鉄骨がむき出しの状態で放棄された工事現場で
浦島とタイガーシードの戦いは始まった。
その鉄のジャングルは浦島の味方となるのか、
それともタイガーシードの味方となるのか。
戦場《リング》を制するのは、より戦いを知る者である。
第十話「檻の戦場《リング》!!の巻」
鉄骨が四方を遮る障害物となるこの場所ではバッタの特性である跳躍力よりも
トラの俊敏さが攻撃に適していた。
タイガーシードは一向に攻撃をせず、ただ鉄骨の上から浦島の出方探っていた。
「攻撃しなきゃ、埒が明かねえ!!行くぞ!!」
浦島はタイガーシードの挑発に乗り、10mほどジャンプするとタイガーシードに拳を入れようとする。
だが、攻撃は完全に避けられタイガーシードは浦島の後ろ取り、ジャーマンスープレックスの体制に入り、鉄骨目掛け落下していく。
ズガンッッ!!!
タイガーシードはジャーマンスープレックスが決まった。
浦島はまともに脳天をやられたため、地面へと落ちていく。
「貴様は素人だな?こんな簡単な技をまともに食らうなど、
超人レスラーの風上にもおけんな~!!!」
タイガーシードは攻撃の手を緩めず、ドロップキックでさらに追い討ちをかけてきた。
浦島はなんとか立ち上がり上手く避けるものの、タイガーシードは鉄骨をロープ代わりにし、
反動をつけムーンサルトを浦島に浴びせる。
「ッッ!!完全に奴の方が俺よりも戦いなれている.....こいつは強いぞ」
「当たり前だ!!俺は15の時からリングに上がり、この体一つで半世紀戦ってきたのだ!!」
タイガーシードに変身しているハートマンは空中殺法を武器にリングで激闘を繰り広げた超人レスラーである。リングという限定された空間での戦いはお手のものだった。
「ここはリングなんかじゃねぇ....喰らえ!ライダーパンチッッ!!」
浦島の矢のように速い拳がタイガーシードに打ち込まれる。
ゴブッ....
その拳はタイガーシードの体を突き抜けることなく、
まるでゴムボールのような感触でライダーパンチを包み込んだ。
「虎殺しの異名を持つある格闘家がこんなことを言ったそうだ。
.....虎という生き物は自分が入るスペースしかない檻の中でも瞬時に身を翻すことができ、
その体に拳を打ち出しても、まるでゴムに弾き返されるような感触しかしないんだ。
攻撃は当たらない。当たったも衝撃を吸収するため、戦いようがない.....虎という生物は
まさに俺の理想の生物なのだ!!!」
タイガーシードはベアバッグで固めながらジャンプし、左腕で浦島の頭を固め、右腕を使って浦島の足を抑えた。
「こいつでheavenとやらに行くんだな...ブロウクン・ハンマー!!!!」
タイガーシードは急降下し、浦島の脳天を地面へと叩きつけた。
いくら改造人間といえど人体の急所である脳天を二度もやられては立ち上がれない。
浦島はその衝撃から変身が解けてしまった。
「ガハッッ!!!.....さすが超人...
相手を倒すことだけに人生を賭けてきた奴の一撃はかなり効くぜ....」
もう一度脳天に強い衝撃が加わったら、確実に頭蓋骨は砕けるであろう...
なんとかそれを避けたいが、立ち上がるだけの気力は浦島には残されていなかった。
「仮面ライダーとか言ったな....キン肉マンはどこにいる??俺は奴のチャンピオンベルトが欲しい」
タイガーシードから変身を解き、カツン、カツンと軍靴の音をならしてハートマンが浦島に近づく。
「キン肉マン....そんな男は知らないな....知っていてもお前のような万年軍曹なんかに教えないがな....」
万年軍曹.....その一言がハートマンの逆鱗に触れてしまう。
「貴様ァ.....私の誇りをバカにしたなぁぁぁぁ!!!!!」
ハートマンは怒りに身を任せて、倒れこんでいる浦島を蹴りあげた。
骨が軋む鈍い音が辺りに反響し、浦島は激しく血ヘドを吐く。
「俺は軍人なんだ!!!軍人は常に最前線に立たなければいけないのだ!!!
それを貴様は万年軍曹だとぉぉぉ!!!」
ハートマンの容赦ない攻撃が浦島を襲
すでに肋骨は三本折れ、これ以上蹴りを食らってしま
体内のソウルシードの変身機能にも支障をきたすかもしれない。
「やめろーっ!!THE・ハートマン!!!それ以上その男に暴行を加えれるなら、
俺達が黙っていないぞ!!」
「.....コーホー.....」
建設現場の入り口に金髪の男と、黒い仮面を被った男がこちらに向かってきた。
「おやおや、我が祖国の超人テーリマンと
赤のポンコツロボ超人ウォーズマンではないか....
