D・CⅡなのはstriker's漆黒と桜花の剣士 作:京勇樹
翌日 朝七時半
俺とフェイトはドサリと言う、なにかが落ちた音で起きた
そして、視線を音のした方向に向けると窓から外が見えた
どうやら、雪が落ちた音らしい
俺達は知らない内に詰めていた息を、吐いた
で、ふと気づいた
俺達は、お互いを抱きしめる形で寝ていた
つまりは、顔が近いのだ
しかも昨日、少しばかり恥ずかしいことがあったからか、顔が赤くなったのを自覚した
フェイトも同じだったらしく、俺と同じように顔が赤くなった
それから俺達は、イソイソと布団からはい出て
「「お、おはようございます……」」
なぜか、正座した状態から、挨拶してた
んで、落ち着いてから俺達は布団を畳んで外に出た
吹雪は止んでて、空模様は快晴だった
俺達は、立て掛けて置いたスキー板から雪を払い落として
「準備は?」
「完了してるよ」
お互いに、スキー板を履いたことを確認して
「「ゴー!」」
俺達はロッジを後にした
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
で、滑ること数分
俺達は、宿泊先のペンションに無事到着した
「あ、裕也!」
「無事だったか!」
「良かったです!」
「心配しましたわ」
「無事で良かった」
等々言いながら、皆が近寄ってきた
だけど、なんだろう……
なんか違和感が……
「よ、無事で何よりだ防人」
「よ、裕也! 無事で良かったぜ!」
「せやな」
「ええ」
「無事で安心したわ」
「アハハハ……」
「安心したの」
「そうだね」
…
……
………
ヨシ、わかった
「「「「お前ら(あなたたち)が原因だ(でしょ)ー!」」」」
俺、義之、沢井、フェイトの視線の先には、杉並、蓮華、神夜、アリサ、すずか、はやて、ヴィータ、天枷、なのは、ユーノが居た
普通に混じってたから、思わずツッコミを入れたほどだ
「杉並! お前、ここで会ったが百年目だ!」
「蓮華、遺書は書いたか? 祈りは済んだか? 部屋の隅でガタガタ震える覚悟はOK?」
「はやて……ファランクスシフト、行こうか」
「高町さん……残念だわ」
そう言いながら、俺達が各々武器を構えた
その時だった
「あー、待った待った!」
「四人とも落ち着いて!」
俺達と杉並たちの間に、まゆき先輩と音姫先輩が両手を広げながら立った
「なんでですか!」
「そいつらは、反省合宿を抜けてここに来てるんですよ!?」
俺とフェイトが怒鳴るように聞くと
「あー、はいはい。落ち着きなさい」
「杉並君たちがここに居る理由を説明するから、中に入ろ?」
まゆき先輩と音姫先輩に止められて俺達は、納得してないけど、ペンションに入った
裕也sideEND
第3者side
「「「「はあーー!? 実戦訓練!?」」」」
ペンションを裕也たちの驚愕の声が揺らした
「そ、クリパの感覚を忘れないうちに、復習しとこうって思ってね~」
裕也達の驚いた顔を見て、終始ご機嫌なまゆきがそう告げた
それを聞いた裕也は頭を抱えながら
(その対象で実戦訓練って、意味あるのか?)
と悩んでいて
「由夢! 由夢は知ってたのか!?」
と、妹分の由夢の肩を掴んでいた
実は、これを知らなかったのは裕也達だけらしい
「私も昨日の夜に知らされました。不本意ながら、私も利用されてたみたいです」
由夢は、少しムクれながらため息を吐いた
すると
「「「「「四人とも、ありがとう! おかげでいい訓練になりました!」」」」」
と生徒会役員達が、異口同音に告げると
「「「「嬉しくない!」」」」
四人は同時に叫んでいた
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
で、十数分後
「いぃーやっほー!」
「あー! まゆき、待ってよ!」
「ヤーハー!」
「待ちなさーい!」
「相変わらずの暴走機関車ね」
「わわっ! 由夢さん、早いです!」
「大丈夫ですか?」
「ユ、ユーノくん! もう少しゆっくり!」
「なのは、これでも遅いほうなんだけど」
「おっしゃ、行くで!」
「はやて、元気だな」
裕也たちはスキー場に居た
「防人に同志桜内よ、どうした? そんなに肩を落として」
気付くと、裕也と義之の近くに杉並が立っていた
裕也と義之は二人して、肩を落としていた
「ちくしょう……まさか利用されるとは……」
「音姉に騙された……」
二人の落ち込みようは、凄まじかった
「ふふん、流石は我がライバルだ。まさか同志桜内と防人の二人を騙すとはな。しかし、そうでなければ張り合いがない!」
杉並はそう言うと、颯爽と滑り出した
すると、落ち込んでる二人に沢井とフェイトの二人が近づいてきた
「桜内、落ち込んでないで滑りましょ」
「裕也も、ほら!」
沢井とフェイトは、義之と裕也の手を引っ張った
「待て、いきなり引っ張るな!」
「危ないからな!」
裕也と義之はそれぞれ文句を言いながら、滑りだした
そして、午後3時
「「「「「ありがとうございました!」」」」」
風見学園生徒会一堂と+αは全員、ペンションの前に集まって頭を下げていた
「いえいえ、またいらしてください」
ペンションのオーナーは朗らかに笑いながら、頭を下げた
そして、生徒会一堂と+αは全員、バスに乗って、初音島に向かったのだった
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
午後六時半過ぎ
バスはようやく、風見学園前に到着した
帰りは全員、終始寝ていた
やはり疲れていたのだろう
そして、到着して荷物を下ろしていたら
「あら、誰かしら?」
沢井の携帯が突然鳴った
沢井は携帯を取り出して画面を見て驚いた
「え? 家?」
そして、携帯を耳に当てた
「はい…あ、お母さん。どうしたの? ……え? 勇斗? まだ居ないけど……え? こっちに向かったの!?」
どうやら、電話の相手は母親だったらしく、母親からの言葉に驚いていた
「うん………うん、わかった。探してみる!」
沢井は通話を切ると、心配そうに周囲を見回した
「どうした、委員長?」
「なにがあったの?」
すぐに義之とフェイトが問い掛けた
「弟の勇斗が私を迎えに、家を出たらしいの」
すると、裕也が頭を抱えていた
「裕也はどうしたの?」
「エリオ達も勇斗くんを見失ったらしい……」
と裕也がある方向を見た瞬間だった
(な、なに?)
