D・CⅡなのはstriker's漆黒と桜花の剣士   作:京勇樹

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それぞれのチェイス

翌日 午後

 

場所 スキー場

 

「次は……B地区第2地点の無人ロッジだったな」

 

「そうだね」

 

俺達は、昨日の担当区域だったB地区のロッジを確認していた

 

昨日調べた限りでも、2箇所ほど使用した形跡があった

 

その1つが次のロッジだった

 

「しっかし、アイスバーンになってやがるな。フェイト、大丈夫か?」

 

「うん、大丈夫。それに急ごう、天気も大分崩れてきてる」

 

「そうだな、急ぐか」

 

俺達が滑っているのは、正規のコースではなく木々が生い茂る、山の中だ

 

下手にスピードを出したら、崖の下に一直線なんてこともあるのだ

 

「裕也、見えたよ」

 

フェイトの指差した先には、昨日調べたロッジが見えた

 

さて、調べるか

 

裕也sideEND

 

第3者side

 

裕也達は板を外して、音を立てずにドアの両端によった

 

裕也は、無言でドアノブを握るとフェイトを見てうなずく

 

フェイトも無言でうなずいた

 

ドバンッ!

 

裕也は一気にドアを開けて、中に入った

 

「動くな! 生徒会だ!」

 

「うわっ!」

 

「あかん! 逃げるで!」

 

「うわっ!」

 

「わわわ!」

 

そこに居たのは、裕也たちにとっては見慣れた存在だった

 

「え!? アリシア姉さんにはやて!?」

 

「ヴィータにすずか!? なんで!」

 

何故か、はやてとアリシア、ヴィータにすずかが居て、まさに窓から出ようとしていた

 

「待て! くそっ! 追うぞ!」

 

「うん!」

 

裕也とフェイトは、慌ててドアから出るが

 

はやてとアリシア、ヴィータとすずかは既に、板を装着して滑り出していた

 

「待て!」

 

「待てと言われて、待つ奴はおらんわ!」

 

「そのとーり!」

 

「戦略的撤退だ!」

 

「なんか、意味違うような気がする……」

 

裕也の制止を振り切って、はやてとアリシア。それにヴィータとすずかは颯爽と滑っていく

 

「フェイトは無事か!? って、居ねー!?」

 

「こっちだよ!」

 

と、フェイトは、はやてとアリシア近くの横の高台から現れた

 

「うっそ!?」

 

「わわ! フェイトちゃん、大胆!」

 

はやてとアリシアは広がって避けて進む

 

ヴィータとすずかは、裕也が追っている

 

そして気付けば、森を抜けていた

 

「いい加減に止まれ!」

 

と、裕也がすずかの肩を掴もうとした。

 

その時だった

 

「裕也、止まって!!」

 

「っ!」

 

裕也はフェイトの制止に従い、スキー板を横にして止まった

 

 

「せーの!」

 

「とーう!」

 

「おっしゃーーー!」

 

「えい!」

 

はやてとアリシア。ヴィータとすずかはなんと、崖を飛んだのだ

 

裕也は気付いてなかったので、下手したら落ちていたのだ

 

「あ、危ねー………」

 

裕也は冷や汗をたらしている

 

「裕也、大丈夫!?」

 

「あ、ああ。あ、あの四人は!?」

 

と、裕也が視線を崖の向こうに向けると

 

「ほなな~」

 

「まったね~」

 

「あばよ~」

 

「怖かった……」

 

と、四人して手を振ってから反転して、消えた

 

「あんにゃろ~」

 

と、裕也は悔しそうに拳を握る

 

「裕也。1回、正規のコースに戻ろう。天気が……」

 

と、フェイトは上を見る

 

雪が降ってきていて、風が強くなっていた

 

「そうだな、戻ろう。これ以上は無理だ」

 

裕也はそう判断すると、フェイトと共に、反転して戻った

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

少し時を戻し、義之と麻耶グループ

 

「着いたな」

 

「そうね」

 

義之と麻耶は、担当区域の火口付近に到着していた

 

