モグラだってドラゴン名乗っていいじゃない!   作:すこっぷ

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半月以上も間隔を空けてしまい、申し訳ありませんでした。
腰の痛みも引きましたので、遅れに遅れてしまいましたが投稿いたします。
また以前の速度に戻せる様頑張りますので、またお付き合い下さると幸いです。


71話

ここは冥界に用意した英雄派の施設の一つ。

そこで俺たち英雄派の幹部は、冥界で起こっている魔獣騒動の一部始終を鑑賞していた。

冥界を蹂躙している魔獣たちはレオナルドが指揮していないせいか、幾分か進行が遅い。

そのせいで奴らの通った都市や町村には、更に深刻な壊滅をもたらしているのは皮肉な話だ。

 

本来はシャルバ・ベルゼブブの元へ出向いたジークフリートを待っていたのだが、未だに戻ってこない所を見ると捕らえられたか消されたのだろう。

戦力が減ったのは辛いが、一人有望な人材を手に入れた事でイーブンだと考えておこう。

まぁじっくりと育てる予定だったレオナルドの事を入れたら、見事なまでに赤字なのだが。

 

そして現在その有望な人材、瀬尾一輝は施設のフロアでヘラクレスの手によりリンチにあっていた。

ヘラクレスの拳打が顔や腹部に鈍い音と共に打ち込まれるが、体重差で吹き飛ぶことはあっても表情が変わることはない。

もちろん気による防御などしていないから、身体中が青アザだらけになっている。

 

「–––ケッ、こんだけ殴っても顔色一つ変えやしねぇ。つまんねぇサンドバッグだ、なッ!」

 

ヘラクレスは力任せに彼の顔を殴りつけ、そのまま壁に叩きつける。

壁からずり落ちて地面に倒れ込む瀬尾一輝だったが、暫くすると再び立ち上がって呆然と立ち尽くす。

その態度がまたヘラクレスの神経を逆なでするのだろうな、しかしそろそろ止めさせて貰おう。

 

「いい加減にしろヘラクレス、もう憂さ晴らしは済んだろう?」

 

「あぁッ!? 何言ってやがる曹操、まだまだこんなもんじゃ–––」

 

「『止めろ』、と言わなければわからないか?」

 

「……チッ、わぁったよ」

 

俺の制止を受け、不満げに舌打ちをするヘラクレス。

無駄に大きく足音を響かせ、近くのソファーに深く腰を下ろした。

ガス抜きも必要と思い少しだけ好きにさせたが、なんとも短絡的な仕返しだな。

 

「曹操、今戻った……ヘラクレス、お前はまた彼にこんな……曹操も見ていたなら止めてくれ、彼は貴重なサンプルなんだ」

 

「これでも一応止めたんだがね」

 

その後すぐにやって来たゲオルクにより治療が行われたが、その時には既に傷の大半は治っていた。

ゲオルクが彼を弄った際に元々高かった治癒能力を、更に引き上げた成果だろう。

寿命のリスクは限りなく抑えてはいるそうだが、はたしてそれも何処まで効果があるのやら。

 

「たっだいま〜、ってカズキちゃん服とかボロボロじゃない! ちょっとヘラクレス、またあんたがやったんでしょう!?」

 

「だったらどうした? どうせすぐに治るんだからいいだろうが、喧しい」

 

「いい訳ないでしょ、陰険筋肉ダルマ! 毎度毎度やる事がちっちゃいのよ、この脳筋!」

 

「ンだとこのブスッ!?」

 

ジャンヌとヘラクレスの口喧嘩も今に始まった事ではないが、瀬尾一輝が来てからは特に言い争うようになった。

もしや操られているのは偽装で、内部から崩壊を狙っているとかじゃないよな?

あり得ないはずの事をもしやと思わされてしまうのは、俺も毒されてきている証拠なのだろうか?

