アルドノア・ゼロ 忠義は主君と共にあり   作:砂岩改(やや復活)

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第三星 夜明け前 ーBefore daylightー

 

 

「姫様!よくご無事で!」

 

「フィア、貴方も!暗殺者に襲われたと聞いたけど!」

 

「いえ…私は大丈夫です」

 

何とか合流地点にたどり着いたフィアは主であるアセイラムに会えホッとする。

 

「ありがとう…エデルリッゾ」

 

「私も姫様を御守りするのがお勤めですから!」

 

フィアの礼にエデルリッゾは誇らしそうに胸を張る、するとフィアはアセイラムの手を取り連れていく。

 

「お話ししたい事も多く有りますが…取りあえず安全な場所へ」

 

「は、はい!」

 

「え…待ってください!フィア!姫様!」

 

アセイラムをさっさと連れて自分を置いていくフィアに叫びながらエデルリッゾも着いていくのだった。

 

そこでたどり着いたのは特に何もないマンションだった…それを見てエデルリッゾは思わず声を上げて反論する。

 

「何ですか!これは!?」

 

「後で言う!姫様…取りあえず中に…」

 

「はい…」

 

フィアはそう言いながらドアの鍵に何かを突っ込み少し弄るとガチャリと音がし扉が開く、時間にして二秒。

一般の鍵とはいえフィアは一瞬で鍵の種類を把握し鍵を解除するのは常人では不可能だ。それを見たエデルリッゾは何か言いたげだったが取りあえず入る事にした。

 

「で?色々聞きたい事が出来ましたが…取りあえず…なぜ姫様をこの様な所へ?」

 

「この様なとは失礼な…地球人の一般階級がすむ所だぞ」

 

「なるほど!ここは多くの地球の皆さんが住む所なのですね!」

 

「違う!」

 

目をキラキラさせるアセイラムをよそ目にエデルリッゾは思わず大声を上げてフィアに詰め寄り思っていた事を全て吐き出す。

 

「なぜ姫様に!地球の!一般階級の者達が住まう所に連れて来たのです!さらにサラッとしてましたが完全にピッキングしてましたよね!不法侵入ですよね!」

 

「まぁ…まぁ…」

 

ゼェゼェ言うエデルリッゾを落ち着かせたフィアは真剣な表情になりそれを見たエデルリッゾも顔を強ばらせて話を聞く。

 

「まずここを選んだのは暗殺者対策のためだ…」

 

「暗殺者対策…ですか」

 

「あぁ…ここは地球の一般階級が住まう場所だ。言ってみればこの様な部屋は他にもあるわけで情勢が混乱しきっている状態でのホテルよりは遥かに安全だ。それにもしホテルの記録で割り出され暗殺者に気づかれたらアウトだからな…」

 

「なるほど…確かにそれはそうですが…この部屋の主は帰って来ないのですか?」

 

「ここは家具付きの賃貸と言うものであってだな。家具は有るが人は住んでいない、一晩借りるだけだ…問題はない」

 

エデルリッゾはフィアの説明に納得したのか頷き了承の意を示す。

こんな非常事態は予測されるべき出来事。その為にフィアは地球の事を密かに調べ上げていたのだ。主にスレインから。

その後、エデルリッゾとフィアはアセイラムが寝る場所を窓の無い部屋にしベットを運びその横の床でエデルリッゾがその部屋の扉の前でフィアが寝ることになった。

 

「フィア…」

 

「ハッ!何でしょう姫様…」

 

「影武者の方は…どうなったのでしょう…」

 

心配そうに呟くアセイラムを見てフィアは心を痛め悲しくなりながらも静かに首を横に振る。

 

「残念ながら…恐らく…」

 

「そうですか…フィア…お休みなさい…」

 

「……はい」

 

フィアは悲しそうにするアセイラムを何とか励まそうと頭を回すが良い案が浮かばずにゆっくり横になって寝る事をただ見る事しか出来なかった。フィアはそんな自分を情けなく思いながらも黙って部屋から退出する。

 

「では…ゆっくりお休みください」

 

「フィア…」

 

そんなフィアを見てエデルリッゾは心配そうに呟くがどうすることも出来ずにいた。

 

「エデルリッゾ…姫様を頼む…」

 

「はい…あまり気負うと大変ですよ…」

 

「ありがとう…」

 

気を使ってくれるエデルリッゾにフィアは感謝すると部屋の中に入るのを見届けて扉の前に座ると拳銃を取り出そうとするが…無かった。

 

「あれ?…あの時、落としたか…」

 

フィアは気絶された時の事を思いだしその時から拳銃を見かけていない事を思い出した。

 

「界塚伊奈帆か……」

 

フィアは自分を助けてくれた少年を思い出しその名前を呟き笑う…。

 

(何故だろうな…また会う気がする…)

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

その頃、伊奈帆も寝る前にフィアが持っていた銀の拳銃を眺めていた。

 

(フィア・エルスート…彼女は…火星人か…)

 

伊奈帆も無表情のまま拳銃をしまうとフッと砕けた月を見上げる

 

(彼女は敵だろうか…それとも…)

 

そう考える彼の表情からは何も分からなかった…ただその無表情と冷たい視線が月を見つめるだけであった。

 

 

 

 




どうも砂岩でございます!
今日は短めで
暗殺事件の後、お姫さまは何をしていただろうと思いながら書かせて頂きました。
次回から二話ですね!最後まで読んで頂きありがとうございます!



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