D・CⅡなのはstriker's漆黒と桜花の剣士 作:京勇樹
明久達がこの世界に来て、早数ヶ月が経過した
それにより、明久達は大分、この世界での生活に慣れた
更に言うと、明久と結華は魔法戦闘の腕をメキメキと上げて、学生達も一目置く存在となった
そんなある日、事件が起きた
その日はたまたま、明久と結華はバイトも無く、学校帰りにブラブラしていた
すると、バス停の所にアリサとすずかが居た
「あれ、アリサちゃんとすずかちゃん?」
「あ、こんにちは」
明久が気づいて声を掛けると、二人は顔を向けて頭を下げた
「珍しいな、二人がバス停に居るなんて」
「鮫島さんは?」
明久と結華が問い掛けたのには、訳がある
普段、アリサとすずかは帰りに鮫島がリムジンで学校まで迎えに来るのだ
だが、近くに鮫島の姿もリムジンの影すらない
「今日、リムジンが不調で工場に持っていくって、鮫島から連絡があったのよ」
「ですから、今日はバスで帰ろうってことにしたんです」
「なるほどな……」
二人の説明を聞いて、結華が納得していると明久が
「あ、ジュース飲む? 奢るよ?」
と言いながら、近くの自販機を指差した
「いいんですか?」
すずかが問い掛けると、明久は微笑みながら頷いて
「たまには、年上らしいこともしたいしね」
と言った
すると、アリサが嬉しそうに
「それじゃあ、あたしはリンゴジュース!」
と言い、すずかはおずおずと
「わたしはオレンジジュースを……」
と言った
「ん、わかった。結はウーロン茶だよね?」
「ああ」
結華が頷くと明久は頷いて
「ん、了解。待ってて」
と言って、自販機目指して駆け出した
そして、自販機に到着すると財布を取り出そうとした
その時、車のスリップ音が響き渡り
「なにすんのよ!」
「は、離してください!」
という、アリサとすずかの声が聞こえた
明久が慌てて振り向くと、そこには一台のバンが止まり数人の男達がアリサとすずかを捕まえようとしていた
「おい! お前ら! その手を離せ!」
結華はそう言いながら、デバイスを展開しようとした
だが、一人の男が黒い物体
スタンガンを握り
「黙ってろ!」
と声を張り上げて、結華に押し付けた
次の瞬間、結華の体はビクンと痙攣してから力が抜けたように倒れた
「結! アリサちゃん! すずかちゃん!」
明久が三人の名前を呼びながら駆け出すと、男達は慌てた様子で
「ついでだ! その女も連れてくぞ!」
「了解!」
と言って、結華も車に押し込むと急発進させた
「くそっ! サーシャ!」
《バーンズのGPS、追跡出来てます》
明久が名前を呼ぶと、サーシャは明久の前にウィンドウを開いてマップと光点を表示させた
「追うよ! セットアップ!」
《セットアップ!》
明久はバリアジャケットを展開すると、空を飛んでいった
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「……ここ?」
《間違いありません。GPSもここを示してます》
明久の目の前には、シャッターが降りた建物があった
雰囲気から見て、どうやらスーパーだったようだ
そして、明久は周囲を回っていると、一カ所のドアが開いてることに気づいた
「ここから入れそうだ……よし!」
明久は気合いを入れると、静かに中に入った
どうやら電気は通ってないらしく、中は暗かった
だが、廊下の奥の部屋のドアが薄く開いていて、そこから明かりが漏れていた
明久は静かに歩み寄ると、隙間から中を見た
そこには、数人の男達の他に白い法衣を着た人物達が数人居て、結華達は中央付近で縛られていた
「なにを喋ってるんだろ……」
どうやら何か話し合っているらしく、ボソボソと聞こえるが詳しくは分からなかった
「どうしようかな……」
明久としては今すぐにでも、三人を助けたかった
だが、明久は直感的にあの白い法衣の人物達は危険だと察した
明久もかなりの修羅場を経験しており、過去には銃火器を持った強盗と戦った経験がある
だが、その強盗達よりも危険な雰囲気をその白法衣の一団から感じた
「ありゃ……人を殺すことも厭わない連中かも……」
明久はそう呟くと、どうしようかと悩み始めた
その時だった
奥側の窓ガラスを突き破って、黒い人影が二人ほど突入してきた
すると、それに驚いた全員の視線がそちらに向いた
