「ルイージさん、すみません。こいしが」
「いや、いいんだよ、無意識ならしょうがないよね」
「うん、無意識だよ」
こいしの刃物のような一言(無意識)はルイージの心に刺さり、思いがけないダメージを与えた。だがさとりの励ましもあり、なんとか回復していった。
「そういや兄さん達大丈夫かな...」
ルイージは先に向かったマリオ達が心配だった。そしてそれはさとりも同じらしく表情が曇っている。さとりは始め、お燐も一緒に行ったのでもしかしたらこいしの事を話してる間に二人で解決してしまうのではと思っていた。だが待っていても帰ってくる気配はなく不安が募るばかり。
「やはり私達も行きましょう。今すぐに」
「うん、そうだね」
お燐とマリオを助ける為にやはり行こうと決めるさとり。ルイージももちろんそのつもりだ。
「私も行くよ!お姉ちゃん、ルイージさん」
「ダメよこいし!危険過ぎるわ」
こいしも行きたいと言い張るがさとりは反対する。
さとりは何があってもこいしには傷ついて欲しくないのだ。それはやはり姉として絶対に妹を守り抜くというさとりの意地だった。
その気持ちはルイージもよく分かっていた。ルイージもマリオとの冒険の時、ピンチになったらマリオは必ずルイージを心配していたのだ。そしてそれはルイージも同じだった。だか、こいしも一歩も引かない。
「絶対行く!私だってお姉ちゃんを守るんだもん!!」
「こいし...」
こいしの強い思いに押されるさとり。こいしの目には確かに覚悟が見えた、何があってもみんなを守るという覚悟が。
「分かったわ、一緒に行きましょう。でも、絶対にムリはしない事。いいわね」
「はーい」
「決まりだね」
こうして3人はお燐とマリオ、そしてお空のいる灼熱地獄跡へと向かった。
「あ...危なかった」
地面に倒れていたお燐はゆっくりと起き上がる。体のあちこちに火傷を負っていたが致命傷には至っておらず、動く事は出来た。お燐が攻撃をくらう直前にとっさに出したのは青白い妖精だった。
「「呪精」ゾンビフェアリー」
お燐はゾンビフェアリーと呼ばれる妖精の1種をスペルとして召喚し、それで防いだのだ。
「そうだ、マリオさん」
お燐は起き上がり辺りを見回す。だがマリオの姿は見あたらなかった。流石にお空の攻撃には人間のマリオは耐えられなかったのかと思った。
「いって~、何て威力だ...マジで死を覚悟したぞ。」
お燐が声のする方へと向かってみる。するとそこには自分と同様傷だらけになりながらも立っているマリオの姿があった。
「マリオさん、無事だったんだね」
「ああ、なんとかな」
そのマリオの手には青色の花が握られており、お燐はこれで防いだんだなと悟った。
「変わった花だね」
「これか?これはな...」
「あーっまだ生きてる!!」
「「!?」」
2人は声のする方に目を向けるとそこには先程大技を放ったお空がいた。
「なかなかしぶといな、ワルモノめ」
「お空っマリオさんは悪者じゃ...」
「だいじょうぶだよおりん。すぐに私が助けるよ」
(全然聞いてないな...)
マリオの思ったとおりお空はお燐達の言葉など全く聞く耳を持っていなかった。
「つぎは焼き尽くすわ」
そう言いお空は核の力を込めていく。だがそれに対しマリオも次の手を打つ。
「これを使うか」
マリオの手には先程のお空の攻撃を防いだとみられるあの青い花があった。
「行くぞ「氷符」アイスフラワー!!」
マリオはアイスフラワーと呼ばれる青い花をかざす。するとマリオの服装は本来赤色だった帽子やシャツは青くなり、逆に青色だったオーバーオールは赤色に変わっていた。
「もしかしてそれで防いだのかい?」
「ああそうだ、アイスマリオ。俺は普段は炎を操るんだがこのアイテムを使えば氷、すなわち冷気を操れるようになるんだ」
マリオの変身のバリエーションの多さにお燐は少々驚いていた。だがそれと同時に興味も湧いてくる。
「面白いな、マリオさんの変身は...」
「よし、行くぞお燐!」
「そうだね、マリオ!」
2人は再び構えると対するお空も全力で倒す為に核の力を増幅させていく。
「「焔星」十凶星!!」
お空は核の力を全身から放つ。すると10個もの恒星のような超特大弾幕を自分を中心に公転のように回転させていく。更にはお空自信も玉型の弾幕を辺りに放つ。
「くっ「猫符」キャッツウォーク!!」
お燐は先程と同じように猫型に姿を変え、弾幕を撒きながら避けていく。猫型になることで体を収縮して被弾のリスクを減らすだけでなく、猫本来の機動力も上がっている。マリオもまた弾幕に対抗すべく新たな能力を発揮する。
