モグラだってドラゴン名乗っていいじゃない!   作:すこっぷ

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兄と妹に小説を書いてるのがバレました。

兄「面白いじゃん」
妹「感想欄に『すこっぷ妹』って名前で書き込んでいい?」

兄は頬を叩き、妹は埋めました。
……仲はいいですよ?


間話5

「あ゛〜……やる気出ねぇ……」

 

「見事なまでにやる気を無くしてるわね、とてもロキを倒した人物とは思えないわよ?」

 

退院から数日経った、とある放課後。

堕天使へと転生したのを機に正式にオカルト研究部へ入部する事になった。

堂々と部室でくつろげるのはいいのだが、別に入部前からここでダベってたから特に変化はない。

むしろ雑務を押し付けられる様になった分、マイナスとすら言える。

 

今もリアス先輩とのゲームに負けて、学校に提出する部活の活動報告書を手伝わされている。

この人、トランプでもオセロでもとにかく強いのだ。

チェスや将棋になったら目も当てられない。

会長さんはこの人より更に強いと言うのだから、もはや怪物の域だな。

 

ちなみに他のみんな出払っているので、今部室にいるのは俺とリアス先輩のみ。

みんな悪魔の癖に勤勉過ぎる、もっと悪魔らしく自堕落にいこうよ。

それにイッセーが俺とリアス先輩が二人きりになる事を涙を流しながら羨ましがっていたが、俺に怒るのは筋違いだろうに。

『リアス先輩に興味ない』と弁解したら、今度はリアス先輩に仕事の量を倍増された。

テラ理不尽。

 

「貴方ならその気になれば何でも出来るでしょうに、何故そう不真面目なのかしら。もう少しやる気を出して色々してみたら?」

 

「俺が真面目にとか、そんなの軽いホラーじゃないですか。イッセーが急にスケベじゃなくなる位ありえ–––」

 

俺とリアス先輩がそんな会話をしていると、部室のドアが大きな音と共に開け放たれた。

 

「リ、リ、リアスお姉さま! 大変です、大変なんですぅぅぅ!」

 

音に驚いてそちらを向くと、アーシアちゃんが涙目になりながら部室に駆け込んできてリアス先輩に泣きついた。

その後ろから、ゼノヴィアとイリナさんも複雑そうな表情でやって来る。

ありゃ、今日はこのメンツとイッセーで仕事に行ったんじゃなかったっけ?

あ、イリナさんは見学でね。

 

「落ち着いてアーシア、一体どうしたの? イッセーは一緒じゃないの?」

 

リアス先輩はアーシアちゃんを宥めようと、優しく抱きとめながら話を促す。

しかしアーシアちゃんが答える前に、イッセーが遅れて部屋に入ってきた。

なんだ、やっぱりイッセーも一緒だったのか。

 

「随分と遅かったなイッセー、またおっぱいの観察でもしてアーシアちゃんを怒らせたのか?」

 

俺が笑いながらそう言うと、イッセーは目を大きく見開きながらハッキリと言い放った。

 

「カズキくん! おっぱいだなんて、そんな下品な言葉を口にしないでくれ!」

 

……ん?

今、イッセーが何かすごい事を言わなかったか?

俺があまりの衝撃で混乱し動けずにいると、リアス先輩に泣きついていたアーシアちゃんが涙まじりに叫び声をあげた。

 

「イッセーさんが、スケベじゃなくなっちゃいましたぁぁぁッ!!」

 

「……カズキくん、イッセーがスケベじゃなくなるなんて……何だったかしら?」

 

……よし、『フェニックスの涙』取ってこなきゃ。

 

 

 

 

 

 

「カズキくん、なんで僕を椅子に縛るんだい? 僕、何か君を怒らせるような事しちゃったかな?」

 

ロキとの戦いでも頭の障害には『フェニックスの涙』が効かなかった事を思い出し、取り敢えず拘束する事にした。

 

「怒らせる事はしてないけど、泣かせるような事はしてるな」

 

ホラー的な意味で。

スケベじゃないイッセーとか、話してるだけで気持ち悪くて泣きそうになる。

 

「そうか……僕を縛る事で君が泣かなくて済むのなら、幾らでも僕を縛るといい! それで世界から悲しみが一つ消えるのなら本望さ!」

 

「もうホント、お願いだから黙って下さい」

 

イッセーのあんまりな言葉を聞き、思わず怯えて綺麗な土下座をしてしまった。

それを見た朱乃さんが、微笑みながら俺の頭を優しく撫でて慰めてくれる。

優しくしてくれるのは嬉しいが、目の光が怪しい気がするのは何でだろう?