「今だ!」
その隙を突いて、明久は一気に突入した
「いっしゃあ!」
掛け声と共に、明久はサーシャを一閃し結華達に近かった二人を倒した
そして直ぐさまに結界を展開すると、三人に近寄り
「大丈夫!?」
と、三人の口のガムテープを優しく剥がした
「明久さん……」
「お世話になっちゃったわね……」
「気にしないで」
申し訳なさそうにアリサとすずかが言うと、明久は微笑みながらそう言った
そして、結華に視線を向けて
「結……無事で良かったよ……」
「助かったよ……アキ」
と話すと、明久は結華を抱き締めた
その時だった
「ギャアアアァァァ!?」
「た、助け!?」
という男達の叫び声が聞こえた
明久は反射的にアリサとすずかの視線を塞ぐように、そちらに体を向けた
するとそこでは、結華達を誘拐した男達が白法衣の一団により殺されていた
「なっ……」
「仲間を……殺したのか?」
明久は驚きで息を呑み、結華は驚愕していた
そして、明久は更に驚愕した
先ほど突入してきた二人だが、かなり小柄だったのだ
頭から黒いマントを被っているので、性別は分からない
だが、身長はアリサやすずかと大差ないと分かった
そして、突入してきた二人はそれぞれ、刀を二本と戦斧を持っていた
そして、明久は気づいた
「戦斧はデバイスだけど……あの刀は本物だ!」
そう、一人が持っている刀は本物の日本刀だった
しかも、白法衣の一団が持っている武器も本物で、その証拠に鮮血が滴り落ちていた
「てめぇら、なんで仲間まで殺しやがった?」
そう言ったのは戦斧使いで、それで戦斧使いが男だと分かった
「仲間? 笑わせるな。あいつらは道具に過ぎない……」
「道具だ……?」
白法衣の男の言葉を聞いて、戦斧使いは少し苛立った様子で問い掛けた
「そうさ……使い終わったなら、捨てるのは当たり前だろ?」
明久はその言葉を聞いて分かった
あの白法衣達は、他の人間を道具位にしか見ていないと
「あいつら……なんなんだ?」
言い様のない不安に駆られて、明久は思わず呟いた
「確か……インデックスって呼ばれてたな……」
「インデックスって……禁書目録?」
結華の言葉を聞いて、明久は疑問に思った
禁書目録と言えば、いわゆる魔導書の名前だったはずだ
なぜ、そんな名前で呼ばれていたのか
「相変わらず、ゲスだな……このモグラ共が……そうやって、てめぇらは何人殺してきやがった!?」
戦斧使いは怒りを露わに、持っていた戦斧を突きつけた
すると、白法衣達
インデックスの一人が笑い
「貴様ら異端者など、人にあるものか……真に人と呼べるのは、我らインデックスの使徒のみよ!」
と高らかに宣言した
「使徒ってことは……教会かなんかか?」
インデックスの告げた使徒という言葉を聞いて、結華は首を傾げた
「確かに……異端者って言葉は、教会とかでよく聞くね」
結華の言葉を聞いて、明久は同意した
「この……っ!」
戦斧使いが怒りで武器を構えると、それを日本刀使いが遮った
「こいつらと押し問答するだけ無駄だ……」
日本刀使いはそう言うと、刀を突きつけて
「我ら守護者部隊……貴様らを断罪する……」
と宣言した
「守護者部隊って確か……」
「最近噂で聞く、私設武装組織か?」
明久達は学校で最近、凶悪犯罪などに出現する武装集団のことを噂で聞いたのだ
その武装集団の名前が、通称守護者部隊だった
守護者部隊は凶悪犯罪が起きた場合、颯爽と現れては犯罪者を断罪し被害者達を救う現代のヒーローと呼ばれていた
だが、それと同時に謎にも包まれていた
誰が所属しているのか、どれだけの規模なのかを誰も知らない
更に言えば、守護者部隊のほうが野蛮だ
と声高に叫ぶ者も居る
犯罪者を武力で鎮圧するなんて、と
だが、守護者部隊のおかげで助かった
という声のほうが圧倒的に多い
なにせ、守護者部隊は常々
《救われぬ者達に救いの手を。救いを求める者達に救いの手を》
と言っている
そして、自身を危険に晒してまで被害者達を助けに突入する
まさしく、ヒーローのようだ
「守護者部隊とインデックス……」
明久はインデックスと守護者部隊の双方を見ると、そう呟いた
この時、明久達は気付かない内に、守護者部隊とバチカン法王教皇庁禁書目録聖省、通称インデックスとの戦争に巻き込まれたのだった