銀魂~戦友の帰還と別れ~ 作:青短
背後から追いかけてくる、何者かの手下達……
手下たちを巻いた新八たちは、ひとまず新八の家へと逃げ込んだ。家には騒ぎで先に帰されたお妙が待っており、三人をすぐに家へと入れた。
だが、その中葵は銀時が気になったのか、二人を中へ入れると二人から離れ、銀時のもとへと駆けて行った。
刀を抜き、銀時に襲い掛かる手下達……銀時は木刀で攻撃してくる手下たちを防ぎ、攻撃していった。
そこへ助っ人としてやってきた桂……銀時の背を守るようにして立ち刀を構えた。
「これはいったい、どういう状況だ?!銀時」
「知るかよ。
いきなり現れて、『ようやく見つけたぞ、塔野葵!!』何て言い叫んで」
「おい待て、確か葵の名字は『上野』ではなかったか?」
「そうなんだけどさぁ。何かこいつら、少しばかし勘違いしてるんだよねぇ」
「貴様等ぁ!!敵を前にしといて、何を無駄話をしているんだ!?」
手下たちの中から、一人前へ出てきた男は声を上げながら銀時達を怒鳴った。
「……あの、お宅どちらさま?」
「我が名は霧夜!
我が父上、源光があの女を二十年以上前から、欲しがっておるのだ!!」
「……
すいませんけどね、あんな女らしくもない女を嫁にもらったって無駄よ?」
「こいつの言う通りだ。
お前さんの父上にはもっと相応しい女子がいるであろう」
「し、しか」
「大体、あの女のどこがいいんだ?
塩は大量に掛けるわ、人の事子供扱いするわ、女らしい一面何てひとっつも」
「悪かったわね!!女らしくなくて!!」
後ろから、銀時の頭に踵落しをする葵……頭を押さえながら、銀時は振り返り葵を怒鳴った。
「何しやがるんだ!!てめぇは!!」
「気になって様子見に来たら、人の悪口言いまくりやがって!!」
「言われたくなきゃ、もっと女らしいことしろ!!」
「アンタに言われたくないわ!!」
言い争う二人……そんな二人を見ていた霧夜は、ついにキレ手下たちに命を下した。手下たちは一斉に刀を引き抜き、銀時達に襲い掛かった。
三人はそれぞれの武器を構え、手下たちの攻撃を防ぎ攻撃していった。
「全く、変な苗字で呼びやがって……
アンタに言っとくけど、私の名前は上野葵だ!」
「そんな苗字、ただ素性を隠しているようなものではないか!貴様の名は、塔野葵だ!」
「や、止めてよ!!
その苗字で呼ばれると、変に体が反応しちゃうんだから!!」
「こいつが動けなくなったら、誰がこいつ運ぶんだ?」
「それは銀時、お前の役目だろ」
「たまにはお前が運べ、ヅラ。
こいつ、どれだけ重いか知ってんのか?」
「知ったことか。
それから、ヅラじゃない桂だ」
「アンタ達、私をなんだと思ってるの!?」
倒しても倒しても、次々に襲い掛かってくる手下たちに、キリがないと思った桂は懐から爆弾を取り出し投げ捨てた。周りが煙で充満したのを隙に、桂は銀時と葵を連れ、その場から逃げて行った。
「し、しまった!!」
「若、どうします?!」
「徹底的に探せ!!あの女を、探さなければ!!」
どこかの路地裏へと来た葵たち……息を切らしながら、自分達の周りを見るが、追ってくる手下の姿はどこにもなかった。
「どうやら、撒いた様だな」
「全く、一体何なのよ!あの連中」
「こっちが説明してほしいわ!!
テメェ苗字確か上野じゃなかったっけか?」
「上野で合ってるわよ!
第一、まだ結婚してないんだから苗字は変わってないもの」
「そうだな……」
「じゃあ何故、あの霧夜と言う者は、葵を見て塔野と呼んだのだ?」
「知らないわよ。でも、塔野って人なら私知ってるけど。」
「知っている?本当か?」
「えぇ。
アンタ達と別れた後、お世話になったお偉いさんの苗字が、確か塔野って言ってた。その人私の事凄く可愛がってくれて、宇宙に送り出してくれたのもその人だし」
「そうだったのか……」
「待てヅラ。
俺は今、その塔野って奴から依頼を受けてるぞ」
「依頼だと?」
「昔、塔野家のお頭さんと生き別れた妹を捜して欲しいって。その妹の写真が無くて、手掛かりになるものと言えば、葵と同じ青い髪を生やした奴だそうだ」
「……ヅラ、まさか」
「あり得るな」
「さっきの坊ちゃんは、お前がその塔野家の妹だと勘違いしてんだ」
「そ、そんな……
けど私」
「案ずるな、葵。
ソナタの身が安全になるまでは、俺と銀時が傍にいる。それでよいな、銀時」
「仕方ねぇな。
謝礼、タンマリ貰うぜ?」
二人の顔を交互に観ながら、葵は満面な笑顔を二人に向けた。その笑顔を見た桂と銀時はホッとし、葵を連れ新八の家へと向かった。