D・CⅡなのはstriker's漆黒と桜花の剣士 作:京勇樹
裕也とフェイトは、スキー板を外して森を歩いていたが
「こりゃ、これ以上は無理だな」
「うん、吹雪で完全に視界が見えない」
天候は悪化して、強烈な吹雪になっていたのだ
「仕方ない。阿修羅、近くに避難用のロッジはあるか?」
<先ほどのロッジが、一番近いです>
「行こうか」
「ああ」
裕也とフェイトは、B地区第2ロッジに向かった
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ほれ、先入れ!」
「うん!」
裕也が暴風に負けないように、力を込めてドアを開けて、フェイトを先に入れた
「さてと、まゆき先輩か音姫先輩に連絡いれないとな」
「うん、携帯で……あ、ダメだ。ここ電波状況が悪い」
フェイトは震える手で、携帯をポケットから取り出すが、圏外になっていた
「仕方ない、念話だな」
<まゆき先輩! 聞こえますか?>
<あ! 裕也!? 良かった、なかなか帰ってこないから心配してたんだよ!>
<すいません。はやてとアリシア、それにヴィータとすずかを発見したんですが、逃げられまして。戻ろうと思ったんですが、吹雪になってしまって、動けなくなってしまいました>
<そう。フェイトも無事なんだね?>
<はい。今はB地区の第二ロッジに避難してます>
<了解。今、こっちでも地図で位置を確認したよ。この吹雪、なんでも夜明けまで続くみたいだよ>
<そうですか。こりゃ、ここで寝泊まりするしかないか>
<そうして。それと、確かそこには非常食として、缶詰があったはずよ?>
それを聞いた裕也は、視線をフェイトに向けた
「フェイト、缶詰を探してくれ。非常食として保管されてるらしい」
「わかった」
フェイトは、キッチンに当たる場所を探し始めた
<まぁ、そっちは無事でよかったよ>
<どういう意味ですか?>
裕也はまゆきの言葉に、眉をひそめた
<実はね、弟くんがまだ帰ってないのよ>
<義之がですか?>
<そうなのよ。それで、さっきから音姫がうるさくって>
<それはご愁傷様です。まあ、あいつなら心配いらないでしょ。なんせ、あいつは付属最強ですから>
<そうだよねー>
そう、裕也が総合ランク最強ならば、義之は付属ランク最強なのだ
因みに、本校最強は音姫だが
付属ランク決定戦
最初は誰もが疑わなかった、フェイトの優勝
だが、決勝戦で勝ったのは義之だった
義之は決勝戦で、フェイトを一撃で撃破したのだ
そのため、義之には<桜花の瞬剣>の2つ名が与えられている
余談だが、まゆきは生徒会長の懐刀
音姫は、優しき華
フェイトは心優しき閃光
なのはは、エース・オブ・エース
はやては、夜天の王
等々の2つ名が存在する
<そういえば、向こうは沢井も一緒でしたね>
<うん。まあ、弟くんが居るから大丈夫でしょ?>
<はい、沢井の実力は未知数ですがね>
と、話していると
「裕也! 缶詰あったよ!」
と、フェイトが教えてきた
「わかった!」
<それでは、俺達はここで休みますね>
<あいよー。あ、変なことはすんなよ?>
<しません!!>
<あはは、じゃあねー>
「ったく」
裕也は念話が終わると、頭を掻きながらフェイトの方に向かった
「あるのは、焼き鳥の缶詰とレトルト物のカレーだね。ご飯は水を入れると作れるタイプみたい」
フェイトは食料保管庫の中から、缶詰やレトルトパックを取り出す
「まあ、有るだけラッキーだな」
と言いながら、裕也は水道の蛇口を回すが
「ちっ、やっぱ出ないか」
水道からは、一滴も出ない
「凍ってるんだ……どうする?」
「幸いにも火は着く。それに、水ならば外に大量にあるだろ?」
と裕也は、親指で外を指差した
「あ、雪!?」
「おうよ。ってな訳で、取ってくる」
と裕也は、備え付けのバケツを持って出た
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「あー、寒かった!」
あれから裕也は、何往復もして必要量を回収して、冷え切った体を暖炉で温めていた
「お風呂の分まで、ありがとうね」
そう、このロッジにはお風呂もあったのだ
それに気付いた裕也が、お風呂の分まで回収したのだ
「別に構わんさ。流石に、汗を掻いたままっていうのも嫌だろ?」
「うん、嫌だね」
即答である
まあ、花の10代乙女に風呂に入るな。と言うのは、かなり酷だろう
「それより、ご飯も大分炊けたし、焼き鳥とカレーも大分暖まったよ!」
「あいよ。それじゃあ、ご飯にすっか」
