「…私は、独りじゃ、ない…」
「あぁ。挫けそうな時は、俺達が戦う勇気を支えてやる。だから――」
みんなからの温もりが、私に力を与えてくれる。ノアはそう、直感していた。
昨日夢見た冷たい眼も、温かい目も、結局自分はどっちに行けばいいのかなど分からない。
ただ一つ…あの一瞬に感じた温もりの正体は、分かったような気がした。
「……私、もう負けません」
言葉は自然と、口から漏れていた。徐々に声は大きくなり、自然と足も、主の後ろから隣へと進んでいた。
「負けません!今度こそ、絶対にッ!!」
後ろ髪から炎が燃えあがる。それは、ノアが自身の力で闘争本能を昂らせたことに他ならない。
その決意の声を合図とし、ダイヤとロイ、トレーナーとしての二人の第2戦目が幕を開けた。
「まずはお前だ!行け、メリープ!」
「了解ー!」
ロイの投げたボールから、元気よく飛び出したのはメリープだった。メルアと同種。だが服装は微妙に違い、声質や喋り方から少年ということが分かる。
それに対しダイヤは…
「サーシャ、頼むぞ!」
「了解です、マスター」
メガネをクイッと上に上げ、サーシャが飛び出した。
メリープは電気タイプであり、サンドであるサーシャは地面タイプを持つ萌えもん。トレーナースクールで学ぶ、10にも満たない子供ですら知っている萌えもん同士の相性法則に則り、電気タイプに有効な地面タイプを繰り出したのだ。
「チッ…一丁前に相性合わせやがって…。メリープ、体当たりだ!」
「うおりゃぁー!」
勢い良く突進するメリープ。だが、サーシャの目はその直線的な動きを見越していた。
「躱して砂かけだ!」
「…ッ!」
軽快なサイドステップで軸をずらし、体当たりの直撃を避ける。そして背後に回った隙を付き、その爪を地面に突き立ててそのまま大きく巻き上げた。
砂というよりも軽度な土砂に近いサーシャの攻撃、砂かけがロイのメリープに当たり、倒れこんだ。
「ううぅ~、目が…。やったなぁー!」
「やりかえせ!電気ショック!」
やられた怒りをぶつけるように高ぶらせる。すると、メリープの身体から電気が放たれだした。
電気タイプの中でもポピュラーな技、電気ショックである。が、ダイヤの目から見てもその威力はメルアの放つそれを上回っていた。
「悔しいが、強いな…!サーシャ!」
「お任せを!」
彼女の動きは緩慢ながらも、放たれる電撃を転がりながら避けていく。
時に当たることもあったが、地面タイプに対し電気技の通りは基本良くなく、全く効果をなさない場合も存在する。タイプの相性とは、これほどまでに戦局を転がすものなのである。
「くっそ、なんで当たらない…!」
ロイが忌々しそうに呟く。ダイヤもそれには疑問を感じていたが、特に口に出さずにいた。
気付いているのはバトルの当事者たちのみ。サーシャの放った砂かけで、メリープの命中率が下がっていたのだ。
それに加えて相性の悪い電気技。当たっても満足なダメージにならないことに、ロイもメリープも苛立ちが募っていた。だが、サーシャが電気ショックを躱して、且つメリープとの距離と位置が重なった一瞬、
「そこだ!真っ直ぐ体当たり!」とロイの指示が飛ぶ。
「!! うおりゃぁー!!」
指示を信じて真っ直ぐに体当たりを繰り出すメリープ。大きな音が響き、サーシャに直撃されたことが一瞬で分かった。
「サーシャ!」
俯くサーシャを案じて呼びかけるダイヤ。だが、その眼はまだ生きていた。
「…ったあぁッ!」
爪を立て、メリープの身体へとその腕が伸びる。まるで懐に入ったストレートパンチのような、鋭い爪の一撃がメリープを直撃した。
「メリープ!おい!」
ロイの呼ぶ声もむなしく、メリープは目を回して気絶していた。ノックアウトである。
「…っしゃあ!よくやったぜサーシャ!」
「サーシャすごーい! ね、ね!サーシャが勝ったんだよねっ!」
「うん、うん…!!」
