話に行き詰まってしまった為、カズキくんを悪魔に転生させるのを取り止め堕天使化のみに変更しました。
その際書き直した為、一話分減って今回が54話になります。
54話
本日、グレモリー眷属はサーゼクスさんの要請で冥界にて『おっぱいドラゴン』のショーに参加している。
今もステージの上では、禁手化したイッセーが敵役の着ぐるみ相手に大立ち回りの最中だ。
「行くぜ! ドラゴンキック!」
「「「「「キ––––––––––ックッ!」」」」」
イッセーが掛け声と共に蹴りを放つと、会場の子供達も一緒になって叫ぶ。
小猫ちゃんや木場、そしてリアス先輩も劇中の衣装に身を包みそれぞれの役を演じている。
いいなぁ、みんな楽しそうだなぁ。
俺も向こうに行きたい、な゛ぁ!?
「修練サボって何をしとるんじゃ、お主は」
「ッ……ォォ!? ベコンて、今頭がベコンって……!」
テレビっぽい機械に映し出されている映像を見ていると、頭部に凄まじい衝撃と痛みが走る。
頭を押さえ痛みで悶えている俺の背後には、呆れた様子のサル似の老人。
初代孫悟空さんは朱色の棍、如意棒を肩に引っ掛けながら美味そうにキセルを吹かしている。
「その程度で騒ぐでないわぃ、大袈裟な奴じゃのぅ」
「お願いだから手加減して!? 俺は美猴さんみたいに丈夫じゃないんだよ!」
「総督殿にきっちり鍛える様に頼まれたんじゃ、何事も半端はよくなかろ? 」
俺が抗議するも、初代さんに何処吹く風と言った感じに流される。
そう、俺は今アザゼルさんに拉致されて初代さんの所でムリヤリ修行をさせられているのだ。
まぁ今はサボってイッセーたちのやってるショー観てたけど。
なんでも、リアス先輩と若手悪魔最強と謳われるサイラオーグさんとの試合が決まったそうだ。
その試合に向けて、イッセー達グレモリー眷属の皆さんは各々修行に明け暮れている。
本当なら俺は無関係だから呑気に過ごせていた筈なのに、アザゼルさんがついでだからと俺の事を初代さんに押し付けたせいで地獄を見る羽目に。
どうしてこうなった。
修行の間は家にも帰れないので、会長さんとやっている番組には俺の代わりにロスヴァイセさんが出演している。
ロスヴァイセさんの地元である北欧の料理はかなりの腕前だし、会長さんのフォローもあってなかなか好評だそうだ。
モグラさんは出演しないと視聴率に響くから今は別行動中で、小猫ちゃんが預かってくれている。
俺と離れているのが不満なのか、不貞腐れてて大変だと小猫ちゃんから連絡が来ている。
アザゼルさんは『いくら独立具現型の神器でも、普通はこんなに離れる事は出来ない筈なんだが……』としきりに不思議がっていた。
スコルとハティも寂しがってくれているようで、毎晩誰かしらの近くで寝ているそうだ。
「早く帰りたいなら修練をサボるでない。ホレ、座禅の続きじゃ」
初代さんに促され、大きく平らな岩の上に座らされる。
姿勢を正してから目を閉じ、意識を身体の内へ内へと集中するとヘソの辺りが熱くなってくる。
これが闘気って奴らしい。
最初はこの感覚を便意かと思い、素直に尋ねたら如意棒でシバかれたのは記憶に新しい。
「お主はなんとなくで闘気を使っとるから練りが甘いんじゃ、感覚でやってる事を頭できっちり理解せぃ。それからあの『なんちゃって仙術』は論外じゃ、一から鍛え直すぞぃ」
初代さんが横で何やら恐ろしい事を言ってくる。
あぁ、にしても何時になったら俺はこの拷問から解放されるのか。
修行という名の拷問を続けて数日。
今日も今日とて初代さんにシゴかれつつ、リアス先輩とサイラオーグさんの記者会見の映像を拝見中。
地面に打ち付けられた四本の杭に手足を乗せ、背中に特大の重石を乗せながら腕立て。
普段ならキツくて泣きたくなるのだが、これが最近では一番優しい修行だったりする。
玉龍さんとの鬼ごっこ(命懸け)や上空からの紐なしバンジー(身体は縄でぐるぐる巻き)に比べれば、こうしてリアス先輩たちの記者会見を見ながら行なえるなんて天国ってもんです。
……あれ、なんか涙が出てきた。
にしても酷い記者会見だな、なんだよ乳を吸ってパワーアップって。
サイラオーグさんは笑ってるけど、リアス先輩の顔を真っ赤にして手で覆ってるし。
朱乃さんなんか耐え切れずに噴き出してるぞ、他のみんなも呆れ顔だ。
「今代の赤龍帝は、本当に変わり種じゃのぅ」
俺の背中に乗せている岩の上で、キセルを吹かしている初代さんが楽しそうに呟く。
そりゃイッセーみたいのがたくさんいたら、世の中大変な事になるよ。
「歴代の赤龍帝は力に溺れる連中ばかりじゃったが、この坊やは自分の内と向き合い成長しとる。この手の者は伸びる、まぁそれはバアルの倅にも言えるがの」
「バアル、ってサイラオーグさんの事? あの人が弱かったら俺なんてミジンコ以下じゃん」
そりゃこの人から見たら、どいつもこいつも弱っちく見えるんだろうけども。
「バアル家が本来宿している滅びの魔力。それをあの坊やは授からずに産まれ、今まで生きてきた。己が弱さを受け入れ、なお前を向き続けたあの坊やはこれからも強くなり続けていくだろうよぃ」
はぁ〜、よく分かんないけどなんか凄いってのはわかった。
まぁ俺は強くなるよりも自堕落に過ごしてたいけどな!