ねぇ、なんでそんなに息が荒いの?

 

「それにしても、UFOが襲ってきたって……そんなの眉唾モンの存在、本当にいるのか?」

 

「あの、カズキくん。ここは『オカルト研究部』な上に、僕ら自体が悪魔っていう超常的な存在なんだけど……」

 

俺の質問に、木場が苦笑しながら答える。

そう言えばそうだった、お前ら悪魔らしくないからつい忘れるんだよね。

まぁ俺も堕天使とかいう厨二チックな存在になったけど。

 

「カズキ、先輩は、うっかりさん、です、ね」

 

「うん、小猫ちゃん。可愛いセリフを言いながらイッセーを殴るの止めてあげて、そろそろ死んじゃうから」

 

椅子に縛られたまま、マウントポジションを取られながら殴られるイッセー。

流石に見てて気の毒なってきたのでやんわりと止める。

 

「叩けば直ると思ったんですが……」

 

床を掃除するのも大変だから、殴りすぎはよくないよ?

 

その後もアーシアちゃんがきわどい格好をしながらイッセーを元気付けたり、小猫ちゃんの仙術による治療も試したが効果はなかった。

どうしようかと途方にくれていると、部室の扉からスーツ姿の新任教師、ロスヴァイセさんがやって来た。

 

「ごめんなさい、カズキくんの仕事の件で話し込んでしまって遅れました……って、みなさんどうしたんですか?」

 

リアス先輩が事情を説明すると『スケベじゃなくなるならいい事じゃないか』と言いながらも、イッセーの身体を北欧の魔術で調べてくれた。

 

「う〜ん、なにやら頭に対して複雑な術が重ねがけされてる様ですね? 悪魔の術式に似ていて、北欧の魔術も混ざっていますね……堕天使の術式に通じてもいる様で–––」

 

「OKロスヴァイセさん、もういいです。謎は全て解けた……スコォォォル! ハティィィッ!!」

 

俺が指を鳴らしながら叫ぶと二つの魔方陣が現れ、そこから二匹の狼が出てきて尻尾を振りながら俺に飛びかかってくる。

あ、ちなみにこの子たちをここに呼び出してくれたのは朱乃さんです。

 

や、だって俺魔力とかほとんど無いから転移の魔法なんて使えないし。

じゃあやるなって?

いいじゃん、やってみたかったんだから。

 

「いいかふたりとも、今回の元凶はアザゼルさんだ。あの人の臭いを辿って、ここまで生かしたまま引き摺ってきてくれ……出来るか?」

 

『ウォン!』

 

「よし、行け!」

 

俺の指示を聞くと、スコルとハティは部室から駆け出していった。

既に下校時間は過ぎているから他の生徒に見られる事はほとんど無いし、すぐにここに連れてくるだろう。

 

「フェンリルをこんな事に使っていいんでしょうか? というか、アザゼル先生死なないですよね……?」

 

ギャスパーくんが笑顔を引きつらせながら尋ねてくる。

大丈夫、腐ってもあの人は堕天使の親玉だ。

スコルとハティには生かして連れてきてって言っといたし、反省させる意味も込めて少しくらい手荒くてもいいと思うの。

 

「カズキくんは決めつけちゃってますけど、本当にアザゼル先生がやったんでしょうか? 堕天使総督な上に、仮にも教師ですよ?」

 

「あの先生は以前、イッセーのドッペルゲンガーを大量発生させた前科があるからな」

 

「何よりこの手の事でカズキくんが言い切るのなら、間違いなく犯人はアザゼル先生ですわ」

 

俺の行動にロスヴァイセさんが首を傾げていると、ゼノヴィアと朱乃さんが力強く断言する。

アザゼルさんの信用の無さっぷりがヤバい。

 

『ぎゃあぁぁぁ〜ッ!!』

 

遠くから響いてきた中年男性の叫び声。

暫くすると、それなりに大きな円盤型の何かを咥えた二匹が部室に飛び込んでくる。

モノはデカいが、なんだがフリスビーを取ってきた犬みたいに見えるな。

この子たちは犬っていうと拗ねるから言わないけど。

 

 

 

 

 

「お前、フェンリル使って追い立てるとかやめろよ! 本気で死ぬかと思ったじゃねぇか!!」

 

いい年したおっさんが涙交じりに訴えてくる。

おっさんの泣き顔なんざ誰得だよ。

 

