D・CⅡなのはstriker's漆黒と桜花の剣士 作:京勇樹
明久達がデバイスを貰って数日後、裕也の家に制服と教科書一式が配達された
「さすがは、さくらさん。仕事が早いですね」
裕也は配達されたダンボールを見て、素直に感心していた
「しかも、本当にタダだよ……」
「あの学園長にも見習ってほしいわな……」
ダンボールの中身と添えられた紙を見て、明久達はそう呟いた
中に添えられていた紙には、《君達の一刻も早い、元の世界への帰還を祈るよ。byさくら》と書かれてあった
そして、二人は制服へと袖を通した
「あー……なんだか、中学生の制服を着るってのも、なんだか気恥ずかしいな」
「そうかな? 僕としては、懐かしいって感覚だよ」
制服を着た結華と明久は、それぞれ感想を零した
そして翌日
二人は風見学園の職員室に来ていた
風見学園では、教師は付属と本校で一部共通しているので職員室は一つである
そして、二人が職員室に入ると
「あ、君達が学園長が言ってた編入生だね?」
と一人の男性教師が訪ねてきた
「はい、そうです。僕が吉井明久で」
「アタシが常村結華だ」
二人は名乗りながら、頭を下げた
「ん、よろしくね。君達の担任は、あの先生だから」
と男性教師が指差したのは、一人の女性教師だった
「ありがとうございます」
二人は男性教師に感謝すると、女性教師に近づいた
女性教師はタバコを咥えているが、火は着いておらず白衣を着ていた
「あのー……」
明久が声を掛けると、女性教師は気づいたようで
「いらっさーい」
タバコを人差し指と中指で挟んでから、暢気に声をかけた
「私の名前は水越舞佳よ。よろしくね」
「僕は吉井明久です」
「アタシは常村結華だ」
水越先生が名乗ったので、二人も名乗った
すると、水越先生は二人に手招きして
「話はスカリエッティ先生から聞いたわ」
と小声で言った
二人がその言葉に目を見開いていると、水越先生は微笑んで
「次元規模の迷子なんでしょう? だったら、教師としては助けてあげなきゃね」
と言った
「「ありがとうございます」」
水越先生の言葉を聞いて、二人は素直に感謝した
その時、水越先生は壁の時計を見ると
「そろそろ時間だし、教室に行きますか」
と言った
「「わかりました」」
二人は頷くと、水越先生の後を付いて行った
そして着いたのは、付属1ー3と書かれたプレートが掛けられた教室だった
「私が呼んだら入ってね」
水越先生の言葉を聞いて、二人は頷いた
そして、数分後
『入ってー』
と促されて、二人は入った
「そんじゃあ、自己紹介よろしくね」
二人は頷くと、先に明久が前に出て
「僕の名前は吉井明久です。好きに呼んでください。特技は家事です」
と言うと、それに続き結華が
「アタシは常村結華だ。好きに呼んでくれ」
と言った
すると、生徒達は片手を上げたりしながら
「よっろしくー!」
「これからよろしく!」
と元気よく挨拶した
すると、水越先生が手を叩いて
「二人は訳あって年上だけど、気にしないで接してやってねー」
と言うと、生徒達は元気に返事をした
水越先生は生徒達の返事に満足げに頷くと、一人の生徒
大きなリボンを付けている女子を見ると
「朝倉、二人の面倒をお願いしていい?」
と頼んだ
すると、女子生徒こと
「わかりました。お任せください」
と言った
そして、SHRが終わると二人は音姫に近寄り
「これからよろしく!」
「世話になるな」
と手を差し出した
「よろしくお願いしますね。吉井さん、常村さん」
「明久って呼び捨てでいいよ」
「アタシもだ」
音姫の呼び方を聞いて、二人はそう言った
二人の声音を聞いて、音姫は少し考え込むと
「では、明久くんと結華さんって呼びますね」
と微笑みながら言った
「まあ、いっか」
「さん付けも要らないんだけど……」
と二人は、納得することにした
「そういえば、二人はどこに住んでるんですか?」
「知ってるか分からないけど、防人裕也君って男の子の家だよ」
「あいつの両親を頼って来たんだ」
二人の説明を聞いて、音姫はポンと手を叩き
「あぁ、弟くんが言ってたのって、二人のことだったんだ」
「弟くん?」
「誰のことだ?」
音姫の言った弟くんというのが分からず、二人は首を傾げた
「会ってる筈ですよ。桜内義之って言います」
「あぁ、義之くんか!」
「でも、なんで弟くんなんだ?」
「実は、弟くんとは一緒に住んでるんです」
二人からの問い掛けに、音姫はそう説明した
「あ、そうなんだ」
「従兄弟なのか?」
結華からの問い掛けに、音姫は首を振って
「いえ、随分前にさくらさんから預けられたんです」
「さくらさんが?」
明久の言葉に、音姫は頷いた
「はい。さくらさんも仕事で忙しいから、お爺ちゃんを頼ったんだと思います」
「お爺ちゃん?」
「兄弟なのか?」
「そうみたいですよ? さくらさんはお爺ちゃんのことを、お兄ちゃんって呼んでますし」
音姫の説明を聞いて、二人はへーっと呟いた
そのタイミングで、チャイムが鳴った
「あ、授業が始まりますよ」
「っと、そうだな」
「また後でね」
二人はそう言って、自分の席へと戻った
こうして、二人の異世界での学校生活が始まった