配管工+αの幻想冒険録   作:宮古ヨッシー

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幻想入りしたとある転生者(第二話)

「全力で行くぜっ「恋符」マスタースパーク」

「そんなもんか?」

 

 避ける素振りも見せずに創造の剣を縦に構える。マスタースパークの極太レーザーがそのまま俊哉を飲み込み、これは確実に決まったと誰もが思った。

 でも違った、俊哉は無傷。飲み込まれる前に抜いていた剣によってレーザーを両断したのだろう。俊哉の後ろには焦げた二つの筋が確認できる。

 

「おいおいなんて奴だ。私のマスパを剣一本で斬るなんてよ」

「くっ、こうなったら四人で総攻撃を仕掛けるしかねえな」

 

 四人がそれぞれ構える。霊夢による霊力を球状にして放つ『夢想封印』。魔理沙の魔力を込めた星形の弾幕『ミルキーウェイ』。マリオとルイージ、それぞれが放つ炎の球『ファイアボール』

 『霊』『魔』『炎』三種の属性の弾幕が一斉に降り注ぎ襲いかかる。それでも俊哉は慌てる様子はない、先程と同じように創造の剣に神力を込めると一振り。その瞬間やはり全ての弾幕が消滅、これには流石に驚きを隠せない。

 

「だから、効かないんだよ」

「なっ、あの量を一回で!?」

「嘘...アイツ絶対ヤバイよ」

「へへっだからこそ燃えてくるんだぜ」

 

 魔理沙は強い相手という事もあり、より熱が入る。何でこうもここの少女達は好戦的なんだ、マリオはどうしても疑問に思ってしまう。まぁ今に始まった事ではないのだが。

 

「じゃあこれを受けてみろ「魔砲」ファイナルスパーク」

 

 魔理沙のモットーである「弾幕はパワーだぜ」のその台詞に相応しい一撃。『マスタースパーク』を遥かに凌駕する威力を持つその一発は彼女の奥義といっても過言ではない。俊哉はこれにも動じる事なくそのままレーザーに飲み込まれる。初めて見るその技にマリオとルイージは開いた口が塞がらない。

 

「...凄いな」

「これなら流石に勝ったんじゃない?」

「なんたって私のとっておきだからな、当然だぜ」

 

 魔理沙もこれには自信があった。今のは自分の最大限の魔力を込めて放つ技、これに耐えられる筈がない。それにレーザーが裂けた痕跡もないため斬られなかったと思われる。だがそれでも霊夢は緊張を解かない、いや解けない。あの相手は正直言って自分達じゃ勝ち目がない、だからあの一撃だけで倒れるとは思えないのだ。

 霊夢の読みは残念ながら的中していた。俊哉は無傷、その手にはもう一つの剣が握られている。

 

「大地の壁」

 

 『草薙の剣』俊哉が愛用している剣の一つ。自在に斬撃を生み出す『創造の剣』とは違い、こちらは五行を司っており、自然の力を操る事が出来る。今俊哉は『草薙の剣』によって大地を操って壁を作り、攻撃を防いだのだ。勿論神力も込められている為、その硬度は鋼鉄を遥かに上回っている。

 

「くそ、私のファイナルスパークが効かないなんて。こんな事月の奴以来だぜ」

「魔理沙、あんたは下がってて。あいつはやっぱり私がやるわ」

 

 その時だった。突如霊夢達の目の前に一筋の裂け目が現れる、まるで二組の間に割って入るかのように。勿論それが何なのかはすぐに理解出来る。恐らくはあの妖怪、妖怪の賢者と呼ばれたスキマ妖怪である。

 

「何よ紫、私は今からあいつを退治するんだから。邪魔しないで」

「あ~...え~とね。実はあの人は間違って幻想郷に来てしまったのよ」

「あれは後で直すつもりだったんだけどな。いきなり襲われたんで説明出来なかったんだよ、ここに迷い込んだ事も含めてな」

「じゃあ霊夢の感ちが「うっさい」」

 

 紫が霊夢の誤解を解いた事によって何とか和解。境内に出来たクレーターのような凹みは俊哉の『創造する程度の能力』によって無事に修復。

 

 

 

 

 その後、親交会も兼ねて神社で詳しく話を聞くことに。中では霊夢が珍しくちゃんと入れたお茶をすすりながら俊哉の話に耳を傾ける。

 

「実は俺はみんなの言う『スキマ』のようなものを使って空間を移動していたんだ。でも急に別な空間がねじれこんできてな、俺はそのまま吸い込まれてしまったんだ。そして気がついたらここにいたって訳だ」

「スキマに似たものならあんたが何とか出来ないの、紫」

「実は彼、空間の歪みのせいで別の時代から来たのよ。だからいくら私のスキマでも厳しいわ」

「そもそも何で違う時代に繋がってしまったんだぜ?」

「分からないわ、今のところ偶然って考えが一番妥当なの」

 

