fate/to the night material which dies,and goes 作:相馬エンジェル梅太郎
どうも相馬エンジェル梅太郎です!
今回はfateの二次創作になります!
感想、酷評、アドバイス等沢山募集しておりますので、ドンドンくださいww
よろしくお願いします!
笑っていた。気が付いたら笑っていた。
聳える巨大な火の壁に閉じ込められ、燃える地獄の中で笑い続けていた。
理由があった。けれど、それすらも過去を形成していた物と同じく灰のように散って行った。
声が聞こえた。助けを呼ぶ声が。救いを願い声が。約束されていた未来をもう一度歩きたいと願う声が。
想いが詰まった生存を望む尊い声すら、自身の心の闇には響かなかった。
助けて欲しいのなら、自分で起き上がれ。
救われたいのなら、願うのをやめて行動を起こせ。
約束された未来をもう一度歩きたいのなら、もう一度未来を勝ち取れ。
自身で行動を起こさず、他者に願いを押し付けるな。
俺はお前らとは違う。
俺自身を突き動かす物は、心の中で煮えたぎっている憎悪だけ。
憎い。憎い。憎い。殺したい。
今はこの衝動以外に構っている暇はない。
天を見上げる。この災害を起こした奴は何を思っているだろう。
笑っているだろうか。己が大望を成したと。この災害を必要な犠牲であったと割り切って。
泣いているだろうか。己が大望のために、数多の命が塵のように散って行ってしまったと。
どちらでも構わない。愉悦に浸ろうと、贖罪を求めていようと、この惨劇を齎した人間を許す訳にはいかない。
必ずこの手で殺してやろうと。全てを投げ捨てでも、幾らの犠牲を払おうとも。
俺はお前と同じだ。
望みを叶えるために、多くの犠牲を払ったお前と、これから望みを叶えるために、救いを求める声に耳を貸さない俺はお前と同じだ。
歯を食いしばり、肺が萎み、足がこれ以上前に進むことを拒否しても、それでもなお前へ。
痩せ我慢だ。この状態が長く続くとは思えない。けれど、歩みを止めることだけはしない。
倒れた。足が足としての機能を果たし尽くした。この瞬間、足はただの肉の塊に成り下げる。
それでも進む。這って進む。腕で体を引っ張り進む。それで限界だった。
腕すらも機能しない。どれ程歯を食いしばろうとも動かない。
「クソ」
死んだ筈の喉が声を発した。この行為は死を待つだけの己に対するムチ。
生命の灯が消えゆく。それを増長させる行為だとしても辞めない。
「クソ。クソ!クソ!クソ!!!!」
自分でも驚く程大きな声が出た。瞬間吹く熱風。体が藁のように転がっていく。
目を開ければ空が広がっていた。泣きたくなる程の曇天。幼い自分の心を表しているようだった。
手を伸ばす。動くはずのない手を天に伸ばす。
しかし現実は非情にも、風景が掠れていく。それでも手を伸ばそうとする。
願いは届いた。死んだ筈の右腕が天を掴まんとする。けど、そこで終わり。
次の瞬間には死が待っていた。
「ちくしょう」
右腕が落ちて来る。この腕が地についたらこの命は終わる。
ゆっくり、ゆっくり。その瞬間が来るのを見た。
微かな温もりに包まれた。右腕は落ちて来ることは無かった。
「よかった!生きてる!」
大の大人が大粒の涙を流し、喜んでいる。それはもう本当に幸せそうに。
それを見て、胸に広がった思いは言葉には例えようも無かった。
今回は大分短いですが、次からはちゃんと長くなるのでご了承を。