配管工+αの幻想冒険録   作:宮古ヨッシー

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 今回は「qp君」さんの連載小説『東方 転生したついでにチート能力もらった』とのコラボ小説となっております。
 なおこのコラボ小説には『R15』『オリ主』『神様転生』などが含まれております。ご了承下さい。


「qp君」さんとのコラボ編
幻想入りしたとある転生者(第一話)


 

 時は今の幻想郷が確立されるより遥か昔。具体的には諏訪大戦が勃発されるよりも数年ばかり前の頃。まだ灯りという文明は無くこの時代の人々は夜の闇を、妖怪を怖れている。

 

 広大な大地の一角には、ある一つの国があった。その名は洩矢。ある一人の土着神によって築かれた大国。その地に住まう人々は五穀豊穣、無病息災を願い神を崇める。それはまさに神の治める国ならではの事。

 

 現在ここは、そんな大国に築かれた神の社。中の一室では二人の人物がお茶を嗜んでいた。一人はこの社の主であり、この国を治める神である洩矢諏訪子。金髪のショートボブに壺装束と呼ばれる服を身につけて頭には目玉のついたまるで蛙のような帽子を被っていた。その容姿は幼く、まるで子供のようだが立派な土着神である。

 

 そしてもう一人は黒のジャンバーを羽織り、腰には二本の刀を納めている。その顔つきや容姿からして男性である事は容易に分かる。

 

「ふぅ。やっぱりお茶はいいな。心が落ち着く」

「ふふん。何たって私が造り上げた土地で出来た茶葉を使っているからね。より美味しいでしょ」

「別にこのお茶が特別上手いと言った訳じゃないぞ」

「え~、いくら何でも酷いじゃないか。俊哉~」

 

『加藤俊哉』

 それが今諏訪子の話を軽く流した男の名前。元々は現代で普通の高校生だったが神の手違いで死亡。その後自分を殺した神と出会い、幾つかの能力を授かる。更には不死身にもなった。

 そして古代と呼ばれる時代に転生。その頃まだ地上に居た頃の八意永琳と交流、また綿月依姫の師匠も務めた。だが都の者達が月に旅立った際にに永琳達とは離別。その後、核のミサイルにも巻き込まれだが無事に生存。

 そしてかなりの時間が経過した後に洩矢の国に迷い混み、その強大な殺気に興味を持った諏訪子と対峙。そして和解し、現在は諏訪子の神社に居候しているのだ。

 

「さて、少し買い物にでも出掛けてくるか」

「だったら私も一緒に「一人で行きたいんだ」ちぇ~、でもまぁいいか。外に出るの面倒だし」

 

 俊哉は刀を腰に下げ、顔にはフードを被る。俊哉は自分の知らない者とはあまり関わろうとしない為こうして出掛ける時には殆どフードを被っている。

 外に出ると俊哉は二本の刀の一つ『創造の剣』を抜きいて何もない空間に一太刀。すると空間に裂け目が入り、八雲紫の使用するスキマに似た穴を作る。俊哉はその中へ進み、人気のない場所へと移る。

 

「辺りには誰もいないな。さて誰かに見つかると騒がれるし、さっさと買い物を済ませるか」

 

 俊哉は裂け目から身を乗り出して地面に着地する。地に足を付くとその衝撃が足に伝わる...筈だった。

 だがその感じはなく、代わりに伝わってきたのはまるで崖の上から落ちるような感覚。いや、本当に落下していた。着地する筈だった足元には自分が出したのとは別な裂け目があった。

 飛べば済む、空間を斬れば済む。でも今の俊哉にはそんな考えが及ばずただ落下しているという事実に唖然とするばかりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここは博麗神社

 神社という神聖な場所であるにも関わらず、人々は滅多に現れない。変わりに妖怪はよく訪れるのだが。

 そこに住んでいるのは博麗神社の巫女である博麗霊夢。彼女が今行っていたのは日課にしている境内の掃除。というよりそれくらいしかする事がないのだ。生業としている妖怪退治もそう毎日する訳ではない。