 紫の言う通り、今の幻想郷と俊哉のいた世界とは時代が違う。紫のスキマを持ってしても俊哉を元の世界に帰す事が出来ないのだ。それに空間の歪みについても原因が分かっていないので完全に帰る手段がない。そこで紫の提案により帰る手立てが見つかるまで幻想郷に居候する事となった。

 

「じゃあよろしくな、えっと...確か...」

「あ、そうだ自己紹介がまだだったな。俺は加藤俊哉、気軽に俊哉って呼んでくれ」

「俺はマリオだ」

「私は霧雨魔理沙だぜ、よろしくな俊哉。それでそっちのめんどくさがりが博麗霊夢だ」

「めんどくさがりは余計よ」

「ボクはルイージだよ、よろしくね」

「私はさっきも話したと思うけど名前は八雲紫。この幻想郷の創設者よ」

 

 互いの自己紹介も無事に終わり俊哉がしばらく居候する事も決定した。ならば新たな仲間を迎え入れるもてなしをすべきだ、そう発言したのは霧雨魔理沙。俊哉には何の事か分かってないようだが霊夢達は既に理解しているみたいだ。幻想郷でのもてなしと言えば一つだけ。そう、宴会だ。

 

「聞きましたよ今の!宴会をやるんですね、これはいいネタになりそうです」

「げっ、文」

「げっ、とはなんですか魔理沙さん!おっと失礼、初めまして加藤俊哉さん。私は清く正しい射命丸文です。早速ですが質問よろしいですか?」

 

 突如疾風の如く現れたのは背中に黒い翼を生やした少女。鴉天狗と呼ばれる幻想郷屈指の速度と強さを誇るその少女の名は射命丸文。彼女は鴉天狗であると同時に新聞記者でもある。『文々。新聞』それが文の出版している新聞、取材から発行まで全て一人で行っている為、内容は何かと不安だ。

 

「無理だ、却下」

「え~、いいじゃないですか。それにしても驚きました、まさかあの四人を圧倒するほど強いとは、そこで全部見てましたよ。これで次の見出しは決まりました!ずばり『幻想郷に舞い降りた絶対強者』とメモメモ...」

 

「そういや俊哉、お前って料理とか出来るのか?」

「え?まあ一応作る事は出来るが。そうだ、霊夢。ちょっと台所借りていいか?」

「好きにしなさい」

「ええっ!?わ、私は無視ですか!?」

 

 

 

 

 

~三十分経過~

 

 

 

 

 

 

「出来たぞ、口に合うかは分からないがよかったら食べてくれ」

「ちょっと、勝手に食材使わないでくれる!?」

「使う食材なんてないだろ。ん?何だこれ、見たことない料理だな」

「ああ、それはフライドポテトって言うんだ。簡単に言うと芋の天ぷらだ」

「へ~どれどれ。んっ何だこれ!?超うまいぜ!!」

 

 初めて食べる料理に絶賛する魔理沙。彼女が驚くのも無理はない、俊哉が作った料理は霊夢達にも馴染みのあるような天ぷらなどの和食からフライドポテトのような見たことない料理(洋食)など盛りだくさん。マリオやルイージには逆に洋食の方が馴染みがあるようだが。

 

「確かに美味しいわね、是非藍にも作ってもらいたいわ。ん、これはエビ?俊哉君、このエビはどうしたの?幻想郷に海はないから普通はエビなんて手に入らないと思うんだけど」

 

 紫の言う通りだ。幻想郷とはそもそも外の世界と陸続きになっており、結界で仕切られている。でも海は存在しない、川や湖などはある為に魚は生息しているが基本的に海の幸は手に入らない。俊哉が持ってきていたとは考えにくかったので紫は気になったのだ。

 

「え、ああ言ってなかったな。実はこの食材は全部俺の能力を使って出したんだ。だからこの神社の食材は何も使ってないぞ」

「いや~こんなにうまけりゃ今回の宴会は俊哉に作ってもらうぜ」

「まぁこれなら材料費掛からないし、片付けもちゃんとしてくれるなら私はいいわよ。てかそれより俊哉、これからは家に住まない?」

 

 一体誰の為の宴会何だよという一部の声は気にしないという事で、今回は俊哉が料理を担当する事に。当の本人も面倒な事になったとため息をついていた。だがそれ以上に彼を面倒だと思わせてしまう事が一つ、それは文の取材。強いだけでなく料理まで出来る俊哉を今取材せずにいつするというのか、文のジャーナリスト魂に火がついていた。だが周りのみんなはいつもの事か、と放ってお。

 

「確か俺達の時もこうだったよな」

「うん、あの時はホント大変だったよね。俊哉も災難だよね」

「そんな事言ってないで誰かこいつを止めてくれ」

「すまん、俺でも無理だ」

 

 俊哉の苦労はしばらく続きそうだ。




 今回の話、いかがだったでしょうか?もし気になった点などがあったら遠慮なく申して下さい。
 後今回は文字数が少なかったです。すみません。
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