「新技、ギャラクシー変化」
すると青の服装だったマリオは全身がまるで氷のようになっており、マリオの足下は熱いにも関わらずなんと凍っていたのだ。そしてマリオは恒星のような弾幕の1つに向かって走りだして距離を詰める。
「アイススピンアタック」
なんと己の拳で思いきり恒星に殴りかかったのだ。接触した部分からは大量の蒸気が出ている。マリオも苦悩の表情を浮かべている。だが雄叫びと共になんと拳1つで恒星を消し飛ばした。これにはお燐だけでなくお空も驚きを隠せない。
「まさか私の弾幕を消すなんて...」
「やるじゃん、マリオさん」
それでもマリオは攻撃に使った右手を左手で押さえており、その右手には火傷の跡が残っていた。やはりあれほどのエネルギーを吹き飛ばすには相当の負荷が掛かるようだ。
「でも、やるしかないか」
火焔猫燐&マリオVS霊烏路空の戦いは更に激化していく。
「「氷符」アイスボール!!」
「「呪符」ゾンビフェアリー!!」
「うおおおおおっ」
マリオはいつものファイアーボールとは違い氷属性の玉を、お燐はゾンビフェアリーを出し、弾幕の量を増やしている。お空は恒星型の弾幕をマリオに壊される度に作り出しては展開していた。その為お互いになかなか決着がつかず耐久力勝負となっていた。
(こうなったら一気に攻め込む!)
マリオはお空に向かって走りだす。お空は弾幕を展開するがマリオは持ち前の身体能力の高さと幻想郷での経験を生かし、かわしていく。玉型の弾幕はお燐が自分の弾幕をぶつけて相殺することでマリオを援護する。お空とほぼ零距離まで詰めたマリオは溜めた冷気を一気に放つ。
「「伝承」ユキやこんこん!!」
「くっ、何なのこれ」
冷気はお空を包み込み、体を凍り付かせていく。すると次第にお空の動きが鈍くなっていったかと思えば完全にお空は凍りついた。終わったと思ったマリオはお燐の隣に降り、お礼の言葉を口にする。
「援護ありがとうな、お燐」
「いやいや、こっちこそありがとうね。お空を止めてくれて」
2人はハイタッチをし、お互いの健闘を称えあう。目の前には全身を氷で覆われて身動き一つとれないお空の姿が。そしてこの後どうするかということになった。
「...でお空ってヤツをどうするんだ?」
「とりあえずさとり様に報告して、お空を説得してもらうよ。いくらお空でもさとり様の言う事には逆らえないからね」
「そっか、じゃあ上まで運ぶか」
そうしてマリオ達は上まで運ぶ為に凍ったお空を持ち上げようと近づく。
「スベテ...ヤキツクス...」
「「!?」」
なんと凍った筈のお空が言葉を発したのだ。全身を包む氷が揺れ始めたかと思えば蒸気が沸きだす。
「なっ何だ!?」
「まずい...」
直感で感じたお燐はとっさにマリオの手を掴むとお空から全速力で逃げる。その判断は正しくその時お空は既に高熱に包まれていた。もし一歩でも間違えていれば一瞬で灰になっていただろう。
「サブタレイニアサン」
なんとお空自身が太陽その物になってしまったのだ。しかもそれだけではない。
「何だ、引き込まれる」
「く、きっとお空に引力が働いてるんだよ」
更には弾幕までもが飛んでくる。二人は何とか避けようと試みるが今までの戦闘による疲労と引力による引き込みによりうまく動けない。目の前にはもう弾幕がすぐそこまで迫っていた。流石にもう無理だと感じた2人は直撃を覚悟した。と、その時だった、馴染みのある声が響き渡り、弾幕が展開された。
「「想起」テリブルスーヴニール」
「「緑符」グリーンタイフーン」
「「本能」イドの解放」
突如何処からかさまざまな弾幕が飛んできてなんとお空の弾幕を全て相殺したのだ。二人は弾幕が放たれた方を見る。そこにはそれぞれの二人家族の姿があった。
今回の元ネタ
・アイスフラワーとアイスマリオはNewスーパーマリオブラザーズWii(青の服装でアイスボールを放つ)とスーパーマリオギャラクシー(全身が氷のようになり水やマグマを凍らせる)より。今回はアイスフラワーを1度使えばどちらにも変身出来る仕様です。
・ユキやこんこんは元々スーパーマリオRPGのマロの技です。今回はマリオが受け継いだ?という感じにしました
今回話のキリがいい所まで書いたらいつもの倍近くの文字数になってしまいました。皆様すみません。次話からは多分また今まで通りの文字数になると思います。