喜びに震えるダイヤたち。一方でフィールドにいるサーシャは、さも当然といったしたり顔でロイたちを眺めていた。
「…んだよ、やるようになったじゃねぇか。戻れメリープ」
ボールにメリープを戻し、すぐさまもう1個のボールを取り出す。
「ダイヤの相手ごときに、そこまで本気でやるつもりも無かったんだけどなぁ」
『そこはマスターの驕りだと思う。いつだって誰にだって、全力でいかなきゃ』
「チッ、やれやれだ。――ワニノコ、行けッ!」
投げた2個目のボールから飛び出したのは、青い萌えもん。ダイヤにとっての”ノア”と同じ存在である、彼の相棒にして切り札、ワニノコだった。
一方ダイヤのフィールドにはサーシャのまま。バトルのルールは勝ち抜き戦、仕切り直しに萌えもんを交代できないのだ。
(兄さん…)
「サーシャ、もう一度砂かけだ!」
「はい………ッ!?」
指示を受けたサーシャの動きが鈍くなる。そのことに、ダイヤたち全員が驚きを隠せないでいる。そして、その隙をロイが見逃すはずもなかった。
「水鉄砲ッ!!」
「一発で決めるよ!」
両手を突き出し、水流を発射するワニノコ。その一撃をもろに受け、サーシャはダイヤの足元まで吹っ飛ばされた。
「さ、サーシャ!大丈夫か!?」
ダイヤの声に目立った反応は見せず、先ほどのメリープと同様に目を回して倒れてしまった。
「サーシャ…すまん、戻ってくれ」
「お疲れ様です…。でも、なんであの時…」
「あー、そいつはアレだな。メリープの特性に引っかかったんだ」
「特性…あ、そっか!」
忘れていたものを思い出すかのように声を上げるダイヤ。ノアは未だに分からずにいて、同種族であるはずのメルアも、頭にクエスチョンマークが飛び交っていた。
「メリープの特性は【静電気】。触れた相手をマヒさせる特性。さっきのサンドちゃんは、うちのメリープへの最後の一撃の時に、その特性効果をくらってしまったんだろうね」
やや淡々と…だがクソ真面目に答えたのは、ワニノコだった。
「おいワニノコ!んなもんアイツなんかに説明してやるなよ!!」
「それは卑怯だよマスター。友達なんだから、ちゃんと正々堂々と戦わなくちゃ!」
…随分とフェアプレイ精神が旺盛である。まともに話したこともなかったからか、ロイの相方がこんな奴だとは思ってもみなかった。
だがその実力は確かなものだろう。相性が良くなかったしマヒも受けていた。加えてバトル直後とはいえ、サーシャを一撃で倒したのだ。弱いはずがない。
そんな彼の前に進んだのは、ノアだった。
「お、おいノア!」
「…私が、私が行きます…!」
「…よし。なら行くぞ!」
「ハイッ!!」
小さく震える体に力を入れて、再度後ろ髪を炎に変える。
少なくとも昨日までのノアじゃない、強い気持ちがそこにあった。
「馬鹿が、炎タイプじゃ水タイプには勝てないっての!ワニノコ、水鉄砲!」
「了解…ッ!」
「火の粉で迎え撃て!」
「はい!これでッ!」
ワニノコの右腕から放たれた水流と、ノアが両の手から強く解き放った火の粉が激突。空中で爆発を起こす。
その煙で一瞬目が眩むが、そこを見逃す相手ではなく、白い煙の中からワニノコがすでに接近していた。
「…ひーちゃん、貰うよ!」
「……っ! っああぁ!」
一切ブレのないその言葉に怯んでしまい、爪の一撃を貰ってしまうノア。
転がりながらも体勢を立て直し、再度ワニノコへと目をやる。
(…やっぱり、私は兄さんとなんか……。でも、だけど今は…!)
焦りに満ちながらも、キッと強く眼を締める。誰にも止められないし、待ってもくれない。
これは、戦闘〈バトル〉なのだ。
「そのまま押し切れワニノコ!水鉄砲!!」
「ノア!躱して体当たりだ!!」
両手から連続で放たれる水鉄砲。持ち前のスピードでなんとか避けて行くものの、回避一辺倒になり攻撃指示へ動けない。
(…これじゃ駄目だ…。もっと、あと少しだけでも、速く…ッ!)
