アルドノア・ゼロ 忠義は主君と共にあり   作:砂岩改(やや復活)

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KG―9 グラニ

名前の元は神獸「スレイプニール」の子孫である神獸「グラニ」からとったもの。
地球軍が宇宙専用機として開発した機体で地球軍が独自に開発した空間把握対応システムが組み込まれている。
外見は宇宙装備のアレイオンと変わらないが装甲の強化ではなく機動力を重点に置いており装甲はアレイオンより若干薄い。
プロペラタンクによる航行時間の拡張、無反動砲は上にスコープをつけ命中精度を上げ、宇宙装備を取り外し不可にすることで連動性の向上を計っている。
色は紺色を主体としたカラーリングで敵から見つからにくくしている。


※今回は地球軍視点がほとんどです


第三十四星 宇宙要塞マリネロス 前編 ーSpacefort Marenerosー

 

 

地球軍宇宙軍事基地、通称マリネロス基地周辺宙域

 

一般兵side

 

「こちら、ユレイル44…定時報告異状なし……」

 

『了解…間もなく月面基地との最接近ポイントに到達する…気を緩めるな……』

 

「了解…」

 

地球軍の来るべき月面基地襲撃のために建設された宇宙基地だ…その分、地球軍の中でも秘密裏に建設されている為か襲われたことなど一度もない。

 

『最接近ポイントって言ってもなぁ、平和なもんだよな前線にしては』

 

「ぼやくなよ…秘密基地なんだからバレたら大変だろ?」

 

『そうだけどさ…』

 

ユレイル44は近くのデブリに張り付いてる同期のユレイル33と任務中だというのに話をしていた。この二人は徴兵されたばかりのエリートで、実戦と言う物をまだ感じたことが無かったのが最大の原因だろう。

 

「でもさ…正直、アニメみたいに格好良く動かしたいよなぁ…なぁ?」

 

『…………』

 

「どうしたんだよディン?」

 

先程から話していた相手の名前を呼びながらユレイル44は同期の機体の様子を確認しようとカメラを向ける。

 

「ッ!」

 

そこに映ったのは何かに蜂の巣にされた同期の機体が溶解しデブリに貼り付けられていた光景だった。

 

「敵しゅ!!………」

 

敵襲に気づいたユレイル44の声は本部に届く事無く後から襲いかかったシナンジュのビームアックスの餌食となった。

 

フィアside

 

『これがビットの力か……』

 

「運が無かったな…」

 

『哨戒機はこの二機だけのようです…』

 

「よし、後11キロで敵基地だ!ここからはレーダーを騙せないぞ!」

 

『あぁ!』

 

『はい!』

 

スレインの報告を聞いたフィアはビームアックスを納めると二人に対して警戒を促す。

マリーンも試したばかりのビームビットを納めると満足そうに返事をし、スレインもそれに続くのだった。

 

「作戦は先程伝えた通りだ…」

 

先程から少し進出して敵基地から10・5キロ手前のデブリに隠れてフィアが二人に指示を出す。

作戦はシンプル。高い機動力を持つフィアが先行し、敵のカタフラクト隊を邪魔にならないように排除後に敵基地の防空施設を破壊し制圧する。

マリーンはスレインの付き添いでフィアが突破したカタフラクト隊を殲滅後に対空施設の破壊に参加すると言う物だった。

 

「……よし…行くぞ!!」

 

『おう!任せな!!』

 

『お気をつけて……』

 

「ありがとう…スレイン……」

 

スレインの言葉にフィアはフッと微笑むとシナンジュを先行させる……何らかの引っ掛かりを感じなから。

 

ーーーー

推奨BGM《FULL-FRONTAL》

 

マリネロス指令部side

 

「哨戒機の反応が消えました!敵機接近の可能性大!!」

 

「対空砲火開け!カタフラクト隊緊急発進!!急げ!!」

 

一方マリネロスの指令部は哨戒機のロストに慌て、迎撃の準備を始めていると基地全体にうるさい警告音が鳴り響く。

 

「レーダーに感あり!数は3、敵味方識別反応応答なし!!敵と断定!!」

 

「カタフラクト隊が出るまで対空砲火で足止めをするんだ!」

 

「了解!」

 

「待ってください!!一機だけ凄いスピードで接近しています!」

 

「何だと!?」

 

オペレーターの声に基地指令はメインモニターに映し出されたレーダーを見ると確かに先行している一機が見たことのないスピードで接近しているのが見て取れた。

 

「何なんだ…コイツは……」

 

敵の姿すら見えないのに基地指令はレーダーに移る光点に恐怖を覚えた……本能が動物としての生存本能が逃げろと言っている…コイツはヤバいと。

 

「その機体は後続機の……三倍の速度で接近中!!」

 

「撃てっ!撃てぇぇぇぇ!!」

 

指令の悲鳴にも近い命令でマリネロスは対空砲火をたった一機のカタフラクトに向けるのだった。

 

ーーーー

 

「……」

 

フィアは静に前を見つめ常人とはかけ離れた操作スピードでシナンジュを動かす。

通常、この様なデブリこと岩石群地帯では出せるスピードに限りがある、少しでも操作を間違えれば岩石と激突し死んでしまうからだ。

それだけならフィアだけではなくマリーンと未来予知を持ったタルシスを持つスレインだって出来る…しかしフィアはその二人を遥か後ろに置いても尚、加速を続ける。

シナンジュの持つ高出力スラスターの恩恵だけではない…フィアはその障害ともなる岩石を足場として蹴り加速しているのだ。

 

