東方武装記録   作:祝神✯

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戻る者と戻らない者

神奈子「・・・あなたちに選ばせてあげるわ」

 

防衛省の中にある神奈子の部屋に影涼・慧音・村田は整列して立っていた。神奈子の隣にはレミリアが立っていた。

 

神奈子「田中の逮捕は、あなた達の処分を白紙に戻すことができるのよ・・・特殊作戦群に戻るかこのまま、偵察作戦群の教官でいるのか・・・どちらを選んでも構わない」

 

慧音「戻れるのですね!?」

 

村田「この日が来たんだな」

 

神奈子「いつ答えを言ってくれて構わないよ・・・さてと、君たちに重要なお知らせがある」

 

レミリアは、資料を見ながら説明を始めた。

 

レミリア「アメリカ政府は、今回の件について責任を持って広州・南京軍区の鎮圧を開始することを表明したわ・・・もちろん、中国政府はアメリカの失踪した諜報員が誘発させた事実は知らないけどね。ただ、アメリカは何を考えているかわからないのよ」

 

慧音「分からない?」

 

レミリア「中国は、アメリカの助けを純粋に受け入れているわ・・・でもね、中国の軍備は不明な点が多いの・・・アメリカは、鎮圧の他にも何かをする気だと思うのよ」

 

村田「人間である以上仕方ないだろう」

 

レミリア「そうだけどね・・・ただ、ここが問題で、2年前にあなた達が奪った発射コードをラットによって広州に再び戻ったのよ・・・つまり、再びミサイル攻撃が可能になったのよ・・・しかも、衛星写真によると、空母キラーのDF-21Dがどんどん稼働しているのよ・・・完全に制海権を維持する目的でしょう。それに加えて、巡航ミサイルと・・・」

 

影涼「中距離核弾頭・・・」

 

レミリア「最悪な結果も考えておきなさい・・・」

 

神奈子「日本が標的というな」

 

レミリア「核発射は今のところわからないわ・・・もしも、判明した場合は、早急に対処しないといけないの・・・」

 

神奈子「まだ、核については状況把握をしている最中だ・・・あなた達が今できるのは、戻るか戻らないかよ・・・答えが決まったらまた、ここに来なさい・・・以上よ」

 

3人は、敬礼をして部屋を後にした。市ヶ谷駐屯地の廊下を歩きながら会話をしていた。

 

村田「また、3人で活動ができるんだな」

 

慧音「そうね・・・2年間も一緒に仕事できなかったしね」

 

村田「慧音は、影涼と一緒にいたじゃないかよ、俺なんて精神保健室に一人でいたんだぜ」

 

影涼「また、3人一緒か・・・でも、戻ったら偵察作戦群の教官をやめるという事だよな・・・」

 

慧音「・・・そうなるな」

 

影涼「つまり、早苗さん・咲夜さん・幽香さん・美鈴さんとは、会わないかもしれませんね」

 

村田「教官はな・・・いつかは教え子を手放さないといけないんだよ?」

 

影涼「分かってる・・・いや・・・むしろそれがいいのかも知れない」

 

慧音「会わないという事か?」

 

影涼「尋問を彼女たちは見ています・・・きっと、怖かったと思いますよ・・・」

 

慧音「仕方ないよ・・・彼女たちは本当の実戦を味わったことが無いと思うし・・・今までのは、少数の工作員が相手だったけど・・・私たちは、国家レベルの人が相手だったからね・・・」

 

村田「過去を見ないほうがいいぞ?精神に悪影響だ」

 

影涼「ちょっと、屋上の空気を吸っていきます」

 

影涼は2人から離れて屋上に向かった。屋上に向かう途中、隊員が忙しそうに走っていた。窓を見ると次々と、軽装甲機動車と高機動車・73式トラックが発進していた。屋上で外の空気を吸っていたが、あまりいい空気とは言えなかった。

 

影涼「田舎の方がいいなぁ~」

 

空を見上げる影涼、空には、空自のヘリと陸自のヘリが飛び回っていた。警察のサイレンも聞こえる。危険と予測される地域の避難でも始まっているのだろうか、避難地域の情報は、まったく入ってこないのでわからないのだ。突然、影涼の携帯が鳴り始めた。

 

影涼「もしもし」

 

セニヤーロ(よっ!!)

 

影涼「お前!どうやって電話番号を」

 

携帯を変えてから電話番号を教えていなかったのでひどく驚いた。

 

セニヤーロ(さっき、慧音から聞いたんだよ・・・変えたならすぐに教えろよな・・・それよりも、今大変な事が起きているようだな・・・)

 

影涼「まぁ・・・その反面、戻れる話を持ち掛けられているんだよ」

 

セニヤーロ(そうか、戻ってきてくれれば、一緒に任務に行けるもんな)

 

影涼「どういう意味だ?」

 

セニヤーロ(中国の件は、ロシアにとって大きな痛手なんだよ)

 

影涼「中国を見捨てる傾向にあるロシアが?マーケットの相手か?」

 

セニヤーロ(わからんよ・・・あくまで俺は、民衆を守る特殊部隊だぜ?上層部の考えることなんてわからん・・・ただな、もしかしたらお前・・・中国に再び向かうんじゃないかと思ってな)

 

影涼「何でそう思うんだ?」

 

セニヤーロ(お前は、人一倍責任感があるからな・・・絶対に行くだろう?)

