遊戯王ARC-V―奇術師と呼ばれたデュエリストのセカンドライフ―   作:えんとつそうじ

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どうも、えんとつそうじです。この度、拙作である「転生の奇術師」の設定を少しいじり新しく、この「遊戯王ARC-V―奇術師と呼ばれたデュエリストのセカンドライフ―」に再投稿させていただきました。本来ならリメイクといえるほどの違いは出していないのですが、根本的な設定を変えたのでいっそのこと一から書き直そうと思いまして。

一から転生の奇術師を読んでくださっていた方は本当に申し訳ありません。できれば暇つぶしにでもいいのでまた呼んでくださると嬉しいです。

それとこの小説を読む際には、以下の点にご注意ください。

・オリジナル主人公あり
・オリジナル展開あり
・ご都合主義あり
・未OCGカードあり
・オリジナルアクションマジックあり

この作品で登場するカードの紹介は主に以下のような表記になります。



■モンスターカード

1.名前
2.効果モンスター/通常モンスター/儀式モンスター/融合モンスター/シンクロモンスター/エクシーズモンスター等
3.レベルかランク/属性/種族/攻撃力/守備力
4.効果内容/フレーバーテキスト




■魔法カード

1.名前
2.通常魔法/速効魔法/永続魔法/儀式魔法/装備魔法/フィールド魔法/アクション魔法
3.効果内容




■罠カード

1.名前
2.通常罠/永続罠/カウンター罠/アクション罠
3.効果内容



※未OCG。そして作者オリジナルの場合はそれぞれカードの種類の隣に(未OCG)(作者オリジナル)と表示してあります。

以上のことをふまえたうえで、それでも「読んでやってもいいぜ☆」という奇特な方は、暇つぶしにでもいいので是非お読みください。

それでは、








 ――――――ユックリシテイッテネ!!




プロローグ 奇術師の転生

 ―――かつて、フランスで名声を欲しい侭にした一人の奇術師がいた。

 

 

 

 

 

 

 その奇術師はその際立った容姿と卓越した技により、最愛の恋人でもあるアシスタントと共に瞬く間に一般大衆を魅了し、世界で最も華麗な奇術師として一躍スターダムに伸し上がる。

 

 美しき恋人と共に公私ともに充実し、幸せの絶頂にいた奇術師であったが、そんなある日何時ものようにステージで自慢の奇術を披露していたのだが、その中でも特に大掛かりなものの一つである脱出マジックに失敗し顔中に大怪我を負ってしまい、男はあっという間に奇術師としての全ての名声を失ってしまった。

 

 自慢の容姿と、今まで順調に積み上げてきた名声を失ったことで失意のどん底にいた奇術師。

 アシスタントである恋人は必死で奇術師を慰め、なんとか立ち直らせようとしたが、もはや人生に絶望し、未来に希望を見出せないでいた奇術師は自暴自棄になってしまい、彼女を冷たく突き放し、そのためその恋人も奇術師に愛想が尽きたのか、それとももう奇術師の姿を見ていられなかったのか、恋人もいつの間にか奇術師の元から去っていく。

 

 最愛の恋人おも失ってしまった奇術師は、彼女と離別してしまった悔恨の念も相まって自暴自棄になってしまい、堕落した日々を送っていたのだが、そんな彼の前にある日一人の男が現れる。

 

 その男の名はマリク・イシュタール。

 

 世界的なデュエルマフィア【グールズ】の首領である彼は、この時自らの駒となりうる有能な人材を求めており、ある日、過去にデュエルモンスターズのフランス大会での優勝経験を持つこの奇術師の話を聞き、彼を自らの組織に取り込むためにこうして彼の前に姿を現したのだ。

 

