ここは博麗神社
博麗の巫女である博麗霊夢が住まう神社である。人が来ることは滅多になく、来たとしても精々強い妖怪か魔理沙くらいだ。それは元旦である今日とて同じだ。だが今年は例年になく多くの少女達で賑わっていたのだ。相変わらずの宴会メンバーだが。
「さあ、やってまいりました。第一回幻想郷VSマリオ組の新年お正月合戦!司会は私、清く正しい射命丸文でお送りします」
「どうしてこうなった」
只今博麗神社では新年会と称した幻想郷VSキノコワールドのお正月合戦が行われていた。ルールは簡単。お正月にちなんだ遊びで幻想郷チームとマリオチームが何種目か競い、最終的に多く勝利した方の優勝だ。なお今回はあくまで交流会なのでどちらかの負けが確定しても最後まで続ける事となっている。ちなみに能力の使用はありだ。
今回マリオチームはマリオ・ルイージ・ヨッシー・ワリオ・ワルイージの五人が参加する事となった。(ポンプは今回見学)
第一種目:『羽根つき』
参加者
マリオチーム:ルイージ・ワリオ・ワルイージ
幻想郷チーム:八坂神奈子・洩矢諏訪子・東風谷早苗
ルール
三点先取・顔に墨は一点事に・一対一でプレーしていき先に二人勝ったチームの勝利
「じゃあボクから行くよ」
「では守矢の名に恥じぬよう戦ってきます」
先陣切って出てきたのは早苗とルイージ。実はこの二人は以前守矢神社にて弾幕ごっこで戦った事がある。その時は引き分けだったが果たして羽根つきではどうなるのか。
「それでは。スタート!」
合図と共にカンッという羽根を羽子板で打つ音が響きわたった。サーブをしたのは早苗だ。その打ち方からしてかなり手慣れていると感じ取れる。恐らく昔からよく遊んでいたのだろう。だがルイージも負けてはいない。ルイージは羽根つきこそ初めてだが持ち前の運動神経の良さと今までのスポーツの経験でカバーしている。
(中々やりますねルイージさん。でも残念。今回は能力ありなんですよ)
早苗は羽根を打ちつつ何か唱え始める。それはまるで呪文のようだ。ルイージにはよく分からなかったが気にせず打ち続ける。ラリーを続けていると明らかに緩やかな一球がルイージに飛んできた。これはまさにチャンスとばかりにルイージは構え、渾身の一撃を打つ。
だがルイージの羽子板は空を切った。そして顔にコンッと何かが当たる。それは羽根だった。
「え?どういう事?確かにあれは緩い球だったのに。まるで急に風でも吹いたみたいだ」
早苗はまず一点と満足そうに笑みを浮かべる。対するルイージはそれこそ意味が分からなかった。少なくとも今日は風の強い日ではない筈、ミスをするなんて考えられない。でもミスはミスなので墨で右の頬にばつ印を付けられた。
でも次こそはというルイージの頑張りも虚しく、早苗の奇跡の力によって二点三点と取られていきあっさり破れてしまった。そして左目と鼻にも墨を塗られ見事な完全敗北だった。戻ってきたルイージを見たワリオは気を使う様子も見せず大爆笑する。
「ワッハッハッハ。似合ってるぞルイージ」
「そんなに笑わなくていいだろ。ハァじゃあ次誰か頼むよ」
「俺様に任せなさい。あんな女共すぐに片付けてやる」
マリオチーム二番手の参加者はワルイージに決まった。となれば三番手は自動的にワリオという事になる。一方守矢チームでも奇跡の力で見事勝利した早苗を褒めるとともに二番手はどうするか考えていた。でも諏訪子が先に出たいとの事だったので神奈子は三番手となり、こうして第二試合は洩矢諏訪子対ワルイージの試合となった。
「このズルさNo.1のワルイージ様の実力を見せてやる。ありがたく思えよチビッ子」
「アァ?そうかそうか、だったら見せてもらおうか。そして私も思い知らせてあげるよ。祟り神の恐怖ってやつを」
(これワルイージ死んだな)
この後ワルイージの姿を見た者はいなかった...訳ではないが諏訪子の本気の前にワルイージは手も足もでずに呆気なくやられてしまった。これぞ祟り神の力なのか。
そしてよほど頭にきていたのか諏訪子は筆ではなく墨汁の入った硯をそのままぶっかけた。その為ワルイージの顔は真っ黒に染まり辺りは爆笑の渦に包まれた。
「ワルイージ、お前サイコーだな!」
「うるせーなワリオ。だったらお前は勝てるのかよ。あの変なロープ背負った女によ」
「当たり前だ。俺があんな年増に負けるかよ」
その瞬間、周りの空気が凍りついたのが嫌でも分かった。マリオは勿論の事、霊夢や八雲紫でさえもその殺気を感じずにはいられない。ワリオも殺気に気づいたようだが、もう遅い。
「ほぉ~。そこまで言うならかかってきな。私の本気を見せてやるからよ」
この降り積もった雪よりも冷えきったこの空気の中、第三試合の八坂神奈子対ワリオの大将戦が開始された。
サーブを放ったのはワリオ。自慢の怪力を生かした勢いのある一撃を打つ。だがそんなの今の怒髪天の神奈子の前には無意味だった。
