ここでオリジナル要素が加わります。
ハコベ山 山頂付近 外
「『何でこんなことになってるわけ~?何この猿。テンション高いし!』と申されても……」
「女~」
ゾゾゾゾッ
寒さとは違う鳥肌がたつルーシィ。
ヴァルカンはじーっとホロロギウムの中のルーシィを見つめる。
と、その時。
ピピピピッピピピピッ
そんな音とともにホロロギウムは消え、ルーシィとレーナは放り出された。
「時間です。ごきげんよ~」
「ちょっとーーーーっ!!」
叫ぶルーシィに応える声はなく、ヴァルカンが鼻息荒く近づいてくる。
「あわわわっ!ちょ、ちょっとレーナ!起きて~っ!何とかしてーーーーっ!!」
こんな状態でも寝続けるレーナの肩を掴み、必死に揺さぶる。
首がガクガクと揺れるも、レーナは起きない。
ギャアアアアアアアアアアッ
迫っていたヴァルカンが止まり、振り返る。
するとそこには……。
ガアアアアアアアアッ
ブリザードバーン、通称シロワイバーン現れた。
「いやーっ!でっかいの来たーーーー!!」
「ウッホ!しまった、ここあいつの縄張りだった!」
「ガアアアアッ!!」
「逃げろっ!」
「あ、ちょっとなに一人で逃げてんのよ!」
ヴァルカンがルーシィとレーナを置いて逃げてしまった。
「お願いー起きてレーナ!お願いだから~っ!!」
「んぁ?」
「レーナ!やっと起きた!!」
ようやく目を開けたレーナに泣いて喜ぶルーシィ。
しかし、目の前にはご機嫌斜めのシロワイバーン。
これを二人で何とかしなければならない。
そんな危機的状況にも関わらず、レーナは呑気にあくびをする。
「ふぁぁぁっ。……寒い」
「そんなこと言ってる場合じゃないのよ!緊急事態なの!」
「ん?……あら~」
レーナは巨大なシロワイバーンを目にしても、眠そうに反応しただけだった。
「ちょっと、レーナ!何でそんなに落ちついてんのよ!」
「…………」
「レーナ?」
ルーシィは気付いた。
そうだ。レーナも女の子。こんな状況で落ちついていられるわけがない。
これは演技だ。
あたしが慌ててるからきっと落ちつかせようとしているに違いない。
フェアリーテイルの先輩だからって、甘えちゃダメた!
あたしも魔道士なんだから!
「……冬って眠くなるよね」
「さっさとなんとかしろ!!」
ルーシィは切れた。
切れたルーシィにより前にだされ、レーナは仕方ないとでもいうように肩を落とす。
そして、あたりを見回した。
「ここ、民家とかないよね」
「山だからね!」
質問すると、きつい言葉が返ってきた。
「……何で怒ってるの?」
「誰のせいよ!」
レーナは首をひねったが、この辺に民家がないのなら問題ない。
「んじゃ、久しぶりにやりますか」
レーナは右手を天に向けた。
ルーシィはそんなレーナを見て、そういえばレーナの魔法をちゃんと見るのは初めてと気付く。
いつも寝てばかりのレーナはいったいどんな魔法を使うのだろうか。
やっぱり、催眠の魔法とか?
そう、考えをめぐらすルーシィだったが、この場にハッピーがいてルーシィの考えを聞けば、「ルーシィってバカなの?」と言ったに違いない。
「天候魔法【稲妻(ブリッツ)】」
そう言った瞬間、吹雪が止み、暗くなった。
何事かと空を見上げると、雪を降らす灰色の雲とは違う、真っ黒な雲が上空を覆っていた。
ルーシィはただならぬ空気を感じていた。
シロワイバーンも感じたのだろう、飛びながら空を見上げている。
「落ちろ」
バリバリバリバリバリバリ!!!!
「きゃあああああっ!?」
ものすごい爆音とともに視界が真っ白に染まり、ルーシィは思わず耳を押さえ目を閉じる。
そして目を開けてみると、目の前の光景に唖然とした。
あの巨大なシロワイバーンが黒焦げになって地面に落ちていた。
「い、一瞬で……。な、何が起こったの?」
「これが私の魔法」
「魔法……」
レーナは両手を空に向かって広げた。
「天候魔法。天候を操る魔法だよ」