裕也は暖炉から離れると、テーブルに近寄った
テーブルの上に、お皿とコップを並べると丁度良く、ご飯は炊けて、缶詰とカレーも暖まった
「「いただきます!」」
裕也とフェイトは、向かい合わせで座って食べ始めた
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
そして
「「ごちそうさまでした」」
と、言うと2人でお皿やコップをキッチンに持っていく
「俺が洗うから、フェイトは先に風呂に入れ」
「え? でも、暖まってないんじゃ?」
「実は、さっき阿修羅に頼んで魔法で暖めておいた」
と裕也は、親指で風呂の部屋を指した
「え? ………あ、本当だ。しかも、適温だ」
「おお、そこまでやったのか。GJだ阿修羅」
<恐縮です>
「じゃあ、お言葉に甘えて先に入るね」
「おーう」
フェイトは、備蓄されていたタオルを手にとって中に入った
「さてと、洗うか」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「裕也、上がったよ」
「あいよー。そんじゃあ、俺も入ったら寝るか」
「うん、布団は敷いておくね」
「悪い、頼むな」
「大丈夫」
裕也は同じように、備蓄されていたタオルを持って入った
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
で、出ると
「マテや」
裕也は思わず、突っ込みを入れていた
「な、なに?」
フェイトは、なるべく裕也の方を見ないようにしている
「なんで、布団が1組しかないんだよ?」
そこには、大きめの布団が1組だけ敷かれていた
「わ、私に言われても……」
フェイトは顔を赤くしていた
「どないせーと!? 他には無かったのか?」
裕也は頭を抱えながらも、フェイトに問いかけた
「う、うん。探したけど、それしかなかったよ」
「そうか。仕方ない、一緒に寝るぞ。冷えて風邪をひくよりはマシだ!」
「う、うん! そうだね!」
こう意気込んで言ってはいるが、2人とも顔が真っ赤である
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
で
「寝れない…」
「右に同じく……」
2人仲良く、起きていた(笑)
「バルディッシュと阿修羅は?」
「スリープモードで寝てやがる」
そこで二人は盛大にため息を吐いて
「「うらやましい……」」
見事に一致している
すると、しばらく沈黙が続き
「なあ、フェイト」
「なに?」
「あの時の返事、してなかったな」
「えっと、クリパの時の?」
「ああ」
クリパ終了後、フェイトは裕也に告白しているが、裕也は返事をしていない
「はぅ…」
フェイトは顔を真っ赤にして、恥ずかしがっている
「返事はな」
「待って」
裕也が言おうとした。その瞬間、フェイトが待ったをかけた
「な、なんだ?」
「言うんだったらさ、正面向き合おうよ。背中合わせじゃなくってさ」
そう。現在、2人は恥ずかしいために背中合わせになっている
「わ、わかった」
2人は同時に、正面に向き合った
「ど、どうぞ……」
フェイトの顔は真っ赤である
「あ、ああ。……」
裕也は深呼吸しているが、同じように顔は真っ赤である
「お、俺だってフェイトのことが……好きだよ」
裕也の言葉を聞いたフェイトは、嬉しそうにするが
「だけどさ、俺は……フェイト達の両親を……」
裕也は肩を震わせながら、俯く
裕也は罪の意識で、これ以上先には進めないのだ
「バカだね」
気付くと、裕也の頭をフェイトが抱きしめていた
「フェ、フェイト?」
裕也は驚いて、固まるが
「言ったでしょ? 裕也だけが背負う必要は無いって。私も一緒に背負うって」
「だけど……」
「人って言うのはね、1人じゃ生きられないんだよ? 2人で支えあって生きていくものなの。だから、裕也は私が支えてあげる」
フェイトは裕也の顔を両手で挟み込むようにして、自分の顔の前に持ってきながら言う
「いいのかな………、俺が人を好きになって……」
裕也は両目に涙をためている
「いいんだよ。もう、裕也は十分辛いことを耐えてきたんだから」
フェイトは微笑みながら、うなずいた
「フェイト……」
「裕也……」
2人は、しばらく見詰め合うと
「「ん……」」
お互い抱きしめあいながら、唇を重ねた
こうして、重い鎖に囚われた少年は
ようやく、救われる
ここから、どう進むのか
それは
まだ
2人には
知る由もない
どうします? 望むならば、R-18を書きますよ?
もちろん、別枠で