東方武装記録   作:祝神✯

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慧音が語る真実と過去

屋上にいる4人は、慧音の話を聞いていた。

 

慧音「私は、元102飛行隊副隊長をしていたのよ・・・諏訪子隊長にはとてもお世話になったわ・・・大型輸送ヘリCH-47JAを操縦していたの・・・いつも変わらぬ事を毎日していたわ・・・でも、私はある訓練で運命的な出会いをしたのよ・・・それは、影涼と村田の出会いだった。初めて出会ったのは、ゲリコマ対処訓練・・・」

 

幽香「その訓練を終えて・・・特殊作戦群に?」

 

慧音「私は、諏訪子隊長に申し出たのよ・・・転属したいと・・・何とか、普通科連隊に配属されてそこから頑張ってレンジャー訓練を受けたわ・・・苦しかったわ・・・特に後半の訓練が・・・お風呂も入れないからストレスが溜まってね・・・でも、私は何とか耐え抜いたの・・・あの、言葉のおかげでね」

 

早苗「あの言葉?」

 

慧音「ゲリコマ訓練が終わった後、影涼と話す機会があったの・・・そこで、彼の一言が私の運命を変えてくれた・・・慧音一尉(当時)とまた訓練をしたいです!って」

 

美鈴「でも、102は特殊作戦群の一種の専属の飛行隊ですよね?でしたら、訓練でいつでも会えますよね?どうして特殊作戦群に入ってまで・・・」

 

慧音「なんでろうね・・・影涼のバディになりたかったのかもしれないわ・・・とにかく、必死で影涼のいる特殊作戦群に所属したかった・・・所属した後は、何とか影涼のと同じチームに入ることができたわ・・・私と影涼・村田の3名だった・・・びっくりしたわ、いつの間にか、影涼の階級が一尉になっていたのよ・・・半年の間でね」

 

咲夜「・・・どこかで秘密の何かをしていたの?」

 

慧音「鋭いわね・・・そうなの・・・私が必死でレンジャーを受けている間に、影涼はロシアで研修を受けに行っていたのよ・・・」

 

早苗「ロシア・・・もしかして」

 

慧音「そう・・・ロシアのクレチェットで半年間の実戦任務をしていたらしいわ・・・後から私も知ったのよ・・・影涼は、候補生計画と呼ばれる未来の陸自を支える人材の1人だって・・・」

 

幽香「候補生計画・・・」

 

咲夜「立案者は誰ですか!?」

 

慧音「神奈子幕僚長の前の代の陸上幕僚長と逮捕された田中防衛大臣が立案したわ・・・立案の日付は、影涼が生まれる前からあったらしいわ・・・候補生計画と言っても疑問ならないのね」

 

咲夜「正直に言います・・・防衛省に忍び込んで、途中報告書を見つけてコピーを取りました」

 

慧音「そうなの・・・でも、私も詳しいことは知らないわ・・・計画の後任者の神奈子幕僚長に詳しく聞かないと・・・影涼は詳しくは話してくれないからね・・・」

 

早苗「影涼さん・・・」

 

美鈴「実戦任務って・・・やっぱり・・・」

 

慧音「本当の戦闘に加わっていたのよ・・・でも、市民を守る特殊部隊だったからそこまでひどいものではないらしいわ」

 

咲夜「大阪での強さは・・・」

 

慧音「実戦経験の違いでしょう・・・貴女達も実戦を経験しているけど・・・年数と対処している相手の技量の違いでしょうね」

 

幽香「19歳だよね!?」

 

慧音「問題は歳じゃない・・・生きてきた年月が濃密かどうかだ」

 

美鈴「あぁ・・・影涼さんの口癖ですね」

 

慧音「本格的に特殊作戦群で任務をする時は、いつも3人一緒だった・・・プライベートでもね・・・でも、2年前の中国の出来事が原因で、私たちは、今の立場になったの・・・」

 

慧音は、背中を見せるように陸自の迷彩を脱いだ。水色の下着に隠れるように一つの小さな銃痕傷があった。

 

早苗「慧音さん・・・そ・その傷・・・」

 

慧音「2年前の中国での任務で負った傷よ・・・」

 

咲夜「後ろから撃たれた・・・傷ね・・・」

 

慧音「任務名・・・嵐の進行記録作戦・・・もちろん、それに関する記録は、国家機密の最高レベルの記録よ・・・私たちは、中国での反乱を調査するのが任務だったけど・・・鳥取で出会った李が、日本に核ミサイルを混乱に紛れて発射しようとし、本来の任務を放棄して、ミサイル基地にある日本を襲っているミサイルの発射コードを奪った・・・当時は、核の発射コードが入っていたなんて知らなかったけどね・・・下水道を通って海に飛び込んで泳いで、回収ポイントまで行ったわ・・・でも、飛び込む前に私は・・・影涼を庇って撃たれたの・・・」

 

慧音は、上着を着て、4人の方を向いた。

 

慧音「私が気が付いたときは、RHIBに乗せられていたわ・・・あの時、影涼が泣いていたのよ・・・初めて見たわ・・・いつも、のほほーんとしている影涼がね・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SBU隊員1「早く引き上げろ!!」

