FAIRY TAIL 天候魔法の眠り姫   作:唯野歩風呂

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三、新たな仲間

 

 

 

 「ぷはー!食った食った!」

 「アイ!」

 「もう夜だけど……」

 

 昼にレストランへ入ったはずが、あたりはもう真っ暗。どんだけ食べるんだと言いたい。

 

 「ん?お前だってずーっと寝てたじゃねぇか」

 「アイ」

 「すぴー」

 「もう寝てるし」

 

 柵に寄りかかって眠るレーナに呆れた声を出すハッピー。

 

 「そういや、サラマンダーが船上パーティやる船って、あの船かな」

 

 ナツが海を見ると、大きな船が沖へ向かっている。

 

 「うっぷ……気持ち悪ぃ」

 「想像しただけで酔うのやめようよ」

 

 

 

 「ねぇ、あれがサラマンダー様の船よ」

 「えー、行きたかった~」

 「サラマンダー?」

 「知らないの?今この街に来てるのよ?あの有名なフェアリーテイルの魔道士なんだってー」

 

 

 

 

 「……フェアリーテイル」

 

 話に出た名前に目を鋭くするナツ。レーナも閉じていた瞼を開ける。

 

 ナツの視線の先には船があり――

 

 「うぐっ」

 「はぁ……」

 

 

 レーナは眠そうに溜息をついた。

 

 

 

 

 ※※※※※※※※※※

 

 

 

 

 ――なんなのよこいつ。

 

 

 突然現れた男たち。男たちのかたわらには、同じ船に乗っていた女性たちが眠っている。

 これからルーシィを含めた女性たちはボスコへ奴隷として連れて行かれてしまう。

 抵抗しようとしたら、大事な鍵まで奪われ、海に捨てられてしまった。

 

 

 ――こんなことをする奴が……これが、フェアリーテイルの魔道士か!

 

 

 憧れて、どうしても入りたくて……けど、こんなの……

 

 

 「最低の魔道士じゃない!」

 

 

 叫んだ瞬間、天井を突き破って人が落ちてきた。

 

 「ナツ!」

 

 ナツは顔を上げると――

 

 「うっぷ」

 

 青くなって口を押えた。

 

 「えーっ!かっこ悪!」

 「ルーシィ、何してるの?」

 「ハッピー!」

 

 ナツが突き破った天井の穴からハッピーが白い羽をはやして覗いている。

 

 「騙されたのよ!フェアリーテイルに入れてくれるって。……てか羽なんて生えてたっけ?」

 「細かい話はあとだよ。行くよ!」

 

 そういうとハッピーはルーシィを掴んで空へ飛び出した。

 

 「ちょっと、ナツは!?ってかレーナは?」

 「ここに」

 「うわぁ!レーナ!?」

 

 突然眠そうなレーナが目の前に現れた。

 

 そう、目の前に。

 

 「え、レーナ……うう、う、浮いてる!?」

 「浮いてます」

 

 レーナは空中に胡坐をかいて浮いていた。

 

 「も、もしかしてレーナって」

 「うん。魔道士です」

 

 それから、といってレーナはルーシィに、先ほどサラマンダーに捨てられた鍵を見せた。

 

 「あ、それあたしの鍵!」

 「飛んできたのでキャッチしておいた」

 「ありがとう!」

 

 レーナは頷くと、どんどん岸から離れていく船に向きあった。

 

 「あれを岸まで戻さなきゃなんですが……」

 「あ!あたしに任せて!」

 

 ルーシィは海まで降りると、星霊魔法でアクエリアスを呼び出した。

 

 「アクエリアス、あなたの力で船を港まで押し戻して!」

 「ちっ」

 

 アクエリアスの態度にルーシィは憤慨するも、アクエリアスの起こした大津波に飲み込まれ悲鳴を上げた。ルーシィを持っていたせいでハッピーも巻き添えだ。

 

 「おー」

 

 レーナは上空へ避難して船とともにルーシィたちが岸まで流されるところを見ていた。

 

 

 

 船は見事港に突っ込み、横倒しになった。

 あたりには騒ぎを聞きつけた地元民が集まってきている。

 

 「ナツ―!」

 

 船に近寄るルーシィを見つけ、その横に降り立つ。

 

 「あ、レーナひどいや。一人だけ逃げるなんて」

 「ん~?ごめん?」

 「ちょっと黙ってて!」

 

 

 怒られてしまった。

 しかし無理もない。ルーシィはまだ知らないのだ。

 

 岸に戻った地点で、決着がついたことに。

 

 

 「言いそびれたけど、ナツも魔道士だから」

 「え!?」

 

 心配そうなルーシィにハッピーが言うと、ひどく驚いた。

 

 「オレはフェアリーテイルのナツだ。お前なんて見た事ねぇ」

 「えぇ!」

 

 どうやらフェアリーテイルを語る偽物はボラと言って、何年か前に追放された魔道士らしい。

 

 フェアリーテイルの名を語り悪事を働いたことに怒るナツをボラは攻撃。

 

 「ナツに炎は効かないよ」

 「ふあぁ~」

 「何でそんな余裕なのよ!」

 

 岩に寄りかかり今にも寝そうなレーナにルーシィが怒鳴る。

 

 「ん?……ほれ」

 

 目をこすり指を指すと、ちょうどナツが炎を喰い終わる所だった。

 

 

 

 そこからはあっという間だった。

 

 『火竜の咆哮』であらかた蹴散らされ、ナツが本物のフェアリーテイルのサラマンダーだと気付き、ナツの滅竜魔法で港を半壊させて終わった。そしてルーシィは……。

 

 

 「やりすぎーっ!!」

 

 炎に包まれた町を見て叫んだ。

 

 「アイ!」

 「アイじゃない!!」

 「すぴー」

 「そこ!寝るなぁ!!」

 

 

 ガチャガチャと鎧の音が近づいてくる。

 

 「軍隊!」

 「やっべ!逃げるぞ!」

 

 ナツは寝ているレーナを脇に抱え、ルーシィの手を引っ張って走り出す。

 

 「何であたしまで!?」

 「だって、俺達のギルド入りたいんだろ?」

 

 ナツはにっこりと笑う。

 

 「来いよ」

 「……うん!」

 

 ルーシィもいい笑顔で返した。

 

 

 

 こうして、フェアリーテイルに仲間が一人増えたのだった。

 

 

 

 それにしても………

 

 

 

 「プロポーズみたい」

 「うっさいわ!!」

 

 

 

 

 




レーナほとんど魔法使いませんでしたが、それには訳があるんです。本当ですよ?

やっと一話が終わりましたので今日はここまで。次回いつになるかわかりませんが、よろしくお願いします。
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