仮面ライダーLOST   作:九番ライト

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注意

仮面ライダーSPIRITS第一話のクロスオーバーとなります。
原作を読んでいないとわからない個所がありますので、
原作を読んでから、小説を読んだほうがいいと思います。


仮面ライダーSPIRITS編
第四話「疾風」


2001年

 

その時俺は小学生だった。

 

朝起きて

母の朝食を食べるため、リビングに向かう。

何気ない一日の始まり

だが、テレビの画面に映し出されていたものはあまりに衝撃的だった。

 

飛行機がビルに突っ込んでいる。

 

俺が知っている9.11は子供心の中に色濃く残る事件だったはず...

 

 

 

第四話「疾風」

 

 

月は少しその身をかけながらも、闇夜を照らしている。

だが、この街から明かりが消えることは決してない。

 

夜でも昼間と同じように光があり、人々は眠ることを知らない。

銃声がそこら中から聞こえ、パトカーの音が鳴りやまない街...

浦島はそんな物騒な街のはずれにある港の倉庫群にいた

 

「ミェルニルのなかで気を失っちまったが、俺が生きているってことはソウルシードが

俺の中にもどり、プロフェッサーCは海の中に沈んだってことなのか?」

 

考え事をしながらも浦島は小汚い倉庫群を進む.

 

バンッッッ!!!

 

 

どこかで大きな物音がした。

浦島は物音が聞こえた方向に向かっていくと

扉が完全に閉まっている倉庫群の中で一つだけ扉があいている倉庫があることを確認した。

どうやらここから悲鳴が聞こえたようだ。

 

浦島はこっそりと中を覗き込むと

薄汚れた白衣を着た黒人男性がベースボールキャップを被った白人男性に銃を向けている。

会話をよく耳を澄まして聞くと

どうやら白人は黒人が作った何かを回収しに来たらしい。

だが、黒人必死にそれを拒んでいるようだ。

だからと言って人に銃を向けるのはどうかと思ったが

なにかがおかしいことに浦島は気づいた。

 

普通銃を向けられている人間は恐怖に顔を歪めるはずだが

恐怖に顔を歪めているのは銃を向けている黒人男性のほうだった。

反対に銃を向けられているはずの白人男性は怯えるどころか、余裕を持っているような表情をしていた。

 

 

俺は銃ごときで死なない。

 

 

そう言わんばかりの態度だった。

 

黒人男性は震える腕で引き金を引く。

広い倉庫に一発の銃声が響き渡った。

 

 

白人の眉間に銃弾は当たった。

 

確実に当たったはずだった。

 

だが、白人の眉間に弾がめり込んでいるが、血が一滴も出ていない。

 

「お前の回答はそれか」

 

白人は被っていたベースボールキャップを投げ捨て、自らをおぞましい姿に変える。

 

天に向かって吊り上った耳。

 

腕と一体化している翼。

 

耳まで大きく避けた口。

 

そして口元から顔をのぞかせる鋭い牙。

 

 

蝙蝠男….

 

それが白人男性の正体だった。

 

黒人男性は恐怖に体を震えながらも銃を発砲させる。

 

だが、蝙蝠男は銃弾を受けながらも黒人男性に一歩一歩近づいていく。

 

「これが最後のチャンスだフォスター博士……..

ライトチェイサーをもらおうか?」

 

蝙蝠男はフォスター博士の目の前で立ち止まり質問した。

 

フォスター博士は

 

「貴様らなどに私のライトチェイサーを渡すものか!

 私が10年の月日をかけて開発した新時代のマシンが

 完成間近まできたのだぞ。それをお前らが私に

 ヘルダイバーとかいう戦闘バイクの設計を依頼してきて

 基礎設計にライトチェイサーを使いたいなどと言いやがって….

 ライトチェイサーは誰にも渡さんぞ」

 

そういうと彼は弾をリロードしようと腰に手を当てる。

 

「交渉決裂か....所詮貴様も神に愛されなかったものよ….

さあ、罪びとよ…罪を償え…」

 

蝙蝠怪人はフォスター博士が持っていた銃を超音波で吹き飛ばし

フォスター博士の首元に鋭い牙を光らせ襲いいかかる。

 

「やめろっ!!!!!」

 

浦島は扉を開け、蝙蝠怪人にめがけ体当たりをした。

 

蝙蝠怪人は研究器具の中に吹き飛ばされる。

 

「君は誰なんだ?まさか君が私に連絡をくれた本郷君かね?」

 

 フォスター博士は冷静さを保ちながら  

 浦島に質問する。

 

「俺は本郷とかいう男ではない。

 俺の名は浦島空也。通りすがりの日本人だ」

 

浦島はそう名乗ると自分の体をバッタ怪人に変えるイメージをした。

 

 

あの忌々しい体に変化するイメージ。

 

だが、一向に体は人間のままだ。

 

「なぜだ…なぜ、俺の体が変わらない…

 あの忌々しい体にならないんだ….」

 

動揺する浦島は蝙蝠怪人が立ち上がってくることに気付けなかった。

 

蝙蝠怪人は牙を立て浦島に襲い掛かる。

 

「シアァァァァァ」

 

浦島はとっさに腕でカードするものの

蝙蝠怪人の牙の餌食になる。

 

鋭く光る牙は浦島の腕の骨まで食い込み、

その血を吸い始めた。

 

「まずい血だな….お前はどこかの組織の出来損ないだな。

 俺が楽にしてやろう….」

 

蝙蝠怪人は浦島にその鋭い爪で攻撃を加える。

 

体を強化体にできない浦島は怪人になすがままにされてしまう。

 

体中から血を流し、ぼろぼろになりながらも

浦島の意識は残っている。

 

「なんなんだよ…この体は…..俺の体のくせに、俺のいうことも聞けないのかよ...」

 

怪人体になっていれば、かわせる敵の攻撃も人間体の体では

致命傷を負わないようにするのが精一杯だった。

 

「このへんで終わりにしようか、出来損ないめ」

 

蝙蝠怪人は浦島の首を締め上げる。

 

徐々に薄れゆく意識の中で浦島は思う。

 

―俺の人生は何のためにあったんだ?