「す、凄い…」

 

「あれは私でも無理だな…」

 

その光景はマリネロス基地指令だけではなく、味方であるスレイン、マリーンにも衝撃を与えていた。

 

「フッ…その程度……」

 

マリネロスまで後、8キロの地点を通過した所で対空砲火が火を噴きシナンジュを狙うがフィアはそれを見てただ不敵に笑いながら砲火の穴を通り更に加速していく。

 

「カタフラクト隊はまだか……」

 

フィアは静かに呟きながらデブリを足場に、時には楯代わりにしてマリネロスとの距離を詰めていく…するとマリネロスの一角でセンサーに反応が上がる。

 

「来たか…」

 

フィアは餓えた狼のような紅い眼をぎらつかせながらシナンジュを操作し持っていたロングライフルを構えるのだった。

 

ーーーー

 

マリネロス基地、カタフラクト専用カタパルト

 

『先行している敵は一機だがかなりの手練れだ…全機で仕留める』

 

『『『『『了解!』』』』』

 

カタパルトで待機している部隊員に号令を飛ばす部隊長は自身の機体、アレイオンのチェックを済ませていた。

 

『クソッ!ディンとレイの仇は取ってやる!』

 

『早まるなよ、ユレイル22』

 

『了解!ユレイル22クリアード・フォー・ランチ…ブラスト・オフ!!』

 

ユレイル22を皮切りに基地にある2個中隊規模の全ての機体が射出されていく。

 

「……」

 

その中で地球軍の新型であるKGー9“グラニ”のテストパイロットである新兵が緊張の面持ちでカタパルトデッキに上がる。

 

『大丈夫か?新兵?』

 

「ち、中尉…」

 

『ビビるな、怖がっていると運が逃げちまうぞ!』

 

「は、はい…」

 

新兵は世話になりっぱなしの気さくな中尉に少しどもりながら答えるとオペレーターから射出許可が下りる。

 

「モルモット44、クリアード・フォー・ランチ…ブラスト・オフ!!」

 

『モルモット22、クリアード・フォー・ランチ…ブラスト・オフ!!』

 

「うっ……」

 

新兵は射出されたGに顔をしかめるがしっかりと前を向き進行方向を見ると黄色い光線がすぐ横を通り抜けた。

 

「なっ!!」

 

嫌な予感がした新兵は進行方向の確認を忘れて後ろを振り返る、先程の光線はその予感の言う通り“射出中だったグラニ”に直撃し中尉共々カタパルトを巻き込んで爆発を起こす。

 

『うわぁぁぁぁ!!』

 

『ば、爆発が!!誰か拘束を解いて!!きぁゃゃゃ!』

 

固定されたカタパルトの中で中尉は避けることも出来ずにビームの餌食となった…しかし被害はそれだけではなかった…不幸な事に次に発進予定だったアレイオンも巻き込んで爆発した為にカタフラクト隊ハンガーにも大きな被害をもたらしたのだ。

 

「中尉!」

 

近くにあった対空施設も巻き込んだ爆発を見ながら新兵は声を上げるが既に遅かった…死んだ……その言葉が新兵の頭の中で支配するが無理やりそれを頭の隅に押し退け涙を溜め込んだまま前を向くのだった。

 

ーーーー

 

『奴を人間だと思うな!』

 

『クソッ!どんな手品使ってやがる!』

 

『ターシャをやりやがったのか!!』

 

「静まれ!!各機死にたくなければ私に従え!!」

 

カタパルトへの長距離狙撃を見て戦線に居た兵士は恐慌状態に陥いるが部隊長が何とか収める。

死にたくなければ…その単語に全員は冷静さを取り戻し行動を開始する。

 

「どんな奴でも同じ人間だ!弾幕を張り続けろ!グラニの部隊は回り込め!包囲殲滅する!」

 

『『『『了解!』』』』

 

統制を取り戻した部隊だったがその時点で既に手遅れだった…敵の赤い機体が岩石に着地したかと思うと進行方向を大きく変えカタフラクト隊の弾幕を回避していく。

 

『クソッ…速すぎる……デブリなのになんで速く動けるんだ!』

 

「落ち着け!オルアン33、隊列を維持するんだ!」

 

焦る部下を諌める部隊長も内心焦っていた…敵は中隊規模である16機ものアレイオンの弾幕をまるで何もないように移動している。

 

「勝てるのか…」

 

『部隊長!!』

 

「なんだ!?」

 

『敵の後続が!!』

 

「ッ!!」

 

『ハッハッハッハッ!!死にたい奴から!かかってこい!!』

 

狂気を孕んだ若い少女の声が戦場に響く、レギルスとタルシスの白い機影が彼らの命を散らすために加速するのだった。

 

 

 

 





どうも砂岩でございます!
正直、機体をシナンジュにしたのはこれをやりたかったからです!はい!!
書いたら止まらなくて…はい!
そう言えば書いてる途中で友達に指摘されたんですが…宇宙の迎撃施設って対空施設でいいんですかね?対宙施設かな?
そしてアルドノア名物のアドバイスする奴は死ぬと言う…ごめんなさい中尉…。

それでは!最後まで読んで頂きありがとうございました!!
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