しばし言い合った後、ジャンヌは飽きたのかゲオルクの元へ行き瀬尾一輝の腕を自分の腕と絡ませる。

 

「ゲオルク、もう治療は済んだんでしょ? カズキちゃん借りてくわよ」

 

「調整も終わったし別に構わないが、どうするんだ?」

 

「やだも〜☆ 乙女の口から言わせる気?」

 

「……程々にな」

 

「はいは〜い♪ さ、行きましょカズキちゃん♪」

 

肩を竦めるゲオルクにジャンヌは上機嫌に返事をすると、そのまま瀬尾一輝を連れて自室の方へ向かって行った。

何をしているのかは知らないが……まぁロクな事ではないのだろう。

それで彼女の気が晴れるなら、好きにするといい。

 

「さて、ジャンヌが戻ってきたら首都にでも行ってみようか。ヘラクレス、お前も好きに暴れるといい」

 

「お、ようやく攻め込むのか!? へへっ、腕が鳴るぜぇ……!」

 

そろそろ冥界側も魔獣への対抗策を編み出すだろう、それができる人材が向こうには揃っている。

ならば我々が取るべき行動は傍観、または奇襲のみ。

オーフィスの力を手に入れた以上、今回は無理に何かをする必要もないからな。

せいぜい愉しませてもらおうか。

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

冥界の下層に位置し死者の魂が選別される場所、冥府。

そこに俺、アザゼルは赴いている。

冥府は俺たちに喧嘩を売ってくれやがったハーデスが統治する世界で、その深奥には死神どもの住処でありハーデスの根城でもある『ハーデス神殿』がそびえ立っていた。

わざわざこんな生物の存在できない死の世界にやって来たのは、ここに来るためだ。

 

一緒にやって来た数人のメンバーと共に神殿へ踏み込むと、すぐに死神どもが群がってきてこちらに殺意の眼差しを向けてくる。

事前連絡なんざしてないからな、連中にとっちゃ俺らがカチコミに来たようにしか見えないんだろうぜ。

悪魔と堕天使への嫌がらせに執念を燃やす骸骨ジジイの事だ、ほっといたら冥界で起きてる魔獣騒動に横槍を入れて来る。

だからこそ牽制の意味も込めて電撃訪問してやる事にしたんだ、あのクソ野郎に言いたい事もあったしな。

 

周りの死神どもを無視してどんどん奥に進んでいくと、祭儀場らしきひらけた場所に出る。

黄金が豪勢に使われた装飾が散りばめられ、煌びやかで豪華な作りは陰気な冥府には不似合いな程だ。

そしてその奥から司祭の祭服を纏った骸骨さま、ハーデスの野郎が死神を引き連れて現れた。

 

《貴殿らが直接ここに来るとは……ファファファ、これはいささか虚を突かれた》

 

眼球のない眼孔の奥を不気味に輝かせ、余裕ありげに笑いを漏らすハーデス。

この場で俺たちとやり合っても勝てると思ってやがるな、腹の立つ笑い声だ。

–––連れてる死神の中に、こないだやりあった最上級死神のプルートがいない。

何か企んでやがるのか……警戒はするが今は置いておこう、せっかく親玉が目の前に出てきてくれたんだからな。

 

「お久しぶりです、冥府の神ハーデスさま。冥界の魔王ルシファー……サーゼクスでございます。急な訪問、申し訳ございません」

 

俺の隣にいた男、サーゼクスは一歩前に出て軽く頭を下げる。

さすが魔王さま、腹芸はお手の物って感じだな。

こいつも腸煮え繰り返るほどハーデスを敵視してるはずなのに、そんな感情を微塵も感じさせない笑顔を浮かべてやがる。

身内でまとまってる俺には出来ない芸当だな、そういうのはシェムハザの領分だ。

 

冥府に赴く際、俺はサーゼクスにオーフィスの事も含めて全てを話した。

事が済んだら殺されてもいい覚悟で話したんだが、サーゼクスはただ黙って話を聞いてくれた。

そして俺がこれから冥府に行く事を話すと魔獣の対応や民衆の保護を最優先にするよう指示を出し、自分も同行すると言ってここまで着いてきたのだ。

そしてこの場にはもう一人、ミカエルの代理人がやって来ている。

 

