遊戯王ARC-V―奇術師と呼ばれたデュエリストのセカンドライフ―   作:えんとつそうじ

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どうも、えんとつそうじです。今回は実は皆さんに一つこの場を借りて一つお願いがあります。

実はこの作品の主人公の名前は元々クオン・遊灯じゃなくて遊灯久遠という名前だったのですが、途中からフランスとのハーフという設定に変えてしまったので、ちょっとハーフ風なこの名前に変えさせていただきました。

しかしその前はずっと遊灯久遠で通していたために、未だに名前の表記が「久遠」となっている場所があるかもしれません。

自分では直したつもりですが、見落としているところがあるかもしれませんので、見つけた方は、ぜひご報告してくださると助かります。

それでは、第四話。今回は主人公についてのさらなる説明回に持ち上げ(笑)回になります。それでもよろしいのならば暇つぶしにでもご覧ください。


第四話 奇術師の決闘VS異次元の王②”奇術師”クオン・遊灯

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

クオン

LP:4000

手札:5枚

場:ブラック・マジシャン

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

 

「(『ブラック・マジシャン)』ですって……ッ!?)」

 

 LDS理事長、赤馬日美香は、目の前に広がるその光景を簡単に信じることができなかった。その理由としては、遊勝塾側の選手である、クオン・遊灯が出した1枚のモンスターカードにあった。

 

【ブラック・マジシャン】。

 

 それはデュエルモンスターズの黎明期。初代決闘王(デュエルキング)にして、過去、現在、未来において史上最強のデュエリストと謳われた男”武藤遊戯”が自らの相棒(パートナー)としてデッキのエースに据えていたモンスターこそが、このブラック・マジシャンなのだ。

 

 今では伝説を通り越して、神話と同等に語られる初代デュエルキングの伝説。

 

 元々かなりのレアカードではあったが、武藤遊戯により数多の伝説を打ち立てると、さらに爆発的に人気が広まり、世界中の人々がこのカードを求めるようになる。

 

 しかし、そのあまりの人気故に多くのコレクターは窃盗を警戒しそれらのカードを死蔵するようになり、また所有者の死後盗まれてしまったのか、それとも正当な後継者が隠し持っているのかいつの間にか紛失しているという事態が続出。

 

 その結果、時が経つにつれブラック・マジシャンの姿は表舞台では自然と見なくなっていく。

 

 そして今ではその所有者は確認できるだけでも、世界中で片手で数えられる程度にまで減少してしまった。

 世界大会でも使用する者がほとんどいない、まさに伝説のレアカードといってもいいカードなのだ。

 

 普段大企業の経営者に相応しく、あえて常に笑みを浮かべることにより感情を隠すのが得意な彼女がここまで動揺しているのも、まさかいくら元チャンピオンが経営していたとはいえ、このような弱小塾にいる少年がそのようなレアカードを使うとは思っていなかったからだ。

 

 そしてそれは彼女の教え子であるLDSの生徒たちもそうだったようで、彼らはそれぞれブラック・マジシャンの登場に動揺した顔を見せている。

 

「ブラック・マジシャンだと……!?なんであんなやつが!!」

「あの幻のレアカードをこんな弱小塾のやつが?」

「すごい。初めて見た……」

 

 そしてそれは遊矢、柚子、権現坂。遊勝塾の古参メンバー以外の面々も同じだった。

 

「あ、あれって……」

「ぼ、僕知っている!!教科書に載ってたよあれ!?」

「ブラックマジシャン、本物はじめて見た!しびれる~!!」

 

 そしてその中で一番驚いているのは遊勝塾で最も新入りである紫雲院素良だった。

 

「うっそ……。ブラック・マジシャンなんて僕はじめて見たよ!?」

「そりゃあ、そうだ。プロの歴史の中でも使っていたデュエリストは片手の数しかいなかったって話だからな」

 

 素良の言葉にそう答えたのは遊矢。その表情はなぜかどこか自慢げに見える。どうやら自分の兄が皆を驚かせたのがよほど嬉しかったようだ。

 

 そんな彼らの様子を見て、クオンは思わずといった感じで僅かに笑みを浮かべる。

 

「(まあその反応になりますよね。私もこのカードを当てた時にはかなり驚きましたし)」

 