「ここだと、スキー板は邪魔だな。外すぞ」

 

「ええ」

 

義之の判断で、2人は板を外した

 

理由は、足元が岩場でゴツゴツしており、更には雪も少ないのだ

 

「本当に、ここに居るのかしら?」

 

「さあな。でも、杉並なら来てそうだな」

 

と、視線を左右に振っていると

 

「ん? ねえ、あれ、なにかしら?」

 

と、麻耶が指を差した

 

「ん? 誰か居るな………あれは……」

 

と、義之が注意して見てみると

 

「ちぃ! 気付かれたようだな! 撤退するぞ!」

 

「合点承知!」

 

「OK!」

 

「退きましょう」

 

居たのは

 

「蓮華にアリサ!?」

 

「それに、天枷さんに神夜さん!?」

 

義之の悪友の蓮華と、牛柄の帽子に赤いマフラーが特徴の天枷美夏。それにアリサ・バニングスに神夜だった

 

美夏は最近、以前よりも接し方が柔らかくなっており

 

義之たちに対しても、普通に接するようになっていた

 

「なんで、天枷さん達がここに!?」

 

「さあな、追うぞ!」

 

「ええ!」

 

と、逃げようとしている蓮華たちを追いかけようと、足を踏み出した

 

その時だった

 

「あ!」

 

義之の後ろで麻耶が転んだ

 

「委員長!」

 

義之は慌てて振り返って、戻ろうとしたが

 

「私は平気!」

 

と沢井は手で静止すると、立とうとしたが

 

「痛っ!」

 

と足首を抑えて、うずくまった

 

「足を捻ったのか!?」

 

義之は駆け寄るが

 

「私はいいから、橘と天枷さんを!」

 

義之は振り返って、四人が居た地点を見るが

 

「くそっ! もう居ないか!」

 

影も形も無かった

 

「早く追いましょう! まだ追いつけるはずよ!」

 

と、麻耶は立ち上がろうとするが

 

「っ!」

 

ガクッと転びそうになって

 

「無理するな、座ってろ」

 

それを、義之が抱えた

 

「でも……」

 

「無理して動いて、大怪我するほうがヤバイっての」

 

と、義之は麻耶の足元に膝たち状態になると

 

「脱がすぞ」

 

と、スキー靴を脱がした

 

そして、靴下も脱がすと

 

「こりゃ、ひどいな」

 

麻耶の足首は、赤くなっていた

 

「ごめんね、桜内。私のせいで……」

 

麻耶は俯いて、謝ってくるが

 

「なに言ってんだよ、あいつらが居るってわかっただけでも上出来だろ。」

 

と言いながら、義之が足首に触れると

 

「痛っ!」

 

「ちっ、こりゃ捻挫してるかもな」

 

とまた靴下を履かせてから、スキー靴を履かせた

 

「それじゃあ、歩くのも無理そうだな」

 

「……そうね」

 

麻耶の返事を聞くと、義之はしばらく頭を掻きながら考えて

 

「仕方ない、俺がおぶって歩くか」

 

と、呟いた

 

「ええ!? いいわよ、肩を貸してくれたら自分で歩くわよ!」

 

と、麻耶は反論するが

 

「あのな、無理して悪化させるわけにはいかないだろうが! それに、たまには頼れ!」

 

と、義之は麻耶に背中を向けてしゃがみこむ

 

「え、えっと……」

 

「遠慮すんな」

 

「わ、わかった……」

 

麻耶は義之の背中に乗ってから、腕を首元に回した

 

「しっかり(つか)まってろよ?」

 

「ええ。あ、スキー板どうしよう……」

 

「ああ、そうだな。桜花(おうか)

 

義之は自身のデバイスの桜花に頼んだ

 

すると

 

<はい、魔法で浮かせます>

 

「ああ、頼む」

 

義之が頼むと、2対のスキー板とストックが浮かび上がった

 

「そんじゃあ、行きますか」

 

と、義之は長い道のりを歩き始めた

 

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