《そちらの天使もどきは? 尋常ならざる波動を感じてならぬが》

 

「これはどうも、『御使い』のジョーカーやってるデュリオ・ジェズアルドです。今日はルシファーさまとアザゼルさんの護衛でして、まぁここで襲われるなんてあり得ないでしょうけど。ねぇ?」

 

鋭い眼光を放つハーデスに対して、手をヒラヒラと振りながら逆に牽制するデュリオ。

噂通りの変わりモンか、だが態度は軽くても実力は本物だ。

上位神滅具の一つ『煌天雷獄(ゼニス・テンペスト)』を所有し、天候を操る天界の切り札。

更に表には神滅具『黒神の狗神(ケイネス・リュカオン)』を宿し、グリゴリに属している刃狗(スラッシュ・ドッグ)も連れてきている。

これだけやっても勝てるかわからないバケモノだがな、このジジイは。

 

《コウモリとカラスの首領、更に神滅具所有者が二人。ファファファ、この老人を相手にするにはいささかイジメが過ぎるのではないか?》

 

ケッ、口ではそんなこと言っても余裕な態度は変わらねぇじゃねぇか。

そもそもコウモリはテメェだろうが、あっちこっちに戦力貸し出しやがって。

外にいる刃狗も捕捉されてる様だが、それも予測済みだ。

サーゼクスは表情も変えずに、ハーデスへ話を切り出す。

 

「先日冥界グラシャラボラス領の中級悪魔試験会場付近にある某ホテルにて、我が妹とその眷属及びこちらのアザゼル殿が『禍の団』に襲撃されました。その際死神からも襲撃を受けたと報告を受けています、なにかご存知か?」

 

《その件なら報告を受けている。貴殿の妹君とアザゼル総督が結託し、ウロボロス–––オーフィスと密談を行っているという噂を耳にしてな。調査を依頼したのだよ、もしそれが事実だったなら最低限の警告をする様にとも命じたがね。だが早とちりだった様だ、もし被害を被ったのなら非礼を詫びよう》

 

……ハッ、プルートが冗談交じりにほざいてた事をそのまま口にしやがったぜ。

大量の死神にプルートまでけしかけといて最低限の警告か、なかなかの挑発だ。

おまけに早とちりときたか、全く……今すぐブチ殺したくて仕方ねぇ……ッ!

だが今は我慢だ、まだ俺の出張る時じゃない。

 

「なるほど、早とちり……噂と言えば、我々も貴殿が『禍の団』と裏で繋がっているという噂を耳に致しました」

 

表情にこそ出さないが、内側の魔力を荒々しく乱したながらサーゼクスが話し始める。

今思い出した様な台詞だが、これこそ俺たちがここに来た理由の一つだ。

 

「なんでも奴らはサマエルを使役したとか……あれを表に出さない事は、各勢力での合意だったはず。私としてもあなたを疑いたくはないが、身の潔白を証明する為にもサマエルの封印状態を確認させて頂けないでしょうか?」

 

《–––くだらんな、私は忙しいのだ。その様な疑惑を問われている暇などない》

 

サーゼクスの問い掛けに、見るからに表情を険しくしたハーデスはそう吐き捨ててこの場を去ろうとする。

まぁそうなるよな、封印状態なんざ確認されたら封印術式の新旧具合で一発でバレる。

そうなりゃ糾弾されるに決まってんだから、逃げの一手になるしかない。

だがさせねぇよ、その為に俺はここに来たんだ。

 

「あ〜、わかったわかった。そんなに都合が悪いならその話は止めてやる、そこで代案だ。アンタには魔獣騒動が収まるまで、俺たちと一緒にここにいて貰うぜ?」

 

《ふん、監視のつもりか? だが私が付き合ってやる道理など–––》

 

「アンタがそんなにケツまくって逃げたいならそれでも構わないが、このまま俺たちを放置するなら冥府の死神たちが全滅するぞ」

 

《なに……?》

 

