魔法少女リリカルなのはNoBody 作:AID
闇の中を一人で歩く、歩く先に終着点は無くただひたすらに足を動かし”何か”を求めて動く、その”何か”は分からない、でもその”何か”は大切な”何か”大切もわからない僕の”何か”。今日も闇を抜けモノクロの世界を歩く。そんな物を探す意味なんて無いのに…何も無い僕には何も無いままだから。
僕達が世界に出てくる事はほとんど無い。大抵の物は座り込み空を眺め時が流れるのを待つ。
僕たちが生まれた場所の空は黒い。本当の空の色は知らない。僕達が見える物は全てモノクロだ…と思う、もしかしたら僕だけかもしれない。
僕達が生まれた場所は僕たちと”奴ら”しかいない。”奴ら”は獣だ、ただ一つのものを追い求めかき集め、人を狩る。”奴ら”が僕たちを襲うことは無い、襲う意味が無いのだから。
僕たちには”何か”がない。その”何か”は分からない、でも確かに無い。これに気付いているのは僕、いや多分皆、気付いている。
そして、時が来ると僕達は消える。何も無かったように、誰にも気付かれずに、ただ消える。
消える仲間を見たことは無い、でも確かに変わらないはずの風景が微かに変わる時がある。その時は仲間が消えた証。
気付いたら見知らぬ公園にたどり着いていた、子供が駆け回りあっちこっちから子供たちの笑い声が聞こえる。
そこでベンチに座ってその様子を眺めている一人の少女が目に入った。~これが運命の出会い~
少女は遊ばずにただベンチに座り顔を沈めている。~この時彼女に出会わなければ~
僕は一体、何をしているのだろうか…?~僕の”何か”が動かなければ~
「キミ・・・ひとり?」
「え・・・?」
何で話しかけているのだろうか?~僕はどうなっていただろうか~
「あそばない?・・・なんで?」
「私は、いい子だから」
「いいこ?あそばない?・・・なんで?」
「いい子にしてお母さん達に迷惑かけちゃだめだから」
「めいわく?あそばない?たのしい?わらう?」
「へ?」
何で僕は手を差し出しているのだろうか?~今までのように歩き続けていたのだろうか?~
「あそ・・・ぶ」
「・・・・」
「遊ぶ!」
何で僕は彼女の手を引っ張って子供の群れに向かうのだろうか?~多分違うのだろう~
「にゃははは」
「わらった」
「え?あ、うん!」
何で?~この時、彼女に声をかけなかったとしても~
「あ!もうこんな時間だお母さんたちが心配するかもしれないから帰るね!・・・ありがとう!」
「あり・・・が・・・と?」
何で彼女がお礼を言ったのかがわからない~きっと僕はどこかで彼女と出会い~
どれほどそこで考え込んでいただろうか?気付いたらベンチに座っていた僕に手を差し伸べてくる手が~きっと彼女はこういうのだろう~
~「遊ぼう!」って~
そこから僕の見る景色に色が付き始めた。