「…やるね。昨日の今日でよくこんなに躱すようになったもんだ!でも、俺だって負けないよ!」
ほんの少し、タイミングをずらして発射される水鉄砲。僅かなテンポのズレが、動揺と失敗を誘うフェイントだった。
「――あ…」
「ノアッ!!」
叫ぶダイヤと、思わず目を伏せるメルア。誰もが直撃を確信した、その瞬間。
「――ッ!! …ハッ…ハアッ…!今の、は…」
砂煙を巻き上げてダイヤの前に戻るノア。そのスピードは、正に『瞬く間』だった。
「今のは…そうか、新しい技!」
すぐに図鑑で確認するダイヤ。映し出されるノアのステータス画面に、体当たりが上書きされて新しい技が示されていた。
「新しい、技…こんなところで…」
「うわあー!ノアすっごい!そのままやっちゃえー!!」
メルアの応援に応え、ワニノコの方へ再度目を向けるノア。小さな変化が、小さくても確固たる自信へと変化した瞬間だった。
「チッ…行けんのか、ワニノコ」
「うん、これは予想外ではあったけど、バトル中に技が進化するなんて事はザラにある。それらを加味しても、やれるよ」
「よっし、ならやっちまえ!」
「ノア、こんどこそ反撃だ!電光石火ッ!!」
「ハイッ!!」
再度走り出すノア。そのスピードは見る見る上がっていき、まるで輝くようにも見える。
先ほどとは違う速度の世界。視界は一瞬で慣れ、ワニノコが放つ水鉄砲もその動きが目で追える程になっていた。
「兄さん…これで!!」
全ての水鉄砲を躱しきり、ワニノコへ肉薄するノア。高速で懐に入り、速度の乗った体当たりがワニノコを直撃する。
決まった。と、ノアがそう直感した時だった。
「…惜しかったよひーちゃん。でも、よくできました」
ノアの耳に、『いつもの優しい兄さん』の声が届いた。
しかし、彼女はそれを瞬時で理解してしまった。これは、真の意味での『仲良しからの決別』なのだと。
それの理解と同時に、ノアの小さい体は宙に舞っていた。ワニノコの水鉄砲が、ゼロ距離で放たれたのだ。
「ノアアァッ!!」
ダイヤの声が聞こえる。兄の放った水鉄砲は、前に受けた時よりも遥かに強くなっていた。
あ、私はまた負けたんだ。と、彼女はぼんやりと思う。
落ちていく先に見える主と、心配そうに見守るもう一人の『仲間』の姿。そこで彼女は、また一つ実感として気付くのだった。
(…そっか。独りじゃないって、こういうことなんだ…)
落ちてきたノアを何とかキャッチするダイヤ。メルアもすぐに、泣きそうな顔で駆け寄ってくる。
「ノア、だいじょうぶ!?いたくない!?」
「…うん、大丈夫。でも、ちょっと休ませてもらうね。…メルちゃん、あともう少し、頑張って…」
「…うん、メルがんばるよ!ノアの分も、サーシャの分も!」
そこまで言ってぐったりと倒れるノア。戦闘不能である。
「よっしゃ、メルア。ノアとサーシャの分まで行くぞ!」
「おー!!」
最後にダイヤの元から飛び出したメルア。鼻息荒く、ヤル気を見せている。
「さっさと終わらせんぞ!ワニノコ、水鉄砲をぶち込んでやれ!」
「たああッ!!」
水流がメルアに向かって直進、避けることも叶わず命中する。ずぶ濡れになったメルアは、どこかキョトンとした顔だった。
「メルア、大丈夫か!?」
「…?うん、へーきへっちゃら!」
「よっし…。なら、一気に決めようぜ!電気ショック!」
「ちえりゃぁー!!」
気合一発、メルアの身体から電気が放出され、ワニノコへと一直線に伸びていった。
それをなんとか躱すワニノコ。だが、その動きにも限界が近づいていた。
どこか忌々しそうに胸を押さえながら回避行動を繰り返す。それは、ノアの電光石火を受けたダメージ痕だった。
反撃としてワニノコも水鉄砲を放つが、メルアにはどうにも効果が薄い。