 本来の奇術師の人格ならば、悪名高いグールズのボスからの勧誘など一個だにしなかったろうが、この時は最愛の恋人と離別してしまったことへの悔恨により精神が極度に不安定だったということ、そしてマリクがそんな彼の状態につけこむようにして、自らの所持する千年アイテム千年杖せんねんロッドの力を使用したために、奇術師はマリクの誘いに乗り、マリクの目的である、名もなき王ファラオの魂を持つデュエリストの抹殺を果たした暁には、マリクの千年ロッドの力で恋人の愛を取り戻し、その恋人と故郷フランスで一からやり直させることを条件に、グールズの尖兵。レアハンターの一人として、マリクへと忠誠を誓うのだった。

 

  そしてレアハンターの一員となった奇術師は、その卓越したデュエルタクティクスとマジシャンならではの心理戦の強さにより、瞬く間に数多くのデュエリスト相手に勝利をおさめ、あっという間にレアハンターNo.2の地位にまで上り詰める。

 

 これは、マリクの腹心であるリシドに次ぐ立ち位置であり、組織全体から見たら上から3番目の地位にあたることから、この奇術師のデュエリストとしての腕前がどれほど凄まじいものであったかということが窺い知ることができるだろう。

 

 そして、後に伝説として語られることになる、3枚の神のカードをめぐる戦場「戦場都市バトルシティ」。奇術師はマリクの命令により、名もなきファラオの魂を持つとされるデュエリスト、後に決闘王デュエルキングと称された少年と戦い………そして敗れた。

 

 奇術師は自らのエースモンスターの力を最大限に生かすために、グールズの技術によってコピーされたレアカードなども用いて、自身のできうるかぎりの最高のデッキを作り、心理的に勝負を優位に進めるために、デュエル場に特別な仕掛けを施して、デュエリストとしての腕にマジシャンとしての技術。まさしく自分の全てを持って奇術師は少年との勝負に挑み、その甲斐あって奇術師は少年を敗北ぎりぎりまで追い詰めることに成功したのだが、しかし恋人の愛を取り戻すためとはいえ、手段を選ばなさすぎた奇術師は、カードとの絆の強さの差で少年に逆転され、そして敗北してしまうこととなる。

 

 そして奇術師は少年とのデュエルに敗北した罰として、マリクの千年ロッドの力により奇術師はその心を壊しかけてしまう。

 しかし奇術師を破った少年が、そのままバトルシティの決勝戦でマリクを打ち破ったことにより、千年ロッドの力が消えたために、奇術師はなんとか心を持ちなおすことができた。しかしそれは奇術師にとって新たな絶望のはじまりだった。

 

 それはなぜか?千年ロッドの力によるマリクからの洗脳が解けると同時に、奇術師はとある真実を思い出してしまったからだ。………最愛の恋人が()()()()()()()()()という真実を。

 

 

 

 

 

 

 

 前述したように、奇術師がグールズの一員になっていた理由は、マリクの千年ロッドの力により恋人の愛を取り戻し、以前の生活を取り戻すためだったのだが、実はその問題の恋人は既に死亡していたのだ。

 

 死んだ理由は事故死。実は奇術師が脱出マジックの失敗により顔中に火傷を負ってしまったあの事件。本当は被害者は奇術師だけではなく、奇術師を助けようとして炎の中に飛び込んでしまい、その時に崩れ落ちる機材に巻きこまれて恋人が死んでしまったのだ。

 奇術師が精神的に憔悴していたのも、自暴自棄になっていたから、自身の名声を失っただけではなく、最愛の恋人を自分のミスのせいで永遠に失ってしまった悔恨の念からだった。

 

 超常のアイテムである千年ロッドの力を持ってしまっても死者を蘇らすことはできない。だが奇術師の力量を惜しいと考えたマリクが、千年ロッドの力で奇術師の記憶を改竄し、恋人は死んだのではなく自らに愛想を尽かして去っただけと錯覚させたのだ。

 

 全てを思い出して、深い後悔の念と無力感。そして絶望に苛まれた奇術師は、皮肉にもしばらくの間はマリクに改竄された昔の記憶のとおり、自暴自棄な生活を送ることとなってしまう。

 

 もう、彼女がいないこの世界など生きていても仕方ない。いっそ死んでしまおうかと、自殺まで考えるまでに追い詰められていたのだが、そんなある日。とあることがきっかけで、奇術師は再び表舞台にその姿を現すこととなる。