裕也の左目、劫の瞳が幻視を見せた
それは、車が電柱に突っ込んで煙を上げてて、その近くでは
沢井が少年を抱いて、泣いていた
その時だった
「お姉ちゃーん!」
と子供の声が聞こえた
全員が声のほうに視線を向けると、そこには一人の少年が走ってきていた
「勇斗!」
沢井が心配そうに走り出した
その時だった
「勇斗くん! 来るな!」
裕也が大声で叫んだ
「え?」
勇斗はその声に驚いて、その場で止まった
その瞬間
スリップする音と共に、車がもの凄い勢いで突っ込んできた
「勇斗ー!」
沢井が走るが
誰もが、間に合わない
と思った
が
<ソニックムーブ!>
義之の姿が、一瞬にして消えて
轟音が轟いた
全員があまりの事態に呆然としていると
「だぁー! びっくりしたー!」
と義之が、近くの生け垣から現れた
「お、音くん!」
「ちょっと、大丈夫なの!?」
「兄さん!」
「義之!」
「同志桜内!」
「大丈夫かよ!」
全員、口々に義之に駆け寄った
すると
「ああ、俺も勇斗くんも大丈夫だ」
と義之が両腕に抱えていた少年を下ろした
すると
「勇斗!」
沢井が勇斗を抱きしめた
すると、勇斗の目元に涙が溜まり
「う、うわーん!」
勇斗は沢井に抱き着いて、泣き出した
そんな時
「おい、出ろや、オッサン!」
裕也が車のドアを刀で切っていた
すると
「うぉ! 酒臭! あんた飲酒運転かよ!」
裕也は車の中から中年男性を引きずり出して、バインドで拘束した
すると、ノーヴェが近寄って
「飲酒運転は法律違反だ!」
と、中年男性を片手で持ち上げた
そして数分後、パトカーが到着して事情聴取が始まった
その結果、帰宅したのは9時過ぎになった
「ごめんね、桜内。勇斗を負ぶってもらって」
「こんくらい構わないよ。それに勇斗くんも無事だったし」
義之の背中には勇斗が背負われており、少し眼が赤い
「ねぇ、お兄ちゃん」
「んぉ? なんだ?」
「お兄ちゃんはお姉ちゃんの彼氏なの?」
「ちょっ!? なんてことを聞くのよ、この子は!?」
沢井は弟の爆弾発言に、慌てて否定した
「違うの?」
「ん~、残念ながら違うな~」
義之は勇斗の言葉に、微笑みながら否定した
「ざ、残念って……」
「あ、ほら、あれですよ? 言葉のアヤってやつですよ?」
なぜか、変な言葉遣いになりながらドモる義之
「そ、そうね……でも、桜内、本当にありがとう」
「あ? この程度なら気にすんなよ」
「いえ、負ぶってることじゃなくって、勇斗を助けてもらったことよ。おかげで無事に済んだし」
「ああ、裕也が叫んだからなにかあるって思ったんだ。まさか車とは思わなかったけどな」
義之は苦笑いしているが、少し考えてみた
(しっかし、俺もよく動けたよな。それに下手したら死んでたし)
そう、タイミングが悪ければ死んでたのは義之だったのだ
それを思うと、少しばかり怖かったが、なによりも怖かったのは
(子供を守れないってのが、俺としては一番怖いんだよな)
それは裕也の話を聴いてから思ったことだった
裕也は妹を守れなかった
義之は一人っ子のために、その思いはわからなかった
だけど、もし沢井が同じように目の前で弟を失ったらどうなるのか?
それは、筆舌できるものではないだろう
それこそ、自分の世界が壊れてしまうほどだ
「勇斗もよ! 今回は桜内が間に合ったからよかったけど……」
「ごめんなさい……」
「まあまあ、無事に済んだんだし、終わり良ければ全て良しで」
義之はそう言うと、よいしょっと言いながら、勇斗くんを背負いなおした
こうして、最後に波乱はあったが生徒会二泊三日の合宿は終わったのだった
PS
「ねえ、フェイト」
「なに、母さん」
「裕也くんとは上手くいったのかしら?」
「ブッ!? ちょっと待って!? なんで知ってるの!?」
「え? アリシアからこんな画像が」
「アリシア姉さーーん!!」
こちらは、少しばかり荒れそうだった
ここから、完全に新規投稿です
以後は遅くなりそうです