アルドノア・ゼロ 忠義は主君と共にあり   作:砂岩改(やや復活)

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今回は火星側がメインです!



第十四星 暗号電文ーcoded messageー

種子島…巨大な航空戦艦が地下から出現したその島は戦闘の騒がしさとは打って変わって今は静かになっていた。

 

「これは…ヘラスの残骸…」

 

ザーツバルムの通信後、増援できたアレイオン部隊を相手にしていたら種子島の到着が遅れてしまいマリーンが到着したのは全てが終わった後だった。

 

「…生体反応だと」

 

ゼダスのレーダーが海中にスカイキャリアの識別反応と生体反応をキャッチし近くの砂場に着地し降りると持った端末で確認しながら海を見ると…。

 

「ハァ……」

 

ため息をつきながら灰色の上着脱ぎ捨て海に飛び込む…ゼダスで引き上げる事も考えたがスカイキャリアの損傷状態がよく分からなかった為、生身で飛び込んだのだ。

 

携帯酸素ボンベを持ち水中に潜ったマリーンはスカイキャリアを見つけ予想通りコックピット部分が損傷しており中からスレインを助け出す。

 

「プハッ!」

 

「……」

 

「全く…」(なんか塩っぱいな…)

 

マリーンは意識が無く、重いスレインを担いで海面に上がり砂浜に何とか上がらせると脈を測り状態を確認すると何とか生きているようでマリーンは濡れきった服を無視して人工呼吸器を続けるのだった。

 

ーーーー

 

気を失って居るスレインは昔の事を思い出していた…それはアセイラムと初めて出会った時…瀕死だった自分を助けてくれた時のことだ…。

 

「…ガハッ!オェ!」

 

「大丈夫か?」

 

するとスレインが意識を取り戻し水を吐き出し一通り吐き終わり落ち着き声のした方に見るとそこには黒髪を束ねたポニーテールの少女が居た。

 

「貴方は…」

 

「マリーン…マリーン・クウェルだ、ザーツバルム伯爵の部下をしている…貴様の捜索を依頼されてのでな…」

 

「マリーン卿…何故地球人で脱走者の僕を…」

 

「それが任務だ…それに…」

 

「それに?」

 

「何もない…」

 

マリーンはスレインが聞き返したのを見て言い過ぎたと思いつつびしょ濡れになった灰色の制服はまだ湿っており不快感を覚えたが無視して上着を羽織りながら話を変えるために呟く。

 

「美しい物だな…海という物は…」

 

「え?あ…はい」

 

突然のマリーンの言葉にスレインは驚きながらも同意し夕暮れの海を見る…マリーンの名前の由来はこの美しい海から来ている…その海に見とれ暫く沈黙の時間が流れるがマリーンがスレインに話しかける。

 

「スレイン・トロイヤード…」

 

「はい…」

 

「貴様を揚陸城に連行する…抵抗はしてくれるなよ…」

 

「はい…分かりました…」

 

マリーンの言葉にスレインは大人しく従い手錠をはめゼダスに乗るのだった。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

そして…航空戦艦『デューカリオン』アルドノアドライブを搭載し反重力能力を持つその戦艦はまるで漫画のように空を飛んでいた…その中のブリーフィングルームにはアセイラムに関する人物が集められていた。

 

「火星騎士の行動故に我々はこうせざる得なかったと言う事は…お分かり頂けただろうか…」

 

「火星騎士が殿下の暗殺を…にわかに信じがたいお話です…」

 

「マグバレッジ艦長…この事を明らかにすれば火星騎士は攻撃を止めるのでは…」

 

フィアの説明のお陰でアセイラムの現在の状況を確認できたマグバレッジと不見咲は話し合うがマグバレッジは険しい顔を崩さない。

 

「通信衛星及び通信基地は全滅…妨害電波によって長距離無線も不可能…殿下の無事を伝えようにも然るべき機関に正確に伝わるとは限りません…」

 

「むしろ暗殺を企てた火星騎士の攻撃の的になると…」

 

「分かりました…元々そこに行く予定でしたし…エルスート卿の進言通りロシアの地球連合本部まで殿下を保護します……エルスート卿…」

 

「フィアでいいです…今の時点では地球連合の兵士でもありますから…」

 

「分かりました…ではフィアは仕方ないとして…二人ともこの事実を知りながら報告を怠っていた訳ですね…貴方は?」

 

「ライエ…ライエ・アリアーシュ…私は軍人じゃない…報告義務もない…」

 

現在民間人であるライエの主張は正しくマグバレッジは反論できず…もう一人である伊奈帆に向き直り問いただす。

 

「弟君は?」

 