 

 それは奇術師がなんとなしに久方ぶりに外に出かけた時、その途中で公園のベンチで奇術師がボーっとしていると、どこからともかく子供の泣き声が聞こえてきた。

 

 その声を聞きつけた奇術師がのろのろと顔をそちらに向けると、そこにはおそらく転んだのであろう、膝を押さえながら大声で泣き喚く小さな男の子と、そんな彼の様子にどうすればいいかわからず、その周りでおろおろしているその男の子の姉らしき女の子の姿があった。

 

 女の子は困惑しながらも必死で男の子を泣き止ませようとするが、それでも男の子は泣き止まず、終いには女の子まで一緒に泣き出してしまった。

 

 奇術師はそんな彼らの様子に、初めは放っておこうとしたが、彼らの姿に昔の自分と恋人の姿を重ねてしまい、どうにもそのままにしておくことができず、ベンチから立ち上がると、その男の子たちの目前にまで歩み寄る。

 

 子供たちは、突如自分たちの前に現れた大人を、しゃくり上げながらも不思議そうな眼で見上げるが、奇術師はそんな子供たちにかまわず、にっこりと笑うと、子供たちの涙を止めるため、彼らの目の前で簡単なマジックを披露しはじめる。

 

 いくら自堕落な生活を送っていたとはいえ、彼もかつては超一流といわれたマジシャン。長年の習慣からマジックの種は体中に仕込んでおり、そのおかげで、広場では彼の手による簡単なマジックショーが披露されることとなった。

 

 そして全てのマジックを披露し終えた奇術師は、いつの間にか泣き止んで、キラキラとした瞳でこちらを見上げてくる子供たちや、いつの間にか彼の周りに集まっていた通行人の人々が自分に向かって笑顔で万雷の拍手を送っているのを見て、ふと思い出す。

 そういえば、自分が奇術師としての道を歩むことになったのは、世界中の人々のこんな笑顔が見たかったからだということに。そして、そんな自分の夢をアシスタントとして応援してくれたのが、恋人であった彼女だということも。

 

 それを思い出した奇術師は思わずといった感じで口元に笑みを浮かべる。自分はこんなことも忘れていたのかを。

 

 そんな彼が浮かべる笑みは、ここ最近彼が常に浮かべていた暗くどこか諦めたような笑みではなく、どこか憑き物が落ちたような穏やかな笑みだった。

 

 そして、この出来事がきっかけで彼は再びマジシャンとしての道を歩むことを決意する。

 最愛の恋人が応援してくれていた自身の夢。命がけで自分を助けてくれようとした彼女のためにも、その夢を叶えるために。

 

 

 

 

 

 

 

 復帰を決意した奇術師は、現役時代に交流を持った友人知人。そして元スポンサーの何人かに自らの夢の話をし賛同を得て援助を得ると、自分の思想に賛同してくれた同士何人かと世界中を飛び回り様々な場所でマジックショーを披露するようになる。

 

 それこそ、ハリウッドのスタジアムのような大規模な場所はもちろん、デパートの屋上や貧しい者たちが住むスラム。はたまた銃弾行きかう戦場など、恋人が応援してくれたかつての夢を叶えるために自分の身の危険を顧みず、世界中を練り歩き、自慢のマジックを披露し続けた。

 

 様々な批判や罵倒を受けながらも、それでも彼らはめげずに人々の笑顔を見続けるために活動し続けた結果、彼らの行為が世界平和に貢献していると評価され、そのリーダーである奇術師はその功績と世界最高峰の技術が評価され、奇術師はその団体を代表して、マジシャンとして世界で初めて世界ノーベル平和賞。そしてマジシャンとしての最高の栄誉である『マジック・オブ・ザ・イヤー』を受賞する。

 

 奇術師はその授賞式で会場の人々の喝采を受けながら、幸福の感情を感じていた。

 これで自分の夢を少しでも叶えることができたと。これで天国にいる彼女に顔向けできると。

 