 

影涼「・・・許してくれないだろうな・・・再び失敗したらもうおしまいだし・・・今度は、本格的に日本の立場が悪くなる」

 

セニヤーロ(そうだな・・・でもな、俺は日本が好きなんだよ・・・妻も子供たちも・・・お前は、中国の核ミサイルの場所を知っているだろう?アメリカは阻止するって言うけどなあいつらには何も見えてないんだよ・・・)

 

影涼「そうだな・・・あんなところにあるとはだれもが思わないからな・・・」

 

セニヤーロ(実はな・・・軍上層部は、お前を指名している)

 

影涼「何でだよ?」

 

セニヤーロ(クレチェットでの実績と2年前の実績だよ・・・これを早期解決できるのは、お前と慧音・村田の3名と睨んでいるようだ)

 

影涼「おいおい、クレチェットの件はともかく、2年前の奴は失敗したんだよ?」

 

セニヤーロ(でも、お前らの活躍が無ければ早期解決できなかったんだぜ・・・)

 

影涼「この話を持ち掛けるという事は、それなりのがあるんだろ?」

 

セニヤーロ(あぁ、アルファと共に中国へ潜入して、広州・南京軍区を鎮圧してほしいらしい・・・潜入ルートなどのすべてはこちらで用意すると)

 

影涼「幕僚長の許可が無いと何もできないぞ・・・」

 

セニヤーロ(今から3時間後に首相に大統領が秘密裏に伝えるらしい・・・とにかくだ、受ける受けないは、お前らの首相次第だ・・・)

 

セニヤーロからの電話は切れた。

 

村田「変な気を起こすつもりか?」

 

影涼の後ろには、村田と慧音が立っていた。

 

影涼「変な気って?」

 

村田「中国だよ・・・まさか、中国の地に再び行くなんて言わないよな?」

 

慧音「まぁ、影涼の事だから行くのでしょうね」

 

影涼「ロシアが全面的に支援をしてくれるらしいです・・・2年前と違ってアルファが一緒に来てくれるそうですよ・・・ある意味チャンスですよ!」

 

村田「・・・気に入らねえな」

 

影涼「分かってますよ・・・どうせ私たちを」

 

村田「違う・・・影涼・・・お前が気に入らねえんだよ」

 

慧音は、驚いて村田の表情を見た。

 

影涼「酷いな・・・訓練の時もプライベートの時も一緒にいたのに」

 

村田「違う・・・今のお前が気に入らねえ・・・お前・・・2年前の罪滅ぼしでもしようとしているんだろ?」

 

村田の表情は、鬼のような表情になっていた。一方の影涼は無表情だった。

 

影涼「・・・そもそもの原因は、私たちが発射コードを奪ったことが原因・・・日本が今のように宣戦布告されたのも私たちの原因じゃないか・・・」

 

村田「行ってどうするんだ?早期鎮圧に貢献して罪を白紙に戻すつもりなのか?」

 

影涼「違う、日本の安全を再び取り戻しに行くんだよ・・・」

 

村田「安全って・・・お前な・・・何か勘違いしていないか!?」

 

影涼「何がだよ?」

 

村田「これを起こしたのは、アメリカだ!!そして、2年前の出来事を起こしたのもアメリカじゃないか!!」

 

影涼「起こしたの問題じゃないだろ!?原因を作ったのは私達だろう!?」

 

村田「その原因の大元はすべて、アメリカじゃないか!?俺たちは、2年前から利用されていた・・・何の研究をしていたかは分からないけどな・・・俺たちが責任を負う必要は無いだろう!!」

 

影涼「だがな、中国の反乱分子は日本を狙っているんだぞ?アメリカじゃない・・・」

 

村田「中国に行ってどうするんだ!?死にに行くのか!?」

 

慧音「む・村田・・・」

 

村田「慧音!!お前はどうなんだ!?こいつの意見に賛成か!?」

 

村田は、完全に怒っていた。

 

慧音「・・・」

 

慧音は黙っていた。

 

影涼「とにかくだ・・・例え許可が下りなくてもな、私は自衛官をやめてでも責任を取りに行くからな」

 

村田は、影涼をおもっきり殴り飛ばした。吹き飛ばされた影涼は、立ち上がり不敵に笑っていた。

 

村田「・・・落ち着いて考えろ・・・ロシアは、お前を・・・日本を利用する目的でこの話を持ち掛けているはずだぞ」

 

影涼「私は、日本以外の国なんてどうでもいいのですよ・・・日本さえ守れればそれでいいのです・・・鼻っからロシアを信用していませんよ・・・」

 

村田は、背を向けて歩き始めた。

 

村田「そうか・・・何を言っても止められそうにないな・・・訓練の時もプライベートの時でも俺たち3人は一緒だったが・・・今日で終わりのようだな」

 

村田は、屋上の階段を下りて行った。影涼も階段を降りようとした。

 

慧音「影涼・・・」

 

影涼「神奈子幕僚長のとこに行ってきますね・・・」

 

影涼の後ろ姿をただただ見ていた。何もできなかった。

 

慧音「・・・いつまで隠れているのかしら?」

 

屋上の階段の片隅から、咲夜・早苗・幽香・美鈴が出てきた。

 

慧音「いつからそこにいたのかしら?」

 

咲夜「ちょっと、みんなで外の空気を吸いたくて」

 

早苗「そのあと、影涼さんが来て・・・」

 

幽香「何だか、気まずくて」

 

美鈴「隠れていました」

 

4人は、申し訳ないと言う表情をしていた。

 

慧音「・・・それじゃあ・・・全部聞いたのね?」

 

4人は、静かに頷いた。

 

咲夜「話してくれませんか?すべてを・・・隠した事をすべて・・・」

 

慧音は、静かに頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神奈子「分かった・・・特殊作戦群に戻るんだな?」

 

神奈子の部屋で影涼は、特殊作戦群に戻ると答えを言っていた。

 

神奈子「さっき、村田が来たんだが・・・特殊作戦群に戻らないと言ってきた・・・何かあったの?」

 

影涼「・・・3時間後になればわかります」

 

影涼は、敬礼をして部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

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