 ふとなんとなく買ったパックに、前世のエースであったこのカードが入っていた時には思わず運命を感じてしまったものだ。

 

 気のせいか、こちらに僅かに視線を向けて僅かに笑みを浮かべているように見えるブラック・マジシャンの様子に苦笑しながらも、クオンはデュエルを続ける。

 

「―――-それではバトルです。ブラック・マジシャンでタルワール・デーモンを攻撃。『黒・魔・導(ブラック・マジック)』!!」

 

 思わぬレアカードの登場に僅かに動揺していた零児であったが、漆黒の波動がブラック・マジシャンの杖から放たれると、瞬時に気持ちを立て直し冷静に対応する。

 

「ならば、私は伏せカード「戦乙女(ヴァルキリー)の契約書」を発動!!」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

戦乙女(ヴァルキリー)の契約書

永続罠 (原作効果)

①:自分スタンバイフェイズに発動する。

自分は1000ダメージを受ける。

②:このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、 自分フィールドの悪魔族モンスターは、相手ターンの間は攻撃力が1000アップする。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

 

「このカードは自分のスタンバイフェイズ毎に私は1000ポイントのダメージを受ける代わりにこのカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分フィールドの悪魔族モンスターを相手ターンの間、攻撃力を1000ポイントアップさせることができる」

 

 その言葉と共にタルワール・デーモンが紅色のオーラに包まれる。

 

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

タルワール・デーモン

攻撃力2400→3400

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

 

「これでブラック・マジシャンの攻撃力を超えた。行け、タルワール・デーモン。『迎撃一閃』!!」

 

 タルワール・デーモンはブラック・マジシャンの放った波導を切り裂くと、今度はブラック・マジシャンに向かって自分から襲いかかる。

 

 思わぬ危機に襲われるクオンであったが、彼は飄々な笑みを浮かべながらもその攻撃に対応して見せる。

 

「なら私はアクションマジック。「早撃ち魔術(クイック・マジック)」を発動」

「ッ!?いつの間に!!」

 

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

早撃ち魔術(クイック・マジック)

アクションマジック(作者オリジナル)

手札の魔法カードを1枚選択する。選択した魔法カードをこのターン速効魔法として使用できる。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

 

 驚愕の表情を見せる零児。だがクオンはそんな彼の様子に笑みを浮かべるだけでデュエルを続ける。

 

「このカードは手札の魔法カードを速効魔法として使用できるアクションマジック。私はこのカードの効果により手札のヒュグロの魔導書の効果を発動。このカードの効果によりターン終了時までブラック・マジシャンの攻撃力を1000ポイントアップ!!」

 

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ブラック・マジシャン

攻撃力2500→3500

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

 

 ヒュグロの魔導書の効果により攻撃力が上昇したブラック・マジシャンは、タルワール・デーモンの攻撃を杖で受け切り弾き飛ばすと、不敵な笑みを浮かべながら紅色の波導でタルワール・デーモンを吹き飛ばした。

 

「ぬッ!?」

 

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

零児

LP:4000→3900

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

 

 魔力の波動の余波による衝撃により、零児は僅かに顔を顰めた。

 

「モンスターを破壊したことによりヒュグロの魔導書の効果を発動。その効果によりデッキから「セフェルの魔導書」を手札に加えます」

 

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

セフェルの魔導書(まどうしょ)

通常魔法

自分フィールド上に魔法使い族モンスターが存在する場合、

このカード以外の手札の「魔導書」と名のついたカード1枚を相手に見せ、

「セフェルの魔導書」以外の自分の墓地の

「魔導書」と名のついた通常魔法カード1枚を選択して発動できる。

このカードの効果は、選択した通常魔法カードの効果と同じになる。

「セフェルの魔導書」は1ターンに1枚しか発動できない。

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

 

 クオンが手札に加えたこのカードは簡単に言えば墓地の魔導書魔法カードの効果をコピーするというもの。

 

 本来なら魔法・罠カードから自分の魔法使い族モンスターを守ることができるトーラの魔導書でもいいのだが、こちらのカードの方が応用が効くと考え、彼は次のターンに備えてこのカードを選んだのだ。

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

トーラの魔導書(まどうしょ)

