D・CⅡなのはstriker's漆黒と桜花の剣士   作:京勇樹

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それぞれのデート その2

俺と委員長は、勇斗くんの望んだジェットコースターに向かっていた

 

(でも、勇斗は乗れるのかしら?)

 

(確かになぁ……身長制限もギリギリっぽいしなぁ)

 

俺達はジェットコースターの入り口に到着したので、入り口に立っていた係員に声を掛けた

 

「あの、すいません。この子、乗れますかね?」

 

俺が問いかけると、係員は首をかしげて

 

「一回測ってみましょうか。悪いんだけど、これに乗ってくれるかな?」

 

「うん!」

 

勇斗くんは係員の示した台座に乗った

 

すると、勇斗くんの周りを光が包んで上に勇斗くんの身長が表示されたが

 

「あー、ごめんね。5mm足りないから、乗れないんだ」

 

どうやら、僅かに足りなかったらしい

 

「残念だけど、勇斗。勇斗はこれに乗れないんだって」

 

と、委員長が言ったら

 

「じゃあ僕、ここで待ってるから。お兄ちゃん達、乗ってきてよ」

 

本当に、いい子だね。この子……

 

「勇斗を残して、乗れるわけないでしょ?」

 

「そうだよ、勇斗くん。今回は、勇斗くんのために来たんだからな」

 

俺と委員長が言っても、勇斗くんは苦い表情をして

 

「でも……」

 

本当に、いい子だ

 

「大丈夫。また今度来た時に、一緒に乗ろうな」

 

俺がそう言うと、満面の笑みを浮かべて

 

「うん!」

 

俺と委員長は、勇斗くんが頷いたのを確認すると

 

「それじゃあ、どこに行きましょうか」

 

「そうだなぁ……」

 

マップを見ながら、考え始めた

 

その時

 

「フハハハハ! 俺の目を回したければ、この三倍は持って来い!」

 

「どこの英雄王よ!」

 

心なしか、聞き覚えのある声が……

 

委員長も聞いたのか、俺に視線を向けて

 

(桜内、移動するわよ)

 

念話で提案してきた

 

(オーライ)

 

俺はその提案に乗って、勇斗くんの右手を掴んだ

 

それを見た委員長が、勇斗くんの左手を掴み、勇斗くんに浮遊魔法を掛けると

 

視線を合わせて頷いてから、足早にこの場を離れた

 

義之sideEND

 

第三者side

 

その頃、裕也とフェイトは……

 

「なあ、フェイト。一つ聞いていいか?」

 

裕也は自分の腕に抱きついてるフェイトに視線を向けて、問いかけた

 

「な、なに…?」

 

フェイトは涙目で、裕也に視線を向けた

 

「確かフェイトは、オバケとかが苦手だよな?」

 

「そ、そうだよ…?」

 

裕也の質問に、フェイトは声を震わせながら答えた

 

「じゃあ何故、ここに入った?」

 

裕也&フェイトINオバケ屋敷

 

裕也とフェイトの二人は、フェイトからの提案で最初にオバケ屋敷に入った

 

「だ、だって……」

 

「だって?」

 

裕也が首を傾げて先を促すと、フェイトは目を俯かせて

 

「『遊園地に来たなら、最初はオバケ屋敷やろ!』って、はやてが……」

 

「なんでお前は、あのタヌキの言葉を真に受けた?」

 

フェイトの言葉に、裕也は思わず突っ込みを入れていた

 

「なのはは忙しそうだったし、すずかとアリサは電話が掛からなかったし……消去法で考えたら、はやてしか……」

 

フェイトの言葉を聞いた裕也は、首を振って

 

「そこでなぜ、忍さんとかが出なかった?」

 

「あ……」

 

裕也の言葉に、フェイトは口を開けた

 

どうやら、忘れていたらしい

 

「まあ、一旦入ってしまったからには、出口を目指すか」

 

「う、うん……」

 

裕也の言葉にフェイトは頷くが、足の進みは遅い

 

因みに、二人が入ったオバケ屋敷の名前は<惨劇の館>といい、なんでも旧水越病院をモデルにしたらしく、所々に病院らしいキャスターや包帯、薬品のビンなどが転がっている

 

出口は暗証番号を入力しないと出れないらしく、暗証番号は四箇所のチェックポイントに隠されていると説明を受けていた

 