「くらいな。エクスパンデッド・オンバシラ!」
神奈子は羽子板...ではなく本人の代名詞とも呼べる巨大な柱、オンバシラを構える。それを見た瞬間ワリオはやっと自分が怒らせてしまった相手を理解する事が出来た。だがそんなのはもう手遅れだ。そして神奈子は飛んできた羽根目掛けてオンバシラ事吹き飛ばす。その一撃には流石のワリオもどうしようも出来ず正面から直撃した。
「誰が年増だ!次言ったら地に埋めるぞ」
「ガ...」
完全に気を失ったワリオを見て、もはや羽根つきじゃないだろと感じたギャラリー達。だが神奈子は特に気にしてない所を見ると余程頭にきていたのだろう。だがワリオが戦闘不能となった為三回戦はキノコワールドチームの棄権という事になった。
まあそれでも総合結果は二対零という事で『羽根つき』は幻想郷チームの勝利となった。
第二種目:『福笑い』
「マリオさん、是非私にお任せください。私がこの空気の流れを見事に変えてみせましょう」
「別にいいが。福笑いってのは目隠しして顔のパーツを揃える遊びらしいんだ。...で今回のルールはより完成度の高い方の勝利らしいが、お前自信あるのか?」
「いえ、全くないですよ」
どうやらマリオチームからはヨッシーが参加するようだ。何故出たがっているのかは分からないがヨッシーがあそこまで言いきるのだ。マリオは任せてみるのも悪くないと考えた。
対する幻想郷チームでも次は誰がやるのかと半分口論のような状態になっていた。それはマリオ達と違って人数が多すぎるからだ。しかも『福笑い』の参加出来る人数は一人なのだから尚更だ。だがそんな中一際やりたいと連呼する者が一人、いや二人いた。
「あたいにやらせろっ、さいきょーのあたいがやるんだ!」
「何言ってるのよこの妖精が。ここは私が出るって言ってるでしょう!」
「どっちもどっちですよ。少し落ち着いて下さい」
参加したいと駄々をこねているのは氷の妖精ことチルノと非想非非想天の娘こと比那名居天子だ。チルノはさいきょーのあたいがでるのはとうぜんだから、天子はわざわざ地上に来たんだし、楽しませろとの事。両者とも譲る気が全くなく、周りの者達はもう勝手にしてくれと半分放棄していた。
「とにかく、ここはあたいがでるんだ。ぺったんこはだまってろ」
「あんたにぺったんことか言われたくないわっ。この⑨!」
「お二人共もう少し冷静に。ハァ、仕方ありませんね」
ずっと二人の間に入って喧嘩の仲裁をしていたのは竜宮の使いの永江衣玖だ。そもそも衣玖は今日は非番であり天子と会う予定はなかったのだが、交流会の事を聞いた天子についてこいと言われ仕方なく来たのだ。
だが衣玖の話も聞こうともせずに二人は私が私がとの一点張り。そんな二人にとうとう痺れを切らしたのか衣玖が黙り込む。そして身体に青白い雷を纏ったかと思えば例のポーズを決めて二人の真上に雷を落とす。バチバチッと弾けたその一撃には呆れていた周りのみんな、そしてマリオ達も驚くばかりだった。
「すみませんお二方。これ以上は周りの皆さんに迷惑かと思いましたので強行策に出ました。そして皆さん、すみませんでした。二人には私から後で厳しく言っておきますので」
「いや、別にあんたが謝る事じゃないぜ。...そうだ!だったら『福笑い』お前が出たらどうだ?永江衣玖。な、みんなもいいだろ?」
「え、わ...私ですか!?えっと、別に出たくて止めた訳ではなくてですね」
でも魔理沙の意見に反対する者はいなかった。むしろやってくれという歓声が響きわたる。中には「キャーイクサーン」などと叫ぶ者までいる始末だ。辺りは完全に衣玖さんムードに包まれている。
「フフ、そこまで言われては引くわけにはいきませんね。いいでしょう!この永江衣玖、全身全霊で挑ませていただきます!」
「「オォーッ」」と辺りから一際大きな歓声が上がる。周りの空気も読み、今の衣玖はフィーバーモードへと突入していた。フィーバーモードを初めて見たマリオ達キノコワールドチームは度肝を抜いているが。
「確かヨッシーさん...でしたね。ご覧の通り、私が相手となりましょう!」
「ええ、私もワクワクしてきましたよ。さあ楽しみましょう、この世界を!」
(ヨッシーってこんなキャラだっけ?)
まさかこのお正月合戦で見れる事になるとは誰も予想できなかった。幻想郷とキノコワールド。それぞれの世界の龍?達の一騎討ちが今始まる。
新年が明けたという事もあってもしマリオキャラと東方キャラがお正月の遊びで勝負すれば面白いだろうなと思って書きました。
今回とても久しぶりの投稿となりました。1ヶ月以上も投稿出来ずにいてすみませんでした。ここからは出来なかった分もまとめて投稿出来るよう頑張っていきたいと思います(でも次がいつになるか分からないが)
次回はまだ本編か番外編か決めてはいませんが書き上げた方から先に投稿していこうと思っています。