訝しげな視線を向けてくるハーデスを余所に俺は手元に魔方陣を展開すると、それを素早く操作してある生物をこの場に呼び寄せた。

慕っていた主人を失い怒りに悶え、その身を縛る鎖を引きちぎらんともがく猛獣。

その血統と神をも殺せる牙を受け継ぐ、次代の魔狼。

オーディンの爺さんに頭を下げて用意して貰ったグレイプニルに繋がれる二匹の神喰狼、スコルとハティだ。

 

《フェンリル……それも二匹か。カラスの首領、貴様は我らとの戦争が望みか?》

 

「ハナからそのつもりなら、さっさとこいつら解き放って誰かさんの喉笛を掻き切ってるさ。俺はこいつらに頼まれたから、ここまで連れてきただけだ」

 

殺意に塗れた視線を送る二匹を見つめた後、嫌悪の感情を隠しもせずにぶつけてくるハーデス。

スコルたちの様子を見にカズキの家を訪ねた時、こいつらは俺にまとわりついて離れなかった。

普段はそんなに擦り寄ってこないのに、『自分たちも連れて行け』と言わんばかりに俺の裾を引っ張って来やがった。

だったら、連れて行かなきゃ可哀想だろう?

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

アザゼルたちと冥府を訪れ、ハーデスと面会してからどれ位経っただろうか。

覚悟はしていたが、ものの数分でここまで拗れるとは。

ミカエル殿の代理人であるジュリオくんは傍観を決め込んでおり、動く気配がない。

アザゼルがフェンリルたちを連れてくるとは予想外だったが、いくらハーデスでも神殺しの牙は無視出来ないはずだ。

これで少しは会話が出来れば良いのだが……。

 

「まぁアンタが余計な事さえしなけりゃ何もさせねぇよ、当然俺も何もしねぇ」

 

《フン……確かにその獣を放てば冥府に相当の被害が出るだろう。だが貴様程度が私をどうこう出来ると思っているのなら、少々驕りが過ぎるのではないか?》

 

アザゼルの言葉に対して、彼を嘲るように返すハーデス。

単なるハッタリ、と簡単に断じる事は出来ない。

この神の実力は本物であり、裏で『禍の団』と繋がっていた。

どんな搦め手を使ってくるのか、わかったものではない。

そんなハーデスに、アザゼルは肩を竦めながら小さく笑った。

 

「確かにテメェからすりゃ、俺なんか雑魚も良いトコだろうよ……だがな、力の差なんざ気合いと工夫でどうとでもなるもんだぜ?」

 

手元に光の槍を出現させ、力を込め始めるアザゼル。

なんのつもりなのかとハーデスと同様に訝しんだが、異変はすぐに感じ取れた。

槍に込められていく力が、尋常ではない!

槍自体の大きさは変わらないが、その力の密度が恐ろしい程高まっていく!

 

そのエネルギーは次第に周囲に影響を及ぼし始め、神殿全体が鳴動しアザゼルを中心に亀裂が走る。

だがおかしい、これは異常だ。

確かに彼は相当の実力者だが、ここまでの力はなかった筈だ。

実力を隠しておく理由もないし、一体彼は何をしたのだろうか……?

 

《ファファファ……これは驚いた。前魔王すら凌駕するこの力、とてもカラスの首領とは思えぬな……何をした?》

 

「別に大した事はしてねぇよ、前にウチんとこの馬鹿がやってたのを真似しただけさ」

 

ハーデスに凄まれているにも関わらず、アザゼルは飄々とした態度を崩そうとしない。

ウチの馬鹿とは、おそらくカズキくんの事を言っているのだろう。

カズキくんが以前おこなった事……色々やり過ぎていて、ポンと浮かんでこない。

 

《–––ふむ、貴様の胸と腕から奇妙な波動を感じる。手品のタネはそれか?》

 

「流石に目ざといな、ご名答だ」

 

ハーデスの指摘を受けたアザゼルは襟元を開き、胸の辺りを露出した。

そこには奇妙な機械が取り付けられており、ハーデスの言う通りおかしなオーラの流れを感じる。

胸から義手である腕の方に掛けて、膨大なエネルギーが脈動する様に流れて……まさかカズキくんがした事とは!?