 

「あ~全然人が来ない。これじゃ今日もご飯と水だけになっちゃうじゃない、修行中の僧侶じゃあるまいし。それよりも昼寝でもしましょうか」

 

 掃き掃除を終えた霊夢は神社へと戻っていく。やる事は勿論、昼寝をする事だ。縁側で誰にも邪魔されずにのんびり昼寝。霊夢にとって数少ない至福の一時の一つだ。

 

 縁側に着いた霊夢は、早速心地よい風の当たる場所で体を横にする。だが突如境内に響いた、正に爆発とも呼べる音によって邪魔された。

 

「っ、何よ今のは!?」

 

 ただ事ではないと感じた霊夢は体を起こしてその音の方に目を向ける。神社の正面の参道はクレーターのように地面が凹んでおり、その衝撃の強さを物語っていた。

 

「痛つつ、何が起きたんだ?確か俺は変な穴に落っこちて。...それより、まずこの地面を「あんた誰よ」!?」

 

 霊夢の目の前にいたのはフードを被り、腰に二本の刀を下げた男。何者かは分からないが気配からして只者ではないことが分かる。ならばやる事は一つだけ。

 

「折角掃除をしたのに、よくもあんた。「「霊符」夢想封印」」

 

 霊夢はスペルカードの一つ『夢想封印』を発動。複数のカラフルな霊力の玉が俊哉目掛けて放たれる。だが俊哉は慌てる様子もなく『創造の剣』を引き抜き、玉を斬り裂く。

 

「待てって。俺は別に戦いに来た訳じゃなくてだな。何というか偶然...ハァ、仕方ねえな。手荒な真似はしたくないんだが」

 

 霊夢は目の前の相手に対して危機感を感じていた。目の前の相手は明らかにヤバイ。だがここで野放しには出来ない。霊夢は博麗の巫女として何が何でも止める必要があった。

 

「全く、一回ぐらい直撃しなさいよ!」

「嫌に決まってるだろ」

 

 だが俊哉もまた霊夢の放つ弾幕の霊力の強さに驚いていた。ここまで高い霊力を持つ人間など初めて会ったからだ。俊哉はもう一本の刀『草薙の剣』を引き抜くと二刀流で霊夢の弾幕を斬り落としていく。

 

「悪いがこれで決める。創造「瞬」」

 

 俊哉の創造の剣による一振り。斬撃に加えて神力の込められたその一振りは霊夢の弾幕を一瞬で全て弾き、霊夢本人も気づく前に直撃をもらう。まさに「瞬」のその名の如く一瞬の一撃。だが俊哉が力を加減した為に意識を刈り取るまでに留めていた。

 

「ふぅ、気絶したかな?」

「「炎符」ファイアボール」

「ちっ、まだ誰かいたか。...消えろ」

「んな!?」

 

 突如飛んできた幾つもの火球。それでも俊哉はとっさに能力の一つである『何でも出来る程度の能力』で火球をかき消した。俊哉の目の前に現れたのは赤い帽子に青のオーバーオール、そして恐らく合金で出来たと思われるハンマーを担いだ男だった。

 

「お前、よくも霊夢を」

 

 マリオはハンマーを両手に握ると地面を蹴り、ダッシュで距離を詰める。己の間合いまで詰めたマリオは俊哉の頭目掛けて振り下ろす。キンッという金属音が辺りに響く。ハンマーは創造の剣によって防がれていた。マリオは更に一振り、二振りと追撃。俊哉はそれを軽く剣で流す。

 

「じゃあこれならどうだ「ガツーンナグーリ」」

 

 マリオの今までにない重い一撃。「ガツーンナグーリ」は通常のハンマーよりも強力な一撃を放つ事が出来る。

 スピードで駄目ならパワーで。そう思いこのバッジに賭けた。だが俊哉はそれさえも受け止めた。それも神力の込められた指一本で。

 

