霊夢「今日もいい天気ですねみなさん」
C-1輸送機に搭乗している第七偵群は、テンションがだだ下がりだった。
霊夢「今日もこの、どこでもパラシュート降下狂狼空挺団航空会社を選んでいただきありがとうございます」
第一空挺団隊員達「「「いえぇーい!!」」」
咲夜「・・・何でまた第一空挺団に送ってもらわないといけないのかしら」
早苗「何でも霊夢さんたちは、これから九州の方で訓練をするみたいですよ・・・」
幽香「また、相乗りなの・・・」
美鈴「テンション高いですね・・・空挺団のみんな」
第七偵群は、これから鳥取で任務があるのだ。米子市に中国海軍陸戦隊が10名上陸したらしく、第8普通科連隊と共同で対処に当たることになったのだ。偶然、第一空挺団が九州の方で訓練する際、付近を航空するらしいので相乗りさせてもらったのだ。
慧音「みんな、頑張ってテンションを上げろ・・・帰りは、102がヘリで迎えに来てくれるから」
影涼「みんな!帰りぐらいはのんびりとできるぞ・・・」
咲夜たちは、帰りがヘリだと聞いて少しだけ元気になった。一方、空挺団のみんなは、なぜか機内でジェンガをしていた。霊夢が団長になってからこうなったらしい・・・
影涼「そういえば、昨日はどうでしたか?」
慧音「楽しかったわよ、結局2人ですき焼きはキツイと思って咲夜を呼んで3人で食べていたわよ」
影涼「で、早苗さんは泊まったのですか?」
慧音「そうよ、後咲夜もね・・・3人がワンルームで寝るのは少し狭かったかな?」
影涼「はは、そうでしょうね」
慧音「・・・これからの任務もラットの情報提供でしょ?」
ラットの情報提供を頼りに当分これからは、動かないといけないので慧音は、不満があるようだ。
影涼「水上バイクで海中から侵入したらしいですよ・・・とにかく、今回は捕まえろじゃなくて対処しろだから、咲夜さん達にとってある意味初めての実戦だと思いますよ」
今回は、捕まえろではなく対処しろと神奈子から指令を受けている。事と場合によっては、殺傷も許可されているのだ。もちろん、できるだけ殺さないようにしないといけないのだが。
機長「米子駐屯地の上空に間もなく着きます・・・どこでもパラシュート降下狂狼空挺団航空会社をまたご利用ください(笑)」
咲夜・早苗・幽香・美鈴「機長までおかしくなってる!?」
機長のアナウンスが悪意に満ち溢れていた。どうやら、航空自衛隊にも駄目な意味で影響したらしい。霊夢がハッチを開けて何かが入っている箱を外に投げ出した。
霊夢「神奈子からあんたたちが使っている、武器を預かっているから・・・早く降下しなさい」
また、順番にパラシュート降下した。
美鈴「う~背中が痛い・・・」
早苗「大丈夫ですか?」
米子駐屯地内にある休憩室で美鈴がソファーで横になっていた。着地の時、武器の入った箱の上に着地してしまいそのあと見事にこけて背中を強打したのだ。現在は、早苗がシップなどで治療している最中だった。
咲夜「今回は、いつも使っている89式が使えるからうれしいわね」
幽香「そういえば影涼教官がいないわね・・・」
早苗「あっ影涼教官なら連隊長に会いに行きましたよ?」
咲夜・幽香・美鈴「連隊長?」
早苗以外は、影涼が第8普通科連隊出身であることを知らなかったようだ。早苗は、みんなに説明をした。
田辺「久しぶりだな・・・」
影涼「田辺連隊長!お久しぶりです!!」
影涼に従って慧音も敬礼をする。田辺一等陸佐、第8普通科連隊長である。温厚で熱い男と評判のある連隊長である。影涼が第8普通科連隊にいたころお世話になった人である。また、影涼がレンジャー資格とパラシュート資格・スキューバ資格を取得後特殊作戦群に送り出した男でもある。