「界塚伊奈帆です…怠ったのではありません…故意に報告しませんでした…」

 

「発言に注意しなさい!立場が不利になりますよ!」

 

伊奈帆のまさかの言葉にマグバレッジは頭を押さえ不見咲は怒鳴るとアセイラムが伊奈帆の前に出て擁護する。

 

「私がお願いしたのです!」

 

「この船に暗殺者の仲間がいないとも限りませんし…」

 

「エデルリッゾ!」

 

アセイラムはエデルリッゾの言葉を戒めるがエデルリッゾはあまり反省して居なさそうだった…すると黙っていたライエが突然憎々しげに呟く。

 

「信用出来ないのは火星人も同じ…アルドノアと言う古代文明の超科学を頼りに古くさい封建制度にしがみついた民族…位を得たいばかりに武勲を上げることに躍起になる平民…それを平気で裏切り踏みにじる貴族…」

 

「ライエ…お前……」

 

「そんな奴らを…どうやって信じるの?…私は信じない…火星人は皆敵…」

 

涙ぐみながら話し続けるライエを見て全員が黙り込んで居るとライエは黙って部屋を出て行った…その背中を見たフィアは憎々しげに火星の事を呟くのを見て違和感を感じていたがそれはなんなのか分かっていなかった。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

「グワッ!アァッ!」

 

東京、クルーテオ伯爵の揚陸城の尋問室では天井に繋がれている手錠をはめられ…拷問を受けているスレインがいた…その光景は連行し拷問に同席したマリーンにとっては気の良い物では無かった。

 

(野蛮な…)

 

マリーンはムチで打たれているのを見て火星と地球は大差が無い事を改めて実感していると司令室から通信が入るも音声が抑えられているのかマリーンの位地からもザーツバルムの空中ディスプレイの集音機能からも聞こえずに居ると…。

 

「何だと!?それは真か!分かった…すぐに向かう…すまないがクウェル卿…こやつの様子を見て居てくれ…私は一度司令室に向かう…」

 

「ハッ!どうされたので…」

 

「後で話す…」

 

マリーンの質問にもクルーテオは取り合わず状況が分からないスレインを含むクルーテオの部下とマリーンだけが尋問室に取り残されたのだった。

 

「どういう事だ!一体!」

 

そして急いで司令室に向かい到着したクルーテオはオペレーターより先程の件を問いただしていた。

 

「ハッ!スレイン・トロイヤードが奪取した機体から新着の暗号電文が発見され確認してみますと…」

 

「これは…」

 

オペレーターが操作し画面に現れたのはたった四つのアルファベット…だがこの四文字はクルーテオにとってとんでもない事実を伝えるアルファベットだった…そのアルファベットは『PKFE』これは伯爵以上とごく一部の者しか知らない物…これが表すのはPKFE=princess・k night・fear・e r s u t(姫殿下の騎士、フィア・エルスート)と言う意味を指す…当然偽物の可能性もあるが皇族専用の暗号電文を使ってきた辺りまず本物で間違いないだろう。

 

「アセイラム姫が生きておられる…と言う事は…あやつは真実を知り一人で姫を探していたのか…逆賊に悟られぬよう…誰にも明かさず…たった一人で我等に捕まり…殺される危険を顧みず…いや…まだ分からぬ…奴から話を聞かねば……直ちにスレイン・トロイヤードの尋問を取りやめよ!手厚く介抱し私の部屋に呼べ!」

 

クルーテオは司令室から尋問室に通信を繋げ命令するとすぐさま切り今度はメディックを呼ぶ…尋問室に居たクルーテオの部下は急いでスレインを介抱し担架で尋問室から運び出すのをマリーンは見送るとザーツバルムに通信を繋げる。

 

「ザーツバルム卿…これは一体?」

 

「分からぬ…しかしこれでスレインの命の安全は確保できた…ひとまずはそれで良いだろうが…マリーン…クルーテオから目を離すな…」

 

「ハッ!」

 

ザーツバルムの厳しい顔つきにマリーンは背を正して答え、通信が切れるとニタリと笑いながら尋問室を後にする。

 

(面白くなってきた…)

 

尋問室を後にするその背中には狂気が漂い秘かな含み笑いが尋問室に響くのだった。

 

 

 




どうも砂岩でございます!
フィアのお陰でスレインの尋問回避は出来ませんでしたが軽くなりました。
それと補足説明ですがフィアの存在はあまり表に出ない為にその存在を知っている者は少ないです当然名前ならもっと少ない…なのであのアルファベットはそんなに多くの人が偽造出来る物ではないです!まぁスレインはその英列の存在すら知っていなかった訳ですが。
では最後まで読んで頂きありがとうございました!

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