速攻魔法

フィールド上の魔法使い族モンスター1体を選択し、

以下の効果から1つを選択して発動できる。

●このターン、選択したモンスターはこのカード以外の魔法カードの効果を受けない。

●このターン、選択したモンスターは罠カードの効果を受けない。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

「さらに私はカードを2枚伏せてターンを終了します」

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

クオン

LP:4000

手札:3枚

場:ブラック・マジシャン

魔法・罠:伏せカード2枚

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 ブラック・マジシャンの攻撃により削られた零児のライフはたったの100。

 

 だが先手を取られてしまったことには変わりなく、彼の伝説を聞いてきたLDSの面々は動揺の色を見せる。

 

「なッ!?」

「まさか、社長が先手をとられるなんて………」

 

 だが、そんな彼らの言葉にLDS会長である赤馬日美香はなんでもないように答える。

 

「落ち着きなさい、あなたたち。たった100ポイントよ」

「でも……」

「それに零児さんはまだあのデッキ(・・・)の真の力を出していない。勝負はまだこれからよ(………そうでしょう?零児さん)」

 

 そして日美香が視線を向けた先には、先手を取られたはずの零児が、しかし彼は全く焦った様子を見せずに、立っていた。

 

 彼は先ほど自分のモンスターが倒されてしまったばかりとは思えないほど何事もなかったかのように、何か納得したような仕草を見せる。心なしか、どこか楽しそうな笑みも浮かべていた。

 

「なるほど、ブラック・マジシャン。これで確信が持てた。――――やはり君が先日アメリカでプロ資格を取得したというアメリカで最少年のプロデュエリスト。クオン・遊灯か」

 

・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・

 

 

『…………は?』

 

 零児の言葉に、観客席にいた殆どの面々が困惑の声をあげる。

 

 それもそうだろう。まさか自分たちより少し年上ではあるが、同年代といってもいい少年が突然プロだといわれても、いわれたほうは困惑するしかないだろう。

 

 特に混乱していたのは彼が所属する遊勝塾の面々。特にその最古参である遊矢、柚子、権現坂の三人組だ。

 

 もしそのようなことがあれば彼らが一番に知るはずだが、彼らはそのようなこと全く知らなかったからだ。

 

 自然とその場の全員の視線がクオンへと集中する。

 

 そんな彼らの視線に気づいていないのか、クオンはただ訝しげな顔で首を傾げる。

 

「なんで知ってるんです?遊勝塾の皆を驚かそうと今まで内緒にしていたのに」

「私たちレオ・コーポレーションは日々世界中の優れたデュエリストの情報を集めている。いくら先月プロ資格を入手したばかりとはいえ、アメリカ最年少でプロへとなった君のことを知らぬはずはないだろう」

 

 最も無所属と聞いていたから先ほどまで確信はもてなかったがと言葉を締めくくる零児。その彼の言葉に何かを思い出したのか、日美香が叫び声を上げる。

 

「思い出したわ!まさかあの奇術師(トリックスター)がこんなところにいるなんて!?」

「トリックスター?理事長あいつのことを知ってるんですか?」

 

 北斗のその言葉に、日美香は一瞬きつい眼差しで一瞥するが、さすがに何の関係もない自身の生徒に八つ当たりのような真似をするわけにはいかず、一度目を瞑り深い息を吐くと、再び口を開いた。

 

「トリックスター。それは三年前にアメリカに現れた大会荒らしのデュエリストのことよ。当時中学生だったそのデュエリストは、彗星の如く現れると大小様々な規模を大会に出場し、多くの成績を残した。ブラック・マジシャンをエースに据えた、その魔法や罠カードを上手く使ったトリッキーな戦術と、その鮮やかなパフォーマンスからトリックスターの名がついた。LDSのアメリカ支部から送られてきたスカウト候補リストに写真付きで名前が載っていたのだけれど………」

 

 心なしか釣り上った威圧感ある眼差しでクオンへ視線を向ける日美香であったが、当の本人であるクオンは何も感じたような感じは受けず、ただ首を竦める。

 

「別に特に不思議な話ではないでしょう。私は元々遊勝塾の人間です。厄介ごとになりそうだと考えたら戻ってくるのが当然でしょう。――――実際こうして業界最大手のLDSが買収に乗り出したわけですし」