田辺「君の活躍は聞いていたよ・・・今は、特殊作戦群勤務じゃないようだな」
影涼「守秘義務が発生しますので・・・これは、幕僚長の命令です」
田辺「分かってる・・・あの、少女たちを見る限り、君とうしろにいる女性は、教官をしているのだろう?」
影涼「さすがです・・・それよりも、任務の詳しい内容をお聞かせください」
田辺「おぉそうだった。歳を取るとつい昔話に入ってしまうな」
田辺は、まだ53歳である。そんなに歳を取ってないような気もするが・・・、机の中から書類を取り出し2人に渡した。
田辺「陸戦隊の人数は10名だ。完全に武装して上陸をしている。奴らは、山の中に潜伏している。目的は不明だが、対処しろとこちらも命令を受けている。第8普通科連隊が、山の周りを封鎖・少数の部隊を対処に向かわせる。軽装甲機動車を1輌君たちの部隊に貸してあげよう・・・山の中に入る部隊と連携を取って行動してくれ」
簡単な任務説明が終わり、辺りが暗くなるまで待機することになった。やっぱり、市民の目に見つかるといろいろと言われるからだ。山を完全に誰も入れないようにするので、発砲しても一番近い住宅でも3キロも離れているので、音の心配はないだろう。もしもの時は、適当に理由をつけるらしい。
影涼と慧音は、咲夜たちがいる休憩室に向かう為に廊下を歩いていた。
慧音「久しぶりに鳥取にきたわ」
影涼「やっぱり、生まれ故郷は落ち着きますよ・・・」
慧音「・・・いつか私もここが故郷になるのよね」
影涼「え?どうしてですか?」
慧音「な・何でもないわ!!」
慧音は、頬を紅くして答えた。影涼は、頬が紅くなる理由がまったくわからなかった。咲夜達が待機している休憩室に到着した瞬間、全員が影涼に集まって来た。
美鈴「ここの出身って本当ですか!?」
影涼「そ・そうだけど・・・」
幽香「一種の里帰り感覚でしょ?」
影涼「それ言ったら怒られますよ」
咲夜「何で?早苗と2人っきりになってたのよ~(怒)」
影涼「何で怒ってるんですか!?」
慧音「どうなってるの?」
早苗「市ヶ谷駐屯地で影涼教官に聞いた話をしましたら・・・こうなりました」
なぜか影涼と咲夜がナイフで格闘している光景を見ながら、苦笑した慧音だったのであった。慧音が2人を止めて投下した武器を点検しろと指示を出した。偵察作戦群に預けていた武器をそのまま持ってきてもらっていたので、4人も手慣れた手つきで点検を始めた。
咲夜「ところで・・・対処しろだったわよね?」
影涼「そうだけど・・・なるべく捕まえろだぞ?」
どうやら、咲夜は相手を殺傷してもいいと聞いて、気持ちが高ぶっているようだ。
咲夜「撃ってきたら問答無用で射殺するわよ?」
影涼「まぁ・・・命の危険があればですよ?」
影涼は、頭を掻きながら答えた。
幽香「でも、勝手に上陸して尚且つ武器も持ち込んでいるのでしょ?情けは無用でしょ?」
慧音「確かにそうだが・・・ちゃんと私たちの指示に従いなさいよ」
慧音は、みんなに言い聞かせるように言った。
午後7時00分
軽装甲機動車の隊列が、陸戦隊の潜伏している山の麓に停車した。中から完全武装した第8普通科連隊の隊員が次々と下車して暗い山の中に入って行った。第七偵群も軽装甲機動車を降りて整列して影涼から注意事項を聞いていた。
影涼「今回は、ある意味初めての実戦になると思う・・・十分注意して行動してくれ、第8普通科連隊の隊員達と連携を取って作戦に臨んでくれ・・・無線番号は2、475、01だ。いいな?」
