D・CⅡなのはstriker's漆黒と桜花の剣士 作:京勇樹
なのはと別れたヴィータは、一人で駆動炉目指して進んでいた
道中に居たガジェットは全て粉砕し、隔壁を打ち砕いて進んだ
それにより、駆動炉の間近にまで迫っていた
しかし、無傷ではなかった
現れたガジェットの数
仕掛けられていた罠
それらにより、ヴィータは全身を朱に染めていた
だが、足取りは確りと前に進んでいた
「こんなの、痛かねぇ……痛かねぇ!」
ヴィータは自分に言い聞かせるように言いながら、一歩ずつ確実に前に足を踏み進めた
そして、妨害してきた最後の使徒を壁に叩き付けて、ヴィータは目的の部屋に入った
そこに見えたのは、巨大な結晶体の物体だった
「これが、駆動炉……」
ヴィータのその呟きを肯定するように、その物体から膨大な量の魔力が溢れている
ヴィータはそれを確認すると、カートリッジを装填
そして、駆動炉を睨み付けて
「いっくぞぉぉぉぉ!」
駆動炉に向けて、全力で突撃した
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
場所は変わり、地上
そこでは、激戦が続いていた
そんな中、はやては直感的に上を見上げた
地上に向けて砲撃を繰り返す、圧倒的な古代の戦艦
聖王のゆりかごを
するとはやては
「誰か、指揮を引き継いでください! 私も、あの中に入ります!」
と叫んだ
実ははやて、付近の警官隊の指揮を行っていたのだ
しかも、その指揮は正確かつ迅速だった
はやては元々、イベントやゲームなどでよく陣頭指揮を執っていた
恐らくだが、元々そういった方向に適性があったのだろう
そんなはやては、嫌な予感がした
今からゆりかごに突入しないと、大事なことに間に合わないと
だかははやては、指揮の引き継ぎを頼んだのだ
するとその時、はやての前に通信ウインドウが開いて
『指揮はこちらで引き継ぎます! 行ってください!』
と通信と指揮を一手に引き受けていたウーノが言った
それを聞いて、はやては
「ありがとうございます!」
と言うと、ゆりかご目指して飛んでいった
戦ってるのは何も、彼女達だけではない
避難した民間人の中から、危険を承知で立候補してきた者達が居る
戦場たる港湾区画から近い、風見学園では
「負傷者の方はこちらに来てください!」
「治療しますから!」
将来は医務官を目指している小恋と、保健委員の由夢が怪我人の治療をしている
他にはシャマルも居り、次々と運ばれてくる負傷者を治療している
彼女達の手や顔には負傷者達の血が付着しており、どれ程の人数を治療したのかを伺わせる
しかし、彼女達は気にする様子はない
正確には、気にする暇が無いのだ
今彼女達は、自分に出来ることを必死にこなしていた
一人でも多くの負傷者を、自分達の知識と技術で助ける
前線と後方という違いこそあれど、そこもまた戦場だった
そして、風見学園の近くでは
「ここから先には、魔力弾の一発たりとも通しませんわ!」
エリカ・ムラサキが防御特化デバイスという利点を活かし、強固な障壁を展開
前線を突破してきたらしいガジェットの攻撃を全て防いでいた
そんな彼女を捕まえようとしたのか、一機のガジェットⅢ型がアームをエリカ目掛けて伸ばした
しかし、彼女が防御特化だとわかっていて一人にするほど、他のメンバーもバカではなかった
「うらっしゃぁぁぁぁぁ!!」
と、掛け声と共にアームを弾いたのは、デバイスを展開させた渉だった
渉は手甲が展開された右手でアームを弾き上げると、脚甲の付いた左足の回し蹴りでアームを破壊
一気に接近すると、左ストレートを繰り出した
渉が繰り出した左拳は、ガジェットの装甲を貫通
内部にめり込んだ
「弾けろっ!」
渉がそう叫んだ直後、ガジェットは一気に膨張
爆発した
渉の得意とする魔法の一つ
爆破である
渉曰く
『何かをぶっ壊すのには、大変便利な魔法』
とのことで、よく工事現場で使っている
「渉、退きなさい」
と言ったのは、魔導書型デバイス
雪月華を持った杏だった
杏の言葉に従い、渉は一気に後退した
その直後
「氷槍弾雨!」
と杏が唱えると、長さ約2mにも達する氷柱が雨霰とガジェット群に降り注いだ
魔導型デバイスの恩恵で、杏は圧倒的数の魔法を扱える
そんな杏の脅威度が高くなったのか、空を飛んでいたガジェットⅡ型が杏に向けてミサイルを放った
しかし杏は、動じない
そして、微笑みを浮かべると
「よいしょっ!」
と人影が杏の前に出た
その人影
茜は、両手で持っていた双頭鞭型デバイス
藍玉を高速で回し、即席の障壁を展開
杏に迫ってきていたミサイルを、全て防いだ
そして素早く操ると、不用意に接近していたガジェットⅡ型を数機叩き壊した
すると、地中から更に数機のガジェットⅢ型が現れた
現れたガジェットⅢ型は、孤軍奮闘していた渉目掛けてミサイルを一斉に発射した
それに気付いた杏と茜がミサイルを迎撃するが、数発が迎撃を突破
渉に迫った
だが
「あー!!」
と声が響き渡った直後、残っていたミサイルは全て空中で爆発した
ミサイルを発射したガジェットを撃破した渉は、ある方向を見た
そこに居たのは、ブイサインをしている白河ななかだった
ななかの魔法は、希少技能で音である
攻防、支援と幅広い使用が出来る
しかし、血筋からか今のところは白河家の女性にしか確認されてない
そして今のは、音による壁を作り出し、それでミサイルを防いだのだ
そして、この場所で戦ってるのは彼女達だけではない
「いっしゃぁぁぁぁぁ!」
「はあぁぁぁぁぁ!!」
無事に着地した明久と結華の二人も、奮戦していた
雷撃を宿した刀で切り裂き、焔を宿した槍でガジェットを抉った
二人は元の世界に戻ってからも、訓練を欠かさなかった
それが正に今、開花した
例え、帰れなくても構わない
何故ならば、自分達は自分の意志で来たのだ
((裕也を、助けるために!))
人を助けるのに、理由は必要無いのだから