 

死の淵に立たされたものは

今までの人生が走馬灯のように思い出されるというが

いまの浦島はまさにその状態であった。

 

写真の中でしか見たことない父。

父との思い出話を語る母。

 

母の実家に飾られた若き祖父の遺影を拝む祖母の背中。

母が亡くなったあと、俺を引き取って育ててくれた父の祖父とのキャッチボール。

それをきっかけに野球を始め、甲子園を目指して練習に明け暮れた青春。

そして野球部を引退し、自分の進路を考えるときに出てきた。

父の姿を追いたいという願望…

 

懐かしいあのころの思い出たちは、今も俺の中に眠っている。

 

だが、俺の体は人間ではなくなった。

やつらに体を改造され、醜いバッタ人間となった俺は 

誰も自分を知らない世界に投げ出される。

 

孤独….俺には孤独だけが残った。

 

共に夢を目指した友も、俺に愛情をくれた人々もここにはいない。

 

―誰かこの孤独から俺を救ってくれ―

 

声にならない叫びは誰にも届かない。

 

―いっそこんな運命から逃げられるなら死んでしまいたい

 

浦島の首が折られようとするまさにそのとき

  

 

 

「あきらめるな!!!!!」

 

 

 

その言葉とともにあたりに一陣の風が吹いた。

 

霞む視界に靡く深紅のマフラーが浦島の瞳に映り込む。

 

疾風….

 

白いバイクが猛スピードで蝙蝠怪人に体当たりしてきた。

その衝撃で蝙蝠怪人は吹き飛ばされ

浦島は蝙蝠怪人から解放された。

 

体当たりをしてきたバイクには仮面をつけた男が乗っていた。

 

銀色の拳

 

風車付のベルト

 

深紅のマフラーがライダーの首元からなびいていた

 

「グルゥゥゥ...オマエは何者だ?」

 

 

「俺の名は….仮面ライダー!!!!!!」

 

月明かりに照らされたその男の眼は

今までの人生で見てきた多くの人々の眼の中で

誰よりも力強く、真っ直ぐで、誰よりも男らしい眼をしていた。

 

「仮面ライダーだと?前の組織をつぶした裏切り者か…

 オオコウモリ男がいた組織もお前につぶされたらしいな

  俺の名はコウモリロイド…勝負だ、旧型ぁぁ!!!」

 

コウモリロイドは仮面ライダーに襲い掛かる。

 

だが、コウモリロイドの攻撃しようとしていた所には

すでに仮面ライダーはいなかった。

 

「どこに消えやがったぁぁ旧型ぁぁぁ!!!」

 

あたりを見回すコウモリロイド。

 

 

「ライダァァァァパァァンチ!!!」

銀色に輝く拳から銃弾のように速いパンチが繰り出される。

そのパンチはコウモリロイドの左腕を砕き、

コウモリロイドは激痛にもだえ苦しむ。

 

「旧型のくせになぜこんな性能が出せるんだ

 旧型のくせに、旧型のくせにッッ!!!」

 

嫉妬の念を送るコウモリロイドに対し

仮面ライダーはこう言い放つ。

 

「力に溺れて、弱者を虐げる貴様らに俺は消して負けん!」

 

そして仮面ライダーは多くの怪人たちを葬ってきたあの技を放つ。

 

「ライダァァァァキィッッック!!!!!」

 

 矢のように鋭いそのキックはコウモリロイドの体を突き破る。

 

 「ギャァァァァァアアアアァァァァアアアア!!!!!!」

 

コウモリロイドの断末魔があたりに響き

 

大爆発の中に消えていく

 

 

紅蓮に燃え上がる炎のから仮面ライダーは浦島に歩み寄ってきた。

 

 

「大丈夫か?」

 

仮面ライダーは浦島に声をかけてきた。

 

浦島は一言「あぁ」と答えると

 

仮面ライダーは

 

「博士を守ってくれてありがとう、君がいなかったら博士の命はなかった」

 

「体が勝手に動いただけだ。感謝されたくて助けたわけじゃない

 ところで仮面ライダー、あんたは一体何者なんだ?」

 そう問いかけると仮面ライダーは変身を解き

 生身の姿を浦島にさらしてこう名乗った

 

「俺は本郷猛、ショッカーに改造された改造人間だ」

 

 

浦島の運命を変える出会い...

彼が仮面ライダーを名乗る日はそう遠くはない...

 

 

 

 

 




別のサイトで投稿していたものを、一部セリフなどを変えて投稿しました。
伝説の一号を動かすにあたって、違和感を出さないようにしようと試行錯誤しましたが、
納得いただけたかどうか心配です。
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