「うっさいわ、懲りずにまたアホな事しでかしやがって。スコルたちのオヤツにされたくなかったら、さっさとイッセーを元に戻せ」

 

気持ち悪くてしょうがないんだよ、このイッセー。

スケベ過ぎて叱ったりもしてたが、こんな風になるなら元に戻ってくれた方がはるかにマシだ。

 

「そもそもなんでこんなマネしたんだ?」

 

「いや、こないだお前ン家で飯食った時UFOの特番やってただろ? それを見てからなんとなくUFOを作りたくなってな、自作してみたら思いの外上手くできたんだよ。で、試乗してたらたまたまイッセーが通りがかったもんだから思わず武装のビームを–––」

 

「ハティ、左腕は機械だから右腕を狙え」

 

「わかった、イッセーはすぐに戻す。だからやめろ、マジでシャレにならん!」

 

ハティが唸りだすよりも早く、アザゼルさんは綺麗な土下座をみせる。

流石は俺と一緒に土下座を極めた男、なかなかの土下座だ。

まぁアザゼルさんは土下座のし過ぎで、既に価値などないが。

 

その後アザゼルさんはリアス先輩にハリセンで叩かれながらも何かの機械を用意して、その中にイッセーを押し詰めた。

 

「で、これをどうするんですか?」

 

アーシアちゃんが不安そうに機械を、というかカプセルの中から出ようともがいているイッセーを見つめる。

 

「以前イッセーのドッペルゲンガーが暴れる事件があっただろう? その時のスケベなデータが偶然残っててな、こいつをイッセーに投射する」

 

「そのデータを使ってイッセーを戻す、か? 人間の頭がそんな簡単に治るもんかね?」

 

アザゼルさんは自信ありげに解説しているが、何やら怪しい気がしてならない。

それでも作業を続けていると、イッセーが入っているカプセルが光を放ち始めて爆発。

それぞれ物陰に隠れてやり過ごした後に爆心地に視線をやると、イッセーは無事の様で何も言わずに立ち尽くしている。

それを確認すると、リアス先輩はイッセーの元に駆け寄った。

 

「イッセー、無事だったのね!?」

 

「オパパ……」

 

「……イッセー?」

 

「オパパパ、オッパイィィィィィンッ!!」

 

あ、駄目だこれ。

リアス先輩とアーシアちゃんは泣きだし、他の面子は頭を抱えた。

役立たずの中年には後でしっかりお灸を据えておいた、シェムハザさんが金銭的な面で。

 

その後、イッセーが元に戻ったのは次の日になってからだった。

リアス先輩とアーシアちゃんに抱きしめられながら一晩寝たら治ったらしい。

結局俺ら必要ないじゃん、今度からあいつに何かあったらリアス先輩ひん剥いて与えとけばどうとでもなるんじゃね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あんた他に怪しい機械作ってないだろうな? 俺もシェムハザさんに怒られるんだから、面倒起こすなよ」

 

イッセーが元通りになってから数日後、部室で駄弁っているアザゼルさんを問い詰める。

シェムハザさんからこの人を監視する様に頼まれてしまったので、面倒ではあるが現状は確認しなければ。

 

「最近は作ってねぇよ、前に作った『性転換ビーム銃』ならここにあるが」

 

アザゼルさんはそう言うと、懐からオモチャみたいな銃を取り出し机に置く。

なんともわかりやすいネーミングだな。

 

アザゼルさんの発明に興味があるのか、部室にいるみんなも近くに寄ってくる。

ん?

なんでギャスパーくんはこれを見て顔が引きつってるんだ?

 

「文字通り、撃った相手の性別を変換する銃だ。使ってみるか?」

 

「いらん。ていうか、これ使って悪さしてないよね?」

 

「……『悪さ』はしてないな、うん」

 

おい、あんた一体何をした?

視線を逸らすな、目を見て話せ。

 

「よーす……ってカズキにアザゼル先生、二人して何やってんの? お、この銃……」

 

俺とアザゼルさんが小競り合いをしていると、イッセーが遅れてやってきて机に置かれた銃を手に取る。

 

「懐かしいな、ガキの頃こんなオモチャの銃持ってイリナと遊んだっけ」

 

イッセーはそう言うと、銃口を俺に向ける。

おい、まさか……。

 

「ホラ、この引き金引くと音が出たりライトが点滅したりしてさ……」

 

「ちょ、待てイッセー……!」

 

「へ?」

 

俺の制止も虚しくイッセーは俺目掛けて引き金を引いてしまい、銃口からビームが放たれる。

咄嗟の事で躱せずに当たってしまい、身体が光に包まれ思わず腕で顔を覆った。

 

「カズキ、大じょ……!?」

 

光が収まると、身体の節々に違和感を感じる。

 

「あらあら、これは凄いですわね……」

 

身体が上手く支えられない……特に、胸の辺りがやたらと重い。

 

「お、お前……カズキ、なのか?」

 

「イッセー、何を言って……ん? なんかやたらと声がたか……いぃ!?」

 

なんか胸部に見慣れない二つの山が!?

