夕日も沈み空は真っ暗に染まり、月とたくさんの星々が夜を明るく灯していた。
そんないつもの静かな夜に一際賑やかな場所があった。
そこはあの夜雀の妖怪が営む屋台があり、いつもの仲間に加えて異世界から来たおっさん達も一緒に盛り上がっていた。
「うっめえ!!」
「そりゃみすちーのりょうりだからね、とうぜんだよ。」
ワリオはミスティアの作った料理を豪快に食べてうまいと絶賛していた。
ちなみに屋台の席だけでは皆座りきれないので屋台にあった大きなシートを地面に敷き、そこで飲む事にしていた。
「確かにうまいな、ところでこの串焼きは何を焼いたんだ?」
「ああ、それは八目鰻っていってね...」
ワルイージは八目鰻に興味を持っていた。ミスティアによると幻想郷で獲れる鰻に似た生物らしい。キノコワールドではお目にかかれないのでワルイージ達が知らないのも無理はない。
「お前らも酒を飲むんだな。」
「そりゃあ、美味しいからね。」
「幻想郷じゃ飲まない人の方が少ないよ。」
ワリオはおちょこを口に付けながらリグルに問う。その問いにリグルに加えて大ちゃんも答える。2人ももちろん飲んでおり頬はほんのり赤く染まっていた。
(あいつらどう見ても未成年だよな。てか少女が酒って...)
ワルイージは突っ込みを入れたが口には出さなかった。出したとしても無駄だと分かっていたからだ。
「みんな~、どんどん食べてね。」
ミスティアは料理を作る手を更に忙しくしていく。
「食べるぞー!!」
「お前さっきから食ってるだろ。」
ルーミアに突っ込みを入れるワリオ。
(ルーミアってなんかヨッシーみたいだな。)
ワルイージの考えている事は間違いではないと思う。その証拠にルーミアはバクバク料理を食べていた。
そんな感じで他所から来たおっさん2人と妖精や妖怪の仲良しグループ5人の計7人は更に盛り上がり、賑やかになっていく。
そんな7人の所に遂にあの2人組が...
「失礼します。」
その凛とした声に皆が振り向いた。食べるのに夢中になっていたルーミアやワリオでさえも手を止めた。
そこには2人の少女が立っていた。1人は小柄な体型に緑色のショートヘアー、右手には笏を持っていた。
そしてもう1人は長身で癖のある赤髪、更には大きな鎌を持っていた。
「誰だコイツ?」
「こども?」
「ちょ、ちょっとワリオさん!」
大ちゃんが慌ててワリオに呼び掛ける。どうやらワリオとワルイージ以外は2人が誰なのか知っているらしい。
「こどもとは失礼ですね、キノコワールドのワリオ。」
「俺を知ってるのか!?」
「そちらの細身の男はワルイージですね。」
「俺の事もかよ!?」
なんとこの少女は異世界から来たワリオとワルイージを知っていたのだ。
すると隣にいた少女...というか女性が口を開いた。
「知ってて当然だよ。なんたって四季様は閻魔様だからね。」
「「閻魔だと!?」」
ワリオとワルイージはとうとう何が何だか分からなかった。
「改めまして私は四季映姫、幻想郷の閻魔を務めています。」
映姫は丁寧に挨拶をし、軽く頭を下げる。それにワルイージはつられてお辞儀を帰す。ワリオはそのままだったが。
「あたいは小野塚小町、死神で船頭をやってるよ。」
「死神!?」
「もう何でもアリだな。(おまけにまた少女だし...)」
小町は映姫とは違って軽い感じで挨拶をする。ワリオ達は堅苦しくない人?もいたので少し気が楽になったらしい。
「ところで何の御用で?」
ミスティアが聞いてくる。確かに小町はともかく映姫がただ食事をしに来ただけとは思えなかったからだ。
「それはですね、この屋台の調査を...」
「いえ、四季様と2人でご飯を食べる為です。」
「こっ小町!!」
「ですから貴方はいつまで経っても怠け者で...」
「はいはい。」
「はいは1回!!」
「はっはい!!」
その後1時間近く説教が続いた。ワリオ達は長くなしそうなので宴会を再開しようとしたが説教が耳に入り飲むに飲めなかった。
