D・CⅡなのはstriker's漆黒と桜花の剣士   作:京勇樹

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過去の語らい その4

2年後、西暦2046年、日本 初音島

 

脱走してから2年が経過した。

 

脱走して、初音島に来てから幸也たちがまず行ったのは、預けていた我が子の防人美樹と橘蓮華(たちばなれんか)を、初音島に住んでいたハラオウン夫妻とテスタロッサ夫妻から引き取った。

 

そして、その後はかねてから計画していたとある組織の設立を迅速に行ったのだ。

 

まずは、聖王教会のシスターのカリム・グラシアに会い禁書目録聖省のことを話した。

 

そして、カリムが自分の弟分でICPOで捜査官を勤めているヴェロッサ・アコーズに連絡を取って、ある3人との面会の場を設けたのだ。

 

その3人とは

 

法務顧問相談役のレオーネ・フィルス

 

武装隊の名誉隊長のラルゴ・キール

 

統幕議長のミゼット・クローベル

 

の、3人である。

 

幸也と彰子、博信と美姫。そしてスカリエッティ達は自分達の知る限りの禁書目録聖省《インデックス》の情報を公開した。

 

それはもちろん、人体実験や目的のために厭わない拉致、暗殺、強攻策など、全てだ。

 

それを聞いた3人は、対禁書目録聖省の組織の設立を決定

 

全世界の警察機関に連絡し、一大武装組織を設立したのだ

 

それが守護者(ガーディアン)なのだ。

 

尚、守護者は基本的に対禁書目録聖省だが、現地の警察からの協力要請があった場合それに応じるように決められている。

 

 

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

そして、設立してから他の国では度々に渡り禁書目録聖省と激突したが、初音島では平和だった。

 

幸也たちはそれにより、平和に、そして幸せに過ごしていた。

 

しかし、その幸せも長くは続かなかったのだ・・・・

 

 

 

「くそ・・・まさか、救難十四聖が来るなんてな・・・」

 

幸也は袖で自分の口元の血を拭いながら、呟いた

 

幸也の隣にはもちろん、彰子の姿がある。

 

そして、近くにはクライド、リンディのハラオウン夫妻、アーネスト、プレシアのテスタロッサ夫妻に明義に絢子の八神夫妻、博信に美姫の橘夫妻。そして、高町士郎がその場に居た。

 

「話には聞いていたが、ここまで強いとはな・・・・」

 

士郎は両手に握っている2本の小太刀を油断なく構えながら、唸るように呟いた。

 

全員の前には、白地に金色の刺繍が施された法衣を着ている人間が1人だけ立っている。

 

その手には、何も書かれていない黒皮の表紙の本が所持されている。

 

「しかも、空席だった虹のゲオルギウスなんてね・・・・」

 

目の前の人物は、現れた際に「自分は虹のゲオルギウスだ」と名乗ったのだ。

 

「しかも、あの本は魔道書ね、原点級の・・・」

 

リンディは、虹のゲオルギウスが所持している本から漏れ出ている魔力を感じて分かった。

 

「あれほどの魔道書を扱うとはな・・・」

 

クライドは右手の杖型のデバイスをゲオルギウスに向けているが、冷や汗を流している。

 

「スカリエッティ? どうした、応答しろ?!」

 

明義は、耳に装着しているヘッドセットに大声を出している。

 

「どうしたの?」

 

絢子は大声を出している明義に質問する。

 

「裕也君と美樹ちゃん、蓮華君と神夜ちゃんを護衛していたスカリエッティたちから連絡が途絶えた!」

 

スカリエッティは戦闘向きではないため、拳闘タイプのクイント・ナカジマ、メガーヌ・アルピーノと共に裕也と美樹、蓮華と神夜の護衛に着いていた。

 

しかし、そのスカリエッティからの通信が途絶えた。

 

直前に「現在交戦中だ」

 

という、通信を残して

 

すると

 

 

ドサッ!

 

という音が連続して背後から聞こえた、全員は反射的にそちらに振り向く

 

そこには7人の白い法衣を着ている男達が居て、その足元にはスカリエッティとクイント、そしてメガーヌが倒れていた。

 

「スカリエッティ、クイント、メガーヌ!」

 

幸也は3人の名前を叫んだ

 

「すまない・・・・」

 

「ドジっちゃった・・・・」

 

「ごめんね・・・・」

 

スカリエッティとクイント、メガーヌは傷の痛みを堪えながら謝罪してきた。

 

7人の使徒のうち、4人の男が裕也と美樹、蓮華と神夜を抱えていた。

 

「お父さん・・・・ごめん・・・」

 

裕也と蓮華も最後まで抵抗したのだろう。服は破けており、顔にはアザが浮いている。

 

美樹と神夜はダラリと力なく抱えられているところを見ると、気絶しているようだ。

 