てかなんで服まで男子の制服から女子のに変わってんだよ!?

 

「うわぁ〜、カズキ先輩凄い美人さんですぅ……」

 

「これは、驚きだね……」

 

「胸もおっきい……むむむ……」

 

ギャスパーくんと木場が驚いた様に呟き、小猫ちゃんが一点を睨みつけながら唸る。

やめて小猫ちゃん、全く嬉しくないから!

 

「ブハハハハッ! 可愛くなって良かったじゃねぇか!!」

 

「黙れおっさん! 早く元に戻しやがれッ!」

 

「おっと!」

 

いつもの様に殴り掛かるが俺の拳はアザゼルさんにあっさりと躱され、バランスを崩してそのまま地面に転がってしまった。

腕に身体が振り回されてる!?

 

「うぐ!? な、なんでこんなに動きにくいんだぁぁ……」

 

「何時もと筋力も身体のサイズも違うんだから当然だろう? まぁ一時間もしないうちに元に戻るから大人しくしてろ、俺は今のうちにトンズラするがな!」

 

「待てやコラおっさぁぁぁんッ!!」

 

俺の声など御構い無しにアザゼルさんは窓から飛び降りて逃走し、行方を眩ませた。

こちらにスコルとハティがいる事は把握しているので、おそらく冥界か何処かに逃げたと思う。

 

「くそ、あのおっさん今度会ったらタダじゃ……うひゃ!?」

 

アザゼルさんの出て行った窓を睨み付けていると、突然リアス先輩に頬を突かれて変な声が出た。

 

「お肌が凄い綺麗、プルプルしてるわ。アーシアも触ってみなさい」

 

「うわぁ凄いモチ肌、羨ましいですぅ」

 

リアス先輩に誘われて、アーシアちゃんまで俺の頬を突いてくる。

やめて、俺男なんだからモチ肌とか言われても嬉しくないよ!?

 

「ちょ、やめて下さい! 急に何を……ってなんで他のみんなもこっちににじり寄って来るんですか!?」

 

「あらあら、部長とアーシアちゃんだけズルいですわ」

 

「そうだ、私もカズキのタマゴ肌を堪能したいぞ」

 

「楽しそうだし私も混ざっちゃお♪」

 

朱乃さん、ゼノヴィア、イリナさんまでやって来て俺の顔や二の腕を触り始める。

抵抗しようにも、筋力が下がってるので振り払う事も出来ない。

誰か助け……そ、そうだ!

ロスヴァイセさんならきっと!!

 

「わ、私より瑞々しいお肌……うぅ、悔しくなんかないですからね!」

 

駄目だ、腕を取ってやたらと肌を睨みつけているこの人は役に立たない!

 

「あんたもか!? 眷属なら護ってくれよ……うひぃ!? 誰だ胸触った奴ぁ!!」

 

みくちゃにされる中、誰かがいきなり胸を揉んできた。

怒鳴りながら手の先を睨みつけると、無表情で胸を揉み続ける小猫ちゃんが!?

 

「いっぱい揉めば、私にも少しは……」

 

ボソリと呟いたその言葉を聞き、涙が出そうになった。

というか小猫ちゃん、若干怖いからやめて!?

 

「な、なんて凄い光景なんだ……まさに酒池肉林!!」

 

「俺を見ながら鼻血出してんじゃねぇぞイッセェェェェェッッ!!」

 

その後も俺が元に戻るまで弄られ続け、涙目になった俺が全力で懇願した事によりようやく解放された。

俺の姿が元に戻ったのは、それからすぐの事だった。

 

 

 

 

 

うぅ、もうお婿に行けない……




原作に出てくるアザゼル先生の女性バージョンが、友人に勧められて見た『俺ガイル』のアニメのせいで平塚先生の姿で再生される。
平塚先生が好きすぎてヤバい。

ゼノヴィアと小猫ちゃんって、オチに使いやすくて好きです。
そろそろ会長さんを書きたい。
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