咲夜達は、敬礼をして暗闇の中に消えていった。
田辺「あの少女たち・・・防弾チョッキⅢ型と88式鉄帽を装備していないが・・・大丈夫なのか?」
咲夜達の軽装備姿を見て田辺は、疑問に思ったのか聞いてきた。
影涼「女性特有の体つきでは、防弾チョッキⅢ型は合いませんよ?大丈夫です。彼女たちには新型のボディーアーマーを服の下に装着しています。防弾対策は完璧ですよ」
咲夜と美鈴は、動きやすいように腰にマガジンケースを4つ装着しているだけの装備で、早苗は腰に20発マガジン4つと応急医療キットが入っているウエストポーチの装備で、幽香は、MINIMIのマガジン2つに、89式用マガジンを17個入っている背のうを担いでいる装備である。あとは、脚にグロック24と特殊警棒を装着している。もちろん、みんな他の隊員と同じ陸自迷彩である。また、ヘルメットは邪魔になるため陸自迷彩のバンダナを頭に巻いている。
田辺「不思議なもんだな・・・」
咲夜達は、足音をなるべく立てないように暗い山の中を進んでいった。第8普通科連隊隊員は第七偵群の前を進んでいた。全部で60キロの装備をしているのに軽々と進む姿は、勇ましかった。
早苗「すごいですね・・・」
幽香「私でも全部で28キロしかないわよ・・・けた違いね」
咲夜「私たちとでは、根本的に訓練内容が違うから仕方ないわよ」
2時間山の中を進んでいると突然銃声が4発聞こえた。前を進んでいた第8普通科連隊が大声で怒鳴りあいながら、89式小銃を構えて伏せた。
咲夜「みんな、こっちに行きましょう!」
第七偵群は、敵の攻撃が第8普通科連隊に集中しているので、前に進んでいった。銃声が味方から聞こえてきた。反撃を開始したのだろうか、それとも初めての実戦で一時的にパニックになっているのかもしれない、とにかく咲夜たちは前に進んだ。
田辺(全員落ち着いて対処しろ!訓練通りに動け・・・吉岡隊と鞍馬隊は・・・)
第8普通科連隊長田辺の指示が、無線機から発せられた。
美鈴「これが、本当の実戦での無線・・・」
咲夜「迫力がありすぎるわね・・・」
影涼(こちら霊・・・私は、連隊長みたいに怒鳴って指示とかできないからいつも通りに指示するぞ)
影涼の穏やかないつもの声が無線機から発せられた。咲夜たちは軽く笑った。
影涼(どうしたんだ?笑って・・・」
早苗「いつも通り過ぎて安心しました」
幽香「ここが戦場でも、なんだか安心したわ」
美鈴「なんか緊張がほぐれました」
咲夜「悔しいけど、その通りね」
影涼(それはよかった・・・作戦に戻ろうか・・・陸戦隊の使用している銃器はおそらく95式自動歩槍だ。ブルパップは、安定性があるが命中精度は悪い・・・しかし、我々が使っている89式小銃は、日本人に合うように設計されたものだ。自信を持って行けよ)
咲夜「軽く語ったわね・・・時のナイフ了解!」
通信が終わった後、咲夜はハンドサインで合図をしながら陸戦隊に近づいて行った。早苗が個人用暗視装置を使って偵察をした。
早苗「陸・4・第8・発砲」
陸・4は陸戦隊4名、第8は第8普通科連隊を指す。発砲は前者が後者に対して発砲していることを表す。今回の作戦では、このように敵味方を呼称している。
咲夜「他の陸はいるかしら?」
早苗「確認できません!」
咲夜はハンドサインで幽香と美鈴をこの場で待機させ、咲夜と早苗は他の陸戦隊の隊員を見つける為に進んでいった。
幽香「第8を援護するわよ!」
