D・CⅡなのはstriker's漆黒と桜花の剣士 作:京勇樹
翌日の火曜日の放課後
俺は、麻耶の家に来ていた
ただ、麻耶は居なかったけど、俺が会いたかったのは麻耶では無く、麻耶のお母さんの綾さんだ
俺は麻耶があの時に言った
『私の家はロボットのせいで、バラバラになったのよ』
という言葉の真意を聞きに来たのだ
しかも、今日は運良く綾さんの体調は良いみたいだ
「すいません、突破お伺いしてしまって」
「いいのよ。それで、私に話ってなにかしら?」
俺が謝ると、綾さんはそう問い掛けてきた
その言葉を聞いて、俺は唾を飲み込み
「こんなことを聞くのは、不躾かもしれません……ですが、どうしても知りたいんです……どうして、麻耶はあんなにもロボットを憎むんですか?」
俺の問い掛けを聞いて、綾さんは悲しそうに微笑んだ
「そうね……麻耶ちゃんがああなったのは……ある意味で、私達のせいなのよ……」
「どういうことですか?」
俺が問い掛けると、綾さんは視線を窓の方に向けた
「ここ最近、あの子が悩んでるのはHMAー06型ミナツちゃんが理由よね?」
綾さんが天枷を型番付きで呼んだことに、俺は驚愕した
「知ってたんですか……?」
「ええ、昔から知ってるわ」
俺が問い掛けると、綾さんは懐かしむように笑った
「ずっと昔にね、私の旦那さん、琢磨さんがミナツちゃんの設計図を見せながら『彼女は最高のロボットだ!』って、興奮してたわ」
綾さんはそう言うと、クスクスと笑った
「まさか……旦那さんは天枷研究所で働いてたんですか?」
「ええ、そうよ……懐かしいわ……麻耶ちゃんからミナツちゃんの話を聞いた時、起きたんだって思ったもの」
まさか、封印されてたことまで知ってたなんて……
俺は数舜ほど呆然としたが、首を左右に振ってから
「それで、どうして麻耶はロボットを?」
と再度問い掛けた
「あら、そうだったわね。ごめんなさいね……」
綾さんはそこで一旦区切り、語り出した
「麻耶ちゃんがロボット嫌いになったのはね……今から五年ほど前のことなの……」
そして、綾さんはポツポツと語り出した
義之sideEND
第三者side
それは、今から約10年近く昔からだった
その時は、まだ沢井琢磨氏も生きていて、綾もそんな琢磨を支えていた
だが、そんな環境だったので麻耶は一人で家に居る事が多かったらしい
時々は、クロノなどが一緒に居たが何時もという訳にはいかなかった
そんな環境を改善するために、琢磨氏はミナツの基礎稼働データをベースに一体のロボットを製作した
それが、HMAー07型ミアキである
そしてミアキは稼働データを得るのを兼ねて、沢井家に置かれることになった
ミアキは正式に、沢井美秋として沢井家の一員となり、その見た目と性格も相まって麻耶のお姉さん的存在になった
そして、それから五年後、悲劇が起きた
その頃、沢井家では綾が勇斗を身ごもっていて、大事を取って入院していた
麻耶ももうすぐで弟が産まれると、喜んで生活していた
だが、ある日の事だった
麻耶が学校から帰ると、美秋が見るも無惨に破壊されていたのだ
なお、これは後にロボット排斥主義者の過激派の犯行とわかり、犯人は逮捕された
ただ、麻耶が帰った時にはまだ美秋は稼働していた
麻耶が必死に声を掛け続けるが、そんな麻耶の目の前で美秋は停止してしまった
その後、琢磨氏は必死に美秋の人格データと記憶データをサルベージし再起動しようとしたが、とうとうそれは叶わなかった
その後、美秋の人格及び記憶データは別のAIユニットに収められて保存されたらしい
しかも、それと同時期に沢井家や天枷研究所に言われなき誹謗中傷の手紙や電話が殺到
それが原因で、琢磨氏は自殺してしまったのだ
なお、天枷研究所からきちんと、琢磨氏の功績を称えたお金と一緒に莫大な慰謝料が支払われた
だが、綾はそのお金には一切手を付けずに麻耶と勇斗の二人を養うために、昼夜を問わずにがむしゃらに働いた
しかし、それが理由で綾は体を壊してしまった
その頃から、麻耶はロボット関係の話を聞くのも拒み始めたらしい
なお、犯人の容疑は器物損壊罪だった
綾の話を聞き終えた義之は、激しい憤りを覚えた
五年も一緒に過ごしていたら、それは家族同然である
それなのに、ただの器物損壊罪である
犯人は僅か数年で出所だ
「麻耶ちゃんはね、本当は琢磨さんのことも、ロボットも大好きなの……でも、ロボットを憎んでいないと、精神の均衡が取れなかったと思うの」
「でしょうね」
綾の話を聞いて、義之は納得した
自身もそんな存在を失ったら、同じようにするだろう
そして、義之が黙っていると
「それで、ミナツちゃんはどうしてるのかしら?」
と、綾が問い掛けてきた
「天枷は研究所に頼んで、再度封印してもらうかと思います」
義之の言葉を聞いて、綾は数秒間ほど目を閉じると
「今夜、麻耶ちゃんを桜内君の家に行かせるわ」
「……え?」
綾の言葉を聞いて、義之は首を傾げた
「麻耶ちゃんとミナツちゃんを助けることが出来るのは、桜内君だけだと思うの……」
「綾さん……」
義之が固まっていると、綾は笑みを浮かべて
「二人のことを、よろしくね……桜内君」
「はい、任せてください……」
綾のお願いを聞いて、義之は深々と頭を下げた