「貴様ら、このガキと実験動物(モルモット)共の命が惜しかったら抵抗するな!」

 

男の1人が裕也の首筋に刃物を当てながら、大声を出した。

 

幸也たちは各々、武器を仕舞って地面に置く。

 

すると、虹のゲオルギウスは開いていた魔道書を閉じた。

 

「ゲオルギウス様?」

 

魔道書を閉じたゲオルギウスを見て、不思議に思った使徒の1人がゲオルギウスを見た。

 

「興が乗らない・・・・」

 

どうやら、所謂興ざめしたようで、少し後ろに下がった。

 

それを使徒の男達は肩をすくめながら、裕也を抱えていた男が美樹を抱えていた男に渡そうとした瞬間だった。

 

「このっ!」

 

裕也は最後の悪あがきとでも言う様に、身をよじって暴れた。

 

「この実験動物(モルモット)が!!」

 

怒った男が裕也を殴ろうとした時だった。

 

 

 

小太刀二刀流御神流 歩法の極み 奥義  神速

 

 

士郎の姿が消えて、気付けば裕也と美樹を抱えていた男の近くに立っていた。

 

「な!?」

 

士郎は袖の中からすばやく鋼糸を取り出し、鋼糸で男の首を切断、次の瞬間に近くにいた残りの男達の急所に飛針を投げて刺し殺した。

 

それを見た博信も、ブリッツアクションで近づいた

 

そして、士郎はすばやく裕也と美樹を、博信は蓮華と神夜を両脇に抱えて幸也たちの近くに戻った。

 

この間、僅か5秒にも満たない。

 

そして、次の瞬間には士郎と博信以外の全員は、置いていた武器を再度構えていた。

 

「っ!」

 

ゲオルウスは、すぐに魔道書を開いた。

 

「天に輝く裁きの星よ、かの罪人達に正義の剣を振り下ろせ!」

 

ゲオルギウスは瞬く間に詠唱する。

 

「マズい! 全員障壁を最大展開!」

 

高位の魔道士でもあるプレシアは、ゲオルギウスが唱えた魔法の危険さを直感で気付き警告を発した。

 

それにより、プレシア、アーネスト、リンディ、クライド、幸也、彰子、美姫の7人が障壁を多重に展開し、明義と絢子、そして士郎と博信の4人が裕也と美樹に覆いかぶさった。

 

裁きの星の剣(グランシャリオ)!」

 

ゲオルギウスが魔法を唱えた瞬間、幸也たちの居た場所に数多の閃光の剣が降り注いだ。

 

そして、閃光が止まると、しばらく土煙が舞った。

 

そして、土煙がやむと、全員倒れていた

 

「ふっ、貴様ら異端者の猿が我ら人に勝てるわけがなかろう?」

 

ゲオルギウスは、蔑みの眼を倒れている幸也たちに向けた。

 

すると

 

「お父さん・・・お母さん・・・」

 

裕也だけは意識があったようで、4人の下から出てきた。

 

ゲオルギウスはそれを見ると、ため息を吐いて右手を裕也に向けた。

 

「死ね、実験動物(モルモット)が!」

 

裕也に向けて、禍々しい赤色の収束砲を放った。

 

「っ!」

 

裕也は近くに落ちていた長さ4,50cmの小太刀を掴み、全力で投げた。

 

ゲオルギウスはそれを見て一瞬驚いたが、すぐに表情を戻した。

 

「その剣もろとも消え去れ!」

 

ゲオルギウスはその刀ごと裕也を殺すつもりで、収束砲の威力を上げた。

 

その表情は笑っており、自身の勝利を確信していた。

 

が、その表情が驚愕に変わった。

 

「バカな! 我が収束砲が斬られてるだと!?」

 

裕也が投げた刀は回転しながら収束砲を切り裂き、ゲオルギウスに向けて飛んでいる。

 

裕也が投げたのは鉋切長光(かんなぎりながみつ)と言い、その昔、大工に化けた妖怪を鉋ごと切り捨てたと言われる業物だ。

 

そして、それにより、鉋切長光は対魔としては最強の切れ味を誇る概念武装なのだ。

 

ゲオルギウスは、収束砲を放っている途中のために動けない

 

そして、裕也が投げた鉋切長光は収束砲を切り裂きながらゲオルギウスに向かい飛んでいき・・・・

 

「バ……カな・・・・・」

 

ゲオルギウスの額に突き刺さったのだ・・・・

 

ゲオルギウスは背中から倒れた。

 

その後、聖王教会から派遣された教会騎士達が倒れている幸也たちを回収したが

 

生き残ったのは、高町士郎とメガーヌ・アルピーノ、クイント・ナカジマ、ジェイル・スカリエッティ、そしてリンディ・ハラオウン、そして、裕也と妹の美樹。そして、蓮華と神夜だけだった・・・・

 

 

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