 そして奇術師は、今回の受賞を糧にこれからも夢のために邁進しようと心に誓ったのだが、しかし奇術師のその誓いは果たされることはなかった。

 

 授賞式で奇術師が殺されてしまったからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 その悲劇が起きたのは、彼が受賞の盾とトロフィーを手に壇上から降りようとした、その時だった。

 ステージの脇から1人の男が大型のナイフを脇に構えながら、奇声を上げて奇術師に向かって突進し、そのままそのナイフを奇術師に向かって突き刺したのだ。

 

 実はその男、かつては名の知れたデュエリストだったのだが、奇術師にグールズ時代に標的にされてしまったせいで、自慢のレアカードをデッキごと奪われてしまい、そのせいで彼のデュエリスト生命はそこで終わってしまったのだ。

 

 人生を奇術師の手により狂わされたその男は、デュエリストの道を諦め、アルバイトをしながらその日暮らしをしていたのだが、ある日とあることがきっかけで奇術師がマジシャンとして一世を風靡していることを知り、自分の人生を台無しにした奇術師が喝采を浴びているのを見て殺意が沸き、奇術師がとある会場で賞を受賞することを知った男は復讐のためにその会場に忍び込み、そして今回の凶行に及んだのだ。

 

 奇術師は、会場の警備員たちに抑えつけられながらも喚き散らされるその男の言葉に、痛みに意識を薄れさせながらも、思わず自嘲の笑みを浮かべる。ああ、これが天罰というものなのかと。

 

 確かに自分が犯罪を起こした大きな理由は、マリクが千年ロッドの力により自身を洗脳したからだ。

 しかし、被害者にとってはそんなこと関係ないし、なにより最初恋人の愛を取り戻したいがために彼の手をとったのは奇術師本人なのだ。

 

 だからこそ、いつかこんなことが起こるのではと考えていた奇術師は、まだ死にたくはなかったと思いながらも、どこか、まあ仕方ないかと自身の死を受け入れ始める。

 

 しかし、奇術師にはある心残りがあった。

 

 その心残りというのは、自身のパフォーマンスでもっとたくさんの人々を笑顔にしたかったということ。

 

 そう、最初は彼女の後押ししてくれたことだったためということもあり、奇術師は再び表舞台に立ち世界中でマジックショーを披露していたが、しかし時が経つうちに、彼女の意思だからというわけでなく、人々の笑顔を見るのが、彼女の愛を取り戻すというかつての目的に代わって、いつの間にか彼の生きがいになっていたのだ。

 

 彼は最後に思う。どうして自分はあの日、マジックを失敗してしまったのかと。あのマジックを失敗さえしなければ恋人は死なず、恋人と二人幸せに暮らし、仲良く夢を追うことができたというのに。

 

 だからこそ、奇術師は最後に思わずぽつりと呟く。

 

 ―――ああ、できればまた人生をやり直したいですねえ。

 

 その言葉を最後に、奇術師はその息を引き取り、この世を去ることとなる。

 

 しかし、この時の彼はまだ知らなかった。

 

 

 

 

 

 

『ここは………?』

 

 まさか、なんとなしに呟いた最後の願いが、本当に叶ってしまうことになるとは。

 

 

 

 

 ―――これは、元グールズのレアハンター№2『奇術師パンドラ』と恐れられた男のやり直しの物語である。




どうでしたでしょうか?前作では主人公をパンドラをモデルに単純に奇術師キャラで書いていましたが、これじゃあ別に新しいキャラじゃなくてもいいなと思い、なら本人でいいじゃんと思って、初代遊戯王の敵キャラの一人であるパンドラさんを転生させちゃいました。………てへ☆あ、すいません。石投げないで(笑)

ただ、この作品のパンドラさんは話の内容からわかるとおり、改心した後のすごくきれい(笑)なパンドラさんなので、タグに「ほぼオリ主」とつけさせてもらいました。なので、そこのところをふまえて、暇つぶしにでもいいので次回もお読みくださると嬉しいです。
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