あぁ、早くモグラさんやスコルたちに会いたい。
そんでもって思う存分モフモフしたい。
「だから集中せいと言っとろうが、座禅の後は儂との組手じゃ」
ひぎぃ。
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「……それであの方はいらっしゃらなかったのですね」
俺の説明に彼女、レイヴェル・フェニックスは納得する様に頷く。
レイヴェルがここにいるのは、人間界での生活を通して色々な事を学ぶ為。
今は俺の家に下宿していて、俺たちの通う学校に転入してきた。
ライザーの妹とは思えない勤勉振りで、小猫ちゃんとチマチマやり合いながらも学校生活において色々と頑張っているらしい。
にしても初代孫悟空の元で修行、今更ながら随分と豪勢な話だ。
カズキが帰ってきたら、また一段と強くなってるのかな?
俺も負けてられないな!
「アザゼル先生はそのうち戻ってくるって言ってたけど、カズキになにか用でもあったのか?」
「いえ、いないのでしたら構いませんわ。兄の件ではイッセーさま同様あの方にもお世話になったので、改めて御礼をと思っただけですので」
あぁ、ライザーの件か。
あいつも無事に脱引きこもりを果たして、身体を鍛えだしたりと再出発に向けて順調に歩き出しているらしい。
でもあの時の事を思い出そうとすると、何故か頭が痛くなるんだよな。
ライザーが連絡してきた時にその事を聞いても言葉を濁すし、何でだろ?
「カズキ先輩は忙しいから、焼き鳥姫の相手をする暇なんてないです」
「何ですって、この猫又娘!」
カズキから預かっているモグさんを頭に乗せながらツッコミを入れる小猫ちゃんと、気炎を吐きながら小猫ちゃんに詰め寄るレイヴェル。
最初は心配したけど、朱乃さん曰く上手くやっているから問題ないそうだ。
喧嘩してもモグさんが間に立つと、二人してデレデレになるし。
なんだかんだで転校に不慣れなレイヴェルを助けているそうだし、喧嘩するほど仲が良いって奴なのかな。
「えっと今度はテレビ局の方に電話で説明を……うぅ、カズキくんは何時になったら帰って来てくれるんでしょうか……」
「ロスヴァイセさんは大変そうだな。私も何か手伝いたいが、料理ではあまり力になれないのがもどかしい」
「私もリアスの《女王》としてやる事があるので……断っても、きっとカズキくんなら許してくれると思いますわよ?」
電話を片手に唸るロスヴァイセさんに、ゼノヴィアと朱乃さんが語りかける。
カズキがソーナ会長とやっている料理番組があるんだが、修行で来れないカズキに代わって今は眷属であるロスヴァイセさんが出演している。
まだ数回しか出演していないのにファンが付く程人気で、カズキが戻ってきても引き続き出演するかもしれないそうだ。
「いえ、まだまだやれます! この間の様にどこに行ったかわからないという訳ではないですし、期待には応えなければ!」
ロスヴァイセさんは気遣ってくれたゼノヴィアたちに笑顔を見せながら握り拳をかざす。
実はつい最近まで、カズキは行方不明になっていた。
というか、俺たちの前から逃亡していたのだ。
先日の運動会の景品として、イリナに渡されたカズキの小さい頃の映像。
それを見たオカ研&生徒会の女性陣、主に朱乃さんとゼノヴィアがカズキをからかい、拗ねたカズキが
『モラハラに耐えられないので家出します。探さないで下さい。 PS-謝るなら今のうちだかんな!』
という書き置きを残しスコルたちを連れて家出してしまったのだ。
その際グレモリーとシトリー両眷属が総出で捜索し、グレイフィアさんからグレモリー領の田舎町で目撃情報が入ったと連絡を受けた。
その町に急行すると、カズキは町で暴れていたドラゴン(邪竜って奴らしい)や怪物を腹いせにぶちのめしていた。
そりゃもう執拗に全身くまなく滅多打ちにされており、不憫にすら思える程の惨状だ。
暴れていた連中を捕縛した後みんなでカズキに謝罪し、映像データもカズキの目の前で破棄する事で和解した。
特にロスヴァイセさんは、カズキを見つけるなり即謝罪しながら抱き着いていた。
この人は別段カズキをからかったりはしていなかったが、置いて行かれたのがかなりショックだった様だ。
オーディンの爺さんに置いて行かれたのがが、軽くトラウマになってるのかも知れない。
あまりの必死さに、謝罪されているカズキの方が慌てて土下座しだした程だ。
ソーナ会長もフォローしてくれてるみたいだし、ロスヴァイセさんも結構しっかりしてるから大丈夫だろう。
他にも色々と悩みはあるけど、今一番困っている事がある。
最近、部長の様子がおかしいのだ。
普段はいつも通りなんだけど、時折何かを思いつめている様な……何なんだろう?
話が行き詰まったのもあるのですが、なんだかアニメ三期を見て著しくモチベーションが落ちてしまい全く書けなくなっていました。
これからまた少しづつ投稿していくので、どうかお付き合いいただけると幸いです。