D・CⅡなのはstriker's漆黒と桜花の剣士   作:京勇樹

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週末戦争編
宣戦布告


襲撃事件の翌日、初音島の水越病院はまるで野戦病院のような有り様だった

 

ロビーには怪我人が溢れており、看護士や医師が駆け回っては処置をしていた

 

そんな水越病院の一室にて、義之は入院していた

 

なお水越女史の口添えにより、個室をあてがわれていた

 

その個室には、音姫や由夢の朝倉姉妹を筆頭にほとんどのメンバーが集まっていた

 

「すいませんでした……俺が他の連中に時間が掛かったばかりに……」

 

そう謝ったのは、壁際に立っていた蓮華である

 

蓮華は神夜と天枷研究所を担当したのだが、数人の使徒に手こずっている間に侵入されたのである

 

それにより、義之が怪我を負ったのを自分達の責任と感じていた

 

「いえ、あなた達はよくやってくれたわ。六人を相手にして、倒したんだから」

 

水越女史はそう言いながら、蓮華の肩に手を置いた

 

「それで、裕也君は大丈夫?」

 

と水越女史が問い掛けると、裕也は包帯を巻いた右手を上げて

 

「回復魔法も使ったので、明日には治ります」

 

と告げた

 

裕也の説明を聞いて、水越女史は頷き

 

「でも、よく救難十四聖を相手にして撃退できたわね」

 

と言った

 

裕也は戦っていた救難十四聖の一人、鉄腕のクリストフォロに致命傷を負わせて撃退していたのだ

 

だが、裕也も無傷ではなく一撃喰らい、右腕を骨折していた

 

だが、スカリエッティの迅速な手術とシャマルの回復魔法により、明日には治るほどにはなっているが

 

そして水越女史は、ヴィヴィオが誘拐されたなのはを慰めていた

 

だが、裕也はそれよりも別のことが気になっていた

 

(まさか、義之が存在してるなんて……)

 

そう

 

枯れない桜が枯れたというのに、義之が消えてないのだ

 

そのことに関して、音姫と念話で議論したのだ

 

そして、二人で至った答えは

 

《人との繋がりが、義之を枯れない桜が枯れても存在させている》

 

である

 

人の思いというものは、奇跡を起こす

 

過去にそういった例は幾つかあり、音姫と裕也はそれだと判断した

 

その時、水越女史が

 

「問題は誘拐された沢井さんとヴィヴィオちゃんね……」

 

と呟きながら、腕組みをした

 

水越女史の言葉に、修理を終えていた美夏が頷き

 

「あいつらは一体、何をする気なんだ?」

 

と首を傾げた

 

「分からないが、絶対に碌でもないのは間違いないな……」

 

蓮華がそう言ったタイミングで、今まで壁際で黙っていたチンクが急に

 

「テレビを点けろ!」

 

と声を上げた

 

「どうした?」

 

「何があった?」

 

裕也と蓮華が問い掛けるが、チンクは焦った様子で

 

「いいから早く!」

 

と急かした

 

チンクの様子に首を傾げながらも、テレビに近かった由夢がテレビの電源を入れた

 

画面が映ると、そこには一人の女が映っていた

 

豪奢な装飾が施された白い法衣に、レースのケープを被った一人の女

 

「こいつは!」

 

「教皇ヨハンナだと!?」

 

その女の姿を見て、蓮華と裕也は目を見開いた

 

その女こそが、バチカン法王教皇庁禁書目録聖省の最高幹部

 

教皇ヨハンナだった

 

『もう一度お伝えします……二日後、我々禁書目録聖省は世界統一作戦を行います……目的は勿論、世界の統一です……そして、その最初の作戦地は……日本は初音島とします』

 

「な!?」

 

「なんだと!?」

 

ヨハンナの言葉を聞いて、その場のほとんどのメンバーが驚愕した

 

ヨハンナが言ったのは、実質的な世界支配だ

 

『世界は未だに、悲劇と争いに満ちています……それはなぜでしょうか? 主義主張の食い違い……民族差別……文化の違い……色々と理由はありますが、大本の理由は、互いを認められないからです……ですから我々は、唯一神の名の下により良い世界を作るために、我々に敵対する勢力を殲滅することを、ここに宣言します』

 

ヨハンナの話に、誰も言葉が出なかった

 

それは事実上の、武力制圧を宣言していた

 

『特に、我々に幾度となく刃向かってきた武装組織、守護者部隊を断固として殲滅することを誓います……彼らは我々の理想を理解しようとせず、我々の敬虔な使徒達を何人も殺戮してきました……そんな彼らを、我々は断じて許せません』

 

ヨハンナがそう言うと、カメラが下がり、ヨハンナの背後に莫大な人数の使徒が映った

 

『そして、最初に向かう初音島は、そんな守護者部隊の最大級の拠点と我々は判断しました……そして、初音島に住む者達も同罪です……初音島は、地図から消しましょう』

 

ヨハンナがそう宣言すると、背後に立っていた使徒達が雄叫びを上げた

 

『では、ご機嫌よう……』

 

ヨハンナが頭を下げた数秒後、映像は終わった

 

その数秒後

 

「そんな……」

 

「なんで……」

 

小恋とななかは、顔を蒼白にして座り込んだ

 

他のメンバーは絶句していたが、裕也、蓮華、神夜、チンク、美夏、水越女史は怒りの光を瞳に宿して

 

「好き勝手言いやがって……!」

 

「上等ですね……!」

 

「受けて立ってやろうじゃねぇか!!」

 

「美夏達の怒りを、思い知れ!」

 

「これは、忙しくなるわね……!」

 

と呟くと、義之の病室から出ていった

 

これが後に言う、初音島攻防戦

 

もしくは、《週末戦争》の幕開けだった……

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