仮面ライダーLOST   作:九番ライト

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第十七話「黄金の意志」

すべてが終わった。

最後の石仮面もあの船の中で燃えているはず。

長きにわたるジョースター家に因縁を終わらすことができたのだ。

燃え盛るフリードリッヒ・デアグロッセの中からジョセフに向かって

銃弾が放たれた。

その銃弾はジョセフの両足を貫き、思わず倒れてしまう。

 

「大佐の体が最後の最後で私を救ってくれましたよ....」

 

紅蓮に燃え盛る炎から現れたのは首以外すべて機械のマウスシードだった。

顔はすでにケロイドのように溶け始め、

見る者が思わず目を背けたくなるようなおぞましさだ。

 

「その体....まさかシュトロハイムの体か?!!!」

 

 

 

第十七話「黄金の意志」

 

 

ジョセフには見覚えがあった。

ナチスドイツの軍人で高慢な態度が少し気がかりであったが、

ともに究極生命体カーズと戦った戦友シュトロハイム。

スターリングラード戦線で戦死をしたというのは聞いていたが、

まさかこんな形で再開するとは、夢にも思わなかった。

 

「そうだ。撤退戦の時に大佐の亡骸を密かに回収し、

 この体が使えなくなった時の予備として隠していたのだ。

 この作戦はドイツ国民を導くための聖戦だからな。

 あの世の大佐もこの聖戦に参戦できて満足なはずだ」

 

「祖国のために戦った英霊の体をこうも自分勝手な正義を振りかざして

 正当化するなんて...あのカーズに匹敵するほどの外道だぜッッ!!!」

 

ジョゼフは怒りに燃えていた。

戦友の亡骸を自分の願望を兼ねるための道具とされ、

こうすることがシュトロハイムの意志であったかのような言い草....

吐き気を催すような邪悪とはまさにこいつのやっていることそのものだ。

そこに『正義』の二文字などあるはずない。

 

「死者の体を弄ぶマウスシード!!!

 お前はこれ以上この世にいてはならない。

 さっさと地獄に行きやがれッッ!!!」

 

浦島はマウスシードに突進し拳を浴びせるも波紋を練れない以上、

有効打は与えられないのは変わらなかった。

 

「波紋も練れない奴には用はない!!!」

 

その腕力で吹き飛ばされる足の使えないジョセフの下へ投げられる浦島。

絶対絶命の危機にジョセフはある決断をした。

それは浦島に自分の波紋エネルギーを送り込み、

浦島の体内に入った毒ガスを放出させ、もう一度波紋戦士として戦わせることだった。

 

「ジョセフさん!!今奴と戦えるのは俺だ。波紋エネルギーを少しでいい...

 少しでいいから分けてくれ」

 

浦島の瞳には目の前に迫る巨大な邪悪を倒す戦士の意志が浮かんで見える。

この男ならば...この男ならやってくれるはず。

そう感じたジョセフは浦島の拳を固く握った。

 

「少しなんてケチなこと言うな。俺の波紋エネルギーをすべてお前に与えてやる」

 

固く握られた拳から、ジョセフの体内にあるすべての波紋エネルギーが浦島に送られる。

その輝きはまるでジョセフがもつ黄金の意志が浦島に受け継がれていくようだった。

 

「貴様ら!!そこで何をやっているか!!」

 

マウスシードの胸から、ジョセフの足を突いた機関銃が轟音を起て発射される。

 

「....そんな豆鉄砲じゃ、俺は倒せないぜ」

 

波紋エネルギーをジョセフから受け継いだ浦島。

その姿はすでに純白のマフラーをなびかせる炎の戦士となっていた。

 

「俺は仮面ライダーLOST。悪しき花は俺が刈り取る」

 

浦島は波紋の呼吸を整え、曇りのない夜空と高く舞い上がる。

奴を仕留めるのに無駄な攻撃はいらない....一撃で決めるのだ。

 

「行くぜ!!山吹色≪サンライトイエロー≫ライダァァァキイィィック!!!!」

 

太陽の輝きを放つその一撃は、マウスシードに黄泉の国に送る燃料には充分だった。

 

「家畜風情がァァァァァァ俺の作戦をォォォォォォ」

 

マウスシードは最後の石仮面の石仮面とともに爆散し、塵となって消えていった。

かくして最後の石仮面はここに葬り去られたのであった。

 

 

 

 

エピローグ

 

 

 

ベルリン・とあるバー

 

 

「それにしても随分老けましたねジョセフさん。

 やっと年相応の姿になったみたいですけど、

 ホントに波紋エネルギーは返さなくていいんですか?」

 

白髪が目立つ頭髪の男に申し訳ないように話しかけるのは、浦島であった。

 

「空也...俺は残り半分となった人生を最愛の人と同じ時間をすごしていたいんだ。

 それに前ほどではないが波紋も練れるしな。体の老いはなんとか止められるだろう」

 

浦島に波紋エネルギーを与えたことによって、

遅れせていた肉体の老化が急激にきたジョセフは

これも運命として老いていく道を選んだ。

 

それを決意させたのは若き戦士との出会いであることは間違いない。

 

「―そろそろ迎えが来たみたいなんで、ここら辺でお開きにしますか」

 

浦島は先ほどまで壁があったところに自然と壁があるのに気がついた。

この世界の出口だろう。

どうやらビールに酔っている周りの客には見えないようだ。

 

「そうか....わしは当分暇になったし、孫の顔を見に日本にでも行くかな」

 

「そいつはいい、ところでお孫さんの名前はなんていうんです?」

 

「承太郎....一か月前に生まれたばかりでな。この仕事が終わったら

 会いに行こうと思っていたところだ。女房も先に日本に行ってるし」

 

ビールを飲み終えたジョセフはジャケットを着て変える準備をする。

 

「また、どこかで会いましょう師匠」

 

「どこかでな...弟子よ」

 

二人は互いの自分の進むべき道へ進み、

ジョセフはバーの出口へ。

浦島はこの世界の扉を開けた。

 

こうして二人の戦士の奇妙な時間は幕を閉じたのであった。

 

 

 

 

 




ジョジョ編終了しました。
ジョセフのキャラを書ききれたかどうか不安ですが
三部で老いた理由についても書けたので、個人的には満足です。

次は波紋法を生かして、霊能教師かGSとクロスしてみようと思います。
無償で除霊する教師と法外な金を請求する現代のエクソシスト...

とりあえず原作本を読みかえそうと思います。
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