ちなみにここへ来た目的は屋台の調査との事。映姫は休みの日を見つけてはこうして幻想郷を歩いてまわっている。今回は小町も時間があったので2人で食事も兼ねてやって来たらしい。
「まあ、今回はこれくらいで良しとしましょう。」
(はあ、やっと終わった。)
映姫の長い説教からやっと解放された小町はぐったりした様子だった。
「では先に調査をします。食事はその後で。」
すると映姫はミスティアの所へ行き2人で話を始めた。そして小町は一足先に酒を飲み始めた。
「あ~、やっぱりいいねぇ酒は。」
「お前も大変だな、確か...小野塚だったな。」
「小町でいいよ、まああれが四季様だからね。」
ワリオはいつの間にか小町と打ち解けていた。お互い何か分かるものがあるのだろうか。ワルイージはそう思いながらお猪口に再び口をつける。
ちなみにルーミアやチルノは説教中も気にせず飲んでいたがリグルや大ちゃんはワリオ達と同じように説教が終わってから飲んでいた。
「ではこれで調査は終わりです。特に問題は無かったのでこれからも善行を積んでしっかりやって下さい。」
「はい、ありがとうございます。」
どうやら調査が終わったらしく、ミスティアはまた料理を作り始め、映姫は今度は小町とワリオの所に向かった。
「あっ四季様。もう終ったんですか?」
「ええ、特に問題ありませんでした。というか貴方はもう飲んでいるのですね。」
「いや~、四季様が時間が掛かりそうだったので。」
「まあいいですけど...」
映姫はそう言いながら自分も熱燗を1つ注文し、お猪口に入った酒を飲む。
「そういや閻魔だからってなんで俺とワルイージの事を知ってるんだよ?」
「それはあなた方の事はジャーデスから聞いていたからです。キノコワールドから消えた者達がもしかしたら幻想入りしてるのではないかと。」
「ジャーデス?」
「私と同じく閻魔でキノコワールドの担当です。」
ワリオ達はジャーデスについては全く知らなかった。
映姫の話によるとジャーデスとは同期であり仕事で会うことがたまにあるらしく、その時に失踪について聞いたらしい。
「とは言っても幻想入りなどの話は私ではなく八雲紫の管轄ですから私からは何も言いません。しかし...」
「「しかし?」」
(ヤバッ四季様にスイッチが入った。)
映姫は少し黙りこむ。そしてワリオとワルイージを見ると...
「あなた達は善行を積まなさ過ぎです!!」
ゴンッゴンッ
「「痛っ」」
突如映姫は持っていた笏、悔悟の棒で思いきり2人を叩いたのだ。
「一体何なんだよ?」
ワリオは叩かれた所を押さえながら映姫を見る。
「ごまかしても無駄です。私は2人が何をしてきたか分かります。あなた方は自分の欲の為にだけ動き、周りの者達の事を考えない。おまけに我が儘で傲慢で怠惰で...」
くどくどくどくど
(うわぁ、ワリオさん達災難だね。)
(災難なのかー。)
見ていたチルノ達は説教されるワリオ達を黙って見るしかなかった。
「あ、あの~四季様?もうその辺で...」
「小町貴方もです!!仕事では何度もサボるし、居眠りもするし貴方は死神としての自覚があるのですか!!」
映姫の説教は止めようとした小町にまで及んだ。
(面倒だな、お前の上司。)
(まあね、でも本当はとても可愛い方でね...)
「そこっ話をしない!!」
「「「はいっスミマセン!!」」」
今夜は映姫の長ーい説教で過ごす事になるだろう。
今回の元ネタ
・ジャーデスはスーパーペーパーマリオより(四季映姫とジャーデスは閻魔の仕事で同期という事にしています。)
お詫び
今回投稿が遅くなってしまってスミマセンでした。次話の投稿は出来るだけ早くしたいと思います。
なお次話はマリオ編を書こうと思っています。もしヨッシー編が読みたい方はまたコメントお願いします。多ければヨッシー編を先に投稿するつもりです。
ワリオ編は前に書いた通り一旦区切ります。