 

「この為に作った特製の人工神器さ、こいつで生命エネルギーを垂れ流しその全てを義手に集約する。いくらアンタが強かろうが、俺の命を丸ごと使えば相打ち位には持ち込んでみせるぜ?」

 

やはりそうか、なんて無茶を!?

コカビエルとの戦闘でカズキくんが敢行し、己の命を代償に一時的に戦力を跳ね上げたあの戦法。

アザゼルは人工神器を使ってそれを真似ているのだろうが、そんな事をすればいくら最上位の堕天使といえ無事で済む訳がない!

 

そんなアザゼルが槍を肩に預けると同時に、ハーデスの背後に一名の死神が現れ何かを耳打ちした。

話を聞き終えたハーデスが祭壇に設置されている載火台に手を伸ばすと、炎が揺らぐと同時に外の映像が映し出される。

 

『オラオラオラ! 人の弟分に随分とふざけた事してくれたじゃねぇか! 楽にくたばれると思うなよ!?』

 

『あの坊やは白音だけじゃなく、私も気に入ってるのよねん……覚悟してもらうニャン♪』

 

そこに映っていたのは、大量の死神たちを相手に大暴れしているヴァーリチームの姿だった。

美猴は如意棒を振り回し、黒歌は魔法と妖術で敵を纏めて燃やし尽くしている。

他にも報告にあったメンバーである古の戦闘機兵ゴグマゴク、聖王剣の所有者アーサー、その妹であるルフェイ、そして彼女の使い魔となったフェンリルがそれぞれが死神を屠っていく。

リーダーであるヴァーリの姿は見えないが……彼は別行動なのだろうか?

 

《……貴様の仕業か、カラスの首領よ》

 

「さあ、知らね。大事な弟を虐められた事にキレた過保護な兄ちゃんが、力尽くで仕返しにきたんじゃねぇか?」

 

ハーデスが不機嫌な声音で尋ねるが、アザゼルはぞんざいに返し相手の神経を逆撫でする。

ハーデスから感じるオーラの質が明らかに変わる、どうやら相当ご立腹の様だ。

しかしそのオーラはすぐに引っ込んでいき、暫く炎の中の映像を見つめた後ハーデスは呟く様に尋ねてきた。

 

《……何故貴様らはそうまでして、あの者達に肩入れする。己の命を捨ててまで庇う、その価値があの者達にあるというのか?》

 

その質問には軽蔑や嘲りなどの感情はなく、純粋な疑問として尋ねているように感じた。

アザゼルはその問いにまっすぐ返答する。

 

「あるさ、あいつらは全員俺の大切な教え子だ。それに……親父って、呼ばれちまったからな」

 

《なに……?》

 

「手前のガキにちょっかい出されて黙ってるなんざ、そんなもん親失格だろうがッ! あいつの、あいつらの為なら……俺の命だろうがなんだろうが! 幾らでもくれてやらぁッ!!」

 

アザゼルの咆哮に応える様に、彼の槍が一層輝き鳴動する。

槍の形状に押しとどめておくのも限界なのか、槍全体が揺らぎその余波で身近な床などを粉砕していた。

……私も、出し惜しみしている場合ではないな。

アザゼルはこれからの世界に必要な人材だ、この場で命を落とさせる訳にはいかない。

この場は私の全力を持って対応に当たるとしよう。

 

冥界の未来を考えて踏み止まっていたが、それももうお終いにしよう。

私とて大事な妹と未来の義弟、そして得難い友人を傷付けられて内心穏やかではないのだ。

冥府の神ハーデスよ、この場で立ち会う状況となった時は覚悟して頂こう。

私は一切の手加減も躊躇も捨て、貴殿をこの世から跡形もなく滅ぼし尽くす!




デュリオ「俺ってばチョー空気〜……」
な状態ですが、ちゃんと彼もその場にいるからね!?
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