相性というよりは、彼女自身のもつ耐久力に依るものだろう。事実、彼の仲間のメリープを相手にした場合は3発ぐらいの直撃でノックダウンしている。
だが彼女は、同じ回数当ててもケロッとしている。自分の体力低下による威力の減少もあるだろうが、それを差し引きしても耐え過ぎだ。
その焦りに支配されたとき、ワニノコは自身の敗北を認めてしまっていた。その一瞬のスキに――
「あったれぇー!!」
メルアの電気ショックが、ワニノコへと直撃した。
水タイプに電気技は効果抜群。ノアとの戦いで体力が減っていたとはいえ、たった一撃のヒットで、ワニノコは目を回して倒れこんだのだった。
「あぁ、ワニノコ!くっそ、戻れ!」
すぐにワニノコをボールへと戻すロイ。対するダイヤ達は、まだ身構えていた。
「ちっくしょう…!今日はこのぐらいにしといてやる!大体な、そっちの方が数も多かったし相性も有利だったんだ!そんなマグレ勝ちでいい気になるなよ!!」
これ以上ない見事な捨て台詞を吐き捨て、萌えもんセンターへと走り去るロイ。
場に残ったのは、未だに身構え続けているダイヤとメルアだった。
「…マスター、バトルは終わりなの?」
「…そう、みたいだな」
「じゃあ、メルたちの勝ちってこと?」
「…そう、みたいだな」
風が寂しく吹いたとき、ダイヤはようやく自分の勝利を実感した。なんとなく、呆気なかったが。
「――っしゃああああ!!ロイの奴に勝ったあああああッ!!」
「勝った勝ったー!!」
「ノア、起きてるか?勝ったぞ俺たち!あの野郎に勝ったんだ!!」
倒れているノアに嬉しそうに語りかけるダイヤたち。その声を聞き、ノアはゆっくりと目を覚ました。
「ご主人様…。…おめでとうございます。でも…私は何もできませんでした。勝手に出て、負けちゃって…」
「馬鹿野郎、今日の勝利はみんなで掴んだ勝利なんだ!
サーシャは先鋒でメリープを倒してくれたし、ノアはワニノコに決定的な一撃を与えてくれた。そしてメルアが止めを刺した…これ以上ないチームプレイじゃないか!
そんなみんなで掴んだ勝利、みんなで喜んで祝わなきゃダメだろ?」
その言葉を受けて、へたり込むノアの目尻に涙が浮かびだした。
「ご主人様…私、わたし……」
極まった感情が遂に、堰を切ったように溢れだした。
「…うれしくって…涙が、とまりません…!」
泣き出すノアの髪を強めに撫で回しながら、ダイヤもそこに座り込んで思うがままに笑う。
「そっか、嬉し泣きならどんどん泣け!俺も貰い泣きしそうだ、ははははは!!」
「あはははは~。マスターもノアも泣き虫だぁ♪」
少年と萌えもんの笑い声と泣き声が、混じりあって響き渡る。
それは『勝利』と言うにはあまりにも小さすぎて、しかし大きすぎる勝利の歓声。
彼らはこの時、ついに一歩目を踏み出したのだった。
(うーん…いい雰囲気なんだけど、私としてはそろそろセンターに戻って回復してもらいたいなー…。
………あ、お花畑………)
少年と萌えもんたちの往く先や如何に。
というか、ただ唯一瀕死状態でボールの中に置き去り状態なサーシャの運命や、如何に。
第2話 了
=トレーナーデータ=
・名前:ダイヤ
所持萌えもん…ノア(ヒノアラシ ♀)
メルア(メリープ ♀)
サーシャ(サンド ♀)
所持バッジ…無し
=萌えもんデータ=
・名前:ノア
種族:ヒノアラシ(♀)
特性:猛火
性格:せっかち
個性:ものおとに びんかん
所有技:電光石火、睨みつける、煙幕、火の粉
所持道具:無し
・名前:メルア
種族:メリープ(♀)
特性:静電気
性格:おだやか
個性:ひるねを よくする
所有技:体当たり、鳴き声、電磁波、電気ショック
所持道具:無し
・名前:サーシャ
種族:サンド(♀)
特性:砂かき
性格:わんぱく
個性:うたれづよい
所有技:引っ掻く、砂かけ、丸くなる、毒針
所持道具:無し