貴様らのような中途半端な超人は、俺の相手ではない。キン肉マンはどこにいる?」
「なんだとぉ....ミー達が二流超人だというのか!!」
「それは聞き捨てならんぞ、ハートマン!!!」
テリーマンとウォーズマンはハートマンの罵声に怒りを上げ、立ち向かおうとする。
.....
「待ってくれーっ!!!!テリー、ウォーズマン!!」筋肉を纏い
彼らの後ろからもう一人男が近づいてくる。
鋼のような纏い、赤いリングシューズを履いた男...
「私はここにいるぞハートマン!!!空也を返してもらおうかーっ!!」
その男の名はキン肉マン。
「ようやく会えたな超人オリンピックV2チャンピオン。
お前のチャンピオンベルトがどれだけ欲しかったか、お前にはわからんだろう」
「そんなものは知らんーっ。それよりもコウヤから離れてもらおうかーっ!!」
ハートマンはキン肉マンが完全に誘いに乗ったため、いったん浦島から距離を置いた。
「大丈夫かーっ!!コウヤ!!!」
キン肉マンが浦島に駆け寄り傷だらけの浦島を抱きかかえた。
「...俺は大丈夫だキン肉マン....あいつと戦おうなんて考えているなら、
今すぐ辞めたほうがいい...奴は俺と同じ.....シード怪人だ」
「気持ちはありがたいぜコウヤ....だが、私は友を傷つけた者を放っておくわけにはいかない...
THE・ハートマン!!貴様の挑戦状受け取ったぞ!!!」
キン肉マンの『友』という言葉に思わず目頭を熱くする浦島をよそに
ハートマンの高笑いがあたりに響いた。
「HAHAHA~話が早くて助かるぜキン肉マン。試合は三日後、後楽園スタジアムで行う。
せいぜい首を洗って待っていることだ....」
そう言い残しハートマンは夜の闇に消えて行った。
「私は逃げも隠れせんぞスカポンタンめ。ミートよ」
「なんでしょうか王子?」
入り口に隠れていたミートが顔を出す。
「...替えのパンツはあるか?」
キン肉マンの履いていたパンツから液体が流れている。
おそらくちびってしまったのだろう。
「王子...先が思いやられます...」
かくしてキン肉マンとハートマンは三日後、後楽園スタジアムで激突することになるのであった。
「キン肉マン、奴は世界でも類を見ない軍人超人だ。
かつてブロッケンJrの親父ブロッケンマンとも戦ったことがあるが、
赤子の手をひねるようにブロッケンマンから白星をあげたそうだ」
超人界の物知りの異名を持つテリーマンの知識が披露される。
「奴は本国のブラックリストに載っている。キン肉マン、奴は俺たちが想像している以上に危険な奴だ」
あまりしゃべらないウォーズマンがこれだけいうのだから、相当危険なのだろう。
THE・ハートマン...サウスカロライナの虎と呼ばれた男...我々が知っている情報はこれしかない。
「ところでテリー、なんでお前たちがここにいるんだ?」
「一週間後のファン感謝祭の前にお前の顔の家に顔を出そうと思ったら、ウォーズマンにたまたま会って」
「私が正義超人として子供たちに受け入れてもらえるか相談に乗ってもらっていたんだ」
「すると物騒な音が工事現場聞こえてきたので、駆けつけてみたらこの有り様だ」
あのウォーズマンがそんなことを悩むとは...意外な一面を知ったキン肉マンとミートであった。
「すまない...お取込み中悪いが一応自己紹介しておこう。
俺は浦島空也...さっきは俺のピンチを助けてくれてありがとう」
浦島はその血だらけになったジャケットを脱ぎ、軽く頭を下げる。
「俺はテリーマン、こっちはウォーズマンだ。....君、傷がすでにふさがりかけているね。
見た目は人間だが、君は超人なのかい?」
先ほどハートマンに受けた傷がふさがりつつあるのを見て、テリーマンは些細な疑問を浦島に問いかけた。
「俺は超人ではないが、人間でもない....俺は改造人間...仮面ライダーとして戦っている
キン肉マンとはちょっと前に知り合った」
浦島と正義超人三人は戦闘で廃墟と化した工事現場を後にし、キン肉マンの家へと帰って行った。
土日に書き終えたのが、こちらのミスにより一度消え
なんとか書き終えましたので投稿します。
プロットは書き終えていますが、なかなか文章に起こすとなると難しいです。
WEB連載しているキン肉マンですが、今週はまさかあの超人が出てくるとは....
早く続きが見たいです。