幽香は、MINIMIの引き金を引いた。美鈴も二脚を伸ばして銃を安定させて引き金を引いた。陸戦隊の1名の足に命中して倒れた。陸戦隊は幽香達の存在に気が付いたようだ。
咲夜と早苗は別ルートから進軍していた第8普通科連隊と合流してさらに奥に進んでいった。進んでいくといきなり銃撃を受けた。
第8隊員「敵と遭遇した!人数5名!!」
第8隊員「森伊!進むな!!」
第8普通科連隊隊員は、反撃を開始した。早苗は89式小銃を構えて、89式小銃用照準補助具を覗いて1発ずつ確実に陸戦隊の隊員を撃った。すべて、肩を撃ち抜いていった。陸戦隊の攻撃が止んだ瞬間、第8普通科連隊隊員達は、一気に突撃して陸戦隊5名を拘束していった。
咲夜「こちら時のナイフ、奇跡の風が陸戦隊5名を無力化に成功、今第8が5名とも拘束したわ」
影涼(よくやった、フラワースカート達は、苦戦しているようだが、あと1名見当たらないな・・・時のナイフ達は捜索してくれ)
咲夜と早苗は、第8普通科連隊と別れて先に進んでいった。
幽香達は絶賛苦戦中だった。
幽香「殺さないで負傷させるのって・・・以外に難しいわね」
激しく銃弾が飛び交う中、正確に負傷させるのは難しかった。
美鈴「早苗さんだったら簡単にできるのでしょうけど・・・私たち狙撃なんてあんまりできないですよ」
陸戦隊を1名最初に負傷させたのだが当たり所が、浅かったため、戦いに復帰している。突然、第8普通科連隊の方で爆発が起きた。陸戦隊が手榴弾を投げたのだろう。怒鳴り声が飛び交っていた。
慧音(安心しなさい死者はいないわ・・・ただ、負傷者が4名出てしまったわ)
幽香「急いで制圧するわよ!!」
美鈴は、3点に切り替えて撃った。陸戦隊は、隙ができないように撃っており中々事態が進まなかった。美鈴は、幽香の肩を叩いて合図をした。幽香は、マガジンを変えてフルで射撃した。陸戦隊が伏せた瞬間、美鈴は、走って陸戦隊に突進した。89式小銃に取り付けられている89式多用途銃剣を使って立ち上がり美鈴の登場に唖然として立ち止まっている陸戦隊3名を、なぎ倒していった。残った1人が美鈴に向かって発砲しようとしたのを幽香が撃ち殺した。
幽香「フラワースカート・・・3名を無力化・・・1名は射殺した」
影涼(対処しろだから、殺しても問題は無い・・・)
幽香「・・・あまりいい気分じゃないわね」
影涼(それが戦場だ・・・何も考えるな、考えたら自分も死んでしまうぞ)
幽香「フラワースカート了解・・・」
慧音「幽香が、精神的に参ったようだな」
作戦司令テントで指揮する影涼と慧音は、さっきの無線について話していた。
影涼「無理もない・・・でも、遅かれ早かれ経験することだ」
慧音「そうだな・・・幽香の気持ちはよくわかるよ・・・それよりもあと1名か・・・」
影涼「疑問に思ったのだが、何で10名で上陸しているんだ?」
慧音「そういえば・・・何かがあるだろうな」
咲夜(時のナイフ・・・残りの1名と・・・後頭部の髪を三つ編みにした中国人1名が一緒に進んでいるのを発見した)
咲夜からの無線報告を受けた影涼はすぐに指示を出した。
影涼「後頭部の髪を三つ編み?その、謎の中国人を生け捕りにしろ・・・一時指令テントを離れる」
咲夜(時のナイフ了解)
影涼は、いきなり指令テントを出ていった。慧音も後を追う。
慧音「どうして!?奴は死んだはずじゃ・・・」
影涼「でも、後頭部に三つ編みってあいつしか・・・とにかく、行きましょう!この目で見ないと」
影涼と慧音は、田辺から89式小銃を借りて咲夜達の元に急いで向かった。2人の表情は、緊迫としていた。