裕也とフェイトは数分間歩いて、第一チェックポイントに到着した

 

「薬品保管室か……」

 

目の前には扉があり、その扉の上には《薬品保管室》と書かれたプレートが斜めに掛かっていた

 

「は、早く終わらせようね……」

 

「あいよ」

 

涙目で震えてるフェイトを見て、裕也はそう返事したものの、内心では、どうなるんだろ? と首を傾げてから、中に入った

 

それから、数十分後…

 

「ゆ、裕也? 大丈夫?」

 

「な、なんとか……」

 

二人はオバケ屋敷の外に出ていたが、裕也はベンチにグッタリと座っていた

 

理由は至ってシンプルで、フェイトが恐怖で度々暴走しかけたからである

 

その度に裕也が全力で食い止めていたので、かなり神経をすり減らしたのである

 

「おっし、次はどのアトラクションに」

 

行こうかと言いかけて、裕也は止まった

 

「裕也? どうしたの?」

 

動きが止まったことを不審に思ったフェイトが、声を掛けた

 

が,聞こえてきたのは……

 

「あ、が……」

 

苦しそうな、裕也の声だった

 

その声に気付いたフェイトが、顔を見ると右目は見開かれていて手は胸部を抑えていた

 

「裕也!? どうしたの!? 裕也!」

 

その時、フェイトは気付いた

 

裕也の左目に着けられている眼帯

 

その下が、薄く発光していることに

 

(まさか、劫の眼の暴走!?)

 

それは、考えられる限りで最悪のパターンだった

 

劫の眼は魂を糧に能力を発動する、呪われた魔道具

 

つまり一度暴走すれば、裕也の魂が全て消える

 

(どうしよう! どうすれば!?)

 

フェイトがパニックに陥っていた時だった

 

<フェイト様、落ち着いてください!>

 

裕也のデバイス《阿修羅》が、フェイトを諭した

 

「阿修羅! でも!」

 

<今は主を休ませてください>

 

阿修羅の言葉を聞いて、フェイトは逡巡するが

 

「わかった……」

 

阿修羅に従い、フェイトはすぐ近くのベンチに裕也を寝かせることにしたが、そのまま寝かせるよりかはマシかと思い、裕也の頭を自分の膝に乗せた

 

いわゆる、膝枕である

 

「阿修羅、裕也は大丈夫なの?」

 

<はい。いつもの発作です>

 

阿修羅の言葉を聞いて、フェイトは眉をひそめた

 

「発作? でも、裕也は大きな病気なんて……」

 

フェイトが知る限り、裕也はガンなどは患っていないはずなのである

 

<劫の眼の侵食の発作です>

 

「劫の眼の……」

 

阿修羅の説明に、フェイトは苦い表情をした

 

<はい。以前は数ヶ月は空いたのですが、最近は短いです>

 

「それって、つまり……」

 

〈もう、長くはないかと……〉

 

その言葉に、フェイトは寝ている裕也を見下ろした

 

裕也は大分落ち着いたのか、呼吸も安定している

 

これを端から見たら、仲の良いカップルに見えるだろう

 

だが、誰に想像できようか

 

今、この瞬間にも、裕也という少年の魂が削られて、少しずつ死に近付いてることを

 

(裕也……)

 

それを思うとフェイトは、胸が締め付けられる思いだった

 

本当は、今からでも戦いから身を引いてほしい

 

だが、それは裕也が望まないだろう

 

だったら、自分に出来ることは?

 

それは……

 

(少しでも長く、裕也と一緒に居よう)

 

それは、至って普通のことかもしれない

 

だけどそれで、裕也の心が安らぐならば、それで構わない

 

なんせ

 

「私は、裕也の彼女なんだから……」

 

フェイトはそう呟きながら、裕也の頭を撫でていた

 

 

追記

 

裕也は目覚めた後、フェイトに膝枕されてると気付いた直後に、顔を赤くしながらジャンピング土下座を敢行したとか

 

 

オマケ

 

「お、お願いだから離さないでよ!?」

 

「OK、わかったから落ち着け! 関節が極まってるし、俺の腕が大変ジューシーなことに!?」

 

〈王手です〉

 

〈む、これは……〉

 

〈待ったは無しですよ?〉

 

〈むぅ……〉

 

こちらもオバケ屋敷に入っていたが、カオスな状況になっていた

 

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