「くッ!?」

 

 クオンの言葉に苛ただしげに歯切りするする日美香。そんな彼女の様子にクオンは苦笑しながらも零児へと視線を向ける。

 

「まあ、私がプロ資格を持っている云々はこのさい別にいいでしょう。今は関係ないですからね。デュエルを続けるとしましょう」

「ふむ、それもそうだな」

 

 クオンの言葉に零児は納得したように頷くと、デッキからカードを一枚引く。

 

「それでは私のターン。ドロー」

 

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

零児

LP:3900

手札2枚

伏せ:戦乙女の契約書

   伏せ1枚

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

 

「あなたのスタンバイフェイズ。戦乙女の契約書の効果により、1000ポイントのダメージを受けてもらいます」

 

 クオンのその言葉とともに、零児の胸元に小さくない痛みが走る。

 

「ぐううッ!?」

 

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

零児

LP:3900→2900

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

 

 いまだデュエルが始まったばかりだというのに1100ポイントという少なくないダメージを負った零児。

 

 確実に追い詰められているはずなのに、彼は苦悶の声自体はあげるものの、まるで動揺を見せず、むしろその口元には余裕の笑みを浮かべていた。

 

 彼は先ほど引いたカードがどんなカードなのかを確認すると、その視線を再びクオンへと向けた。

 

「……ふむ。いまだ未完成ではあるが、どうやらこのデッキの真の姿を見せるときがきたようだ」

「真の姿?」

 

 零児の言葉に訝しげに首を傾げるクオンであったが、そんな彼の様子にかまわず零児は話を続ける。

 

「だが、ちょうどいい。ブラック・マジシャンなどという伝説級のカードを見せてもらったのだ。礼代わりといってはなんだが、おもしろいものを見せてさしあげよう」

 

 そして、零児はそういうと、そのモンスターを召喚する。

 

 

 

 

 ――――異次元を制する悪魔の王の一柱を。

 

「私はこのターン1000ポイントの効果ダメージを受けたことにより、このモンスターを特殊召喚する。出でよ、抗うもの全てを粉砕する征服者。――――「DDD反骨王レオニダス」!!」

 

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

DDD(ディーディーディー)反骨王(はんこつおう)レオニダス

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/悪魔族/攻2600/守1200

【Pスケール:青3/赤3】

(1):自分が効果ダメージを受けた時にこの効果を発動できる。

このカードを破壊し、さらにそのターン、

LPにダメージを与える効果は、LPを回復する効果になる。

【モンスター効果】

(1):自分が効果ダメージを受けた時に発動できる。

このカードを手札から特殊召喚し、

受けたダメージの数値分だけ自分のLPを回復する。

(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、

自分が受ける効果ダメージは0になる。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

 

 

 その零児の宣言とともに彼のフィールド上に現れたのは黄金の鎧に身を包んだ大型の悪魔。

 

 その体から発せられる、まさに「王」の名に相応しい威圧感に、クオンは目を見開き驚愕の表情を浮かべる。

 

「な……なんだこのモンスターは?」

 

 零児は癖か何かなのか自身の眼鏡を中指で押し上げてその位置を整えると、鋭くクオンを睨みつける。

 

「それでは反撃開始と行こうか」




はい、どうでしたでしょうか。今話を見てくださればわかるとおり、今回のこの話の主人公はプロデュエリストの資格を持っていることにさせていただきました。

理由としては、前作ではプロ資格を持っていたら普通のデュエリストである遊矢たちと絡ませづらい思っていたので、プロ資格は持っていなかったのですが、新しく書き直すにあたって別の話に変えちゃえばいいかなと考え直し、それに前世では主人公は遊戯に敗れたとはいえ、遊戯がカードとの絆(笑)により、エクトプラズマーでエクトプラズマーを相殺するなどという離れ業をやってのけなければ遊戯に勝っていたほど(他に手があったのかもしれませんが)の腕前なので、プロ資格ぐらいとっていても不思議じゃないかなーと思い、こんな感じにさせてもらいました。この方が強キャラ臭が出ると思いますし(笑)

それではまた次回まで。よろしくお願いします。

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