アルドノア・ゼロ 忠義は主君と共にあり 作:砂岩改(やや復活)
今回は完全に火星サイドです!地球側は一切出てきません。
スレインside
フィア卿との思わぬ再開に驚きながらもアセイラム姫を見つけ喜ぶのもつかの間、フィア卿と供に居たオレンジ色のカタフラクトのパイロットに撃ち落とされた時に、フィア卿の声が聞こえた…。
『これをクルーテオ卿に!あの人は信用出来る!』
その言葉を聞いた直後、大きな衝撃と共に意識を失った…そこでマリーン卿のお陰で助かりクルーテオ卿の揚陸城に連れ戻された…その時にクルーテオ卿にフィア卿の電文の事を伝えれば酷い事をされなかっただろう…だが今までの仕打ちのせいでどうしても信じられず伝えれなかった。
(一体…何が……)
この戦争終結の為…いや…敬愛する姫様の為に拷問に耐えていると突然クルーテオ卿が部屋を退出し苦い表情で同席していたマリーン卿も訳が分からない様子でつかの間の休憩を過ごしていると…。
『直ちにスレイン・トロイヤードの尋問を取りやめよ!手厚く介抱し私の部屋に呼べ!』
「え……ハッ!承知しました!」
クルーテオの突然の言葉に尋問室に居た兵士は驚きながらも返事をし手錠を外し担架に乗せられ怪我の手当てを施されるとクルーテオ郷の待つ部屋に案内され恐る恐る入室し広い執務室の中心に古風ながらも優雅さを持つ椅子にクルーテオが座っていた。
「来たか……座れ…」
「は…はい…」
先程の尋問の時とは打って変わり静かな雰囲気のクルーテオの言葉にスレインはクルーテオの向かい側に座る…。
(本当に一体何が…)
もう訳が分からないスレインは椅子に座るも落ち着かない…そんなスレインを置いてクルーテオはスレインに静かに話しかける。
「スレイン・トロイヤード…」
「は…はい……」
「貴様の奪取したスカイキャリアから特殊な音号電文が見つかった…皇族と伯爵以上の者しか知らぬ暗号電文だ…アセイラム姫は生きておられるのか?」
「………」
クルーテオの問いにスレインは黙り込む…それを見てクルーテオは怒ること無くそのまま話を続ける。
「あの尋問の際、貴様はアセイラム姫殿下に忠誠を誓っているかと言ったな……」
「はい…」
「私はアセイラム姫殿下に忠誠を誓っている…騎士であるフィアには劣るかもしれぬが私も姫様の為なら命を投げ出す覚悟はある…」
クルーテオの真摯な言葉にスレインは息をのむ…スレインはクルーテオの言葉に嘘偽りは無いように見えた…するとスレインは静かに話し始める。
「クルーテオ卿…一つお聞きしたい事があります…」
「良い…申せ…」
ーーーー
マリーンside
『トリルラン卿に指示したのは貴方なのでは…今度こそ殺せと…生かしておけば一族郎党逆賊だと…』
『まさか貴様…トリルラン卿の最後を見たのではなく…』
クルーテオ卿の一瞬の隙を突いて盗聴器を着け…状況を確認しようとしたマリーンは予想以上にやばい状況を聞いて冷や汗をかいていた…。
『はい…僕が殺しました…』
『貴様は…』
その言葉を聞いてクルーテオは悟る…この事が明らかになれば即刻処刑と言うのにその危険を犯してまでスレインはアセイラム姫の為に引き金を引いた…その事実にクルーテオが驚いているとマリーンは盗聴を止めてザーツバルムに通信を繋げる。
「ザーツバルム卿…」
『マリーン…何かわかったか?』
「どうやらクルーテオはアセイラム姫殿下の生存を知ったようです…フィアの差し金で…」
『フィア・エルスート卿か…若いながらも恐ろしい奴だ……こちらも種子島の事で分かった…デューカリオンが見つかったらしい…今頃、クルーテオにも知らせが届いているだろう…』
「デューカリオンが…まだ残っていた…」
ザーツバルムの言葉にマリーンは驚き言葉を失う…。
『しかし…クルーテオに姫殿下の無事を知られれば…我々に辿り着くのにそう掛からないだろう…』
「確かに…」
ザーツバルムの言葉にマリーンは同意する…クルーテオは堅物だが三十七家門の中でも優秀で人脈も豊富だ…用意周到かつ慎重に行った暗殺でもクルーテオなら辿り着く可能性は高い。
『マリーン…貴様に任せる…ただしスレインは』
「分かっております……少し荒くなりますが…私にお任せ下さい…」
『うむ…』
ザーツバルムはマリーンの言葉に静かに頷くと通信を切りそれを見届けたマリーンはクルーテオ卿の配下に紛れたザーツバルム派の連中にゼダスの発進準備を指示したのだった。
ーーーー
そんなマリーンの行動も知らずにクルーテオはスレインの報告を聞いていた。
「つまり貴様は…姫殿下の御生存を皇帝陛下に伝えるために謁見の間を使用し姫殿下を探していたのか…アルドノアを持った者と供に行動をしていると…」
「はい…しかしあの様な戦艦が出てくるとは…」
「戦艦だと?まさか…先程報告にあった…デューカリオンの反重力能力を持った戦艦だと言うのか…」
クルーテオは地球人がその様な戦艦を建造していた事を知り、驚きながらも安心する…その様な戦艦に乗艦していれば姫殿下も大丈夫だろうと…その瞬間、突然の振動がこの揚陸城全体に襲いかかる。
「なんだ!?一体何が起きたのだ!」
『現在調査中です…これは……マリー………』
突然の振動に驚いたクルーテオはすぐに司令室に繋げるが何かを叫びかけたオペレーターの声と共に通信が切れる。
「クソッ!一体…何が…」
ーーーー
司令室…そこには先程、クルーテオと話していたオペレーターの無残な姿と爆発を起こしボロボロになった司令室…その中心にゼダスの姿があった。
「フフッ…圧倒的な力の前には火星人も地球人も変わらない…」
マリーンはそう呟くとゼダスをクルーテオの部屋に向けて動かすのだった。
ーーーー
尋常じゃない様子にスレインはクルーテオに聞くがクルーテオも分かっていないようだった。
「伯爵!一体なにが起きているのですか?」
「分からぬ…ッ!」
クルーテオの返事と同時に部屋の壁が吹き飛びその勢いは天井も粉砕し冷たい雨が部屋に降り注ぐ。
「伯爵!グワッ!」
「スレイン!……なに?ゼダスだと?」
破片に頭を打ちつけ意識を失ったスレインを見てクルーテオが叫ぶが襲撃者を見て驚きながらも真実を悟る。
「そうか…そういう事だったのか…姫様の暗殺を企てたのは……私のタルシスを!!」
真実を悟り言葉を発したクルーテオはその言葉を最後まで言えなかった…ゼダスの手のひらから形成されたビームサーベルで消滅したからだ…高温の塊であるビームサーベルは干渉した床を瞬時に溶解させクルーテオの骨すら残さなかった……死んだ…その表現ですら温い…消えたのだ…その存在すらまるで無かったかのように灼熱の塊によって消し去られた。
「……」
その姿をマリーンは表情を変えずに見届けると降りしきる雨の中、気絶したスレインを静かに見るのだった。
どうも砂岩でございます!
結局クルーテオは亡き者に…殺したのはマリーンですが…。
この話を見た当時は仮面を着けたクルーテオが再登場!なんて想像していましたね…ミスターブシドーではなくミスターキシドー的な…ガンダム見過ぎましたね…。
では最後まで読んで頂きありがとうございました!