「妹様に教えてもらったスペル使ってみるか『禁忌 狂いし現実』」
次の瞬間、俺の力に外から大きな力に押さえつけられ、一切能力が使えなくなる。
それどころか、霊力すら生成できなくなる。
「っち結界維持すら出来ねぇ」
上井が俺のほうを見て言う。
「お前には銃があるだろうが」
戦えない訳では無いけど、能力の援助無しだときちんと当てられる自信がない。
「まぁいい、使ってみるか。
椎名援助を頼む」
そう言うとカバンの中から椎名が顔を出てきてさざなみに演算情報を入力してくる。
「ふん、紅魔の執事をなめるな『伝授 スカーレットバレット』」
お約束のどこからか出したが謎な赤く染められたナイフが相手めがけて飛んでいく。
「椎名、まだか」
あまりの仕事の遅さに少しばかしかいらだちが出てくる。
「マスターの能力の援助ないので携帯演算機で計算してるんです!
もう少し待ってください。
あ、能力無効化は後で計算しますから!
取り合えず空間演算終了です。
支援情報入力しました」
確かにマニュアルになってる。
「ご苦労」
取り合えず後は、弾丸設定を変えて。
狙うはやはり上にある照明。
「出力95%、発射」
今、入っているすべての球を発射する。
「我ガ身ニ近イシ力ヲモイチイテコノシウチヲタイショスル。
誓イシ神ヨ我ニ力ヲカシヨ『古文 神使契約』」
よし、力は戻ったな。
『雷砲
──2──
「これで、異変は解決っと。
よし、博麗神社に行くぞ。
4課に削除される間に戻らないとやばいぞ」
上井の腕を引っ張りながら博麗神社に向けて飛び立つ。
「まて、空は飛び慣れてないんだ」
上井が飛行魔術を展開しながら文句を言う。
「一時的なモノだったらそれで十分、後で忘れるよ」
しかし、すぐ後ろから殺気を感じ取る。
「おい、冗談だろ」
足元に結界をはり、飛行術の使用を止め足をつける。
その直後、俺の顔を目がげてナイフが飛んでくる。
「ストップ・アンド・リバース」
結界に触れたナイフはそのまま力の向きが反転し、投げた人の方に戻っていく。
「さすがに効かないわね。
まあいいわ、お嬢様が選んだ貴重な執事、こんなところで奪われてたまりますか『秘儀 殺人ドール』
全くめんどくさい。
『風流剣 瞳風雷』
さてと、時間を稼いでいる間に逃げますかね。
「させると思う?
貴方の逃げようとするその時間も私のもの『幻世 ザワールド』
「お前にかまってる暇なんてないんだっつの!『雷砲
「!?」
──3──
時が元に戻ると同時に博麗神社の鳥居のそばまで来ていた。
「あとは結界を開いて帰るまで」
一人だけであれば座標移動で済むんだけれどもな。
「あれ、開けね。
おい、博麗居るんだろ」
母屋のほうに向かい博麗がいるであろう居間に向かうと。
「おなか空いた・・・・」
行き倒れて上がる。
「はぁ、博麗
その代わりに結界緩めろ」
ちゃぶ台の上に野沢さんを置いて母屋を離れる。
「取り合えず、戻り次第警察署だな」
結界を人の通れるサイズに広げたうえで時空のレリーフを使い元の場所に戻る。