アルドノア・ゼロ 忠義は主君と共にあり   作:砂岩改(やや復活)

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第一星 全て始まりーAll beginningー

 

 

「本当に美しい星、何度見ても心を奪われます。貴方も懐かしいですか生まれ故郷が?……スレイン」

 

床一面に映る地球の映像を見てアセイラムは銀色の髪の少年に語りかける。

 

「えっと…それは…まぁ…」

 

「照れることはございません。たった二ヶ月留守にしただけでもうヴァースが懐かしいですもの。地球、私たち人類の発祥の地。私もこうして見るのが楽しみだったのです」

 

スレインと呼ばれた少年はアセイラムに少し照れて相づちを打つとそれを見たアセイラムは笑いながら話を続ける。

 

「ねぇスレイン、空も青くて海も青いと言うけれど、前から不思議だったんです。地球では水や空気に青い色が着いているのでしょうか。どう思います?フィア?」

 

「はぁ、私には分かりかねます」

 

アセイラムは少し離れた所に居たフィアに話しかけると、フィアは困ったように答えながらスレインを見る。するとスレインが少し焦りながら話す。

 

「いえ、水や空気は透明です。ただそれが大量に積み重なると光の屈折とかありまして。あ、青い色に見えるという事だと思うんです……」

 

「光を歪めるほど沢山の水や空気……凄いですね!想像もつきません!」

 

助けを求められたスレインも分からないようで、考えながらゆっくりと答える。アセイラムはその答えに驚きの声を上げて喜ぶ。

それを見てフィアとスレインは楽しそうに微笑んでいると、部屋の扉が開き伯爵の地位を示す赤い服を着た金髪の男性が入ってきた。

 

「こちらにおいででしたか……」

 

「クルーテオ伯爵!」

 

「夜もだいぶふけて参りした。どうか御寝所にお戻りなされるようアセイラム姫」

 

アセイラムはクルーテオ伯爵の言葉に驚き名残惜しそうに部屋を見渡す。

 

「あら、もうそんな時間?このテラスからの眺めはつい時を忘れてしまいますね。それではスレイン、また明日の授業もよろしくお願いしますね!」

 

「あ!はい!恐縮です」

 

アセイラムの言葉でスレインは姿勢を正すとアセイラムはそのまま部屋から出ていくとその後ろからフィアも僅かながらスレインに礼をして出る。

最後にクルーテオはスレインをゴミのような目で見るとそのまま退出するのだった。

 

ーーーー

 

「ねぇフィア、貴方はスレインの事をどう思いますか?」

 

「はぁ、私は別に姫様の思うような事は思ってございません。むしろ姫様の心許せる数少ない貴重な人物だと思います」

 

スレインの部屋を退出した後、フィアはアセイラムの問いかけにフィアは当然のように答える。

するとアセイラムはホッとしたような表情を見せる。

 

月面基地から揚陸城に移ってもうすぐ一ヶ月近く経つが、フィアは本当にスレインに感謝していた。主であるアセイラムが生き生きとしているのは彼のお陰で、フィア本人も少なからずあった地球人の劣等民族としてのイメージは無くなっていた。

 

「貴方個人としては?」

 

「えっと…とても優しく正直な方だと思います」

 

「そうですか!フィアにも分かって貰えて私は嬉しいです!」

 

「そうですか。それは良かった」

 

フィアの言葉にアセイラムは嬉しそうにに微笑むのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

「スレイン…」

 

「アセイラム姫…」

 

スレインはアセイラムの姿を確認すると膝まずき顔を伏せる。

 

「面を上げてください、スレイン……」

 

「ハッ!」

 

アセイラムの言葉でスレインは顔を上げる。

 

「お別れの日が来てしまいました。私はこれより親善の勤めを果たします。貴方から教わった様々な知識がきっと役に立つでしょう……」

 

「その、危険ではないのですか?」

 

「恐れては何も始まりません。今は地球と火星が歩み寄る第一歩を新たに踏み出さねばならないのです」

 

「案ずるな、その為に私がいる。姫様を命を懸けて守る…それが騎士である私の務めだ」

 

スレインは二人の言葉を聞くと制服の上のボタンを外しネックレスを取りアセイラムに渡す。

 

「フィア卿、姫……本当にありがとうございました。それとこれを、地球に伝わる魔除けの御守りだと聞いております」

 

「でもこれは、お父さまの形見だと……」

 

「いいんです、父も喜ぶと思います。五年前、瀕死の僕と父を救ってくれた…そのお礼です。どうか……」

 

渡されたネックレスをアセイラムが返そうとするがスレインは微笑みながら渡しきる。

 

「貴方と父上の平和への祈りを必ずや青い星に届けて参ります。ありがとう…スレイン」

 

「姫様、そろそろお時間です…」

 

エデルリッゾがシャトルの到着時間を告げるとアセイラムは名残惜しそうにスレインを見る。

 

「そうですか。それではスレイン……」

 

アセイラムがシャトルに向かい歩き出すとフィアがスレインの前に立ち頭を下げる。

 

「えっ?」

 

「ありがとう。姫様があのように楽しく過ごせたのは貴様のお陰だ。感謝する」

 

フィアの突然の行動にスレインは驚くがフィアは気にせず礼を言うと立ち去るのだった。

 

ーーーーーー

 

シャトルへの道でアセイラムはエデルリッゾに話しかける。

 

「貴方も、スレインの事をよく思っていないのですか?エデルリッゾ…」

 

「えっ?あの…その…」

 

「私たちとて、あの青い星から旅立った移民の末裔。なぜそこまで意味嫌うのでしょう…」

 

アセイラムの言葉にエデルリッゾはもごもごしていた口を開き質問に答える。

 

「恐れながら、ヴァース皇帝がアルドノアの威光を受け継いでおり、我ら帝国の臣民は地球に住む旧人類より一線を越えた存在となったのです。そして姫様は神の力を呼び覚ます身の上、あまり滅多な事は…」

 

「エデルリッゾ…」

 

エデルリッゾの言葉でアセイラムの顔に若干影が入るのを見るとフィアはエデルリッゾを睨み付ける。

 

「うっ……」

 

「エデルリッゾ、口がすぎるぞ…」

 

「フィア、いいのです。私は純粋に意見を聞きたかっただけなので」

 

「姫様……すいません。お見苦しい所を…」

 

「す、すいませんでした!」

 

アセイラムは二人が謝るのを聞いて静かに話始める。

 

「私は、遠き故郷であるこの星と友好的な関係を望んでいます。過去の経緯はどうあれ、私は勇義と親愛を示す為にこそ地球に訪問するのです」

 

「姫様…」

 

「姫様……このフィア、全てを賭けて姫様の夢の手伝いをさせてください」

 

「ありがとう…フィア」

 

悲劇の開幕まで…後少し…

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも砂岩でございます!
第一話です!クルーテオ伯爵とスレイン虐めはフィアの礼の所を入れる為にカットしました。
あとフィアは元々地球人に対する嫌悪感があまり無く火星人でも珍しい部類に入る人物です。
では最後まで読んで頂きありがとうございました!
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