 

影涼「意識不明の重傷者がいる!早くしろ!!」

 

RHIBに影涼と村田・意識不明の慧音が引き上げられたのが確認されるとすぐに、ヘリ搭載護衛艦に向かって発進した。

 

村田「どうなんだよ!?」

 

SBU隊員2「非常にまずいですよ・・・急いでちゃんとした場所で治療しないと!!」

 

慧音の傷口を見ていた隊員が叫んだ。影涼は、血だらけの手で慧音の傷口をガーゼで圧迫しながら名前をずーっと呼んでいた。

 

影涼「起きてくださいよ!慧音!!」

 

村田「もっとスピードを出せよ!!」

 

SBU隊員3「これが最大出力ですよ!!」

 

怒鳴り声に反応するように、慧音は目をゆっくりと開けた。慧音の目に映っていたのは、泣いて自分の名前を呼んでいた影涼の姿だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽香「そんなことが・・・」

 

早苗「無事で本当に・・・よかったです」

 

美鈴「死にかけだったんですね・・・」

 

咲夜「・・・本来と違う任務をしたから」

 

慧音「えぇ・・・私と影涼・村田は処分されたわ・・・神奈子幕僚長とレミリア陸将のおかげで何とか、教官勤務に収まったのよ・・・」

 

早苗「・・・でも、話を聞いていましたけど・・・影涼さんは、復帰するのですよね・・・特殊作戦群に・・・」

 

慧音「再び中国に向かう気よ・・・」

 

幽香「慧音はどうなの?復帰するの?」

 

慧音「私は、影涼のバディになりたいからここまで来たの・・・それに、前から戻りたかったの・・・影涼が中国に行くって言うなら、私も行く・・・そこで、死んでもね」

 

慧音は、屋上を後にして、階段を下って行った。4人は、黙って立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

慧音「(あんなに、過去を話したのは初めてかも・・・咲夜達はちゃんと受け入れてくれるかしら?)」

 

慧音は、廊下を歩いていると休憩室のテレビに群がっている隊員達を発見した。

 

慧音「どうかしたの?」

 

隊員1「慧音三佐、これを見てくださいよ」

 

画面には、中国国内の映像が流れていた。正規軍と反乱側の戦闘が繰り広げられていた。

 

慧音「醜いわね・・・」

 

隊員1「まったくです・・・同族殺しをするなんて・・・我々には理解できませんよ・・・どうしてこうなったのでしょうか?」

 

アメリカの失踪した諜報員が誘発させた事実を知る者が、あまりにも少ないため、知らない隊員はなぜ起こったのか理解できないでいた。

慧音は、再び廊下を歩き始めた。すると、窓を見ている影涼に出会った。

 

慧音「私は、咲夜達に話をしたわ・・・」

 

影涼「次は、私の番ですかな?」

 

影涼の顔には、殴られた跡が赤くなっていた。

 

慧音「・・・だ・大丈夫か?」

 

影涼「歯の詰め物が取れるかと思った・・・大丈夫でしたけど」

 

慧音「冗談が言えるなら、大丈夫そうだな・・・良かった」

 

影涼「冗談抜きで詰め物が取れるかと思いましたよ・・・村田め・・・詰め物のある歯を的確に殴りやがって・・・」

 

慧音「咲夜達はきっと、影涼の過去を全部知りたがっているよ・・・候補生計画の件も」

 

影涼「ロシアでの話はちゃんとしますが・・・その計画は・・・神奈子幕僚長の許可が無いとできませんよ」

 

慧音「咲夜達は、独自で調べて、候補生計画の一部までたどり着いたわ・・・時間の問題だと」

 

影涼「さすがですね・・・」

 

慧音「そろそろ、行くわ・・・神奈子幕僚長に返事を言いにね・・・影涼は?」

 

影涼「すでに言い終わりました」

 

慧音「そう・・・」

 

慧音と影涼は、軽く敬礼をして別れた。慧音は、神奈子の元へ、影涼は再び窓を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神奈子「待ってください!それじゃ・・・はい・・・わかりました・・・」

 

神奈子は、電話を置いてため息を吐いた。

 

神奈子「まったく・・・お使いのように軽く言って・・・」

 

扉が開く音がした。

 

慧音「神奈子幕僚長」

 

神奈子「ん?あぁ・・・返事か」

 

慧音「どうかしましたか?」

 

神奈子「いや・・・何でも無い・・・それよりも、答えは何だい?」

 

慧音「特殊作戦群に私は、戻ります」

 

神奈子「わかった、手配しよう・・・」

 

神奈子は、答えを聞いた瞬間、神奈子は、忙しそうにパソコンの打ち込み作業をした。慧音は、敬礼をした後、部屋を後にして影涼のいた、窓に向かった。

 

神奈子「・・・はぁ・・・部下を・・・また、危険な目に合わせるのか」

 

神奈子は、天井を見てフッと口に出した。パソコンの画面には、中国の衛星写真が表示されていた。

 

 

 

 

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