「どうした。この程度か?」

「く、「道具」キラキラおとし」

 

 バックステップで後退したマリオはアイテムの一つ『キラキラおとし』による星型の弾幕を放つ。上空から降り注ぐ星々の雨はまさに流星群。俊哉は創造の剣を引き抜き、霊夢の時と同じように一振り。その瞬間マリオの目の前から星が消えた。

 

「創造「瞬」」

「...参った。まさか、こんなに強い奴が幻想郷にいたとはな。だが大事な友達がやられたんだ、ここは引く訳にはいかねえ」

 

 両手に炎を込めてマリオは放つ。今度は先程のようにまばらにではなく、自身の何倍もあると思われる大きな一つの火球を。

 『ミックスフラワー』本来は四人で炎を込めて放つ技だが、マリオはそれを一人で扱える程に強化されていた。幻想郷の少女達との戦闘で鍛えられたのだろう。俊哉は手をかざして能力でそのまま火球を相殺する。剣を抜こうと構えるが目の前にマリオの姿はない。

 

「ウルトラハンマー!」

「がはっ」

 

 俊哉の横腹にハンマーがめり込む。その瞬間に理解出来た、さっきの火球は自分の注意を引くための囮。本当の目的は背後を取ること。

 突然の攻撃に対応出来ずに飛ばされる。マリオはそのまま地面に叩きつけられた俊哉に対して警戒は解かない。体を目一杯ねじり、高速回転して放つ技『ウルトラハンマー』を決めたとはいえ、それで終わるとは考えられないからだ。

 

「おーい、マリオーっ」

「兄さーん。何かあったの?」

「魔理沙ッ。それにルイージも」

 

 マリオの前に現れたのは霊夢と同じく友達である霧雨魔理沙とマリオの弟ルイージ。二人は辺りの現状に戸惑いつつもマリオの元へと駆け寄る。

 マリオは事情を説明。自分が来たときに既に霊夢はやられていて、あの男と決闘になった事を。

 

「うわあ。それはヤバイね」

「でも、それより霊夢を倒した男を倒すなんて。マリオお前幻想郷最強になれるんじゃないか?」

「それはないだろ。それにまだアイツを倒しきれてねえ」

 

 マリオの言う通り俊哉は倒れていない。それどころか今までにない殺気を発していた。恐らく最初は全く本気を出してなかったのだろう。俊哉は神力を利用し飛翔する。右手にはやはり創造の剣が握られている。

 

「痛っつー、油断してた。ちょっと本気出しますか。創造「桜」」

 

 創造の剣を目にも止まらぬ速度で振る。剣からはその名の通り、桜の散る花びらの如き量の斬撃が三人に襲いかかる。三人はそれぞれ分かれて回避する。斬撃と斬撃の間を縫うように避ける魔理沙とルイージ。マリオは避けつつも間に合わないのはハンマーで弾く。

 

「く、まさかこの私が気を失うなんて。何なのよあの男」

「お。気がついたんだな霊夢。おわっ、それより手伝ってくれ。っ、結構ヤバイんだ」

「あんたに言われなくてもそのつもりよ」

「へへ、霊夢が復活したぜ。これで四対一、これなら勝てるぜ」

 

 霊夢が意識を取り戻した事により四対一となった。これなら行けると考えていた魔理沙だが、霊夢とマリオは全く気が抜けずにいた。

 

「ハァ、もういいよ。まとめて来やがれ」

 

 本来なら境内を修復したらさっさと帰るつもりだったのだが、面倒な事になったなと俊哉はため息をついた。だがその手には先程よりも神力を込めた二本の刀を強く握っていた。

 

 

 

 

 




 初のコラボ小説第一話、いかがだったでしょうか。また何かアドバイスなどがあればお願いします。
 今回は本編とまとめて投稿させてもらいましたが、全体的にかなり遅れていたので二話分投稿しました。今後もこのような事があるかもしれません。
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